インターン時から感じた会社の風土──キャリアは社命ではなく、自分で決める

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インターン時から感じた会社の風土──キャリアは社命ではなく、自分で決める
富士フイルムビジネスイノベーションの風土の一つは、「若手社員の発想や提案を尊重し、広い裁量を与え、個々人の仕事のレベルの向上やキャリア開発を促す」。そのための新人向け研修プログラムで学んできた入社3年目の池田順哉氏に、社内研修制度やキャリア・スキル向上の支援がどのようにキャリアの成長に繋がっているかを語ってもらった。

インターンがきっかけで、他大学の仲間と一緒に学会論文を執筆

──現在担当されている仕事の概要をお聞かせください

池田:当社には「Working Folder」「Smart Workstream」という文書管理のクラウドサービスがあるのですが、入社後1年目はその商品開発担当で、仕様検討、機能設計、実装、テストといった一連のプロセスを一通り経験しました。

2年目からは、同製品の開発・保守をしながら新機能の提案を行っています。自然言語処理技術を用いた機能のプロトタイプ開発や検証などですね。最近は、オフィス内ドキュメントの情報検索機能を支える技術の一環として、OpenAI社が提供するChatGPTモデルをサービスに導入できないかと目論んでいるところです。

——AIの研究を始めたのは、大学・大学院からですか?

池田:大学院は知能システム工学専攻で、「深層学習を用いた音楽感情認識手法の開発」をテーマに研究していました。例えば、モーツァルトを聴いている人はどこに感動するのか、周波数やテンポを変えると、その感情はどう変化するのかというような研究です。

——富士フイルムビジネスイノベーションに入社を決めたのは、大学院時代のインターンがきっかけになったそうですね

池田:マルチモーダルAIという研究領域があるのですが、その研究開発体験をしてみたいと思って探したところ、当社のインターンを見つけました。インターン生は総勢30名ほどで、5つのチームに分かれて5日間ほど研修を受けるのですが、そのチームの中にとても優秀な学生がいたんですね。

その人をリーダーに、ドキュメントに書かれている内容と画像の整合性をAIで測定し、間違っていたら指摘するというマルチモーダルAI技術の応用例に取り組みました。その研究報告が、インターンの成果発表会で高く評価されたのです。

その結果、5日間で終わるのはもったいないので、もっとこの研究を続けようということになり、インターン期間終了後もメンバーが集まって研究を論文にまとめました。論文タイトルは「マルチモーダル深層学習を用いた画像とテキストの意味理解に基づく整合性判定」。人工知能学会に発表するところまでやりきりました。

インターンシップはとても楽しかったですし、若い人たちのやり遂げたいという思いを応援してくれる会社だと実感しました。インターンシップを指導してくれた先輩社員がとても技術に詳しく、のびのび働いている様子にも憧れました。みなとみらいのオフィスからの眺めが素敵だったことも決め手の一つです(笑)。

富士フイルムビジネスイノベーションは複合機という収益源がしっかりしていて余裕をもって仕事ができそうだと思いましたし、福利厚生の充実も魅力でしたね。

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 池田 順哉氏
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
ソリューション開発部 商品開発グループ 池田 順哉氏
大学・大学院は情報系学部で音楽感情認識・レコメンドをテーマに機械学習・深層学習について学ぶ。2021年新卒入社後、クラウド製品の文書管理・共有クラウドサービスの開発と運用を担当。2022年からは技術開発グループと商品開発業務の間での橋渡しを担当。現在は次期機能搭載に向けて、大規模言語モデル ChatGPTを用いた検証などの技術開発に携わる。

絶えず新しい技術に触れていることが、エンジニアの成長には不可欠

——その福利厚生の中で、最も魅力を感じているものは何ですか?

池田:私は地方出身なのですが、首都圏に勤務となるとやはり住宅問題が悩みの種となります。この点に対しては、当社では借り上げ社宅の場合、70%まで家賃を補助してくれます。これはかなり魅力的な制度ですね。

——教育制度についてはいかがでしょうか?

