【みんなのコード×GMOインターネットグループ×ウイングアーク1st】北九州の事例から考える「未来のエンジニアを育てるためにエンジニアができること」とは?──KITAKYUSHU Tech Day1
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国内スタートアップから世界的IT企業、そしてNPOへ【みんなのコード】
特定非営利活動法人みんなのコード CTO
ビジネスブレイクスルー大学 経営学部 准教授
清泉女子大学 特任准教授 安藤 祐介氏
最初に登壇したのは、みんなのコードのCTO安藤祐介氏だ。大学在学中よりフリーランスとして多数のウェブシステム開発に携わり、その後、国内外の様々なIT企業にてソフトウェア開発に携わる。2015年、Facebook(現Meta)に入社。2023年より、みんなのコードにCTOとして関わり、他にも大学の准教授などの肩書も持つ。
安藤氏は自身のキャリアを大きく3つのフェーズに分け、それぞれの転機となる際に意識したキーワードとともに詳しく紹介した。
まずはPhase1である。安藤氏とプログラミングとの出会いは幼い頃、両親に買ってもらったホビーパソコンだ。ゲームがやりたい一心で、当時のパソコン雑誌に記載されていたソースコードを打ち込むことから始まった。
ただ当時は、プログラミングはあくまでゲームをやりたいための手段であり、大学では文系に進む。当時は就職氷河期だったこともあり、就職はせずに起業という道を選び、フリーランスのエンジニアとして、Webシステム開発などに従事するようになる。
フリーランスのエンジニアとして経験を積んだ後は、楽天に入社する。ソフトウェア開発に携わるとともに、コミュニティ活動にも傾倒していく。安藤氏はPhase1を振り返り、「一期一会」のキーワードを掲げ、次のようにアドバイスを送った。
「プロジェクトで一度しか会ったことがない人でも、一緒に働いていて楽しいと感じた人は大事にした方がいいでしょう。仕事だけではなく、食事会や各種イベント、コミュニティ活動なども、世界を広げてくれるので、積極的に参加すべきだと思います」(安藤氏)
次に安藤氏が挙げたキーワードは、「think outside the box(既成概念にとらわれずに考えろ)」だ。楽天や国内のITコミュニティで活躍していた安藤氏は、次第に海外のOSや関連するコミュニティへの興味が増していく。
そして実際にドイツで開催されたカンファレンスに行くと、人生が変わるほどの異世界体験をし、海外で仕事がしたいと強く思うようになる。
折しも楽天が海外展開に乗り出したタイミングと重なり、楽天のアメリカ子会社に赴任。2年半ほど世界中から集まったソフトウェアエンジニアと仕事も含め、交流を深める。
その後は外資のクラウド系のベンチャー企業の日本支社に転職するが、その際の判断についても、次のような経験を語った。
「コミュニティのつながりで、その企業で働いている知り合いがいたので、その人のブログやTwitter(現X)を見て、ポジティブに働けているかかなどを見ていました。また、直接相談し、アドバイスももらいました」(安藤氏)
まさにコミュニティでの一期一会を大切にしている、安藤氏らしいメッセージである。そして、再びキーワードを示した。「give more than you take(あなたが受け取る以上のものを与えよ)」である。
これまで、国内外のITコミュニティに積極的に参加していた安藤氏だったが、以前はただ参加するだけで、フリーライダー的な参加者であった。
しかし、先のキーワードを意識するようになってからは、これまで得た自分の経験や知識を、以前の自分のように参加者に与える側となり、イベントなどで積極的に登壇するようになる。
「海外のカンファレンスではどうしても言葉の不安などもありましたが、一歩踏み出すことで得られるものが多くありました」(安藤氏)
そして再び、一期一会を大事にしていた安藤氏の元に、以前の同僚からの紹介でFacebook(現Meta)からのオファーを受け、入社する。ここでも安藤氏は、以下のようなアドバイスを送った。
「職務経歴書は放置しがちですが、常にメンテナンスしておくことです。また、外資系企業で働きたいと考えている人は、英語の履歴書もいつでも出せる状態で用意しておくといいですよ」(安藤氏)
世界的な外資系企業で働く事で業務の範囲や権限が広がり、刺激的な体験をする一方で、難しい場面に直面する事も出てきたと安藤氏は振り返る。海外により時間を割くことは、日本のコミュニティや、つながりに力を割けない事でもある。徐々に日本の社会に関する活動への関心を高めていく。
