第4回公共貨幣フォーラムシンポジウム

イベント内容

第4回公共貨幣フォーラムシンポジウム

テーマ:未来の貨幣制度とEPMトークン

開催趣旨: 我々公共貨幣フォーラムではミッションとして以下の4つを上げて活動しています。

  1. 貨幣供給量が安定し、バブルや不況(失業)が発生しない社会。
  2. 政府債務がゼロとなり、健全な財政運営が行われる社会。
  3. 所得格差が解消して、「健康で文化的な生活」が営まれる社会。
  4. 地球環境に優しい持続可能で公正な社会。

公共貨幣フォーラムシンポジウムも今回で4回目となります。 現在、デジタル通貨技術、ブロックチェーンの進展により様々な仮想通貨、地域通貨、リブラのような企業通貨が発行されつつあります。 我々、公共貨幣フォーラムでも去年の発足以来「公共貨幣による新国生み」企画としてEPMトークンを模索してきました。 そして、電子公共貨幣(Electronic Public Money, EPM)7つのシステムプロトコル提案として今年2月に提案しました。

この詳細についての説明を行うために特に東京でシンポジウムを企画しました。 また世界を取り巻く環境は、反緊縮の政治の流れ、AI時代に相応しい貨幣制度の模索を始めております。 そして広くデジタルデータについてのGDPRのような法律、政治の世界では直接民主の流れも出てきています。 それらを含め皆様と「未来の貨幣制度とEPMトークン」について検討したいと思います。

シンポジウム開催詳細

参加枠について

一般参加+懇親会枠:

懇親会費です。

講演スケジュール

時間 内容 講演者
12:10 開場
12:40 開会挨拶 三木卓(公共貨幣フォーラム理事)
12:45 ご来賓挨拶
第1部 現在の貨幣制度の問題と未来の貨幣制度 座長:下田直能(公共貨幣フォーラム理事)
13:00 基調講演 公共貨幣による日本の新国生み 山口薫(公共貨幣フォーラム代表理事)
14:00 招待講演 反緊縮の政治と経済学における公共貨幣論 朴勝俊(関西学院大学総合政策学部准教授)
14:25 招待講演 Cレジーム-AI時代に相応しい貨幣制度- 井上智洋(駒澤大学経済学部准教授)
14:50 休憩(10分)
第2部 電子公共貨幣トークンのアーキテクチャ 座長:三木卓(公共貨幣フォーラム理事)
15:00 特別講演 電子公共貨幣EPMの7つのシステムプロトコルについて 生島高裕(公共貨幣フォーラム理事)
15:25 招待講演 ブロックチェーンIrohaによるEPMトークンの実装に向けて 武宮誠(ソラミツ株式会社共同最高経営責任者)
第3部 世界各国の政治の動きとデジタルデータの趨勢(公共貨幣の背景) 座長:生島高裕(公共貨幣フォーラム理事)
15:50 招待講演 今なぜ公共貨幣が政治のドメインに姿を現したか 首藤信彦(市民政治バンド代表)
16:00 招待講演 ゆりかごから墓場までのプライバシー~3つの課題 折田明子(関東学院大学人間共生学部准教授)
16:25 休憩(10分)
第4部 パネルディスカッション 貨幣の未来 座長:首藤信彦(市民政治バンド代表)
16:35 貨幣の未来について各講演者有志から討論していただきます。
17:30 閉会の挨拶
18:00 懇親会 ドイツ料理 ビッテ (Bitte)

公共貨幣による日本の新国生み

講演者:山口薫(公共貨幣フォーラム代表理事)