池田:自分自身が学びたいと思うタイミングで学べるように、オンライン研修サービスが充実しています。私自身も新卒入社直後は、Track Training という外部のオンライン学習サービスでJavaやPythonを学びました。

学生時代にLinuxサーバーの保守や機械学習のライブラリに触れるなど、ITの基本知識はあったのですが、Javaはほとんど触ったことがありませんでした。Udemy、Aidemy、GLOBISなどの研修サービスを自由に選べる制度が用意されており、現在は Udemy Businessのオンライン講座を受講しています。

他にも、オブジェクト指向やデザインパターンなどプロダクト開発にあたってのベースの考え方を学べるカリキュラムも豊富に用意されていて、勉強するのにはとても良い環境だと思います。

エンジニアにとっては実際の開発環境に触れて、そこで手を動かすというのは大切なことです。AWSやGCPのハンズオン研修に会社の費用負担で定期的に参加できることも、とてもありがたいと思っています。

オンライン講座を視聴するのは、朝の出勤で乗る電車の中が多いですね。帰宅後は、コーディングの講座を見ながら手を動かすというように、ほぼ毎日欠かさず、何らかの研修プログラムに参加しています。

今は新技術開発の仕事を担当しているので、新しいプログラミング言語や技術をなんとかキャッチアップできているのですが、通常の開発や保守の業務では、ずっと同じシステム、同じ技術しか使わないという状況になることもあります。

新技術に触れていないと、気づいたら世の中のトレンドに遅れを取ってしまいかねない。自分の業務で必要なものはもちろん、たとえ今は必要がなくても、絶えず新しい技術に触れていることが、エンジニアの成長には不可欠です。そのための研修プログラムだと思いますし、研修・教育体制が厚い会社を選んでよかったと思います。

インターン時から感じた会社の風土──キャリアは社命ではなく、自分で決める 画像1

——他に富士フイルムビジネスイノベーションを選んでよかったと思う点はありますか?

池田:技術開発だけでなく、営業やマーケティングなど市場をちゃんと知っている部門があることですね。技術開発ではユーザーがどんな機能を欲しがっているのかと、ユースケースを探るところからスタートするのですが、そうした声を大規模な販売チャネルを通して日々集めている部門が同じ会社の中にあるというのは、いいですね。わざわざ他の企業に聞きに行かなくても自社の営業の人に聞けば、ユーザーの声が聞けるわけですから。

ぶつかっても簡単にはめげない。ChatGPTは今が導入のチャンス

——通常の一日における仕事スケジュールを教えてください

池田:ある日のモデルに、表を作成してみました(※以下の表参照)。今のチームでは、1年前からScrum開発の手法を採り入れています。スプリント期間を2週間に設定しているので、それに沿ったレビューや期間終了後の振り返りも、日常のスケジュールの中に組み入れています。

■1日の業務の流れ ※例
(スクラム技術開発を実施中。実現手段/クラウドサービス構成/プロトタイプ/検証結果/コスト概算等)

8:45 スケジュール・メール確認、TODO整理
10:00 デイリーミーティング
10:30 検証用プロトタイプ開発・修正<コーディング>
12:00 昼休憩
13:00 仕様書作成(実現手段・システム構成検討)
14:30 コスト試算
15:30 検証
17:40 退社

——現在は商品開発グループに所属されていますが、担当の仕事としては基礎的な要素技術を開発する技術開発グループと、商品化を進める企画・マーケティング部隊の中間の立ち位置でしょうか?

池田:技術開発グループが開発する技術は良いものも多いのですが、やはり商品化するにあたってはいろいろな障壁がありますし、改善対策も必要です。UIをどうするか、コストはどれくらいかかるのか、あとクラウドサービスなのでローカルで開発していた技術をクラウド側に載せるときにどういう構成にしたらいいかなどの検討を担当していますね。

そうした課題や対策を考えて、商品を具現化するチームにつないでいく役割を担っています。技術の面では技術開発の方と話すことが多いですし、新機能の提案をしたいときは、企画・マーケティングの方に提案してフィードバックをもらい、話し合いながら改善を進めていくという感じですね。

——意見の違いが生じることもあると思いますが、そんなときはどうしていますか?

