ATR鈴木専務のインタビュー第5弾 ~未来を担う若者への期待とアドバイス~

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ATR鈴木専務のインタビュー第5弾 ~未来を担う若者への期待とアドバイス~
未来技術推進協会のアドバイザーとしてご尽力頂いている株式会社国際電気通信基礎技術研究所(通称ATR)の代表取締役専務 経営統括部長・事業開発室長【鈴木 博之】さんのロングインタビュー。今回は全5回のうち最終回として、未来を担う若手へのアドバイスやマネジメント・成長戦略をご紹介。

みなさん、こんにちは。

シンラボ広報部 福田です。

未来技術推進協会のアドバイザーとしてご尽力頂いている株式会社国際電気通信基礎技術研究所(通称ATR)の代表取締役専務 経営統括部長・事業開発室長である【鈴木 博之(すずき ひろゆき)】さんにシンラボ広報部長の高橋さんと一緒にインタビューさせて頂きました。イノベーションや事業開発、人材育成などについて熱い思いを語っていただいたロングインタビュー、全5回に分けて公開してきましたが、今回が最終回となります。

今回の記事と合わせて過去のインタビュー記事も合わせてご覧下さい。

第1弾:研究者からマネージャーとしての生き方・考え方

第2弾:経営者への転身と研究者ならではの経営スタイル

第3弾:研究成果の事業化を目指した奮闘の日々

第4弾:ATRを舞台に研究成果を世の中に出す取り組みと未来技術推進協会とのつながり

― 目先の利益よりも長期的な大きな利益を目指した取り組みへ

これからの社会のことを考えると、若い人が本当に頑張っていかないとダメだと感じています。できれば、もう少し中間管理職が余裕をもって、長期的な視野での若手の成長を実現して欲しい。“損して得取れ”という諺がありますが、目先の成果ももちろん大事ですが、短期の成果を多少犠牲にしてでも長期的に大きな成果を実現するという視点も持って欲しい。

私の場合は、総計で1年半に渡って招聘(しょうへい)研究員や訪問研究員として海外の大学に滞在する機会がありました。当時私が日本に残っていたら、上司の視点からすると短期的にはもう少し成果が出ていたかもしれないです。ただ、外部から会社に戻ったときに2~3倍の力をつけてくる可能性もあります。そうなると、長期的な視野で考えれば会社にとってどちらがプラスになるのかという話になります。もちろん、全ての人に対してということではないですが、組織全体の中で短期と中長期のバランスをとった運営をした方が良いのではと思います。

結局、目先の成果のためだけに、自分の部下であるキーパーソンを手放さないようにすると組織全体がどんどん小さくなってします。そうなると、本当に優秀な人が伸びていかない。そういう繰り返しが会社全体ひいては日本社会全体に広がり、危機につながっていくと感じています。

― 未来技術推進協会の若手への期待

そのような観点で未来技術推進協会の皆さんのように具体的なアクションを起こしている人が極めて重要です。私はこれまでの社会人生活でかなり自由にやらせてもらった分、その経験を若い皆さんに伝えていきたいです。また、所属企業に業務を通じて貢献しながら、自分のやりたいことを実現する“うまさ”も是非身に着けて欲しいです。結局、自分がやっていることが会社への貢献になり、自分にとってもプラスになればベストじゃないですか。

― 自分のやりたいことを会社に認めてもらう努力

重要なことは、自分のやりたいことだけを主張するのではなく、自分のやりたいことを会社に認めさせることです。そのためには、まず会社(上司や同僚)に信頼してもらうこと、この人だったら仕事を任せても大丈夫だと認識してもらわないとダメです。同じことを提案しても、Aさんなら良くて、Bさんだとダメだということはたくさんあります。

だから、私は皆さんに「最初が大事だよ」と言っています。最初に“仕事が出来る人”だと思わせたら後は楽ですが、“ダメな人”だと思われたら同じことをやるにしても10倍大変です。最初にそこをクリアして、“自分の得意なこと”、“やりたいこと”、あるいは“熱意を持てること”を会社の中でオーソライズして、成果を上げていってもらいたい。そのような取り組みを継続することで、会社の中でどんどん信頼され、会社や個人の両方にとってプラスになることが一番です。私自身も、このような経験を少しでも若い皆さんに伝授できれば最高です。

― 若手の自由度の確保に向けた中間管理職の考え方

この点は色々なやり方がありますが、最も重要なことはその人の能力を見極めることです。まずはチームの中で出来る人を見極め、その人にかなりの自由度を与えることが大事です。その上で中管理職として責任を持って、その人をサポートしてあげる。

例えば、その人が外部のイベントなどで出張していた場合に、中間管理職が上司に指摘されても理由をちゃんと説明してあげるなど、若手に被害が行かないような配慮が必要です。ただ、このような自由度を与えるトレーニングが通用しない人がいるのも事実ですので、ちゃんと見極めて鍛えることが大事になります。また、中間管理職自身がその上司に信頼されている必要があるので、まずは自分が上司に信頼されることも重要です。


マネジメントの方針や事業と研究を結びつける価値、成長を加速する戦略など全文はこちら


ご紹介

株式会社国際電気通信基礎技術研究所

https://www.atr.jp/

研究内容

・脳情報科学
・ライフ・サポートロボット
・無線・通信
・生命科学

所在地 京都府相楽郡精華町光台二丁目2番地2(けいはんな学研都市)


シンギュラリティ・ラボ(運営元:未来技術推進協会

https://sinlab.future-tech-association.org/

所在地 東京都千代田区神田練塀町3富士ソフト秋葉原ビル12F (DMM.make AKIBA Base2610)

シンギュラリティ・ラボ(シンラボ)はシンギュラリティ時代をリードする、イノベーション × テクノロジー × SDGs をテーマとしたコミュニティプラットフォームです。20代の若手エンジニアを中心にテクノロジーを活かしたプロジェクトの立ち上げや、SDGs達成のための活動をしています。 台湾やインドとの新たなプロジェクトが始動しており、豊富な経験と専門スキルを生かした事業支援も行っています。

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