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Amazon S3 の一般提供が開始されたのは、20 年前の先週にあたる 2006 年 3 月 14 日でした。 Amazon Simple Storage Service は、クラウドインフラストラクチャを定義した基礎的なストレージサービスだと考えられがちですが、シンプルなオブジェクトストレージサービスとして始まった S3 は、今でははるかに広い範囲と規模を備えたサービスへと成長を遂げました。 2026 年 3 月現在、S3 には 500 兆を超えるオブジェクトが格納されており、何百エクサバイトものデータ全体で 1 秒あたり 2 億件を超えるリクエストをグローバルに処理しています。料金は 1 ギガバイトあたり 2 セントを少し超える程度まで下がっており、リリース時から約 85% 削減されたことになります。私の同僚である Sébastien Stormacq が、「 Amazon S3 の 20 年を振り返り、未来を築く 」でエンジニアリングと今後の展望に関する詳しい記事を書きました。AWS の最初のお客様と、これらのお客様が現在の AWS をどのように形作ったかに関心がある場合は、「 How three startups helped Amazon invent cloud computing and paved the way for AI 」をぜひお読みください。20 年。これは立ち止まって祝うに値する年月です。 S3 の 20 周年記念に伴い、今週は Channy Yun も S3 の新機能、Amazon S3 汎用バケットのアカウントリージョナル名前空間に関する記事を書きました。この機能を使用すると、リクエストするバケット名にアカウント固有のサフィックスを追加することで、ユーザー独自のアカウントリージョナル名前空間内に汎用バケットを作成できるため、使用したい名前がユーザーのアカウント専用に常時予約されるようになります。新しい s3:x-amz-bucket-namespace 条件キーを用いた AWS IAM ポリシーと AWS Organizations サービスコントロールポリシーを使用して、組織全体での導入を強制できます。 Amazon S3 汎用バケットのアカウントリージョナル名前空間の詳細については、 Channy の記事 をお読みください。 2026 年 3 月 16 日週に行われた注目のリリースは、 Amazon Route 53 Global Resolver の一般提供 です。このサービスは、私自身との個人的なつながりがあるものです。昨年の re:Invent 2025 でのこの機能の プレビュー に関する記事を書いたのですが、とても楽しく取り組めた記事だったので、一般提供が開始されたと聞いて本当に嬉しく思っています。 インターネット経由でアクセスできるエニーキャスト DNS リゾルバーである Amazon Route 53 Global Resolver は、どこからでも承認済みクライアントに DNS 解決を提供できます。30 の AWS リージョンで一般提供が開始されており、IPv4 と IPv6 両方の DNS クエリトラフィックをサポートします。Route 53 Global Resolver は、組織内の認証済みクライアントに対し、Route 53 プライベートホストゾーンに関連付けられたパブリックインターネットドメインとプライベートドメインのエニーキャスト DNS 解決を、特定の VPC やリージョン内だけでなく、どこからでも提供します。また、悪意があると考えられるドメイン、職場に不適切なドメイン、および DNS トンネリングやドメイン生成アルゴリズム (DGA) などの高度な DNS 脅威に関連するドメインをブロックするための DNS クエリフィルタリング機能も提供されており、一元化されたクエリのログ記録機能も含まれています。一般提供された Global Resolver は、辞書ベースの DGA 脅威に対する保護を強化します。 2026 年 3 月 9 日週のリリース 以下は、2026 年 3 月 9 日週に行われたその他の発表の一部です。 Amazon Bedrock AgentCore Runtime がステートフル MCP サーバー機能のサポートを開始 – Amazon Bedrock AgentCore Runtime が、ステートフルモデルコンテキストプロトコル (MCP) サーバー機能のサポートを開始しました。開発者はこの機能を使用して、リソース、プロンプト、およびツールに対する既存のサポートとともに、エリシテーション (情報の引き出し)、サンプリング、および進捗通知を使用する MCP サーバーを構築できます。ステートフル MCP セッションでは、分離されたリソースを用いる専用の MicroVM で各ユーザーセッションが実行され、サーバーは Mcp-Session-Id ヘッダーを使用して複数のやり取りにおけるセッションコンテキストを維持します。エリシテーションは、サーバーが開始するマルチターンの会話を行って、ツールの実行中に構造化された入力をユーザーから収集できるようにします。サンプリングは、パーソナライズされた推奨事項などのタスクのために、サーバーがクライアントに LLM 生成コンテンツをリクエストすることを可能にします。