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インメモリデータベースの今後。新領域への適用可能性 - デジタルトランスフォーメーション時代の最新データベース技術勉強会 -

データベース SAP HANA

Accenture

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インメモリデータベースの今後。新領域への適用可能性 - デジタルトランスフォーメーション時代の最新データベース技術勉強会 -

2018年3月6日(火)19時10分より、「【エンジニア向け勉強会】デジタルトランスフォーメーション時代の最新データベース技術勉強会 ”守・破・離” - Vol.3 インメモリデータベースの今後。新領域への適用可能性 -」が開催されました。

アクセンチュアが「データベース」をテーマに主催する全3回のイベントも、今回で最終回を迎えます。第3回目は「インメモリデータベースの今後。新領域への適用可能性」がテーマです。

※ 第1回「DB進化論、第2回「OneファクトOneプレイスでリアルタイム?」のレポートも是非ご覧ください。

当日は抽選で選ばれた90名強が参加しました。 第1回、第2回に引き続き参加された方も多くいらっしゃいます。

登壇者と内容は下記のとおりです。

「開催のご挨拶」
アクセンチュア 株式会社 吉越輝信さん

「『SAP HANA』のプロセッシング」
SAPジャパン株式会社 新久保浩二さん

「インメモリデータベースの今後。新領域への適用可能性」
アクセンチュア株式会社 花木敏久さん

「Alexa for the Enterprise」
アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 河原哲也さん

パネルディスカッション:「SAP HANAフルスタックエンジニアのカタチ」
SAPジャパン株式会社 新久保浩二さん
アクセンチュア株式会社 花木敏久さん
アマゾンウェブサービスジャパン株式会社 河原哲也さん
アクセンチュア 株式会社 吉越輝信さん

SAP×アクセンチュアが提供する「イノベーションのためのフレームワーク」

まずは、アクセンチュアの吉越さんから、イベントの概要とアクセンチュアについての紹介です。

吉越輝信(よしこし・てるのぶ)/アクセンチュア株式会社シニアマネージャー テクノロジーコンサルティング本部 SAPビジネスインテグレーショングループ。1970年生まれ。SAPジャパンを始めIT企業複数社での勤務を経て、2017年にアクセンチュアへ入社。クリスチャーノ・ロナウドが大好き。

冒頭で「従業員数43.5万人」、「55カ国、200拠点」などグローバルでのアクセンチュアを紹介した吉越さんは、国内での展開についても紹介します。

「現在アクセンチュアは毎年国内で1000人ほどのボリュームで採用を進めていまして、メンバーの数はおよそ1万人です。

私たちのビジネス領域は5つあります。戦略コンサルの『Accenture Strategy』、業務コンサルの『Accenture Consultingコンサルティング』、UI・UXに強い『Accenture Digitalデジタル』、戦略をSIで具現化していく『Accenture Technology』、ビジネスプロセスを含めて運用する『Accenture Operations』ですね。私の所属する『Accenture Technology』は、国内で一番人がいる部門で、約4500人のメンバーがいます」(吉越さん)

続いて吉越さんはデジタルトランスフォーメーションの最新事例として、ドイツのプロサッカークラブであるバイエルン・ミュンヘンの取り組みを紹介。ファンショップを訪れた顧客のメンバーカードから「SAP HANA」に蓄積された、その顧客の利用履歴・趣味趣向などを瞬時に把握し、その顧客が好きな選手が接客するという事例です。取り組みの様子はこちらの動画で紹介されています。

最後に吉越さんはデジタルトランスフォーメーションを実現するためのSAPのソリューション、ならびにSAPを活用しアクセンチュアが提供するフレームワークについて説明します。

「SAPでは『SAP DIGTAL BUSINESS FRAMEWORK』というソリューションを提供しています。このソリューションは、既存のビジネスはERPである『S4』で回すことを基本としつつ、そのデータを有効活用してビジネスのイノベーションを実現するためのものです。『SAP HANA』を中心として、新しいテクノロジーを取り込むプラットフォームとなっているので、デジタルトランスフォーメーションを進める手助けができます。

ただし、『デジタルトランスフォーメーションに取り組む』というのは簡単ですが、何が正解なのかはわかりませんよね。『Uber』や『Airbnb』のアイディアでさえ、企画書をみたら『こんなの上手くいくわけないじゃん』と判断してしまうかもしれません。

そこで、私たちアクセンチュアが持つ知見をSAPのソリューションと掛け合わせて提供しているのが『Accenture Liquid Studio For SAP』です。

これは、小さなプロトタイプをクイックに作って、サクサクレビューを受け、失敗したら次に進むという繰り返しの方法です。クラウド時代の現代では、失敗のコストが安くなっています。ですから、どんどん失敗しましょう。小さな失敗が大きな成功への近道なのです。

具体的には、まず課題を解決するイノベーションのテーマを設定し、SAPのプラットフォーム上で2週間くらいのスピードでプロトタイプを作ります。そして、ターゲットであるお客さまに実際に触ってもらい、フィードバックを得つつ、仮定が正しいかどうかを小さくどんどん回していき、最終的に本番で運用していくわけです。

