
NFT
NFTは「Non-Fungible Token」の略で、直訳すると「非代替性トークン」です。
これはデジタル資産の一種で、ブロックチェーン技術を利用しています。ブロックチェーンは情報を分散して保存する技術で、ビットコインなどの仮想通貨にも使われています。
NFTはデジタルアートや音楽、ゲーム内アイテムなど、デジタルコンテンツを一意に識別するための証明書のようなものです。
例えばあるアーティストがデジタルアートを作成し、それをNFTとして発行すると、そのアート作品は世界で一つだけの存在となります。そして、その所有権はブロックチェーン上に記録され、誰がそのNFTを所有しているかが公開されます。
NFTの魅力はデジタルコンテンツの所有権を証明できることにあります。インターネット上では画像や音楽などのデジタルコンテンツは簡単にコピーできてしまいます。しかしNFTがあれば、そのコンテンツが「オリジナル」であることを証明できます。これにより、アーティストは自分の作品の価値を高め、それを販売することが可能になります。
また、NFTはデジタルコンテンツを売買するための新たな市場を生み出しています。NFT市場ではアーティストが直接自分の作品を販売したり、消費者がその作品を購入したりすることができます。これによりアーティストは創作活動を通じて収入を得る新たな道を開くことができるのです。
79億円や33億円もの価値がついたNFTアートがあることでも話題になりました。
NFTには注意点もあります。NFTの価値は市場の需給によって決まるため、価格は大きく変動します。また、NFTを取引する際には手数料が発生することもあります。そのため、NFTを購入する際には、十分な情報を得てから決定することが重要です。
NFTはデジタルコンテンツの価値を確立し、新たな市場を生み出す可能性を持っています。NFTの動向に注目し、継続的な情報収集をしていきましょう。
これはデジタル資産の一種で、ブロックチェーン技術を利用しています。ブロックチェーンは情報を分散して保存する技術で、ビットコインなどの仮想通貨にも使われています。
NFTはデジタルアートや音楽、ゲーム内アイテムなど、デジタルコンテンツを一意に識別するための証明書のようなものです。
例えばあるアーティストがデジタルアートを作成し、それをNFTとして発行すると、そのアート作品は世界で一つだけの存在となります。そして、その所有権はブロックチェーン上に記録され、誰がそのNFTを所有しているかが公開されます。
NFTの魅力はデジタルコンテンツの所有権を証明できることにあります。インターネット上では画像や音楽などのデジタルコンテンツは簡単にコピーできてしまいます。しかしNFTがあれば、そのコンテンツが「オリジナル」であることを証明できます。これにより、アーティストは自分の作品の価値を高め、それを販売することが可能になります。
また、NFTはデジタルコンテンツを売買するための新たな市場を生み出しています。NFT市場ではアーティストが直接自分の作品を販売したり、消費者がその作品を購入したりすることができます。これによりアーティストは創作活動を通じて収入を得る新たな道を開くことができるのです。
79億円や33億円もの価値がついたNFTアートがあることでも話題になりました。
NFTには注意点もあります。NFTの価値は市場の需給によって決まるため、価格は大きく変動します。また、NFTを取引する際には手数料が発生することもあります。そのため、NFTを購入する際には、十分な情報を得てから決定することが重要です。
NFTはデジタルコンテンツの価値を確立し、新たな市場を生み出す可能性を持っています。NFTの動向に注目し、継続的な情報収集をしていきましょう。
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2026のメインテーマは「Innovators Show Up」 CES 2026の6つのトレンドと49のカテゴリー CES 2026におけるメガトレンド 出展社数と参加者数の推移 CES 参加バッジの価格 会場の概要 LVCC Campus Venetian Campus その他の会場 会場間の移動 Vegas Loop Zoox 注目のトピック:XR Tech XR関連企業の出展動向 出展ブースのXRデバイスから見るトレンド 中国企業の大攻勢 中国系の眼鏡型デバイスを一手に引き受けるMeta-Bounds 見かける機会の減ったHMD型デバイス 日本発企業が示したXRデバイス向け要素技術 Play For Dream Cellid Even Realities Meta 注目のトピック:Fashion TechとBeauty Tech Mode Wearablesの「ModeX Bomber Jacket」 デジタルカラーチェンジネイルの「iPolish」 カスタム3Dプリントシューズの「Fitasy」 ReFaの「ReFa AI color recipe PRO」 花王の「my Symmetry & THE CORE」 Perfectの「YouCam AI API」 注目のトピック:その他 NVIDIA Samsung Razer Robot, Robot and Robot... おわりに CES 2026の概況 今年のCESは「人が戻った」だけでなく、“会場の重心”がLVCC中心から周辺会場に少し移動したように感じました。 大手企業の出展の仕方が変わり、LVCCの景色が去年と違う 一方で来場者は増え、移動のボトルネックは相変わらない このあと前半で全体像、後半でXR Tech、Fashion Tech、Beauty Tech目線の“刺さった展示”をまとめます。 数年来の工事が完了して綺麗に整備されたLas Vegas Convention Center CES は CTA (Consumer Technology Association)が主催する、毎年1月にラスベガスで開催される世界最大級のテックイベントです。公式サイトでは「 The Most Powerful Tech Event in the World 」と表現されています。「セス」と呼ぶ方もいますが、正しくは「 シーイーエス 」です。CESはかつて『Consumer Electronics Show』と呼ばれていましたが、現在この表記は使用されていません。現在は「Consumer Electronics Show」の表記は前面に出されず、CESとしてブランド化されています。 CES 2026のメインテーマは「Innovators Show Up」 メインテーマが掲げられているVenetian 2Fのサイネージ CES 2024の「All ON」、CES 2025の「DIVE IN」に続くCES 2026のメインテーマは「 Innovators Show Up 」でした。 *1 "CES is where innovators show up, business accelerates, partnerships ignite, and technology transforms real-world challenges into bold opportunities" CTA CEOのGary Shapiro氏は上記のように、CESはイノベーターが集う場であることを強調しています。 CES 2026の6つのトレンドと49のカテゴリー CESには毎年CTAの打ち出すトレンドがあり、2026年のトップトレンドとして、次の6つが挙げられています。 *2 AI Digital Health Energy Enterprise Mobility Robotics 「AI」「Digital Health」「Mobility」は昨年に引き続きトップトレンドとして挙げられています。一方、昨年のトップトレンドであった「Energy Transition」「Quantum」「Sustainability」は外れ、新たに「Energy」と「Enterprise」が加わりました。 トップトレンドとは別に、次に挙げる49の技術領域が公式カテゴリーとして設定されています。 Accessibility, Accessories, Additive Manufacturing & 3D Printing, AgTech, Artificial Intelligence, Audio, Beauty Tech , Biotech, Blockchain & Digital Assets, Cloud Computing, Computing, Construction & Industrial Tech, Content & Entertainment, Cybersecurity, Digital Health, Drones, Education Tech, Energy Transition, Enterprise, Fashion Tech , Fintech, Fitness , Food Tech, Gaming & Esports , Home Entertainment & Office Hardware, Imaging, Investment & Venture Capital, IoT/Sensors, Lifestyle, Longevity, Marketing & Advertising, Next G, Pet & Animal Tech, Quantum, Retail/E-Commerce , Robotics, Smart Communities, Smart Home & Appliances, Sourcing & Manufacturing, Space Tech, Sports, Startups, Streaming, Supply & Logistics, Sustainability, Travel & Tourism, Vehicle Tech & Advanced Mobility, Video & Display, XR & Spatial Computing 私が特に注目しているカテゴリーは太字で示しています。