進捗通知は、長時間に及ぶ操作中でも、クライアントが情報を常に把握しておけるようにします。詳細については、 Amazon Bedrock AgentCore ドキュメントを参照してください。 Amazon WorkSpaces が Microsoft Windows Server 2025 のサポートを開始 – Amazon WorkSpaces Personal と Amazon WorkSpaces Core で Microsoft Windows Server 2025 を活用する新しいバンドルを利用できるようになりました。これらのバンドルには、Trusted Platform Module 2.0 (TPM 2.0)、Unified Extensible Firmware Interface (UEFI) Secure Boot、セキュアコアサーバー、Credential Guard、Hypervisor-protected Code Integrity (HVCI)、DNS-over-HTTPS などのセキュリティ機能が含まれています。既存の Windows Server 2016、2019、および 2022 のバンドルも引き続きご利用いただけます。マネージド Windows Server 2025 バンドルを使用することも、カスタムのバンドルとイメージを作成することも可能です。このサポートは、Amazon WorkSpaces が提供されているすべての AWS リージョンでご利用いただけます。詳細については、「 Amazon WorkSpaces のよくある質問 」をご覧ください。 AWS ビルダー ID が GitHub と Amazon を用いたサインインのサポートを開始 – AWS ビルダー ID でサポートされるソーシャルログインオプションに、GitHub と Amazon の 2 つのオプションが追加されました。これらのオプションは、既存の Google と Apple のサインイン機能に新たに追加されるものです。この更新により、開発者は一連の認証情報を個別に管理しなくても、既存の GitHub または Amazon のアカウント認証情報を使用して AWS ビルダー ID プロファイル (および AWS Builder Center、AWS トレーニングと認定、Kiro などのサービス) にアクセスできるようになります。詳細を確認して使用を開始するには、 AWS ビルダー ID ドキュメントをご覧ください。 Amazon Redshift に COPY 操作用の再利用可能なテンプレートを導入 – 頻繁に使用される COPY パラメータを保存して再利用できる COPY コマンド用のテンプレートが Amazon Redshift でサポートされるようになりました。テンプレートは、データインジェスト操作全体で一貫性を維持するために役立ち、COPY コマンドの実行に必要な労力を軽減して、将来の使用のすべてにテンプレート更新を自動適用することでメンテナンスを簡素化します。COPY テンプレートのサポートは、Amazon Redshift が提供されているすべての AWS リージョン (AWS GovCloud (米国) リージョンを含む) でご利用いただけます。使用を開始するには、こちらの ドキュメント を参照するか、ブログ記事「 Standardize Amazon Redshift operations using Templates 」をお読みください。 AWS のお知らせに関する詳しいリストについては、 ニュースブログ チャネルである「 AWS の最新情報 」ページをご覧ください。 近日開催予定の AWS イベント カレンダーを確認して、近日開催予定の AWS イベントにサインアップしましょう。 AWS Summit – 2026 年の AWS Summit に参加しましょう。AWS Summit は、クラウドおよび AI 関連の新興テクノロジーを探求し、ベストプラクティスについて学び、業界の同業者や専門家とつながることができる無料の対面イベントです。次回の Summit は、 パリ (4 月 1 日)、 ロンドン (4 月 22 日)、 バンガロール (4 月 23〜24 日) で開催される予定です。 AWS Community Day – コミュニティリーダーたちがコンテンツを計画、調達、提供し、テクニカルディスカッション、ワークショップ、ハンズオンラボが行われるコミュニティ主導のカンファレンスです。今後のイベントには、 プネー (3 月 21 日)、 サンフランシスコ (4 月 10 日)、 ルーマニア (4 月 23~24 日) などがあります。 AWS at NVIDIA GTC 2026 – 2026 年 3 月 16~19 日に米国サンノゼで開催される NVIDIA GTC 2026 で、AWS のセッション、ブース、デモ、付帯イベントに参加しましょう。AWS 経由でイベントパスの 20% 割引を受け、GTC での 1 対 1 ミーティングをリクエストできます。 AWS Community GameDay Europe – 2026 年 3 月 17 日に行われる AWS Community GameDay Europe は、ヨーロッパの 50 を超える都市で同時開催される、チームベースのハンズオン AWS チャレンジイベントです。