私はMITメディアラボ所長の伊藤穰一さんの『Practice Over Theory』、つまり、『理論より実践』という言葉大好きなのですが、まさにこの考え方です。化粧品メーカーのLOREALなど『Accenture Liquid Studio For SAP 』を活用した事例はすでにたくさん出ています。

技術的に全ての根幹となるのが『SAP HANA』なのです。これまで2回のイベントで『SAP HANA』の強みや弱点をご紹介しました。本日は最終回ということで、新しい領域での活用を考えるきっかけにしてもらえればと思います」(吉越さん)

『SAP HANA』のプロセッシング

吉越さんのオープニングにつづいては、SAPジャパンの新久保さんによる講演です。

新久保浩二(しんくぼ・こうじ)/SAPジャパン株式会社 プラットフォーム事業本部ビジネス開発部シニアアーキテクト。1976年生まれ。山口県出身。複数社での勤務を経て、2015年にSAPジャパンへ入社。海好き。

新久保さんのテーマは「プラットフォームとしての『SAP HANA』」についてです。まず新久保さんはSAPが提供している「SAP Connected Health Platform」の動画を紹介。その動画内の「情報がサイロ化されている状況を変えなければいけません」という言葉を課題感として共有します。

「今ご覧いただいたのはヘルスケア領域の事例です。ヘルスケアでは特にデータの分断が顕著です。ただ、『たくさんのデータがあって、つながっていない』という問題はどの企業でも起こっている課題です。

ヘルスケアでは、電子カルテのような構造化されたデータ、患者の診断・研究者の実験、メモ書きなど構造化されていないデータなどが混在します。非構造化データは80%にもおよび、データを『使える状態にすること』が大きな課題でした。

そのためにはデータの品質を管理したり、テキストデータを処理するテキスト分析エンジンを搭載したり、紙のメモを扱うため機械学習によるデータ認識技術が必要だったりするわけです。

『SAP Connected Health Platform』では、とにかくデータをつなげることがポイントでした。つないで、非構造化データも持ってきて、機械学習をかけて認識して使える状態にすることで、医療機関の業務を支援したのです」(新久保さん)

では、実際にはどのようにデータをつないでいるのでしょうか?

「『SAP HANA』は単なるデータベースではありません。データをつなぐ部分を実行することができるんです。そのつなぎ方には2つのパターンがあります。まず、外のデータを『SAP HANA』が取りに行く方式。さらに、『SAP HANA』にデータを持ってくるやり方です」(新久保さん)

新久保さんは「Oracle」と接続するデモを交えながら「SAP HANA」のこの2つの機能をさらに詳しく紹介します。

1. データフェデレーション

「まずは『SAP HANA』を仮想統合基盤として利用する方法ですね。

ユーザーから『SAP HANA』にクエリが飛んできた際、そのデータが別のデータソースに定義されていると認識すると『SAP HANA』がデータを取りに行くんです。ローカルテーブルのようにリモートデータへアクセスが可能だったり、データのある場所によらずに開発できることがベネフィットですね。

『Oracle』『SQL Server』『Teradata』『DB2』『Netezza』『Hadoop』『Hive』『Spark』など様々なデータソースに対応しています」(新久保さん)

2. データインテグレーション

「もうひとつは『SAP HANA』を物理統合基盤として利用する方法です。こちらは『SAP HANA』に全てにデータを持ちたい場合に利用します。例えば、『Oracle』に何かしらのトランザクションが入り、インサート・アップデート・デリートなどのコミットが打たれた瞬間に『SAP HANA』にデータを持ってきて、デュプリケーションするみたいな状況をサポートします。

『SAP HANA』単なるデータベースではありません。インテグレーションもできるし、入ってきたデータをデジタル化して使えるようにする機能もあります。是非、無料版の『SAP HANA』をインストールして試してみてください」(新久保さん)

新久保さんの当日のスライドはこちらにまとめられています。

インメモリデータベースの今後。新領域への適用可能性

続いて、アクセンチュア花木さんの登壇です。

花木敏久(はなき・としひさ)/アクセンチュア株式会社。鹿児島県出身。法政大学卒。国内SIer、サイベース、デルジャパンでの勤務を経て、2017年にアクセンチュアへ入社。猫派。

花木さんはまず「なぜインメモリデータベース上に大量データを処理するロジックを持ってこなければいけないのか?」のかを振り返ります。

「これまでの講演でもお話ししてきましたが、例えばBIサーバでは、データベースとは別に独立したサーバを用意しますよね。そして、データベースから大量データを遅いネットワーク経由でBIサーバへ転送して処理するわけです。従来までのこの方式では遅いという課題がありました。

それであれば、ロジックをデータがあるところに持ってきて処理してしまおうと発想しました。これは『アプリケーションロジックプッシュダウン』と呼ばれます」(花木さん)