CES 2025では「AR/VR/XR」がカテゴリーとして設けられていましたが、今年は「 XR & Spatial Computing 」と名称が変更されました。同様にいくつかのカテゴリー名が変更された一方で、「Cryptocurrency」「Metaverse」「NFT」などは外れています(それらのカテゴリーの出展が完全になくなったわけではありません)。 CES 2026におけるメガトレンド 先に発表された6つのトップトレンドとは別に、CTAはトレンド予測セッション「 Trends to Watch 」で2026年のメガトレンドとして次の3つを挙げました。 Intelligent Transformation Longevity Engineering Tomorrow なかでも「 Longevity (ロンジェビティ)」、つまり「長寿、健康」に関するAgeTech、LongevityセクターはCES 2026の会場内でも多く見かけました。健康寿命を延ばすことに関心が高まっていることを示しています。 このセッションはメディア向けセッションのため現地では聴講していませんが、 アーカイブ動画 と PDF資料 が公開されています。CTAの謳うテックトレンドに少しでも興味がある方は、一度は目を通すことをおすすめします。 出展社数と参加者数の推移 出展社数は過去最高タイだったCES 2025の4,500社以上から4,100社以上に減少しましたが、参加者数はコロナ禍以降では過去最高の148,000人以上となりました。2018〜2026年の出展社数と参加者数の推移は以下の通りです。 年度 出展社数 参加者数 CES 2018 3,900社以上 182,198人 *3 CES 2019 4,500社以上 175,212人 *4 CES 2020 約4,500社 171,268人 *5 CES 2021 約2,000社 約80,000人 CES 2022 2,300社以上 44,000人以上 CES 2023 3,200社以上 117,841人 *6 CES 2024 4,300社以上 138,789人 *7 CES 2025 4,500社以上 142,465人 *8 CES 2026 4,100社以上 148,000人以上 CESの参加者数は各年のATTENDANCE AUDIT SUMMARYに1桁単位で精密な数字が公表されています(コロナ禍の影響で完全オンライン化された2021年とハイブリッドで開催された2022年は公式発表なし)。これは参加バッジの発行数をもとにした、重複なしの参加者数です。CES 2026の正確な参加者数は後日公開される見込みです。 CES 参加バッジの価格 CESへの参加には参加登録が必要です。メディアやインフルエンサーではない一般参加者は有償で参加バッジを得られます。 参加バッジは紛失時に350 USDの手数料がかかるので要注意 CES 2026の参加登録は昨年同様9月11日に開始され、通常のチケットであるExhibits Plus Passの価格は同12月1日までの早期登録が149 USD、以降は350 USDでした。私は昨年に続き過去回の参加者特典により無料でした。 参加バッジは空港で受け取るとスムーズ 過去に一度だけCES公式のセッションを聴講するためのカンファレンスプログラミングパスを追加しましたが、以下の観点から今年も追加せずにブースのみを巡りました。 カンファレンスに参加するとブースを巡るための時間を削減せざるを得ない 多くのセッション動画は後日アーカイブ動画として無償で公開される セッション以外の動画も含まれていますが、実際に CES 2026関連の公式アーカイブ動画は500本以上が公開 されています。 会場の概要 Image source: https://www.ces.tech/explore-ces/maps-and-locations/ CESの展示会場は昨年同様、 LVCC Campus ・ Venetian Campus ・ C Space Campus の3つで構成されています。 LVCC Campus 大きく様変わりしたLVCC Centralの内部 LVCC CampusはLVCCことLas Vegas Convention and World Trade CenterのWest Hall・North Hall・Central Hall・South Hallを中心に構成されていて、CESのメイン会場とも言えます。特にCentral Hallは大規模工事を経て外観・内観が大きく変わりました。CES 2025以前の参加者はその変化に驚いたはずです。 GoogleはCVSやSphereでGeminiやAndroid XRをアピールしていた 今年は、CESの初回となる1967年から58年間連続で出展してきたSonyをはじめとして、Google、Samsungなどの大手企業がLVCCでの出展を取り止めています。もっともSonyはSony Honda Mobilityとしてブースを構え、販売を控えるAFEELAを大々的にアピールしていました。参加バッジのストラップもSonyではなくSony Honda Mobilityでした。また、Googleは会場外でGeminiやAndroid XRをアピールし、SamsungはWynnに独自のブースを構えていました。 昨年に続きWestgateは会場として利用されず、 CES Foundry や後述するNVIDIA Live、NVIDIA Showcaseの会場として、2023年12月にオープンしたラスベガスで最高層の Fontainebleau Las Vegas が追加されました。 Venetian Campus Venetian Expoの2Fから1Fを俯瞰する Venetian ExpoはCESの1か月前に開催されるAWS re:Inventでもお馴染みのVenetianを会場として、スタートアップ企業の集まるEureka Parkが設けられています。 Eureka Parkで勢いを増しているKorean Tech Image source: https://exhibitors.ces.tech/8_0/floorplan/?st=country&hallID=M&sv=South%20Korea このEureka Parkには、スタートアップ企業による個別のブースとは別に、特定の国が1カテゴリーとして集まっているという特徴があります。これまではフランス発のLa French Techが非常に目立っていましたが、近年は韓国発のKorean Techが勢いを増しています。 JETROが支援するJapan Pavilionとクリエイティヴ・ヴィジョンが推進するJAPAN TECH 日本発としてはJETROが支援する「 Japan Pavilion 」から31社、クリエイティヴ・ヴィジョンが推進する「 JAPAN TECH 」から37社がEureka Parkにブースを構えていました。 その他の会場 C Space Campusは主にマーケター向けの会場で、CESの出展社や参加者がビジネスミーティングするためのスペースが提供されています。 その他、前述の通りSamsungやMetaはCESのプログラムとは別に、Wynnに独自の会場を設けていました。ホテルの一室を利用してプライベートミーティングの場を設ける企業もよく見聞きします。 一般の来場者向けの会期は4日間ありますが、1人ですべての会場・すべてのブースを巡るのは非現実的です。私は今回、到着日をDay 0として、Day 3まで滞在し、以下の行程で会場を巡りました。 Day 0:NVIDIA Live Day 1:LVCC Campus Day 2:Venetian Campus Day 3:周りきれなかったLVCC CampusとVenetian Campus 会期中はとにかく歩き回りました。歩きやすい履き慣れた靴の準備が欠かせません。今年はOnのスニーカーを履いて臨みました。事前に訪れるブースを決めてルートを最適化して効率的に巡っているとはいえ、4日間の平均歩数は昨年同様に毎日20,000歩を超えていました。 会場間の移動 会場間の移動には時間がかかります。例年同様、会場間の移動には徒歩とVegas Loop、そしてライドシェアを利用しました。徒歩とライドシェアについての特筆すべきアップデートはありません。LVCCとVenetianの移動に使えるラスベガスモノレールや2階建てバスのDEUCE(デュース)、通常のタクシーも選択肢として挙げられますが、私はこれらを利用しませんでした。 日中は非常に混雑して会場間の移動には使えませんでしたが、Amazonの子会社であるZooxが2025年9月からラスベガス市内で提供している自動運転車による特定スポット間の移動も利用できました。 Vegas Loop LVCC Central Underground Station 開通以降、毎回お世話になっている Vegas Loop ですが、今年も何度か利用しました。Vegas Loopはイーロン・マスク氏率いるThe Boring Companyが運営するLVCCの会場間を繋ぐ地下トンネルです。徒歩ではそれなりに時間のかかるルートを、Teslaで効率よく結ぶ交通システムです。 Vegas Loop Map Station Map(2026年1月20日現在) Image source: https://www.lvcva.com/vegas-loop/ CES参加者向けの路線は、LVCCのWest Hall・Central Hall・South Hall間を結ぶ無償ラインと、LVCCからホテルを結ぶ有償ラインがあります。この有償ラインは、昨年のCES 2025時点では RESORTS WORLD線 しかありませんでしたが、CES 2025閉幕直後の2025年1月18日に WESTGATE RESORT線 が開通、そして2025年4月8日に Encore線 が開通しました。 