参加チームは、壊れた AWS 環境内 (誤設定されたサービス、欠陥のあるアーキテクチャ、セキュリティギャップ) に配置され、2 時間の制限時間内で環境を可能な限り修正する必要があります。最寄りの開催都市を見つけて、 awsgameday.eu でサインアップしてください。 AWS Builder Center に参加して、ビルダーとつながり、ソリューションを共有し、開発をサポートするコンテンツにアクセスしましょう。こちらのリンクから、今後開催されるすべての AWS 主導の対面イベントおよび仮想イベント と デベロッパー向けのイベント をご覧いただけます。 2026 年 3 月 16 日週のニュースは以上です。2026 年 3 月 23 日週の Weekly Roundup もお楽しみに! – Esra この記事は、Weekly Roundup シリーズの一部です。AWS からの興味深いニュースや発表を簡単にまとめて毎週ご紹介します! 原文は こちら です。
こんにちは、unerry CTOの伊藤です。 2025年9月、データサイエンティスト上野優人が、北海道で開催された「情報科学技術フォーラム(FIT)」において、 「位置情報データと購買データを活用した広告セグメントの開発」 に関する発表を行いました。 今回の発表は8月の「Google Cloud Next Tokyo」での登壇に続くもので、最先端技術の実装に新卒のエンジニアが挑んだ記録でもあります。 講演内容の核心となる技術、そして若きデータサイエンティストとしての挑戦の舞台裏について、上野に話を聞きました。 登場人物 株式会社unerry テクノロジー&オペレーション部 データサイエンス&AIチーム 上野 優人(うえの ゆうと) 入社日: 2025年4月 最近の推し: 令和ロマン 筑波大学を卒業後、上智大学大学院 応用データサイエンス学位プログラムを修了。大学院では、「価格・需要変動下における、利益最大化のための販売戦略」に関する研究を行った。在学中より、unerryでの長期インターンを経験し、保有するデータと働く人に魅力を感じて新卒入社。現在は、位置情報・購買データを用いたロジック開発および改善に取り組んでいる。 <聞き手>株式会社unerry CTO 伊藤 清香(いとう さやか) 入社日: 2018年2月 最近の推し: ピェンロー鍋 ガラケーからスマホまで20年以上モバイルWebシステムを開発し、高負荷対策をノリと勘で支えた縁の下の力持ち。人生の節目にあたり、これからはIoTで人々の生活を便利にしようと考えて、当時10人位だったunerryへJoin。会社の成長とともに湯水のように湧き出る課題を解決し、働きやすい職場環境を作ることを生きがいとしている。趣味はサッカー観戦と音声制御技術。 第1章:推薦システムを革新する「Two-Tower モデル」の技術的深掘り 伊藤: 今回の講演の核となった技術について、詳しく教えてください。 上野: はい、講演では、一言でいうと 位置情報データと購買データ を掛け合わせた次世代ターゲティングモデルについてお話ししました。このモデルは、ユーザーが過去にどこで行動したかという情報(位置情報データ)を、どの商品を買ったかという情報(購買データ)と組み合わせることで、より高精度な広告セグメントの構築を実現するものです。 この推論モデルは、unerryの梅田と張が共同で発明した特許(番号:特許7641682)を実装したものです。(*1) そして、その技術的な中核を担っているのが 「Two-Towerモデル」 というアーキテクチャです。これは、大規模ユーザーに対して高速に推論できるという利点から、YouTubeなど大手テック企業で採用されている先進的なアルゴリズムです。 伊藤: その「Two-Towerモデル」が従来の推薦システムと比較して画期的なのはどのような点でしょうか? 上野: 主に、従来のシステムが抱える大きな課題を解決できる2点にあります。 1. 新商品に対する推薦が可能: 一般的に、小売企業が持つPOSデータだけを使った推薦システムでは、新商品を販売する際、購買データが全くないため、誰に推薦したらよいか分かりません。しかし、Two-Tower モデルは、商品の特徴量(価格、カテゴリなど)から生成したベクトルで推薦を行うため、データがない新商品でも適切なユーザーに推薦できます。 2. 購買履歴がないユーザーにも推薦が可能: リテール(小売)の購買データがないユーザー、つまりそのお店で買ったことがないユーザーは、従来のシステムではターゲティングできませんでした。しかし、当社は位置情報データを持っています。位置情報データから抽出・推定したユーザーの行動DNA(unerry独自の指標:普段の行動傾向を示す)や性別・年代といった特徴量があれば、購買履歴がないユーザーに対しても、「この商品を買いそうだ」という可能性を予測できます。 伊藤: その高速な処理を実現するアーキテクチャについて、具体的に解説いただけますか? 上野: Two-Tower モデルは、名前の通り、 ユーザーの特徴量と商品の特徴量という2つのタワー で構成されています。 ユーザーの性別や年代といった特徴量、そして商品の価格やカテゴリといった特徴量を、それぞれ深層学習(DNN)で処理することで、意味のある 「ベクトル」 (埋め込み表現、エンベディング)を生成します。 