花木さんは、この「アプリケーションロジックプッシュダウン」という発想に基づき「SAP HANA」に実装されている機能を、デモを実践しながら紹介します。

■テキスト分析&サーチ

「まず、テキスト分析機能です。

この機能ではWordやPDFなどの文書を『SAP HANA』のカラムの中に取り込み、そこからメタデータなどを除いたテキストだけを抽出することができます。そして、各単語に分解して文の『肯定・否定』を5段階で評価したり、単語が使われる回数から文章の特徴を判定することで、新しい分析軸を構築していきます。

また、バラした単語はテーブルに格納されていますので、インデックスとして高速な全文検索、あいまい検索を利用することも可能です。

『SAP HANA』に入っているわけですから、SQLで使えるのも大きな特徴です」(花木さん)

■空間データ処理

「『ヒトやモノ、ある事象などのビジネスデータ』を『地図上のXY軸で表される位置情報のデータ』で拡充する機能です。

例えば、『お客様マスター』には住所が入っていますが、住所のデータだけだと『港区と品川区が隣』ということは人間以外にはわかりませんよね。ここに位置情報が入ると隣にならんだ情報であるという価値が生み出されるわけです。

そうすると、『ある店舗から3km以内の商圏にDMを出す』といった施策を行えるようになります」(花木さん)

■Earth Observation Services

・衛星写真から環境汚染がどの程度進んでいるのかを見ることができる機能

■予測分析

「データベース以外では『SAP HANA』をご利用のお客さまに一番興味をもってもらっているのが予測分析機能だと私は感じています。

予測分析機能では、『ABC分析』や『おむつとビール』のような単純な相関関係だけではなく、回帰分析や『K-means法』というクラスタリングなどもサポートしています。

例えば『K-means法』では、100人のお客様のデータを自動で特徴ごとに4つのグループに分類することができるわけでし。このとき、インプットにはインメモリテーブルがあり、アウトプットにはグループの特性を定義した『center point』と、どのグループに分類されたかという結果『result』が格納されます。

その他にも、『SAP HANA』には分析アルゴリズムが80から90くらい備わっています。それぞれを組み合わせながら過去データを分析して特徴を見つけ出し、そこに新しいデータをあてて予測のための基礎データにご活用いただいています」(花木さん)

■系列データ

・シリーズデータ、時系列データを効率的に扱うデータの持ち方ができる

■ストリーミング分析

「ネットワークから流れてくるデータを、データベースに入る前にメモリ上に一定時間溜め込むことができます。そして、溜め込んでいる間に、前もって期待していたパターンにそって、例えば5秒おきに対応を入れるかどうか判断します。これにより、データベースにデータを入れる前に高速なアクションを起こすことができます」(花木さん)

■グラフデータ処理

「人やモノ、会社組織など『点』で表し、その点を線でつないで分析する機能です。構成されたモデルは『SAP HANA』に格納され、パターンを発見したり、特定の条件にマッチする関係を見つけ出したりすることができます」(花木さん)

続いて花木さんはインメモリデータベースの新しい機能拡張である「External Machine Learning Library」を紹介します。

「『SAP HANA』は、外部のデータベースとの連携機能を拡張する口を持っています。その連携を活用して『TensorFlow』と拡張したのが『External Machine Learning Library』です」(花木さん)

花木さんは「External Machine Learning Library」を使って作成されたデモを紹介します。

「このデモは、『欲しい商品を取り扱っている近くの店舗にユーザーを誘導する』というものです。

例えば、ユーザーは気に入った緑のTシャツの写真を撮影し、その写真をアップロードします。すると、画像を分析して同じような商品を扱っている店舗の情報をオファーしてくれるんです。そして、位置情報と連動して店舗まで誘導します。

これは『SAP HANA』と『TensorFlow』の機能を掛け合わせることで実現します。ユーザーから携帯電話のネットワークを通じて写真と位置情報が送られてくると、まず、画像データを『TensorFlow』に送り出して分析してもらいます。

そして、『TensorFlow』から『この画像は、緑のTシャツ』という識別結果が帰ってきたら、そこからは『SAP HANA』が得意な世界ですので、ユーザーへのレコメンデーションを行います」(花木さん)

最後に花木さんはテーマである「インメモリデータベースの新領域への適用可能性」につてまとめて、講演を終了しました。

「画像をはじめとする非構造化データの扱いは歴史的な課題でした。『TensorFlow』を使っているとはいえ、『画像で検索すると詳しく正しい情報が得られる』というのは、ここ20年くらい求めていたブレイクスルーだと考えています。

今後は、インメモリデータベースの中に業務用アプリやセンサー、SNSなど様々なソースから、まとめてではなく、刻々とデータが入ってくるようになっていくでしょう。そこには画像・音声・テキストといったマルチメディアのデータが含まれるでしょう。

そういったデータを活用して、ビジネスデータを絞り込み、お客さまに必要な情報の提案がどんどんできるようになることを期待しています」(花木さん)

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