そして一転、安藤氏は国内のNPO法人、みんなのコードで働くというキャリアを選択する。自身のキャリアも含め、一枚のスライドを投影し、こう語った。
「登るルートが1つしかないはしご的なキャリアは、上に行けばいくほど報酬も権限も高まりますが、最適化された生き方をする必要があります」
安藤氏は、スライドの右側、ジャングルジムのようなキャリアが大事だと続けた。
ジャングルジム的なキャリアとは、まさに見たままである。最短距離で上まで登っていくのではなく、金銭、技術力、地域、業界、コミュニティなど、様々な軸をいい意味で寄り道しながら登っていき、結果として見晴らしのよい頂上に到達していく。
「はしごでは一人しか登れないので他人を蹴落とさなければなりませんが、ジャングルジムの場合はみんなで協力しながら、より良い景色を見ることもできます」と。 続いて、安藤氏はみんなのコードのビジョンを語った。「誰もがテクノロジーを創造的に楽しむ国にする」とのビジョンを掲げるみんなのコードでは、以下スライドで示された4つの事業に取り組んでいる。教員養成事業では、プログラミングが苦手な教員にワークショップなどの研修を行っている。
教材開発事業では、学校の授業において無料で使うことのできるプログラミング教材『プログル』を提供する。
子どもの居場所事業では、3DプリンターやVRゴーグルなどが置かれた拠点を全国各地9つの地域に設け、子どもたちがテクノロジーを通じて創造的で自由な活動が行える環境を整備している。
さらには、プログラミング教材などで得た情報などをもとに、情報教育に関する政策提言も行っている。安藤氏は具体的に使っているプログラミング言語や開発環境など、技術スタックも示した。
そして、なぜ自分がNPO法人というキャリアを選んだのか。次のように述べ、セッションを締めた。
「子どもたちには、『民間教育×公教育格差』『地域格差』『学校間格差』といった、様々な格差があります。資本主義的な取り組みでこの格差を埋めることは難しく、非営利のNPO法人だからこそできると考えています」(安藤氏)
インフラエンジニアを育成し、活躍の場を地方から拓く【GMOインターネットグループ】
GMOインターネットグループ株式会社
アプリケーション開発本部 アクセス開発部
とくとくBBチームプロダクトチーム
マネージャー 村上 悠氏
続いて登壇したのは、GMOインターネットグループの村上悠氏だ。北九州市で生まれ育ち、地場のSIerで10年以上ソフトウェア開発に従事した後、2018年にGMOインターネットグループに入社。同社ではプレイングマネージャーとしてプロダクト開発を行いながらも、技術広報的な役割も兼務。小学校のプログラミング教育や、各種エンジニアの育成講座の企画や主催などにも携わっている。
村上氏はまず、同社の主軸事業であるインターネットインフラと、同事業に携わるインフラエンジニアの役割を紹介した。
インターネットインフラは電気・水道・ガスと同じように、今では多くの人が自宅で利用している、なくてはならない社会インフラである。
私たちの日常生活に重ねれば、ネットワークが道路であり、住所がドメインとなるなど、インターネットインフラの知識が乏しかったとしても理解できるよう、村上氏はわかりやすく丁寧に解説した。
インターネットインフラは、サーバーやストレージなどのハードウェア、データベースなどのミドルウェア、さらには各種OSなどのソフトウェアといった要素や、ドメインから構成されている。
これらはITインフラと呼ばれ、それぞれの領域を専門に手がけるエンジニア人材がインフラエンジニアと呼ばれる。
「関わる内容や領域が幅広く、深度も異なるため、企業によってインフラエンジニアの役割も異なります」と村上氏は述べた上で、同社のインフラエンジニアの役割を紹介した。
「方針設計フェーズでは、設計思想やシステムの構成を設計するアーキテクトの存在が重要であり、他の社会インフラと同じく絶対に止められない。止まったとしても、支障がないシステムや仕掛けを講じる必要があるため、経験豊富なスペシャリストが担当することが多いです」(村上氏)
環境設計フェーズでは、アーキテクトの思想を具体的に設計していく。例えば、各種システムを調達したり、サーバーラックの構成図の作成などが行われる。
続いて実装を行う。GMOインターネットグループでは、オープンソースのクラウドコンピューティングプラットフォームであるOpenStackを、アレンジして利用している。
上記スライドで分かるように、コンポーネントは多岐にわたり、それぞれのコンポーネントごとに専門のインフラエンジニアが属し、開発を進めている。