運良く乗車できたVegas Loopを走るCybertruck 今回はLVCCからWynnへの移動時に一度だけ有償のEncore線に乗車しました。Vegas Loopを走っている車両はTesla Model S、3、X、そしてYの4種類ですが、時々Cybertruckが走っている姿を見かけていました。この機会に運良く乗車できれば、と考えていたところ、見事このEncore線でCybertruckに偶然にも乗車できました。 Vegas Loopのチケット購入ページ Image source: https://lvloop.com/tickets このVegas LoopはLVCC周辺だけではなく、将来的にはラスベガスの大通りを行き交うルートが計画されています。CES 2026の期間中も10:00から21:00までの時間限定ではあるものの、Resorts World Stationからハリー・リード国際空港へ向かう空港線が運行していました。今回は都合が合わず乗車できませんでしたが、片道12 USDとライドシェアよりも安価なので、次回ラスベガス入りする際には試してみたいところです。 Zoox ZooxのカウンターがあるResorts Worldのエントランス前乗り場 It’s not a car. を標榜する Zoox はラスベガスに登場した新しい「ロボタクシー」です。2020年にAmazonが買収し、現在は独立子会社として運営されていて、システムのバックエンドには AWS(EC2, S3, EKS, CloudWatch)が使われています 。 2026年1月現在は、誰でも無料乗車できる形でラスベガスを、ウェイトリストに登録する形でサンフランシスコをテスト走行しています。 AWS re:Invent期間中も多くの方が乗車レポートを投稿していましたが、CES 2026でも多くの方が乗車していました。今後はSXSWの開催地であるオースティン、そしてマイアミへの展開が 計画されています 。 ラスベガスのZoox走行エリア(2026年1月20日現在) Image source: Zoox Android App CES参加者の目線では、Vegas Loopが主にLVCCの会場間を繋いでいる一方で、Zooxはラスベガス市街のホテルやショッピングモールなどの施設を繋いでいます。ホテルからAREA15やTopgolf間の移動にも使えるので、市内観光の一環としても便利かもしれません。 Resorts WorldのZooxカウンター 私はVegas Loop StationもあるResorts WorldからZooxに乗りました。 Zooxは2025年5月にResorts Worldの公式ロボタクシーパートナーになっていて 、エントランスには有人のZooxカウンターが設けられています(記念撮影してもらえます)。 アプリで無人車両のドアを開ける直前の様子 Zooxの車両は完全に無人です。車両の予約はもちろん、ドアの開閉もすべてZooxアプリ経由で行います。このZooxアプリのインストールにはUSのアプリストアアカウントが必要です。JPリージョンのアプリストアアカウントではインストールできないので、Zooxに乗りたい場合は事前にアカウントの作成が必要です(もっとも開発者に属する多くの方は検証用途などで持っているとは思いますが)。 目的地に到着後、誰も乗せずに走り去っていくZoox 運転席もない自動運転車への乗車は初めての体験でしたが、特段の違和感を覚えることもなく、目的地までスムーズに到着しました。時期的に予約が集中していたため、私の利用時は30分以上待機しました。そのため日中の移動手段としては使いづらい場面もありますが、今後、車両台数や運用が拡充されれば、利便性はさらに向上すると考えられます。前述の通りMobilityはCES 2026のトップトレンドの1つです。特にラスベガスで開催されるテックイベントであるGoogle Cloud Next、re:Invent、そしてCESの参加者はぜひ乗車してみてください。 注目のトピック:XR Tech CESのカテゴリーのひとつに「 XR & Spatial Computing 」が設けられています。これは私が強い関心をもって継続的に追っている技術領域です。このパートでは、それらをXR Techとしてまとめてお伝えします。 XR関連企業の出展動向 CES 2026全体を通して「 XR & Spatial Computing 」カテゴリーの出展社数は 265 でした。CES 2025では「 AR/VR/XR 」カテゴリーの出展社数は 355 だったので、 昨年対比で90ブース減った ことになります。 LVCC Central Hallの会場地図 Image source: https://exhibitors.ces.tech/8_0/floorplan/?st=category&hallID=B 昨年同様、CES 2026では、LVCC Central Hallに「 GAMING | XR 」として分類された一画が設けられていました。 LVCC Central Hall内「GAMING | XR」エリアの会場地図 Image source: https://exhibitors.ces.tech/8_0/floorplan/?st=category&hallID=B このLVCC Centralの「GAMING | XR」エリアにブースを構える「 XR & Spatial Computing 」カテゴリーの出展社数は 32 でした。このエリアは例年通り、Insta360、XREAL、Pimax Technologyなどの中国企業が目立っていました。 また、CES 2024まではXR関連エリアの設けられていたスタートアップ企業が集まるVenetian CampusのEureka Parkですが、今年もそういったエリアは見当たりませんでした。 CESでは毎年、デザインやエンジニアリングにおいて優れた製品を表彰する CES Innovation Awards を実施しています。XR関連の製品は XR & Spatial Computing として分類され、計 12 製品が受賞しました。いわゆるHMD型・眼鏡型のXRデバイスは次の 5 製品です。 CES Innovation Awardsの会場とQualcommのブースに展示されていたGalaxy XR Galaxy XR Vuzix Ultralite Pro Enterprise Platform World's Lightest Full-Feature Colorful AR+AI Glasses World's Lightest Stylish AR Glasses XREAL Project Aura 奇しくも Android XR のHMD型デバイスである「 Galaxy XR 」と眼鏡型デバイスである「 XREAL Project Aura 」の両方が受賞していました。しかし、いずれもデモとして試せる状態になっている動態展示はありませんでした。 出展ブースのXRデバイスから見るトレンド CES 2026で体験したXRデバイス(HMD型・眼鏡型)の一部 例年通り、CES 2026でもたくさんのXRデバイスを試してきました。この写真はHMD型・眼鏡型のXRデバイスの一部です。 体感として CES 2024 では、まだHMD型のバリエーションを感じられましたが、 CES 2025 では、HMD型デバイスを抑えて一気に眼鏡型デバイスが増えました。そして今年のCES 2026ではさらにその傾向が強まり、とにかくたくさんの、それこそ食傷気味になるくらい多くの眼鏡型デバイスを見かけました。 この背景として以下の要因が考えられます。 世はまさに“大AI時代”であること 眼鏡型デバイスの先駆者である「XREAL」の成功 さらに後発にあたるMeta発の眼鏡型デバイス「Ray-Ban Meta」の大成功 中国企業の大攻勢 私自身は展示されていた眼鏡型デバイスのすべてを数えたわけではありませんが、 英香港紙SCMPのレポート によると、眼鏡系デバイスは約60社あり大半を中国ブランドが占めていたそうです。また、 中国メディア我爱音频のレポート 曰くAI機能を持つ主要な眼鏡型デバイスは36種あり、 中国メディア智东西のレポート 曰く27社の中国企業が「AIスマートグラス、VR、AR」製品を展示していたそうです。 中国は、国家戦略として6,000元(2026年1月20日現在で約13.6万円)以内のスマートグラスを対象に価格の15%、500元(同約1.1万円)を上限に 買い替え補助金の支給を公布 し、2026年1月1日から施行したと報じられています。今後、デバイスの「生産」に加えて一般消費者による「購入」もいっそう加速することが予測されます。 中国系の眼鏡型デバイスを一手に引き受けるMeta-Bounds 中国系の眼鏡型デバイスを一手に引き受けるMeta-Bounds EssilorLuxottica がRay-BanやOakleyをはじめとする 非常に多くのアイウェアブランド の眼鏡型デバイスを引き受ける一方で、「oppo」「ZTE」「ThinkAR」「Lenovo」をはじめとする中国系デバイスの多くを Meta-Bounds(莫界科技) が引き受けています。この Meta-Boundsのブランド名がMojie であり、CES Innovation Awardsで2製品がノミネートされています。 見かける機会の減ったHMD型デバイス 眼鏡型デバイスが増え続ける一方で、HMD型の新作はあまり見かけませんでした。既存デバイスを生かした展示という観点でも、前述の通りGalaxy XRの動態展示はなく、Apple Vision Proも“野良展示”を1件見かけただけでした。また、CES 2025で強く打ち出していたSonyのXYN Headsetは協業しているSiemensのブースで見かけた程度でした。もちろん見逃しているブースもあるかもしれませんが、全体的にHMD型デバイスの存在感は薄れている印象を受けました。 