概要:日本は現在、利付債務貨幣というお金(日銀券・銀行預金)を用いて経済活動をしています。このお金は誰かが借金をすることによって無から信用創造され、また借金を返済することによって減少します。誰かとは、企業、家計、政府です。日銀の資金循環統計を用いた最新の研究で、「お金の総額=借金の総額」となることを私たちは証明しました。この債務貨幣は、バブルや不況・失業を引き起こす宿命を背負っています。1990年にバブルがはじけ、その後約30年にわたって日本経済は不況から脱出できず、政府は膨大な借金を伴う財政出動を余儀なくされ、その結果1000兆円を超える政府債務が積み上がりました。さらに利付という債務貨幣の性質から、所得格差、貧富の差が拡大し、1%の国際金融資本のみが一人勝ちしています。要するに債務貨幣システムは、システムデザインとしては欠陥商品なのです。日本は利子の付かない富本銭(683年)の発行以来江戸時代まで、1200年に渡って公共貨幣を使用してきましたが、明治維新の日本銀行条例(1882年)によって、利付債務貨幣に国盗りされ、現在に至っています。  こうした現在の経済的困難(ゼロ成長、デフレ、政府債務増大、所得格差)から脱却するためには、公共貨幣・電子公共貨幣(EPM)による新国生みしかありません。公共貨幣の方がシステムデザイン的に優れていることを、私はSDマクロ経済モデルを用いて示しました。10%の消費増税か消費増税凍結か、MMT(現代貨幣理論)によるさらなる財政拡大かといった最近の与野党の近視眼的政策論争は、欠陥デザインである利付債務貨幣を温存させる目くらまし論争にしか過ぎません。

プロフィール: トルコ国立アンカラ社会科学大学教授、岐阜大学大学院工学研究科非常勤講師(システムダイナミックス、マクロ経済モデリング専攻)。一般社団法人公共貨幣フォーラム代表理事。 カリフォルニア大学バークレー校大学院博士過程で、ノーベル経済賞を受賞したデブルー博士のセミナーに参加し、数理経済学(一般均衡論)を学び、同大学から1985年、Ph.D. (理論経済学博士号)授与。その後、カリフォルニア州立大学ヘイワード校、サンフランシスコ大学経済学部、ハワイ大学経済学部(ホノルル)、大阪産業大学、同志社大学大学院ビジネス研究科等で教鞭をとる。主な著書に「公共貨幣」東洋経済新報社、2017年。

反緊縮の政治と経済学における公共貨幣論

講演者:朴勝俊(関西学院大学総合政策学部准教授)

概要:さきの参議院選挙において、山本太郎さんが率いる「れいわ新選組」が、消費税増税廃止などを掲げて2人の当選者を出し、いまや「反緊縮」は国内でも焦点化されつつあります。欧米の政界では、ギリシャに対するトロイカのまやかしの救済策や、新自由主義による格差拡大・社会福祉解体・民営化に対する反動として、サンダース、コービン、バルファキスなど反緊縮左派の政治家が台頭しています。彼らは「グリーンニューディール政策」でも一致を見せています。 これらの政策の背景にある反緊縮の経済学について、左派ニューケインジアン、現代貨幣理論(MMT)および公共貨幣論の関係を整理するとともに、債務貨幣制度の弊害を明らかにし、日本における持続可能な経済のための財政・貨幣・金融制度の実現に向けた、具体的な政策のありかたについて論じます。

プロフィール: 朴勝俊(ぱく・すんじゅん:Park Seung-Joon) 関西学院大学総合政策学部准教授。1974年大阪生まれ。 博士・経済学。専門は環境経済学、環境政策。 神戸大学大学院経済学研究科修了後、2002年度から京都産業大学経済学部勤務。 2010年度より関西学院大学総合政策学部准教授、2014年度より同教授。 主著 『環境税制改革の「二重の配当」』(晃洋書房、2009) 『脱原発で地元経済は破綻しない』(高文研、2013) 『脱「原発・温暖化」の経済学』(中央経済社、2018、明日香壽川氏と共著) 訳書 バルファキス著『黒い匣 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命――元財相バルファキスが語る「ギリシャの春」鎮圧の深層』(共訳、明石書店、2019) ヘニッケ&ザイフリート著『ネガワット-発想の転換から生まれる次世代エネルギー-』(省エネルギーセンター、2001)、その他論文等多数。

Cレジーム-AI時代に相応しい貨幣制度-

講演者:井上智洋(駒澤大学経済学部准教授)

概要: AIが高度に発達した未来には、直接的な生産活動のほとんどを機械が担う「純粋機械化経済」が到来する。このような経済では、多くの人々が雇用を奪われたり、低い賃金の仕事に追いやられる。彼らは所得が低いので、消費を十分に行わない。したがって、需要が減少し経済がシュリンクする可能性がある。そうすると、日本の失われた20年を遥かに越えるような、深刻なデフレ不況が発生する。現在の貨幣制度の下では、ゼロ金利に到達すると世の中に出回る貨幣量「マネーストック」を増大させにくく、デフレ不況を克服し難い。そこで、直接貨幣が家計に給付するような制度が必要となる。貨幣発行益をどのような経済主体が直接享受するかという観点から、歴史上に現れた貨幣制度を「政府中心の貨幣制度」(Administration-centered Monetary Regime, Aレジーム)「銀行中心の貨幣制度」(Bank-centered Monetary Regime, Bレジーム)に分類することができる。AI時代に望ましいのは、「国民中心の貨幣制度」(Citizen-centered Monetary Regime, Cレジーム)であり、それは、貨幣発行益を国民が直接享受できるような貨幣制度である。このような貨幣制度の下であれば、消費需要が飽和しない限り、それを幾らでも喚起することができるだろう。