リリース後はシステムを24時間365日監視する監視エンジニアや、バグなどに対応する運用・保守エンジニア、さらには問い合わせに対応するオペレーションエンジニアなどが担当する。こちらも様々な役割のエンジニアがそれぞれの専門領域で活躍している。
GMOインターネットグループでは、2018年4月に北九州市にエンジニア部門としては初の地方拠点となる「GMO kitaQ」を設けた。その後は事業領域の拡大なども含め、事業ならびにオフィス規模も拡大。現在では170名規模にまでなっている。
村上氏は、なぜ北九州市で事業を展開するのか。そして、特にインフラエンジニアの育成に注力している理由や意義を、自身が生まれ育った経験と合わせて、大きく分けて3つ語った。
1つ目は、北九州市が自動車、電気、半導体、素材など、様々な業界の主要企業、特に製造業が多く集まっている地域であったことだ。加えて昨今は、環境やエネルギー分野ならびにIT企業など、先端と呼ばれる業界の企業なども多く進出している。
「北九州市には、ものづくりのスピリットも含め、レベルの高いエンジニアが集まっています」(村上氏)。
2つ目は、地震や台風といった自然災害が少なく、津波のリスクも低いからだという。 3つ目は、大学や高専が集まっていることだと語る。 「優秀なエンジニアを輩出している九州工業大学や北九州高専もあります」(村上氏)
GMOインターネットグループでは、そうした学校に通う学生に向けたイベントや、大学で特別授業を開催している。さらには学生がオフィスに行き、実機を使ったサーバーの構築を体験するワークショップやハンズオンなども開催するという。
このような取り組みを通じ、インターネットインフラならびに、インフラエンジニアに興味関心を持ってもらう。さらには、そういった流れでインフラエンジニアに成長してもらう未来像を描いている。
エンジニア育成やDX推進で、北九州市の地域創生を加速【ウイングアーク1st】
ウイングアーク1st株式会社
People Success部 部長 宮本 隆輔氏
続いて登壇したのは、ウイングアーク1stの人事部門全体をマネジメントしている宮本隆輔氏だ。サイバーエージェントで、採用や新規事業の立ち上げ業務に責任者として携わるなど、マネジメント関連のキャリアを積んだ後、2022年にウイングアーク1stに入社し、人事部長を務めている。
2004年に設立したウイングアーク1stは、帳票ソフトウェア市場においてトップシェアを誇る帳票基盤ソリューション「SVF」や、各種データ関連の分析・活用ソリューションなど、主にBtoB領域の事業を手がけている。
一見すると企業向けのサービスだが、郵便の受取伝票や大手回転寿司チェーンの注文予測や在庫分析など、私たちの暮らしに直結するサービスを開発、提供している企業でもある。
ウイングアーク1stは2020年に、J3で活躍する北九州市のプロサッカーチーム、ギラヴァンツ北九州とパートナー契約を締結したのを契機に、北九州市の行政手続きのDX伴走支援にも注力している。
その後も地域創生モデルの創出や産官学の連携により、さらなるDXを推進させるべく、協定を締結。2024年8月には北九州市に「地域創生ラボ」なるオフィスを開設。北九州市と連携しながら、地域創生ならびにエンジニアの育成に取り組んでいる。
北九州オフィスは基本フルリモートの働き方であり、東京から移ってきたメンバーも少なくなく、これまでの既存顧客とのやり取りも継続している。一方で、地元大学と提携して講義を開催したり、奨学金を提供する活動も行っている。
その他にも、大学でハッカソンイベントなどを開催し、エンジニアの育成も行っており、北九州オフィスのメンバーは、こうした業務も既存業務と並行して行っている。
今後は北九州オフィスのメンバーを100名ほどまでに増やし、小学校段階からの育成や、DX推進人材の育成、地元の中小企業の支援も行っていくという。
「既存のビジネスに加え、社会貢献事業も積極的に取り組んでいくことで北九州市を盛り上げ、人口の増加にも貢献していきたい」と、宮本氏は今後の展望を述べ、セッションを締めた。
【パネルトーク】地方創生や未来のエンジニア育成について語り合う
登壇セッションが終わった後は、未来のエンジニア育成や地方創生について語り合った。ウイングアーク1stからは宮本氏に代わり、地域創生ラボの副ラボ長である石山雅規氏が参加した。
ウイングアーク1st株式会社
地域創生ラボ 副ラボ長 石山 雅規氏
テーマ1:未来のエンジニアを育てる必要性を、どう感じていますか?