HMD型デバイスを打ち出し続けているShiftallとPimaxのブース しかし、昨年から継続してLVCC Centralで出展しているShiftallの「 MeganeX 8K Mark II 」や、例年通り存在感を放っていたPimaxなど、HMD型デバイスを全く見なくなったわけではありません。また、後述しますが、今年はPlay For Dream社から“伏兵”も発表されています。 日本発企業が示したXRデバイス向け要素技術 眼鏡型デバイスではEssilorLuxotticaとMeta-Boundsの二強とも言えますが、複数の日本発企業からXR関連デバイスに生かされる新しい要素技術が発表されています。 www.youtube.com 例えばガラスで有名なAGCは、高屈折率ガラス基板など、次世代デバイスに必要な要素を兼ね備えた複数の要素技術を発表しました。今後、これらの技術はXRグラスメーカーに技術供与されそうです。 www.youtube.com また、TDKはHapticセンサーやMeta-Optic Mirrorによる網膜投影技術を搭載したスマートグラスのソリューション「 TDK AIsight 」を発表しました。他にも、アルプスアルパインは触覚・嗅覚・聴覚を刺激する新しい五感刺激を発表するなど、技術立国として日本も存在感を見せていました。 XR Techのトレンドに引き続き、個人的に興味を惹かれたブースをいくつか紹介します。 Play For Dream Play For DreamのMR R&Dプロトタイプ Image source: Play For Dream Unveils MR Prototype at CES 2026 Apple Vision Proライクな製品で話題になったPlay For Dreamは、“事前発表なし”でMRのR&Dプロトタイプを発表しました。 G-X100-M1のリファレンスデザイン Image source: 万有引力(宁波)科技有限公司 これは2025年12月に公開された GravityXR(万有引力) の G-X100 を搭載した G-X100-M1のリファレンスデザイン を採用したものと思われるデバイスです。現時点ではまだプロトタイプなのでこのままリリースされるとは限りませんが、リファレンスデザイン通りなら重量は93gで遅延はわずか9msという非常に軽量かつ低遅延なデバイスです。 Cellid 過去最大級のブースを出展していたCellid ARグラス用ディスプレイを開発するCellidは、次世代ARグラス「 HJ1 AI Smart Glasses 」を展示していました。このデバイスは、Foxconn × Cellidによる取り組みで、Cellidはレンズ部のウェイブガイドを担当しました。そしてJorjin Technologies(Foxconn)はグラス本体を、GIS(Foxconn)は精密光学と表示関連を担当したそうです。 グラスを各パーツに分解した状態の展示 Cellidの特長のひとつである最大2000nitsの高輝度表示は美しく、約46gの軽量サイズでありながらEye Trackingモジュールを内蔵するなど、非常に期待できる眼鏡型デバイスです。 CellidはこれまでLVCC CentralではなくNorthに小規模なブースを構えていましたが、今年は同じNorthではあるものの壁際に過去最大級のブースを構えていました。グラスの表示部に関わる要素技術において突出している日本発企業であり、ここ数年の変化を見てきているだけに、個人的にも嬉しい気持ちになりました。 Even Realities Even Realities Even G1が日本で局所的な盛り上がりを見せた後、2025年11月に後継機となる Even G2 を発売した Even Realities は満を持してCentral Hallに大きく洗練されたブースを構えていました。 The Even Realities booth at #CES2026 in a flash. Where to find us: Booth #16833, Central Hall. January 6–9. pic.twitter.com/Q70D1fRTvq — Even Realities (@EvenRealities) 2026年1月8日 Even RealitiesはXREALに代表されるような拡張ディスプレイの類いではなく、必要な情報を重畳することを目的としたスマートグラスです。カメラがついていないのでプライバシーの問題が起きず、何よりこのジャンルでは数少ない国内利用に必要な「技適」取得済みで、安心して使える点も魅力です。 当時のOculus Riftがそうであったように、XR関連デバイスにおいて日本は重要な市場のひとつと言えます。 Mogura VR Newsのインタビュー記事 によれば、実際にEven G2は日本の店舗がもっとも売れているそうです。今後の展開が非常に気になる、そしていわゆるキャズムを越える可能性のあるデバイスのひとつだと考えています。 Meta Metaはプライベートブースの他に2か所のMeta Labを推していた MetaはWynn内に商談を目的としたプライベートブースを構えていました。私はこのプライベートには行きませんでしたが、Metaの旗艦店であるMeta Labに行きました。 Wynn Plaza Shopsに店舗を構えるMetaの旗艦店Meta Lab Las Vegas Metaは2025年10月に常設の Meta Lab Las Vegas を Wynn Plaza Shopsにオープンしました 。Meta LabではMeta AIグラスのRay-Ban MetaやMeta Ray-Ban Displayを購入できます。いずれも日本国内ではまだ購入できない眼鏡型デバイスです。 Meta Labで調達したMeta Ray-Ban Display(技適特例申請済み) Meta Lab Las Vegasの存在は事前に把握していたので、あらかじめ予約した上で現地に赴き、その場で Meta Ray-Ban Display を購入しました。このMeta Ray-Ban Displayは特に人気のデバイスで、生産数が限られているため予約なしでは購入できません。 CES初日、この Meta Ray-Ban Displayに大きなアップデートが入り 、テレプロンプターやEMGリストバンドによる手書き入力など複数の機能が追加されました。 EMGリストバンドで自動車のナビを操作する Image source: Garmin Newsroom LVCC West HallのGarminブースでは、 EMGリストバンドを自動車のナビ操作などに活用する実践的なPoC が紹介されていました。 Wynn内にオープンしていた特設のMeta Lab また、 Encore Esplanade のAwakening theater付近にもうひとつのMeta Labを構えていました。こちらの店舗は予約の仕組みがなく、並んだ順の入店となっていました。 注目のトピック:Fashion TechとBeauty Tech CES 2025に続き、CES 2026でも「 Fashion Tech 」と「 Beauty Tech 」のカテゴリーが設けられていました。また、同様にCES Innovation Awardsのカテゴリーとしても設けられていました。 CES 2026で「 Fashion Tech 」カテゴリーとして登録されているブース数は 111 、「 Beauty Tech 」カテゴリーとして登録されているブース数は 121 でした。 CES Innovation Awardsで 2026 Honoree in Fashion Tech を受賞したのは次の7製品でした。 fēnix® 8 Pro - MicroLED Galaxy Watch8 Littlebird Safety Tracker ModeX Bomber Jacket Snapdragon W5+ Gen 2/W5 Gen 2 Wearable Platforms VRING:ON, From Sketch to Factory, in One Flow WE-STIM™ CalfSleeve: Advanced muscle anti-aging device 同様に2026 Honoree in Beauty Techを受賞したのは次の10製品でした。うち4製品は L'Oréal Groupe で、業界随一の強さを感じました。 BALANCE AI Rejuvenation Shower System Hyper Rejuvenating Eye Patch Light Straight MASTER AI Multi-Therapy Pod maXpace Renergie Nano-Resurfacer | 400 Booster SCAR: AI-Powered Precision Scar Treatment and Coverage System Device SkinBoosters Jet Skinsight Water Saver Dose 個人的に興味を惹かれたブースをいくつか紹介します。 Mode Wearablesの「ModeX Bomber Jacket」 Mode Wearablesの「ModeX Bomber Jacket」 「 ModeX Bomber Jacket 」は、2026 Honoree in Fashion Techを受賞したモジュラー式スマートウェアです。スマートウェアと言えば、例えば2019年にLevi'sが発売した「 Levi’s Trucker Jacket with Jacquard by Google 」が思い浮かぶかもしれません。これはスマートフォンの拡張デバイスに近い立ち位置でしたが、ModeX Bomber Jacketは現代の利用シーンに即した機能を備えています。 *9 Wearable charging, energy harvesting, and power transfer solutions. Programmable illumination for signaling and fashion applications. Haptic feedback systems for improved situational awareness. Spatial computing products leveraging on-device AI. 眼鏡型デバイスが一般社会に普及した先には、特に消費電力の課題が考えられるので、こういったスマートウェアが必要になる未来が想像できます。 デジタルカラーチェンジネイルの「iPolish」 デジタルカラーチェンジネイルの「iPolish」 Eureka Parkにブースを構えていたフロリダ発の「 iPolish 」は、ネイルチップを含む専用のデバイスとアプリを使い、わずか5秒で400色以上のカラーを切り替えられる デジタルネイル です。百聞は一見に如かず、まずはX公式アカウントの動画を見てください。 When it's hard to choose, choose iPolish! Pre-orders available now at https://t.co/DogxQcrORr . #iPolish #ces2026 pic.twitter.com/hAWLOQcaaP — iPolish® (@iPolish_inc) 2026年1月11日 これは映画「トータル・リコール」を想起させる体験で、印象に残りました(聞いたことがない方は「トータル・リコール ネイル」で検索してみてください)。原理としてはネイルチップに電気泳動フィルム(electrophoretic film)が貼り付けられています。いわゆるE Inkと似たような仕組みなので、色の変わり方に見覚えがある方もいるのではないでしょうか。 デジタルデバイスという制約があるため、例えばネイルチップのサイズを個々人に最適化するのは難しいといった課題があると思われますが、かなり興味を惹かれたデバイスでした。 公式サイト では2026年6月発送予定で95 USDのプレオーダーで受け付けていますが、残念ながら発送先に日本は含まれていませんでした。 カスタム3Dプリントシューズの「Fitasy」 カスタム3Dプリントシューズの「Fitasy」 Image source: Fitasy Unveils Breakthrough Technology Making Custom-Fit 3D Printed Shoes More Accessible and Affordable, Supporting Better Foot Health 「 Fitasy 」は3Dプリンターで制作するシューズです。3Dプリンター×シューズの組み合わせは、例えば「 STARAY 」をはじめとして既に製品化されているものも多く、新規性は感じられない方が多いかもしれません。このFitasyはスマートフォンアプリでスキャンした足底面と側面にAIを組み合わせて正確な3Dモデルを作成し、そのデータに基づき、個々人に最適化したシューズを印刷するソリューションです。スマートフォンアプリで計測するという観点は「 ZOZOMAT 」に通じるものがあり、非常に興味を唆られました。 ラスベガスのメディア「FOX5 Vegas」にFitasyのCEOのインタビュー動画が公開されています。スキャンの様子も少し映っているので、興味のある方はぜひ見てください。2026年春に発送予定で210 USDのプレオーダーを受付中です。 www.fox5vegas.com ReFaの「ReFa AI color recipe PRO」 CES初出展となったReFaのMTG社 ここ数年、美容系の国内企業がCESに初出展を果たしていますが、今年は美容機器のReFaを展開するMTG社がCESに初出展していました。ブースではよく見かけるReFaの製品群ではなく美容師向けのアプリ「 ReFa AI color recipe PRO 」を展示していました。 美容師向けの「ReFa AI color recipe PRO」 このアプリは「 ハイトーンカラーの技術を、AIテクノロジーで再現するプロフェッショナル向け次世代ヘアカラーAIソリューション 」 *10 とのことで、ブリーチやカラーを日常的に行う派手髪クラスタとしても、特に関心を惹かれる製品でした。 花王の「my Symmetry & THE CORE」 花王のコンディショニング・ライフケアブランド「花王ライフケア研究所」によるTHE CORE 花王が2025年10月に立ち上げたコンディショニング・ライフケアブランド「花王ライフケア研究所」はJAPAN TECHブースのひとつとしてブースを出展していました。このブースでは、“8歩あるくだけで身体のゆがみを測定できる”アプリケーションの「 my Symmetry 」と、測定結果に応じて着用時のゆがみを補正するためのインソール「 THE CORE 」を展示していました。 カテゴリーとしてはHealth Techの方が相応しいかもしれませんが、身体の歪みを補正するソリューションはBeauty Techにも通じるものがあると考えています。ちなみに私の総合スコアは32点でした。しばらくこのアプリを利用してみます。 Perfectの「YouCam AI API」 Perfectの「YouCam AI API」 ZOZOは2022年4月から「 ZOZOCOSME 」でARメイクを提供しています。このARメイクにパーフェクト社が提供するソリューションを利用しています。そのパーフェクト社はCES 2026では 次世代「AIビューティーエージェント」を展示 していました。また、「 The New Retail Experience in the AI-Powered Store 」と題したセッションに登壇していました。 注目のトピック:その他 一部、XR Tech・Fashion Tech・Beauty Techを含むものの、その他の気になった展示を紹介します。 NVIDIA NVIDIAショーケースの巨大オブジェ NVIDIAはCES本編とは別に、FontainebleauのBleauLive TheaterでCEOによる講演「 NVIDIA Live with CEO Jensen Huang 」があり、講演後からFontainebleau 4FのCobalt Foyerでショーケースとして関連する様々なものを展示していました。私はラスベガスに到着したDay 0に講演に現地参加し、展示も眺めてきました。 革ジャンが代名詞となっているNVIDIAのフアンCEOによる講演 非常に多くの人で賑わっていたショーケースの様子 講演とショーケースを通して感じたのはまさに王者の風格です。NVIDIAにとってもはやLVCCにブースを構える必要などないのかもしれません。NVIDIAに所以のあるブースにはNVIDIAのオブジェが置かれていたので、ブースは出さずとも、NVIDIAの存在をCES会場のいたるところで感じられました。 Samsung SamsungのAIギャラリーゾーン Samsungは1月4日のメディア公開後、1月7日まで Wynnの特別会場で「 The First Look 」と題したイベントを開催 しました。前述の通りSamsungもこれまではLVCC Centralにブースを構えていましたが、今年は独自のブースを展開していました。 CES 2026の会期は1月9日まででしたが、Samsungの展示は1月7日までだったため、会期終盤に見られなかったという声もありました。 ブース全体の様子を映した60秒動画がYouTubeに公開されている ので、興味のある方は覗いてみてください。 パーソナライズされた美容ケアを実現するAI Beauty Mirrorと新製品のSamsung Galaxy Z TriFold 「AIライフパートナー」をテーマにしていたこともあってか、展示されていたものは家電をはじめとした生活に紐づくものが多く感じられました。Beauty Techに分類される「 AI Beauty Mirror 」は、いわゆるミラー系デバイスですが、オンデバイスで動作するAIが搭載されていることや、偏光ミラーとハーフミラーの組み合わせによって鮮明な映像を実現していることが特長的でした。 *11 In the next area, visitors entered a space modeled after a powder room where a circular mirror revealed itself as the AI Beauty Mirror. Powered by on-device AI, the technology signalled Samsung’s technology expansion into the beauty space. The hybrid design combines a polarised mirror with a half mirror to improve reflectivity and transparency, delivering clearer, more precise visuals. このデバイスは韓国ビューティー大手であるAMOREPACIFIC社の技術を生かしたものです。その根底には2026 Honoree in Beauty Techを受賞した「 Skinsight 」の技術が取り込まれています。 一方で、そのテーマ性もあってか「CES Innovation Awards」で「2026 Honoree in XR & Spatial Computing」を受賞した「Galaxy XR」が、このSamsung特設会場のどこにも展示されていなかったことは、個人的には少し残念でした。 Razer AIコンパニオンのひとりに日本人のSAOさんを起用したProject AVA RazerはCES 2025で “AI esports coach”として発表していた「 Project AVA 」 を、CES 2026では “YOUR AI DESK COMPANION”としてその全貌を公開 しました。 