推薦のスコアは、この 「ユーザーベクトル」と「商品ベクトル」の内積 で算出されます。内積が大きいほど、ユーザーがその商品に興味を持っていると判断できます。 高速化の肝は、 オフラインとオンラインの処理を分けている点 です。 ●オフライン処理: 商品のベクトルは頻繁に変わらないため、事前に計算し、データベースに保存しておきます。 ●オンライン処理: ユーザーのベクトルだけをリアルタイムで計算し、保存しておいた商品ベクトルと照合(近似最近傍探索)することで、瞬時に推薦結果を出すことができます。 YouTubeなどのテック系企業で採用されているのも、この「大規模ユーザーに対して瞬時に結果を出せる」というスケーラビリティと速度が最大の要因です。ちなみに、今回採用したベクトルの次元数は128次元で、一般的なシステムで使われる700次元や1000次元と比較しても、 軽量でリーズナブルな計算資源 で済むという利点もあります。 第2章:実装を阻む壁と300回超のトライ&エラー 伊藤: この最先端の技術を実装する過程で、特に大変だったのはどのようなことでしょうか? 上野: 非常に多岐にわたりましたが、最大の困難は 「実装の難しさ」 でした。Two-Tower モデルは概念はシンプルですが、適切なベクトルを生成するための深層学習レイヤーの学習が非常にデリケートで難しいと言われています。実際に手を動かすと、なかなか期待通りの精度が出ませんでした。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ <補足> Two-Towerモデルについて: Google の YouTube 推薦アルゴリズムなど、大手テック企業で採用されており、大規模ユーザーに対して高速に推論できるという点で革新的。ただし扱いが難しくまだ広く浸透していない。 参考動画 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 私のログを確認したところ、モデルの試行回数は300回以上に及びました。最初はもちろん、コードの書き間違い(コーディングミス)も多くありましたが、その後は主に「ベクトルの精度をどう上げるか」という試行錯誤の連続でした。 伊藤: ベクトルの精度向上は、具体的にどのように進めたのでしょうか? 上野: 精度を上げるためには、モデルに「正解」を教えて学習させる必要があります。私たちは、ユーザーIDに位置情報データの行動パターンから推定した属性を特徴量(性別、年代など)とし、実際の「購買データ」と紐づけました。「このユーザーがこの商品を買った」というデータには「1」(正解)を、「買ってない」というデータには「0」(不正解)を与えます。 そして、モデルが算出した内積スコアが、この正解(1か0)に近づくように、深層学習レイヤーを学習させていくんです。適当なベクトルだと意味のないスコアが出てしまうので、「ここは1ですよ」という正解を与えることで、ベクトルの精度を上げていきました。 伊藤: 講演の登壇準備と、このモデル開発を同時並行で進めるのは、相当な負荷だったと想像します。 上野: おっしゃる通りです。登壇の締め切りに追われる中で、コードを大量に書き、試行錯誤を繰り返す日々でした。しかし、その結果として、 YouTube や他のビッグテック企業が採用しているのと「同じレベルの技術」を、当社のビジネスに組み込むことができたのは、大きな達成感 でした。まさに「困難を乗り越えたからこそ、価値がある」と実感しています。 第3章:学会の独特な雰囲気と、2度の国際的な登壇経験 伊藤: 会場の雰囲気はいかがでしたか? 上野: 学会の雰囲気は、一般の技術カンファレンスとは異なり、独特の緊張感がありました。リアル会場には20名程度の参加者がいたかと思います。 伊藤: 質問はありましたか? 上野: はい、お一人の方から質問をいただきました。登壇内容というよりは、当社の事業領域である「人事領域のAI活用」に関する相談でした。これは、技術広報と採用という今回の登壇目的にも合致しており、意義のある交流となりました。 伊藤: 実は、このFITを含めて、上野さんは短期間で連続して登壇されていると聞きました。 上野: はい、プライベートも含めると5ヶ月で4回となります。 ① 5月:日本経営工学会(国内学会) 卒業後に参加。大学院での研究テーマ(中古スマートフォンの販売先最適化)を発表。 ② 7月:ICPR(国際会議、コロンビア) 指導教員の計らいで、単身コロンビアへ渡航。経営工学に関する研究を発表しました。治安や言語の面で非常にタフな環境でしたが、貴重な経験でした。 ③ 8月:Google Cloud Next Tokyo(国内)クラウド技術大規模カンファレンス ④ 9月:FIT(今回の登壇) 伊藤: コロンビアでの単身登壇は驚きです。短い準備期間での挑戦も大変だったと思いますが、何かエピソードはありますか? 上野: FIT登壇の準備期間は1週間ほどしかありませんでした。特に大変だったエピソードとして、飛行機の機内で発表練習をしていたことがあります。 飛行機が遅延し、時間ができたため、PDF資料を読み込みながら、頭の中でプレゼンを再生し、タイマーで時間を計るというスタイルで練習を続けていました。ブツブツと声に出すことはしませんでしたが、頭の中ではひたすら時間を調整していました。 また、登壇全体を通して、先輩から非常に手厚いフィードバックをいただきました。 ●「短い言葉で言い切ること」 ●「初見の専門用語をいきなり使ってしまうと、聴衆がついていけなくなる」 といった、スライド作成術から話し方まで、実戦を通じて学ぶことができました。特にGoogle Cloud Nextの際は、他の登壇者との兼ね合いで持ち時間が短くなるという裏事情もありましたが、学んだ技術を活かし、説明の核を外さずにコンパクトにまとめることができたと思います。 第4章:未来の仲間へ。「交流」の場としての学会の価値 伊藤: 学会全体を通して、上野さんが最も重要だと感じたことは何でしょうか。 上野: それはやはり 「交流」 です。 発表者側としては、質問を1人からしか得られなかった反省から、いかに相手に興味を持ってもらえる発表をするかという難しさを痛感しました。一方で、聴衆側として、自社のビジネスに関連のあるセッションには積極的に質問しに行きました。例えば、 自然災害時に避難場所を教えるチャットボット に関する研究は、当社のビジネスとも関連しそうで、非常に興味深く、質問を通して発表者の方と有益な関わりを持つことができました。 学会は、最新の技術動向を知るだけでなく、普段関わることのない研究者や学生とコネクションを作り、自分では気づかなかった新しい観点での気づきを得られる場です。 伊藤: 最後に、同じようにデータサイエンスを深く突き詰めたい学生、そして未来の仲間たちにメッセージをお願いします。 上野: 私は大学院で数理最適化を学び、その専門性が現在のデータサイエンスの仕事にダイレクトに活きています。入社後わずか数ヶ月で、世界的にも先進的な技術であるTwo-Tower モデルの実装に挑戦し、それをビジネスに組み込むという経験ができました。 「学んできたことを、社会の現場で直線的に活かしたい」、「困難な技術に果敢に挑戦し、その成果を世の中に羽ばたかせたい」という熱意 を持った方にとって、unerryは非常に恵まれた環境です。 私たちと共に、最先端のデータサイエンスを深掘りし、世の中を動かす技術を生み出していく仲間になりませんか? *1 Google Cloud Next Tokyo ‘25の登壇記事もありますので参照ください。 Vertex AIで実現:購買データ x 約1億IDの人流データによる次世代広告ターゲティング / 「 Google Cloud Next Tokyo 」登壇レポート https://www.unerry.co.jp/blog/google-cloud-next... 「Google Cloud Next Tokyo」はGoogle Cloudが年に1回開催するイベントの日本版で、クラウド技術の最新情報や事例の紹介に加え多彩なワークショップなどを含み、今年は2025年8月5日(火)と6日(水)の2日間、東京ビッグサイトで開催されました。 本記事は8月5... unerryでは、行動データの可能性を共に切り拓くデータサイエンティストやエンジニアを募集しています。挑戦できる環境で価値創造に取り組みたい方は、ぜひお問い合わせください。 株式会社unerry 採用ページへ The post 300回超の試行錯誤を経て新卒データサイエンティストが開発に挑む「人流×購買データによる広告ターゲティング手法」 first appeared on 株式会社unerry .
プロスポーツの世界では、わずかな差が勝敗を分けることが多いです。世界中のチームが、選手のパフォーマンス最適化、怪我の軽減、競争優位性の獲得のために、データを利用したインサイトに注目しています。 Catapult Sports は、プロチームがデータに基づいた意思決定を行えるよう支援するスポーツテクノロジー企業です。 AWS IoT サービスを活用することで、Catapult はチームがデータを収集・分析・活用する方法を変革しています。 Catapult は、プロチームが選手の健康を最適化し、怪我を減らし、人間運動科学に流用するために必要なデータ駆動型インサイトを提供しています。世界 24 拠点に 500 名以上のスタッフを擁し、 128 カ国 40 以上のスポーツにおいて 5,000 以上のプロチームにサービスを提供しています。これには NFL 、NHL 、イングランドプレミアリーグのトップフランチャイズも含まれます。 挑戦:エリートスポーツの要求に応える プロスポーツチームは高いプレッシャーの中で活動しています。試合や練習中にリアルタイムのインサイトを生成する選手モニタリング技術を利用しており、選手やコーチにパフォーマンス向上のための貴重な情報を提供しています。この技術を導入するにあたり、チームとしては、即座に導入できること、円滑なアップデート、国をまたいだリモート管理、そして重要な場面でのデバイス障害や設定ミスに対するゼロトレランス( 許容ゼロ ) つまり、重要な局面では必ず利用ができることを期待し導入します。 スポーツアナリティクスがますます高度化する中、チームは競争優位性をもたらす新機能、強化されたアルゴリズム、改善機能へのより迅速な利用も求められています。スポーツテクノロジープロバイダーにとっての課題は、迅速に革新するための俊敏性を維持しながら、エンタープライズグレードの信頼性を提供することです。 ソリューション:AWS IoT を基盤とした Vector 8 これらの厳しい要件を満たすために、Catapult は AWS IoT サービスを利用した次世代選手モニタリングソリューション「 Vector 8 」を開発しました。