プロフィール: 駒澤大学経済学部准教授、早稲田大学非常勤講師、慶應義塾大学SFC研究所上席研究員、AI社会論研究会共同発起人。博士(経済学)。慶應義塾大学環境情報学部卒業。2011年に早稲田大学大学院経済学研究科で博士号を取得。早稲田大学政治経済学部助教、駒澤大学経済学部講師を経て、2017年より同大学准教授。専門はマクロ経済学。最近は人工知能が経済に与える影響について論じることが多い。著書に『新しいJavaの教科書』『人工知能と経済の未来』『ヘリコプターマネー』『人工超知能』『AI時代の新・ベーシックインカム論』『純粋機械化経済』などがある。

ゆりかごから墓場までのプライバシー~3つの課題

講演者:折田明子(関東学院大学人間共生学部准教授)

概要:世界経済フォーラムは、2011年1月にパーソナルデータを「デジタル世界における新たな通貨」と位置づけた。デジタル社会における個人のデータは生まれる前から収集され、死後も残り続けている。デジタルデータによる価値創造は、個人のプライバシー保護を前提とするべきであり、ここでは3つの課題を提示したい。第一に、データ利用の同意についてである。サービス利用において利用規約やポリシーへの同意は不可欠であるが、これを熟読し判断している利用者はどれほどいるだろうか? 第二に、生成される情報の扱いである。提供に同意したデータから生成される信用スコアをはじめとする情報について、その大きな可能性とともに個人によるコントロールの検討が必要ではないか?第三に、死後のデータの扱いである。死後残されるデータの扱いについては包括的な法制度はなく、生前に個人が意思表示するか、相続人に任せるか、あるいは放置かという状況にある。生涯にわたる個人のデータについて、こうした問題意識とともに考えたい。

プロフィール:  折田明子 関東学院大学人間共生学部准教授。博士(政策・メディア)   中央大学ビジネススクール非常勤講師、国際大学GLOCOM客員研究員、一般財団法人情報法制研究所上席研究員、情報処理学会EIP研究会幹事、情報社会学会理事。  慶應義塾大学総合政策学部卒業、同大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了、後期博士課程単位取得退学。2002年衆議院議員補欠選挙に神奈川8区から公認候補として立候補するも落選。学位取得後は、中央大学ビジネススクール助教、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任講師、Kennesaw State University, Visiting Assistant Professorを経て2013年より関東学院大学専任講師、2016年准教授。専門領域は、情報プライバシーと社会・人間の関わり。最近では、青少年のネットリスク対策や、死後のプライバシーの研究に従事。

ブロックチェーンIrohaによるEPMトークンの実装に向けて

講演者:武宮誠(ソラミツ株式会社共同最高経営責任者)

概要: ソラミツはブロックチェーン技術"Hyperledger Iroha" のオリジナル開発者であり、同技術を活用したアプリケーション開発に最も深い知見と経験を保有しています。一般的な活用例は、各種通貨やポイント、利用権といった各種のデジタルアセットをブロックチェーン上で管理することにより、改竄に対する高い耐性を持つ、セキュアなデジタルウォレットとして用いることです。 ・Kagome: Web3Foundationとのコラボレーションを開始し、"Kagome"と呼ばれるPolkadot Runtime Environment(PRE)の次期ノード実装をC++で開発を行っています。 Kagomeにより、Soramitsuの全てのプロジェクトはPolkadotをサポートするブロックチェーンへの接続性を実現し、次世代の分散型webの一部となります。 ・Digital Identity: 個人認証は私達の生活の中で、最も重要な扉であり、私達の所属する集団やコミュニティに参加する鍵です。その重要性は私達が毎日のように使用するWebサービスにおいても同様であり、銀行や政府機関において私達は個人認証の確認を行います。そして、それら企業や機関の各々が、KYC規則に基づいて私達に関する情報を保有しています。 ・D3 Ledger: ソラミツとスロベニア証券保管振替機関(KDD)、National Settlement Depository(ロシア連邦証券保管振替機関、「NSD」)は、D3ledgerを共同設立し、ブロックチェーンHyperledger Irohaを活用した分散型デジタル証券保管振替プラットフォームを開発し、仮想通貨などの暗号資産のグローバルな預託サービスの試験運用を開始しました。 以上の技術を使ってIrohaによるEPMトークンの実装に向けてについて検討します。

