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データサイエンティスト女子部2017 第4回セミナー「ビジネスアナリティクスとAI」

人工知能 女子部 データ分析
データサイエンティスト女子部2017 第4回セミナー「ビジネスアナリティクスとAI」

2017年9月12日 GMO Yoursにて、データサイエンティスト女子部2017 第4回セミナーが行われました!

近年、バズワード化してビジネス活用が追いついてない「人工知能(AI)」。なぜビジネスに活用できていないのか、その中でデータサイエンティストはどのような役割を持つのか…。AIにまつわる課題を深堀りし、発展的なAI社会を迎えるために今、何をすべきなのかを考えるきっかけとなってもらえるよう、今回は女性だけでなく男性参加者も交えてセミナーを開催しました。

スピーカーには、第2回データサイエンティストオブザイヤーを受賞した日本航空 渋谷直正氏と、R言語のコミュニティTokyo.Rを主催し数々の著書を持つDatum Studio 里洋平氏を迎え、データサイエンティスト女子部よりJALインフォテックの筧朋子をモデレータに対談が行われ、男女合わせて90名以上が参加する中で「ビジネスアナリティクスとAI」をテーマに様々な話題が繰り広げられました。

ビジネスからみたAI

”AI”という言葉が一人歩きしている今、上司から「君は今日からAI担当ね!よろしく!」と言われて、どうしたらいいかわからず途方に暮れている人も少なくないはず。そんな時、AIやデータを使ってコンサル支援をする専門会社や自社でAIを活用する事業会社ではどのように対応しているのか?


里氏:お客さまのビジネスをヒアリングするようにしています。ビジネスの課題とデータのマッチングをして、まずはスモールスタートで動くものを作ってみます。動くものを作るとアイデアが沸くので。また、社内研修から入り「AIとは何か?」ということを理解してもらってから課題に適応するようにしています。

渋谷氏:AIを使うことが目的化されていることが多いのですが、課題解決の一手段としてAIがあります。何にAIを使いたいのか、というビジネス観点での着想が必要です。現場で課題を抱えている人に聞きに行くといいと思います。

里氏:あるべき姿(理想像)と現実のギャップをデータで埋めようと思っています。いつまでに何を達成したいのか、といった視点がずれているとうまくいかないですね。時間がないときはAIではなく、分析や集計でインパクトを出すことも大事です。目的と手段を明確にすることも重要です。

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説明力と予測精度

AIはどんな仕組みで結果を出しているのか、なぜこういう結果が出たのか、説明することはできるのだろうか?AIのブラックボックス問題は度々話題になっており、AIが出す答えに懐疑的になる一方で、予測精度を上げたいというジレンマに悩む人も多い。


渋谷氏:説明力と予測精度は両方とも高いことが理想ですが、一般的にはトレードオフの関係です。マーケティングでは精度を追い求めることよりも圧倒的に説明力が大事です。マーケターとしては、何が効いていたのかが知りたいのです。

里氏:AIという文脈では、予測精度を求めるお客さまが増えてきています。中身はブラックボックスですよ、と言いつつお客様のリクエストに応えて予測精度が高いものを持っていくと、今度は中身を説明してほしいと言われてしまったり(笑)。そして、またシンプルなモデルで作り直すのですが、それでは2度手間になってしまう。 人は唐突に答えだけを出されても納得しづらく、過程やストーリーに納得感があって初めて受け入れられます。だから先に因果関係を示してからAIで複雑な分析をするようにしています。

渋谷氏:精度はAIのアルゴリズムというよりも、投入するデータに依存します。データの選定が正しくないと、正しい答えが出ません。変数の目利きができるのは人間です。だからAIで精度を求めるよりも、その手前のデータを投入するところに注力した方がいいと思っています。

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AIの今後

AIが人の仕事を奪うとか、人間がAIに使われるという悲観論から、介護・製造・建設などの仕事を代替してくれたり、AIが人間にできなかった世の中の課題を解決してくれるというAI歓迎論まで賛否両論あるAIだが、二人が描くAIの未来とは?