Vector 8 スイートは4つの主要コンポーネントで構成されています。 Vector 8 Tag : 選手がトレーニングや試合中に装着するコンパクトで頑丈なウェアラブルデバイスです。屋内外での精密な位置追跡、選手の動きやスポーツ固有のイベントのキャプチャ、サードパーティ Bluetooth センサーとの統合、超広帯域(UWB)通信をサポートします。バッテリー駆動時間は最大6時間です。 Vector 8 Dock : Vector 8 Tag を充電しデータを同期するために使用します。高速 Wi-Fi ダウンロードとクラウドへの直接データ同期を可能にし、30個の Vector 8 Tag の容量と並列アップロード機能により、データ取得までの時間を大幅に短縮します。 Vector 8 Receiver : Wi-Fi および Ethernet を通じて接続し、試合や練習セッション中のリアルタイム分析のためにデータをクラウドにストリーミングします。オンラインとオフラインの両方のワークフローをサポートし、パフォーマンス監視とトラブルシューティングのためのリアルタイム診断も提供します。 Vector 8 Relay : 400メートル範囲となる大規模施設にも適用範囲を広げ、複数の受信機が不要になります。そのため、展開を効率的かつコスト効果高くスケーラブルに実現できます。 リアルタイムパフォーマンスインサイト Vector 8 はコーチやスポーツサイエンティストに3種類のデータを提供します。 デバイスヘルスデータ – バッテリー状態や受信信号強度表示(RSSI)を含むライブテレメトリ、およびファームウェアバージョンなどのデバイス設定です。リアルタイムで送信され、重要な場面におけるデバイス故障前対応を可能にします。 ホットデータ – 10Hz でサンプリングされた試合中・練習中のライブデータです。加速度、速度、選手のポジショニング、心拍数モニタリングを含みます。コーチは iOS アプリで即座に可視化を確認でき、疲労した選手の交代や動きのパターンに基づく戦術調整など、その場での介入が可能です。 コールドデータ – 試合後の 100Hz でサンプリングされた生の慣性データです。ジャンプ、タックル、スローなどスポーツ固有の動きを自動検出するための機械学習(ML)推論に使用されます。 Catapult の AI 駆動アナリティクスは、1試合あたり選手1人につき 600 の特徴的な指標を生成でき、選手のパフォーマンス、ワークロード管理、怪我予防に関する深いインサイトを提供します。 Catapultのビデオ分析ソリューション との統合により、コーチは身体的出力データと実際の試合映像を連携させ、チームの分析・改善方法を変革できます。 AWS IoT アーキテクチャ Vector 8 の接続性の中核にあるのが AWS IoT Core です。AWS IoT Core は、認証、認可、転送中の暗号化、大規模なデバイス管理のためのスケーラブルで高可用性のクラウドエンドポイントを提供します。AWS IoT Core ルールエンジン は、高帯域幅・低遅延・堅牢なネットワークインフラストラクチャ上で、数千のデバイスからのデータを適切な AWS サービスにルーティングする統合ポイントとして機能します。 AWS IoT Greengrass は、Vector 8 のドックおよびVector 8 Receiver ソフトウェアアーキテクチャの基盤です。AWS IoT Greengrass は、Catapult が大規模なマルチプロセス IoT アプリケーションを構築、デプロイ、管理するのに役立つエッジランタイムとクラウドサービスの両方を提供します。 オープンソースのエッジランタイム は、コンポーネントのバージョニング、 依存関係の解決 、 ロギング 、 プロセス間通信 を処理しながら、Catapult の カスタムコンポーネント を AWS提供のコンポーネント と並行して管理します。 図1:Catapult Receiver によるデバイスヘルスデータとホットデータの取り込み Catapult は、リアルタイムデータストリーミングには Amazon Managed Streaming for Apache Kafka (Amazon MSK) を使用して、デバイスヘルステレメトリとライブ選手パフォーマンスデータをバッファリングおよび処理しています。 Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) では、バッテリーレベル、ファームウェアバージョン、その他の診断情報をリアルタイムで処理するコンテナ化されたアナリティクスサービスを実行します。 結果は Amazon API Gateway を通じて公開され、Catapult のウェブインターフェースやモバイルアプリに配信され、コーチや機器管理者がデバイスの状態を監視します。 図2:Catapult Dock によるコールドデータの取り込み 試合後のデータは Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) に送信され、100Hz の Raw データが機械学習推論のために保存されます。30人の選手による2時間のセッションは30秒未満で Amazon S3 にアップロードできます。