プライベートエリアに展示されていたデスクサイズのProject Ava いわゆるポストGateboxとも言える“キャラクター召喚装置”は目新しいものではなく、2025年にKickstarterでクラウドファンディングを実施していた「 CODE27 」や、CES 2026にも出展していた「 Dipal 」や「 Lepro Ami 」などが挙げられます。そういった状況でこのAIが前提になった時代にRazerが本格的に参入してきたことは、潮目が変わりつつあると言えるかもしれません。 CES 2026の翌週、1月11日から13日にかけて開催された NRF 2026 で GoogleはAgentic Shopping時代に向けた共通規格となる「UCP」を発表 しました。もしかすると、こういったAIコンパニオンがその間に介在する未来も十二分に考えられるのではないでしょうか。 Robot, Robot and Robot... 数年前は「NorthはEVのCES」という雰囲気もありましたが、EV市場は頭打ちになりつつあると言われています。今年はそれらがロボットに置き換わっていました。トップトレンドにAIとRoboticsが含まれているだけあります。とにかく多種多様なロボットを見ました。ここで言うロボットは人型ロボットです。効率を最大化するとき、人型であることが最適解なのかは気になりますが、フィジカルAIの機運を感じられました。 AI とロボットの発展によって人が“洗濯物を畳む”という作業から解放される日は来るか? これはあまりに好きすぎてしばらく眺めていた Dyna Robotics 社によるシャツの折り畳みロボット🤖🧺 #CES2026 pic.twitter.com/O4UvKzF7A4 — HEAVEN ちゃんᯅ a.k.a. ikkou (@ikkou) 2026年1月9日 Roboticsは専門分野ではないため深掘りはしませんが、DYNAの洗濯物を畳むロボットはとても印象的でした。興味があれば動画を再生してみてください。 おわりに 帰国時にハリー・リード国際空港で体験したAmazon Oneによる手のひら決済 例によって今回のCES視察は開発部門の福利厚生である「 セミナー・カンファレンス参加支援制度 」を利用しての参加となります。 昨年同様、今回もアメリカン航空の直行便を選択したためフライトは割高になりましたが、乗り継ぎがない分、時間を有効に使えました( ハワイアン航空のStarlink機内Wi-Fi にも惹かれましたが!)。CES 2027の開催日程は、今年と同じ日程の1月6日から9日の4日間と発表されています。参加意向のある方は、できるだけ早くフライトとホテルを手配すると良いでしょう。 例年通りのことですが、フライトとホテル以外にも一定の金銭的コストが発生しています。CESに限らず、海外で開催されるカンファレンスにおいては、そのコストに対して得られる成果に対するコストの正当性を説明するのは難しいかもしれません。しかし、XR領域は「 百聞は一見ならぬ“一体験”にしかず 」です。CESに関するニュース記事はCESの会期中から多く目にしますし、ChatGPTのdeep research機能などを使えば、ある程度の情報は得られます。現地に足を運び、自らの目と手で体験し、一次情報を得ることが重要だと認識しています。Zooxの乗車体験や、帰国時に体験したAmazon Oneによる手のひら決済も、一次情報を得る取り組みの一環だと考えています。 モーニングミーティングで訪れたご当地ファミリーレストランのBlueberry Hill Restaurant そして、CESはビジネスショーという性質上、個別に会話するプライベートブースが用意されています。いくつか参加しましたが、こういったオンサイトならではの対面コミュニケーションも、インターネットメディアの記事等からは得られない大きなメリットだと考えています。わざわざ現地に赴いて参加するのであれば、あらかじめそういった場をセッティングしておくことを強くおすすめします。 最後までご覧いただきありがとうございました。来年もまた、CES 2027のレポートをお届けできるように努めてまいります。 ZOZOでは、各種エンジニアを採用中です。ご興味のある方は以下のリンクからご応募ください。 corp.zozo.com 以上、現地からのレポートでした! *1 : https://www.ces.tech/press-releases/innovators-show-up-ces-2026-opens-today *2 : https://www.ces.tech/press-releases/what-not-to-miss-at-ces-2026/ *3 : https://cdn.ces.tech/ces/media/pdfs/ces-2018-audit-summary.pdf *4 : https://cdn.ces.tech/ces/media/pdfs/ces-2019-audit-summary.pdf *5 : https://cdn.ces.tech/ces/media/pdfs/2020-ces-attendance-audit-summary.pdf *6 : https://cdn.ces.tech/ces/media/pdfs/attendee-audit-summary-2023.pdf *7 : https://www.ces.tech/media/5tmfzidk/attendeeauditsummary_2024.pdf *8 : https://www.ces.tech/media/53eghnx5/ces-2025-attendee-audit-summary.pdf *9 : https://www.modewearables.com/ *10 : https://www.mtg.gr.jp/news/detail/2026/01/article_2481.html *11 : https://news.samsung.com/uk/ces-2026-an-entertainment-companion-for-every-moment-seen-and-heard
こんにちは、Merpay の Payment Core チームで EM をしている komatsu です。普段はメルカリグループ全体の決済基盤や銀行接続まわりを担当しています。 この記事は Merpay & Mercoin Advent Calendar 2025 の 19 日目の記事です。 年末ということで、今回は Payment Platform がこの 1 年で取り組んできた 2 つの大きな進化の方向性を振り返ります。1 つは Checkout Solution による統合決済体験の提供、もう 1 つは 2B (法人向け) 決済への展開です。 背景: 決済ニーズの多様化 メルカリグループでは、C2C マーケットプレイスを起点としながらも、さまざまなプロダクトが展開されています。メルカリShops やメルカリNFT、さらには直近リリースした メルカリ グローバルアプリ など、2C の提供先が広がると同時に、スキマバイトアプリであるメルカリ ハロや広告事業であるメルカリAds、外部事業者がメルカリの商品をオファー経由で購入・再販する C2B (Consumer-to-Business) パートナーシップなど、2B の決済スキームも登場し、多様化しています。 Payment Platform は、こうした多様な決済ニーズに応えるため、これまでマイクロサービスアーキテクチャによる決済基盤を構築し、gRPC API を通じて各プロダクトに決済機能を提供してきました。 この 1 年では、さらに 2 つの軸で大きな進化を遂げています。 Checkout Solution – UI を含む統合決済ソリューションへ 背景: gRPC API を超えた、統合ソリューションという選択肢 従来、Payment Platform は gRPC API を通じて決済のバックエンド機能を提供していました。各プロダクトチームは、この API を利用して独自に決済フローや UI を実装していました。 この方式は柔軟性が高い一方で、いくつかの課題もありました。 開発負荷の重複 : 新しい決済手段を追加する際、各プロダクトが個別に UI や決済フローを実装する必要がある UX の分断 : プロダクトごとに決済体験が異なり、統一された UX を提供しにくい ローンチ速度 : 新規プロダクトが決済機能を実装する際、フロントエンドからバックエンドまで一から構築する必要がある これらの課題を解決するため、gRPC API に加えて、 UI を含む統合決済ソリューション という新しい選択肢を提供し始めました。これが Checkout Solution です。 Checkout Solution のアーキテクチャ Checkout Solution は、決済のフロントエンド (UI) とバックエンド (API) を一体として提供する統合ソリューションです。 上図のように、プロダクトは Checkout Solution の UI を組み込むだけで、決済手段の選択から決済完了までの体験を提供できます。バックエンドでは Payment Service をはじめとする既存の決済基盤と連携し、各決済手段の処理を実行します。 詳しいアーキテクチャについては、以下の記事をご覧ください。 決済基盤の新たな挑戦: 決済チェックアウトソリューションの開発 チェックアウトソリューションのバックエンドアーキテクチャ プロダクトチームは Checkout Solution を組み込むだけで、決済フローや UI を一から実装する必要がなくなりました。新しい決済手段の追加も、Payment Platform 側で対応すれば全プロダクトで使えます。 従来のプロダクトは引き続き gRPC API を使いながら、新しいプロダクトは Checkout Solution で迅速な開発とリリースを実現しています。 展開の歩み メルカリNFT での初導入 Checkout Solution は、まずメルカリNFT で初めて導入されました。