【レポート】新しい「エコシステム」を生み出すWeb/モバイル VRの世界:VRが創り出す世界[第1部]- TECH PLAY Conference 2017
LIXIL社内でのWeb型VRの導入
引き続き「InstaVR」の導入企業から事例を紹介いただきます。ご登壇はLIXILの藤山さんです。
藤山雅剛(ふじやま・まさたか)/株式会社LIXIL 情報システム本部 InformationExcellence部 デバイスグループ。1990年にTOSTEM(現、LIXIL)に入社。2014年にIT関連の現部署に移動。酒蔵見学が好き。
LIXILでVRを導入したきっかけは、近年不動産業界で活発になっている「バーチャル内見」などに使われるウェブ型のVRを検証にありました。藤山さんは施設型のバーチャルショールームの担当もしていましたが、社内向けの事業所紹介をウェブ型VRで作成することでノウハウを蓄積したいと考え、「InstaVR」の導入を決定しました。
「施設型」と「ウェブ型」の双方を担当した藤山さんは「どちらのVRが勝っている、負けているではなく、用途で使い分けることが大切だ」と語ります。具体的に「InstaVR」を活用した「ウェブ型VR」の優れている点としては次の4点を挙げました。
初期費用
3万円程度の360度カメラと既存のPCがあればスタート可能。作成費用
外部に発注することなく社内の数名で制作が可能。維持費用
1ライセンス当たり月数万円程度と低額。納期
レベルによっては1時間程度という短期間で制作可能。
しかし、「InstaVR」では基本的に独自のカスタマイズはできません。柔軟にカスタマイズをして高品質を求める場合は、「施設型」に軍配が上がります。
実際の制作にあたっては「事業所の紹介」「事業所までの交通案内」「近隣グルメ情報」などをコンテンツにしました。藤山さんは「コンテンツ制作にプログラミングはいらず、ブログを作成するくらいの簡単さできました。事前の知識や教育も不要です」と制作を振り返ります。
また、制作時にはすぐにウェブ上でプレビューを確認できるので、修正サイクルを早く回せることも大きなポイントです。
この「VR事業所紹介」導入後は、「自分たちの事業所でも是非VRをやりたい!」という声が複数寄せられました。「これまでこうした内容のコンテンツは本社から各事業所にお願いして作っていたので、事業者から自発的にやりたいと言ってもらえるとはすごい」と藤山さん。
最後に藤山さんは「今後は月に1ヶ所のペースで事業所やショールームの紹介を増やし、『InstaVR』の作成者も複数育てていきたい」と展望を語ってまとめました。
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