プロフィール: ソラミツ株式会社 共同最高経営責任者 国際電気通信基礎技術研究所の研究技術員、出身校: Cal Poly San Luis Obispo コンピューター科学、東京大学 情報学環に在学中

今なぜ公共貨幣が政治のドメインに姿を現したか

講演者:首藤信彦(市民政治バンド代表)

概要:  これまで仮想世界の住人だった公共通貨がなぜ今、各国の政策当局や財務当局が必死に研究を進める存在になったのか? 現在、世界は二つの巨大な潮流の中にある。一つはエレクトロニクスの飛躍的進歩とインターネットの地球的普及さらにそれらを発展させたIoT、ビッグデータ、AIの登場によって、これまで国家しか行えないと考えられたものが、別な様々な主体によって管理されうることが証明された。 同時に起こっているのが、世界の基盤的変化である。歴史の大転換点と表現してもよい。一見脈絡のない難民、BREXIT、緊縮財政、ISIS、北朝鮮核ミサイルなど世界を震撼させる事象は単発のリスクではなく、世界の基盤的変化から普遍的に同時多発的に派生している。 この二つの巨大潮流の変化の中で、最も強く自己変容を迫られているのが最大の組織である国家とそれを統治する政治のシステムである。公共通貨の発行は単に既存通貨システムの補完だけでなく、国家そのものを変えることにつながる。「今の世」では、国家も社会も地域も企業も、それを構成する多様な要素が単に変化しているだけでなく、それらの要素の「意味」も変化しているのだ。

プロフィール:  1945年旧満州生まれ。慶應義塾大学院経済学研究科博士課程修了、 伊藤忠商事、東海大学教授、SAIS客員研究員など歴任。世界の紛争解決・平和構築・民主化支援NGOインターバンド創設者。衆議院議員3期(テロ特別委員長など)。現在は新政治運動「共和バンド」代表

電子公共貨幣EPMの7つのシステムプロトコルについて

講演者:生島高裕(数理先端技術研究所代表取締役)

概要: 電子公共貨幣(Electronic Public Money, EPM) 7つのシステムプロトコル提案の課題を列挙し議論すべき課題を明確化します。 1. EPMの発行主体はPMA: 通貨の発行主体、意思決定の方法、デジタルレーニン主義、中国「信用スコア」、FB仮想通貨「リブラ」、さて社会はシングルトン(中央集権)vsマルチトン(分散協調)どちらに動くかがテーマとなります。 2. ユニフォーム税率: フローに対する税によるシンプル化、ストックに対する税、貧富の差格差是正、SDGs、すなわちリソースの再配分問題を提起します。 3. EPM流通量調整率: 需用量計測と供給量の決定方法、機械学習、AIアルゴリズムによる分析、マクロ経済の流体力学的理解(システムダイナミックス)、与信の実際などを通して、産業構造の進化問題について考察します。 4. プライバシーの保護: 取引におけるプライバシー(匿名性や決済の秘匿性)、GAFAvsGDPR、取引データの扱い方(アクセスコントロール、機密のタイムアウトコントロール、トレーサビリティ、データポータビリティ)、オープン・クローズデザイン、MyData動向、忘れ去られる権利、プロフィット・プライバシー・セキュリティのトリレンマ問題は人類の永遠のテーマでしょう。 5. 決済スピード、 6. 決済回数、 7. セキュリティー、 ここではHPCテクノロジー現状分析を行います。

プロフィール: 数理先端技術研究所 代表取締役、MyData Japan 事務局長、日本オミックス医学会 理事、公共貨幣フォーラム 理事。 自然科学、AIをベースに、バイオ、経済、社会科学、人文科学の幅広い分野でイノベーションのあり方を考えて活動している。

問い合わせ先 publicmoneyforumjapan@gmail.com

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