新しいプロダクトのローンチにあたり、MVP として決済機能を素早く統合できることが実証されました。ユースケースごとの設定の切り替えや、プロダクト固有のコンポーネントの描画も含め、基礎となる機能が実現できました。 メルカリ グローバルアプリへの拡大 その後、先日公開されたメルカリ グローバルアプリでも Checkout Solution のサポートが始まりました。 グローバルアプリでは、日本のお客さま向けに提供しているメルペイの残高やポイント、メルペイのあと払いといった決済手段ではなく、海外のお客さま向けのクレジットカード決済機能を新たに開発しました。Cross Border (XB; 越境販売) 事業に必要な決済機能も、Checkout Solution を通して提供することでスピーディーに立ち上げることができました。 こうして、異なるプロダクト間で統一された決済体験を提供できるようになりました。 また、このタイミングは Payment Platform にとって初めての日本円以外の決済ユースケースでした。 日本円前提だったシステムの多通貨対応も行い、決済やその裏にある会計や帳簿も含めて今後のグロースに耐えうる基盤に進化を遂げました。 多通貨対応の詳細は近日公開予定の Guest post from FT payment platform — Engineering for Multi-Currency and Multi-Provider Payments をお楽しみに。 メルカリモバイルへの導入、サブスクリプション対応: Mandate の導入 グローバルアプリとは別の新しい導入先として、既存のメルカリモバイルの決済方法登録画面の置き換えも行いました。 これまでとは異なり、サブスクリプション型の決済スキーム対応のため、お客さま不在時に自動課金を行うための決済手段選択モードを追加し、 Mandate (継続的な課金への同意) という概念を導入しました。これにより、タイミングに依らないより自由な決済スキームの構築が可能となりました。Mandate の詳細設計については以下の記事をご覧ください。 多様な支払い手段と継続課金を安全に扱う「Mandate」の設計 2C から 2B へも拡張可能なアーキテクチャ また、Payment Platform には以前から、メルカリShops やメルペイ加盟店向けの 2B 精算の仕組みがありました。とはいえ、これらは法人が決済すると言うより、お客さまの決済によって資金が移動する先、というユースケースにとどめていました。そこにメルカリ ハロやメルカリAds が登場し、法人自身が決済を行うケース ^1 も出てきたことで、2B 決済のニーズがさらに多様化してきています。 Checkout Solution は現在 2C をメインに展開していますが、将来的にはこうした 2B 向けの決済でも活用できるアーキテクチャになっています。 Payment Platform があらゆる決済の裏側に加えて、カスタマイズ可能な UI も提供することで、新しい決済手段を追加するたびに各プロダクトが個別に開発する必要がなくなり、統一した UX をお客さまや加盟店に届けられます。 2B 決済への展開 2C 決済と 2B 決済の違い Checkout Solution でも 2B プロダクトのサポートを視野に入れているように、メルカリ ハロやメルカリAds をはじめとして、メルカリグループでは 2B の決済ニーズも増えています。 2B の決済体験を考えるうえで重要なのは、2C との違いを理解することです。 特に 2C と 2B では、アカウントや決済の座組が大きく異なります。 2C: シンプルな構造 1 人 = 1 アカウント 与信、請求、決済の単位が基本的に一致 2B: 複雑な構造 法人の下に支社・店舗・部署が存在し、木構造での管理が必要 与信、請求、決済の単位が異なる場合がある (例: 与信は店舗別、請求は支社単位) 座組が複雑で、柔軟な対応が求められる インボイス制度など 2B 固有の要件が存在 2B 決済のユースケース メルカリグループでは、すでにいくつかの 2B 決済のユースケースが存在しています。 メルカリ ハロ 「メルカリ ハロ」では事業者掛け払いというスキームを提供していました。メルカリが事業者の代わりにクルーに仕事完了時に給料を支払い、月末締め翌月払いで事業者から給与および手数料を回収する仕組みです。 詳しくは以下の記事をご覧ください。 メルカリ ハロにおける事業者請求払いの内製化 メルカリAds メルカリAds では、パートナー企業の広告をメルカリアプリに掲載し、月末締め翌月払いを請求書経由で行う仕組みを提供しています。 C2B 決済 C2B パートナーシップでは、外部事業者がメルカリの商品をオファー経由で購入・再販するビジネスモデルを提供しています ( 大黒屋とのパートナーシップ事例 )。 メルカリ出品者が販売しても売れ残った商品に対して、パートナー企業から買取リクエストが送信されます。出品者が承諾すると、メルカリが出品者から商品を購入し、その後パートナー企業に販売する C2B モデルです。 パートナー企業からメルカリへの決済は、与信に基づくオファーで与信枠内で行われ、月末締め翌月払いで請求されます。現在、パートナー数が限定的であることから与信枠の管理は Finance チームがスプレッドシートを中心に手動で行っています。 2B 決済基盤に求められる要素 2B の決済基盤、特に事業者請求払い (掛け払い) のような与信を伴う決済では、以下の要素が不可欠となります。 上図のように、決済から入金、会計処理まで一連のフローを支える必要があります。 決済および債権の管理 : 決済実行と売掛金の計上 与信管理 : 事業者ごとの与信枠の設定と残高管理、木構造での柔軟な管理 請求書の発行・送付・消込 : 適格請求書の自動発行と送付、入金管理と売掛金の消し込み (入金消込)、事業者ごとに異なる管理単位への対応 入金の受け取り : 入金管理 精算処理 : 月次での精算と会計処理 督促 : 未払いに対する督促処理 これまでの取り組み Payment Platform では、これらの要素を段階的に構築してきました。 外部サービスの活用 メルカリ ハロやメルカリAds のローンチ時には、外部企業が提供する掛け払いサービスを採用しました。ローンチの速度や与信管理の容易性・貸倒リスクを加味した結果、与信審査や貸倒リスクを外部に委譲し、スピーディーにビジネスを立ち上げることにフォーカスしました。Payment Platform としては、これまでの決済 API のインターフェースを保ったまま法人の与信を利用した決済手段である Invoice Payment を Payment Service に導入しました。 一部内製化と手動運用の組み合わせ メルカリAds では一部の企業に対して、外部サービスを使わない内製掛け払いソリューションを提供しました。決済時に Debt Service で債権を計上し、月次で Settlement Service を通じて精算する仕組みです。利用先を限定していたため、請求書の発行や消込は手動運用で対応しました。このタイミングでは、中長期の内製化や掛け払いプロバイダの多様化を見越して、外部サービスの掛け払いを利用する場合と内製掛け払いを利用する場合を抽象化した概念として Invoice Payment API を提供しました。 この取り組みにより、既存の Payment Service と Debt Service を活用した 2B 決済の基礎が築かれました。 Invoice Service のローンチ 2025 年には、2B に対する請求書の発行・管理・送付などを行う Invoice Service システムをローンチしました。これはメルカリAds やその他 2B プロダクトで内製掛け払いに移行していく際に必要となるだけでなく、メルカリ – メルペイ間の精算など、他のビジネスでも利用するための基盤として構築されました。 ここまでで実現できたこと これまでの取り組みにより、事業者請求払いに必要な要素のうち、以下がシステムとして整いました。 ✅ 決済トランザクションの管理 (Payment Service) ✅ 債権の管理 (Debt Service) ✅ 請求書の発行・送付・消込 (Invoice Service) ✅ 精算処理 (Settlement Service) ✅ バーチャル口座 (Virtual Account) による入金管理 (Bank Service) ❌ 与信管理 ← まだシステム化されていない ❌ 督促 ← まだユースケースがない 重要なのは、これらの多くがこれまでのメルカリのプロダクトのために構築した既存マイクロサービスを活用できている点です。汎用性の高い設計が、新しい決済スキームへの迅速な対応を支えています。 これから: 与信管理の内製化 前述の通り、現在 C2B の与信枠は Finance チームがスプレッドシートで手動管理しています。パートナー数が限定的な間はこの運用で対応できていますが、規模拡大に向けてシステム化が必要です。 手動管理では与信残高の即時更新が困難で、ヒューマンエラーのリスクや運用負荷が増大します。また C2B、メルカリAds など複数プロダクトで独自に与信管理を行うと、メンテナンスコストが増大し一貫性も保ちにくくなります。同じ法人が複数プロダクトを利用する場合、与信枠の重複管理や過剰付与のリスクもあります。 与信管理サービスのシステム化 これらの課題を解決するため、統一的な与信管理基盤をシステム化する計画があります。 与信管理サービス として、リアルタイムの与信残高照会・更新、複数事業で再利用可能な汎用設計、法人・支社・店舗といった木構造での柔軟な管理、既存決済基盤との一貫した会計処理を提供していく予定です。 与信管理が内製化されると、以下のように Payment Platform のマイクロサービス群が連携して 2B 決済を支えることになります。 