このデータ量は、典型的な NHL の試合における3,600万データポイントに相当します。 AWS IoT による主な利点と成果 シームレスなオンボーディング体験 Vector 8 は、チームが数分で稼働できるすぐに使える体験を提供します。Catapult のプリンシパルプロダクトマネージャーである Mike Lee は次のように説明いただきました。 「Vector 8 では、お客様は Catapult Vector iOS アプリをダウンロードし、ハードウェアを開封し、アプリ内のガイド付き登録フローに従うだけです。それだけで完了です。システム全体が10分以内に接続、設定、更新されます。」 この合理化されたセルフサービスのオンボーディング体験により、チームは機器を受け取ってから数分以内に選手の追跡を開始できます。技術サポートや複雑なセットアップは不要です。自動化されたプロセスがデバイスを正しく設定し、最新のファームウェアを即座に実行します。 高速なデバイスアップデート AWS IoT Greengrass デプロイメント による Over-the-Air(OTA)アップデートは、Catapult が顧客に新機能を提供する方法を変革しました。Mike Lee はこの改善事項を以下のように説明いただきました。 「Vector 8 における最大のゲームチェンジャーの一つは、アップデートの処理方法です。AWS IoT Greengrass による自動 OTA アップデートに移行することで、前世代と比較して最大32倍高速にデバイスを更新でき、お客様の時間と運用上の手間を大幅に節約しています。」 AWS IoT Greengrass デプロイメントを利用した自動アップデートに移行することで、Catapult は前世代では不可能だったフリート全体の一貫性を達成しました。また、Mike Lee はこの変化の重要性を以下のように説明いただきました。 「ウェアラブルデバイスフリートのほぼ全体が最新のファームウェアで稼働している状況は、これまでにありませんでした。これにより、数百件のサポートチケットを回避できるでしょう。」 このウェアラブルデバイスフリートの自動最新化手法は、すべての顧客が手動介入なしに、最新の機能、パフォーマンス改善、バグ修正の恩恵を自動的に受けられることを意味します。 迅速なイノベーションの実現 信頼性が高く高性能な Over-the-Air アップデート機能は、Catapult のファームウェアチームの運用方法を根本的に変えました。Mike Lee はこの変革を次のように説明いただきました。 「初めて、準備ができ次第、安全にデバイスに変更をプッシュできるようになりました。以前は顧客に届くまで数ヶ月かかっていたものが、数週間、あるいは数日で提供できるようになりました。特に新機能の反復やベータプログラムの実行時に顕著です。」 この加速により、Catapult は顧客のフィードバックに基づいて新機能を迅速に反復し、より速く価値を提供し、競合他社に先んじることができます。数ヶ月のリリースサイクルから週次、さらには日次のリリースへの移行は、同社のイノベーション方法における根本的な変化を表しています。 プロアクティブなデバイス管理と診断 AWS IoT セキュアトンネリング と AWS IoT Greengrass セキュアトンネリングコンポーネント の組み合わせにより、Catapult のサポートチームはワールドクラスのサービスを提供できます。サポートエンジニアは、利用顧客に同意いただければ、オンデマンドで Vector 8 Dock や Vector 8 Receiver への SSH セッションを確立できます。 AWS IoT Greengrass ログマネージャーコンポーネント により、デバイスログはほぼリアルタイムで Amazon CloudWatch に自動的に流れ、顧客が問題に気づく前にプロアクティブな問題の特定と解決を可能にします。 このリモートアクセス機能は、サポート業務をリアクティブなトラブルシューティングからプロアクティブなモニタリングへと変革します。以前は顧客とのアポイントメントのスケジューリングや複雑なファイル転送が必要だった問題が、数分で診断・解決できるようになりました。 インテリジェントな設定管理 AWS IoT Device Shadows により、Catapult は物理的な接続を必要とせずにクラウドからデバイス設定を管理できます。コーチが Catapult のモバイルアプリを通じて選手をデバイスに割り当てたり、パフォーマンスの閾値を更新したりすると、それらの設定変更は自動的にクラウドに同期され、登録されたすべてのVector 8 Dock に伝播されます。Vector 8 Tag いずれかのVector 8 Dock に置かれると、最新の設定を受信し、デバイスフリート全体の一貫性が確保されます。 この機能により、数千の手動デバイスステージング作業が不要になりました。交換デバイスは最初の接続時に正しい顧客設定を自動的に受信し、ハードウェアが交換された場合でもチームの運用を維持する真のホットスワップ機能を実現しています。 今後の展望 クラウド接続と自動デバイス管理の基盤が整ったことで、Catapult はいくつかの将来のイノベーションを検討しています。 クラウドへのライブデータストリーミング – 現在、10Hz のライブデータはサイドラインの iOS アプリにのみストリーミングされています。