安藤:少子高齢化や人口減少などにより、日本ではエンジニアだけでなく、学校の先生など職種問わず人が足りず、待ったなしの状況です。このような状況において、生産性を高めるためにテクノロジーは必要であり、その仕組みを作るエンジニアが必要なのは間違いないです。今後ますます重要になっていくでしょう。
村上:アーキテクト職種の年齢が40~50代と高まっており、若い世代に引き継ぐ必要性を感じています。若い人材には新しい技術なども吸収してもらいたい。このような想いもあり、直近は特に大学生に対して育成活動を行っており、エンジニアリングに関わる人材を増やしていきたいと考えています。
石山:理系離れやエンジニアの不足は社会課題だと捉えており、人材を増やすために施策をあれこれと実施しています。例えば、小学生向けのプログラミング教室や、六本木の本社に中高生を招くような機会を提供するなどですね。その他にも、講演セッションで紹介した大学でのハッカソンや授業については、今後も増やしていきたいと考えています。
テーマ2:地域でやることの大切さは、どんなところにありますか?
村上:インターネットインフラを提供している企業として、東京への一極集中はリスクがあるという経営判断もあり、北九州市での拠点開設となりました。土地柄や雰囲気が当社のビジネスとマッチしていることも、大きな要因でした。
一方で、実際に人材が集まるかどうかが課題でしたが、いざ開設してみると優秀なエンジニアの採用・育成が進んでおり、一線級のエンジニアに成長しつつあります。北九州オフィスのエンジニアだけでも、インターネットインフラが維持できると、今では考えています。
もう1つ、私が就職活動をした際には地場のSIerは数も少なく、大企業もありませんでした。そのため、北九州市を離れていく人材が多かったんですね。こうした背景からも、弊社が北九州市で事業を展開するのは、大きな意義があると捉えています。
石山:東京で長年働いていましたが、製品の保守運営や、指示された仕事を滞りなくこなす業務が多く、視野が狭まっていたように思います。
一転、北九州市に戻ってきてからは、地元の企業やエンジニア、さらには市役所の人たちなど多くの人たちとコミュニケーションを取る機会が増えました。その結果、地域が抱える課題も見えてくるようになりました。地方に戻ってきたからこそだと思っています。
テーマ3:「未来のエンジニアを育てる」に関わる、モチベーションややりがいは何ですか?
安藤:たしかに教える我々の方が技術スキルはありますが、実際に育成を行うと逆に、教えている側から教わることや、新たな視点や考え方に気づかされることがたくさんあります。
村上:ハンズオンやワークショップを通して、学生が勢いよく成長しているのを感じることが楽しいです。
もう1つ、今8名ほどのメンバーと一緒に事業を進めているのですが、私とコミュニケーションを取ることにより、自発的にやれることが増えていくなど、メンバーの成長を感じることです。そして将来的には、大きなパフォーマンスを発揮するチームになるだろうと思える。未来に対するワクワクを感じられる点もやりがいです。
石山:以前は自身が作ったプロダクトが、どのように使われているかが見えていないことが多かったんですね。でも現在は、エンドユーザーと直接話す機会が多くなりました。このようなコミュニケーションの機会を、若い人材に経験してもらうことを意識しています。
私が感じたやりがいを同じように感じてもらうことや、楽しそうにものづくりをしている若手の笑顔を見ることが、自分のモチベーションにもなっています。
テーマ4:いま、幸せですか?どんな時に感じますか?