池田:正直なところ、ぶつかることしかないです(笑)。例えば、今私が進めている ChatGPTのような大規模言語モデルを文書管理サービスに導入する提案では、企画セクションからはコストがかかりすぎると指摘され、必要性も薄いため時期尚早ということで、一度は却下されてきたんですね。

でも最近は ChatGPTを使うコストもかなり低くなってきたので、性能も格段に向上しています。世の中的にもあっという間に ChatGPTが知られるようになりましたし、衝撃的といっていいくらいの変化もありました。

今こそが導入のチャンスだと考え、急いでプロトタイプを作っているところです。もし、もっと早く大規模言語モデルを導入していたら、新しいものを載せ替えるだけで進められたので技術的にも簡単でしたし、他社に先駆けたサービスになっていたかもしれません。そこは少し残念ですが、先手を打つことの重要性をあらためて感じているところです。

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常日頃の「発信」が次のキャリアを切り拓く鍵となる

——仕事で板挟みになったり、自分の提案が通らなかった場合はどうしていますか?

池田:チームの中では私が最年少なのですが、意志をもって強く意見を言うことも多いですね。自分の意見や提案を通すためには、自分の担当だけでなく、話をする相手の領域にまで踏み込んで、その仕事を理解することも大切だと考えているからです。

例えば単にコードを書くだけじゃなくて、UIデザインやマーケティングのことも勉強して、相手の話も理解した上で、話を進めていくようにしています。一言でいえば、自分の立場を主張するだけでなく、相手の立場も理解し、領域を越境しながら仕事を進めていくということでしょうか。

学生時代は技術一本でやっていきたいという思いが強かったのですが、最近は意外と開発より企画向きかもしれないと考えるようになりました。とはいえ、エンジニアとしてプログラムを書けなくなってしまうのも怖いので、これからどのようなキャリアに進むべきか、迷っているところではありますね。

——最後に、池田さんが考えている「今後の目標」をお聞かせください

池田:現在はチームの一メンバーという立ち位置ですが、いずれはプロジェクトリーダー、マネージャという方向に進んでいきたいと思います。「コードを書けるプロジェクトリーダー」が目標です。

自分の思う方向に社内でのキャリアを広げるためには、常日頃から「私はこういう方向に進みたい」と、自分から発信していくことがとても重要だと思います。実際、新卒2年目で1年目とは違う業務を担当することになったのですが、それも私自身が「これをやりたいです」と声を挙げていたから、アサインされたのです。

当社にはキャリアは社命で決まるのではなく、社員自らがキャリアを決め、会社はそれをサポートするという風土があります。それを保証するさまざまな制度もあります。それをこれからも最大限活用していきたいと思っています。

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【取材を終えて】     

インターンシップでの出会いが新たな発想につながり、学会での論文発表にまで至った池田さんたちの研究。論文には、インターンで知り合った他大学の学生や、富士フイルムビジネスイノベーションの社員ら8人が共同執筆者として名を連ねています。

企業のインターンシップが大学の枠を越え、文字通り“インターカレッジ”で新しい知の地平を拓くきっかけになりました。この「越える」ということは、もしかすると池田さんの得意技かもしれません。

では、商品開発を進める上で、他の部署と意見が異なった場合はどうするのか。簡単にあきらめたり、対立をそのままにしたりするのではなく、相手の仕事領域にまで一歩踏み込んで、着地点を用意する。共同作業を進めるためにこそ、境界を越えることが大切だというのです。

池田さんには、これからも一つのスキルや経験に閉じこもるのではなく、その枠を軽やかに越境し、キャリアの幅を広げていくことを期待したいものです。

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の新卒採用情報
https://techplay.jp/r/790c6593
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社のキャリア採用情報
https://techplay.jp/r/d36646f1
富士フイルムビジネスイノベーションは1962年の創業以来培ってきた「紙に情報を複写する」というビジネスからの事業構造転換を進めています。働き方革新やデジタルトランスフォーメーションを支援する商品やサービスの提供を通じ、お客様の経営課題の解決に貢献します。

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