このデータをクラウドにストリーミングすることで、より多くの試合中アナリティクスが可能になり、コーチやスポーツサイエンティストのリモートアクセスが実現します。 エッジ機械学習推論 – 現在、ほとんどの ML 推論は試合後にクラウドで行われています。Catapult は、試合や練習セッション中により多くのリアルタイムインサイトを提供するために、Vector 8 Receiver や Vector 8 Tag 上でのエッジへの推論のシフトを調査しています。堅牢な OTA アップデートメカニズムにより、デプロイされたモデルのほぼ継続的な反復と強化が可能です。 AI 駆動のチームアナリティクス – チーム全体の Vector 8 Tag データを分析し、高度な AI モデルを使用してチームの動き、グループダイナミクス、戦術パターンを理解します。 自然言語ビデオ検索 – マルチモーダル埋め込みモデルなどの AI を使用して、 ビデオコンテンツの自然言語検索と理解 を可能にします。これにより、コーチが特定のプレーや状況を見つけるのに役立ちます。 まとめ Catapult の Vector 8 プラットフォームは、AWS IoT サービスがスポーツテクノロジー企業にエンタープライズグレードのソリューションをコンシューマーグレードのシンプルさで提供することを可能にする方法を実証しています。10分でのオンボーディング、32倍高速なアップデート、フリートの97%が最新ファームウェアで稼働という成果により、Catapult は選手モニタリング技術の新たな基準を打ち立てました。 これらの強化により、Catapult はトラブルシューティングを超えて戦略的な前進に向かうことができます。エンジニアリングチームは迅速に反復でき、サポートチームはより迅速に問題を解決でき、顧客は最も重要なこと、つまり選手のパフォーマンスの最適化と試合での勝利に集中できます。 プロスポーツがますますデータ駆動型になる中、Catapult の AWS IoT 搭載プラットフォームは、チームがトレーニング、競技、成功する方法の変革をリードし続けるための位置づけを確立しています。 詳細情報 AWS IoT サービスとそれがコネクテッドデバイスビジネスをどのように変革できるかについて詳しくは、 aws.amazon.com/iot .をご覧ください。Catapult について詳しくは、 catapult.com をご覧ください。 このユースケースをさらに深く知るには、「 AWS re:Invent 2025 – Peak Performance: IoT Innovation in Professional Sports (SPF301) 」の録画をご覧ください。 この記事は Greg Breen, Mike Garbuz, and Farzad Khodadadi, Mike Lee によって書かれた The data behind the win: How Catapult and AWS IoT are transforming pro sports の日本語訳です。この記事は ソリューションアーキテクトの川﨑が翻訳しました。 著者について Greg Breen Greg Breen Amazon Web Services のシニアIoTスペシャリストソリューションアーキテクト。オーストラリアを拠点に、アジア太平洋地域の顧客が IoT ソリューションを構築するのを支援しています。組み込みシステムの豊富な経験を持ち、製品開発チームがデバイスを市場に投入するのを支援することに特に関心があります。 Mike Garbuz Mike Garbuz Amazon Web Services のスポーツソリューションアーキテクト。オーストラリアを拠点に、オーストラリア全土のスポーツ顧客が AWS サービスを最大限に活用できるよう支援しています。機械学習およびデータ&アナリティクスの経験を持ち、AWS サービスの活用を通じて顧客がデータを最大限に活用できるよう導いています。 Farzad Khodadadi Farzad Khodadadi Catapult のリードプリンシパルソフトウェアエンジニア。15年以上にわたりエンタープライズスケールのクラウドネイティブ技術ソリューションの提供と長期的なエンジニアリング戦略の策定に携わっています。入社以来、Catapult の IoT プラットフォームの設計と提供に技術的リーダーシップを発揮し、ビジョンをスケーラブルでビジネスに即した機能へと転換しています。IoT への情熱により、複数の製品やチームにわたる IoT の採用を加速させ、Catapult のより広範なデジタルおよび製品戦略を支えながら新たな価値の流れを実現しています。 Mike Lee Mike Lee Catapult のプリンシパルプロダクトマネージャー。オーストラリア・メルボルンを拠点としています。スポーツテクノロジーで14年以上、プロスポーツでスポーツサイエンティストとして5年間の直接的な経験を持ち、深いドメイン知識と製品リーダーシップを組み合わせて、チーム、選手、パフォーマンススタッフに実世界の価値を提供する技術を構築しています。 <!-- '"` -->




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