デジタルトランスフォーメーションに向けた学校法人が取り組むワークスタイル変革とは?
◎日立コンサルティング×TECH PLAY
会場は、IT関連の勉強会やセミナーが多く開催される「TECHPLAY SHIBUYA」。当日は人事や事業企画系の従事者のほか、WEBプロデューサー、エンジニア、コンサルタントなど、職種に関わらず多彩な顔ぶれの参加者が集まった。
ワークスタイル変革にデジタルイノベーションを活用
▲最初に西岡が登壇し、本日のイベントの概要を説明
「日立コンサルティングでは、公共や金融関係などの分野で日立グループで得た強みを活かしたサービスを行っていますが、業種・業界によらず今注目を集めるAIやデジタル活用、イノベーションに関するサービスも得意としています」(西岡)
「働き方改革関連法案が施行されたことで、業務効率を向上させるためにデジタル技術をどう活用するのかについて、企業や教育機関などの関心が高まっています。そうした世の中の動向を踏まえ、本セミナーのテーマを”ワークスタイル変革とデジタルトランスフォーメーション”に設定しました」(西岡)
具体的な取り組み事例として、桜美林大学による”ワークスタイル改革”が紹介された。これは2017年に始まり、3つのフェーズに分けて2022年ごろまで継続する予定の、日立コンサルティングが長期的に取り組むプロジェクトのひとつだ。
厳しい社会状況と難しい運営を強いられる事業で求められるワークスタイル変革とは?
~桜美林大学の取り組み事例~
▲続いて登壇したのは、桜美林大学のワークスタイル変革を実際に担当している篠塚
国内の多くの大学が直面する危機的状況を打破するための都心回帰が始まっている
「国内の多くの大学では”少子化による学生不足”と”学生不足からくる資金不足”そして”教職員不足”という3種の不足により、経営において非常に厳しい負のスパイラルが起こっています。さらに文部科学省による私立大学の定員厳格化により学生数の上限が制限され、学納金は頭打ちになっているという事情もあります。様々な業種・業態の中でも、大学は1、2を争うほど困難な経営を強いられています」(篠塚)
こう話すように、一部の人気大学を除いたほとんどの大学が、同様にひっ迫した状態なのだという。そこで各大学は人気回復策のひとつとして、キャンパスの都心回帰の傾向を強めている。
桜美林大学はユニークなカリキュラムとグローバルな人材育成が特長で、アメリカ・イギリス・中国など34か国・地域、170を超える海外の大学・機構と提携しており、グローバル社会に豊かな教養をもって柔軟に適応できる国際的人材を育成するビジョンを設定している。 メインキャンパスは東京都町田市に所在しているが、2019年にはビジネス・経営の実践的教育を強化した新しいキャンパスを新宿にオープンした。また、2020年4月には、大学の特色を打ち出すため、芸術文化を学ぶ場として東京ひなたやまキャンパスを開校予定だ。 しかしこのような多キャンパス化は、事務拠点が分散し、会議時などの移動をはじめさまざまな場面で大学職員の負担を確実に増やすことに繋がるため、ワークスタイル変革に取り組み始めた。
ワークスタイル改革の第一歩はペーパーレス化!現状を可視化して取組みを促進
桜美林大学が改革に着手したのは2017年、第1フェーズ”ワークスタイル改革1.0”からスタートした。ここで日立コンサルティングが最初の課題として提案したのが”ペーパーレス化によるコミュニケーション基盤の見直し”である。
「現状の文書量を可視化することで、重要性を認識し、積極的に取り組んでいただきました」(青山)
ペーパーレス化は一般的に抵抗感を持たれることが多いが、桜美林大学では現状の文章量の可視化を行うことで、スムーズに進んだ。
「ペーパーレス化によって、文書保管のためのスペースを削減。空いたスペースを有効活用して、教職員のミーティングや作業スペース、学生に応対するスペースを拡大して、コミュニケーションの活性化や学生へのサービス向上を実現しました。さらには、リモートでのペーパーレス会議や、稟議・意思決定における承認プロセスの電子化など、働き方が大幅に変わり、多キャンパス化による物理的な場所の制約を意識しないで済むようになりました」(篠塚)
さらに、将来的にはテレワークやRPAの導入による業務効率化につながるとも話し、成果を強調した。
導入により窓口にくる人が半減・・・注目を集めるチャットボット
桜美林大学では現在、第2フェーズ”ワークスタイル改革2.0”に取り組んでいる。 テーマは「業務内容と業務量の実態を調査して可視化し、無駄な事務の削減・共通化・自動化を行い、情報基盤を整理することで生産性の向上をめざす」というもの。