渋谷氏:今、ホワイトボックス(理由が分かる)のAIの実証実験に取り組んでいます。一方、すでにチャットボットには取り組んでいて、マカナちゃんというアプリをリリースしました。ハワイへご旅行されるお客さまに対象を絞ったシンプルなサービスです。Facebookなどの投稿を理解してお客さまに最適なものをレコメンドするという取り組みで、今はまだ実証実験的な意味合いが強いのですが、面白いと思います。ただし、AIは”教え込む”コストがかかる事も分かってきました。また、今はWEBでのサービスにとどまりますが、もし空港の係員が急にロボットになったら、まだお客さまに受け入れられないのではないかと思いますね。

里氏:AIは流行って廃れてまた流行って…と続いているのですが、今のAIの流行がまた廃れるかというと、そうでもないと言われています。過去のAI研究が廃れたのはデータがなかったからです。今は機械学習の発展で学習効率が上がっています。かつて、インターネットをうまく使いこなす企業が伸びると言われていて実際にそうなりましたが、今はAI。積極的にAIに投資する企業が伸びていくと思いますので、ぜひ皆さんもAIに投資してください(笑)。

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AI時代のデータサイエンティストの役割

AIをはじめ、高度なデータ分析力を持つデータサイエンティストが今後の経済的発展のカギを握っており、データ分析の専門企業のみならずユーザー企業もデータサイエンティストを求めて、人材の争奪戦が繰り広げられている。一方で、AIの発達によりデータ分析の自動化が進み、データサイエンティストが必要なくなるのではないかという考えもある。


渋谷氏:データサイエンティストの仕事がAIに奪われるのでは?とよく聞かれます。データサイエンティストには、BAや統計解析ツールを使うビジネス系のデータサイエンティストと、アルゴリズムやAI製品を作るエンジニア系データサイエンティストがいます。今後は、AIが搭載されたツールを使って自分で分析するマーケター、ビジネスマンが増えてくるのではないでしょうか。ガートナーのいう、シチズンデータサイエンティストがそれに近いイメージです。そうなると、これまでのビジネス系データサイエンティストは、分析方針を指導したり、人材育成・マネジメントが主軸になってくると思います。

里氏:現場のことを一番わかっている人が分析するのが一番いいので、事業会社の中にデータサイエンティストは増えてくると思います。これまでのデータサイエンティストは育成する立場になるのではないでしょうか。実際に社内研修のニーズは増えてきています。これからデータサイエンティストになりたいという人も多いですが、エンジニアタイプだけでは弱くて、何を成し遂げたいか、という思いがないとスキルを身に付けるだけで終わってしまいます。ただし、ビジネスに触れると、それが刺激となって変わっていきます。 また、エンジニアスキルは高くなくても顧客の要望を満たすことはできますが、スキルがあるとスピードが速いので試行錯誤をたくさんできます。手法は目的を解決するための手段なので、そればかり一生懸命勉強しても効率が良くありません。SQLやデータの抽出・集計は自由自在にできるといいですね。



最後に

お二人には現状の課題から未来の話題まで、対談の中でAIについて様々な視点からお話しいただきました。目的と手段を明確にするとか、説明力の重要性など、AIに限らず普段の業務においても効率的かつ効果的に仕事をするためのヒントがたくさんあったと思います。役割は徐々に変化していくかもしれませんが、今後も多くのデータサイエンティストがAI・データ活用を通して社会で活躍することを期待しています!
データサイエンティスト女子部では、これからもみなさんが知りたいこと・聞きたいことをテーマにセミナーを開催していまります。今回のように男性が参加できる会もまた企画してまいりますので、また遊びに来てくださいね!

  多根悦子(株式会社ブレインパッド)

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