村上:北九州市のオフィスが開設したときは、人数も30名ほどでした。それが今ではいないと困ると認められ、人数も170名を超える組織に成長しています。
もう1つは、それまではアプリエンジニアだった学生が、エンジニア育成イベントでインフラ業務に興味を持ち、インフラエンジニアとして就職したことです。弊社への就職ではありませんでしたが、涙が出そうなほど感動しました。
安藤:NPOで働くことは、予想以上の充実度があると思っています。具体的にはウェルビーイング(Well-being)を表す、PERMA(P=ポジティブな感情 E=エンゲージメント R=人間関係 M=意味 A=達成感)を満たしているからです。
石山:まさに今です。地元に戻ってきた安心感もありますし、自分の子どもに以前は難しかった仕事の説明をしやすくなりました。
テーマ5:ずばり、「エンジニアが感じる北九州の魅力」とは?
村上:エンジニアに限ったことではありませんが、小倉を中心に必要なものがぎゅっと揃っている点です。加えて、物価も安くご飯もおいしい。コミュニケーションも取りやすく、飲みの席で知り合った人と友だちになったりもします。東京と比べて自然が多い点も魅力で、メンバーの中にはアウトドアのアクティビティに夢中になっている人もいます。
石山:村上さんと同じく、スモールシティで過ごしやすい点です。フルリモートではありますが、みんなオフィスから徒歩圏内に住んでいるので、オフィスで仕事をしたいときは気軽に行くことができます。オフィスに行くためには満員電車に乗る必要がある東京とは、大きく異なります。
安藤:満員電車がまさにそうですが、都市が発展し続けると、人が街に合わせる必要が出てきます。そういった観点からも北九州市は可能性が高いですし、縁がある方にとっては自分自身のバックボーンも押し出していける地域だと感じています。
UIJターンを検討している人へ
安藤:私は実際に日本、海外、日本と場所を変えてきましたが、動くと何とかなるものですし、チャンスを探すにはよい行動だと思います。
村上:東京では開発業務やエンジニアリング業務に偏りがちですが、地方であれば清掃活動などの地域貢献イベントや、エンジニア育成、ハッカソンといった業務などにも携わることができます。このような業務に興味がある人は、ぜひ!
石山:子育てや親の介護など、年齢により様々な問題はあるとは思いますが、一歩踏み出すといろいろとチャンスや機会が広がると考えています。ワークライフバランスを意識しながら、移住を検討してもらえればと思います。
【Q&A】参加者からの質問に登壇者が回答
セッション後は、イベント参加者からの質問に登壇者が回答した。抜粋して紹介する。
Q.自分の子どもに対する情報教育について
安藤:エンジニア界隈でも、どうしてもサラブレッドに育てたいと先回りしがちです。ただそのような取り組みでは、子どもは逆にやる気がなくなるというケースが少なくありません。
そのため、「興味がある」「やってみたい」など、やってみようとなるまでじっと待つことが大切です。どっしり構えて待つのがいいと思います。
Q.学生向けハンズオンの詳細について
宮本:大きく2つの取り組みをしています。1つ目は学生が使うシーンが少ないAWSを、我々のアカウントを利用して使ってもらうことです。これを1週間行います。
もう1つは3カ月というスパンで、Udemyのアカウントを同じく学生に貸与し、学習してもらいます。学習の様子や状況は開発エンジニアが確認し、遠隔でコーディングの指導をしたり、実際に会ってモックなどをチェックしています。
Q.ハッカソンの企画内容ならびに体制について
村上:全員がエンジニアで、運営部隊はいません。企画は私が主となりますが、現役のインフラエンジニアに考えてもらっています。業務リソースは通常のワーク内で割くため、上長とも相談しながら進めています。
石山:ソフトウェア会社ではありますが、あえて別の視点、ソフトウェアには関わらないことなどにもこだわっています。例えば先月は九州工業大学のメンバーと一緒に、ギラヴァンツ北九州のファンが増えるかどうかといったテーマのハッカソンを行いました。今後もいろいろと予定しています。