この図から見えるのは、 既存マイクロサービスと新規サービスを組み合わせて全体のソリューションを構築している 点です。 これまでに構築してきた Payment Service、Debt Service、Settlement Service、Bank Service といった共通サービスは、それぞれが明確なドメイン責務を持つため、新しいユースケースでもそのまま活用できます。2B 特有の与信管理や請求書発行だけを新しいサービスとして追加し、請求書送付には Payment Platform 外の Notification Service を活用します。 各サービスは API を通じて疎結合に連携し、Payment Service が決済のオーケストレーションを担うことで、全体として 2B 決済ソリューションを実現しています。このアーキテクチャにより、新しい決済スキームにも柔軟に対応できる拡張性を持っています。 Payment Platform が目指す姿 Payment Platform は、メルカリグループにおける既存サービスのグロース・新規サービスのローンチを簡単に・早く・効率的にできるようにすることを目指しています。 スピード : 新規プロダクトが決済機能を素早く統合できる Checkout Solution のような統合ソリューションを提供することで、プロダクトチームは決済フローや UI を一から実装する必要がありません。 効率 : 各プロダクトの開発負荷を削減 新しい決済手段を追加する際、Payment Platform 側で対応すれば、すべてのプロダクトで使えるようになります。各プロダクトが個別に実装する必要がなくなり、開発効率が向上します。 一貫性 : 統一された UI/UX の提供 UI を含む統合ソリューションを提供することで、異なるプロダクト間でも統一された決済体験を届けられます。 拡張性 : 2C から 2B まで、あらゆる決済シーンをカバー 2B の決済ニーズをキャッチしながら機能を育て、汎用的なソリューションにすることで、メルカリグループの多様な決済ニーズに応えていきます。 まとめ この 1 年、Payment Platform は 2 つの大きな軸で進化してきました。 1 つ目は Checkout Solution による統合決済体験の実現 です。gRPC API に加えて、UI を含む統合ソリューションという新しい選択肢を提供することで、プロダクトチームの開発負荷を削減し、統一された UX を提供できるようになりました。また、多通貨対応も合わせて行い、今後のグローバルなプロダクト展開に耐えうる決済基盤の仕組みも加わりました。 2 つ目は 2B 決済への展開 という新たな挑戦です。2B 決済は始まったばかりの領域ですが、既存の 2C で培った強固なマイクロサービス群を活用しながら、段階的に基盤を構築しています。与信管理サービスによる与信管理の内製化により、2B 決済基盤が完成に近づいていきます。 Payment Platform は、これまで多様な決済ニーズに応えてきた実績を基盤に、今後もメルカリグループの成長を決済で支えていきます。 明日の記事は kobaryo さんです。引き続きお楽しみください。 関連記事 Checkout Solution を活用したメルカリの決済体験 Checkout Solution: Backend 編 Mandates for Recurring Payments: サブスクリプション決済を支える仕組み メルカリ ハロにおける事業者請求払いの内製化 大黒屋とのパートナーシップ
はじめに こんにちは。 @Sakamoto です。 この記事は、 Merpay & Mercoin Advent Calendar 2025 の4日目の記事です。 2025年9月からメルコインでフロントエンドのインターンを始め、12月初めでちょうど3か月になりました。期間中はメルコインに加え、メルカリNFTの開発にも参加しました。 本記事では、インターン期間中に取り組んだタスクを振り返り、そこで得た学びや気づきをまとめます。 チームについて 今回のインターンではメルコインとメルカリNFTでフロントエンドエンジニアとして参加しました。それぞれ扱うプロダクトの特性が大きく異なるため、求められる視点や進め方にも違いがありました。 メルコイン 暗号資産交換業としてガバナンスやリーガルと関わりが深く、単に機能を実装するだけでなく、背景となる法律や制約を理解したうえで開発を進める必要があります。 メルコインのフロントエンドチームはお客さま対応のための社内ツールのフロントエンド開発、LP(ランディングページ) の作成などを担当しています。 メルカリNFT NFTの売買を可能にするプロダクトを持つチームで、2025年1月に提供を開始し、現在も毎週のように新機能が追加されています。 そのため、よりスピード感のある開発が求められる環境でした。 メルカリNFTのフロントエンドチームは主にメルカリNFTのフロントエンド開発を担当しています。 取り組み概要 メルコイン 社内ツールのフロントエンド改修 メルカリNFT 買取機能の実装・改善 メルカリNFTのくじをメルカリアプリ内から購入できるようにするための対応 リリース後のメモリ監視 その他 Web3領域のドメイン知識の習得 社内の多職種の方とのコミュニケーション エンジニア業務でのAI活用 ここでは太字の6つについてまとめようと思います。 社内ツールのフロントエンドの改修 背景 メルコインで進行しているプロジェクトの一部として、口座の状況、暗号通貨の配信価格など、お客さまからのお問い合わせに必要な情報を確認できる社内ツールの改修を担当し、フロントエンドの仕様整理から実装、QAチームとのテストケースの調整まで、一連の開発プロセスに関わりました。 やったこと 社内ツールの改修にあたって、 表記揺れがないか バリデーションに過不足はないか エラーハンドリングが適切か UIの整合性があるか API連携が正しいか 変更に柔軟に対応できる設計か といったポイントを確認し、後工程での手戻りが起きにくい状態まで仕様書のレビューを行いました。 その上で自分の実装スピードや改修範囲を考慮し、適切なバッファを含めて工数見積もりを行いました。 実装では、各マイクロサービス間の通信にはgRPCが使われているため、Protocol Buffersの定義からモックを作り、UIとの接続を進めると同時にCypressでのE2Eテストも作成・改修に取り組むことができました。 またQAチームとはテストケースや指摘内容を確認しながら、仕様と実装の齟齬をなくすことに努めました。 学び gRPCやProtocol Buffers、Cypressといったこれまで触れる機会の少なかった技術に取り組んだことで、フロントエンド以外の領域にも一部理解が広がりました。 あわせて、仕様書の精度をどう高めるか、どの程度のバッファを見込んで工数を組み立てるか、レビューされやすいコードにするにはどんな書き方がよいかなど、プロダクト開発全体を俯瞰する視点も身についたと感じています。 買取機能の実装・改善 背景 メルカリNFT内のGMV(流通取引総額)を伸ばすための施策として、NFTくじを購入したお客さまが買取依頼を出せる機能の追加をしました。 それに伴い、商品詳細ページに新しいUIや状態管理が必要となり、この部分の改修を担当しました。 また、このタスクがメルカリNFTのコードを触る最初の機能開発だったため、既存コードや周辺仕様のキャッチアップを素早く進める必要もありました。 やったこと 仕様書を確認し、商品詳細ページのどのタイミングで買取ボタンを表示するか、どの状態をどう見せるかといったUIの出し分けを整理しました。 その上で、実装した内容の品質を担保するためにVRT(Visual Regression Test)を活用し、Playwrightを用いたインテグレーションテストも追加・修正しました。 学び Playwrightを使ったインテグレーションテストやVRTの活用など、これまで触れる機会のなかったテスト手法を実際に使いながら理解を深められました。 また、買取前後でUIが複雑に変化する仕様だったこともあり、コンポーネントの責務をどう分けるか、保守性と可読性をどこまで両立できるか、といった設計面の学びも多かったです。 スピードが求められる環境の中でも、既存実装の調査や理解を並行して進めることの重要性を実感しました。 リリース後のメモリ監視 背景 メルカリNFTでは、サービスを安定して提供し続けるために、リリース後のリソース状況の監視や挙動の確認を継続的に行っています。 特にメモリ使用量は、トラフィックの増減や特定機能の利用状況によって変動しやすいため、定期的に観測し、必要に応じて挙動を調査する運用を行っています。 今回の取り組みでは、本番環境のメモリ使用状況をより細かく把握し、どのタイミングでどう増減しているのかを整理しながら、今後の安定した運用につなげるための調査を進めています。 やったこと まずは「いつ・どんな状況でメモリが増えるのか」を把握するために、各Podのメトリクスを確認し、傾向を調査しました。 その上で、なぜそのような増加が起こるのか仮説を立て、順に検証を進めました。 Datadogからログやメトリクスを細かく確認しつつ、他チームにも相談し、Node.jsやNext.jsの内部挙動、キャッシュやSSR周りの可能性など、さまざまな観点から情報を集めることで検証の方向性を調整しています。 学び 日々の調査の中で得られる学びは非常に多いと感じています。 Node.jsやNext.jsが内部でどのようにメモリを使うのか、CPU・GCの仕組み、キャッシュの扱いなど、技術的な理解が大きく深まりました。 同時に、進行中の問題を扱う際のコミュニケーションの取り方や調査内容のまとめ方、仮説の立て方と検証の進め方、進捗が見えにくいタスクをどうやって周囲と共有するかなど、機能開発とは異なるスキルも求められることを実感しています。 Web3領域のドメイン知識の習得 メルコインとメルカリNFTの両方に関わる中で、Web3に関する基礎知識を継続的に身につけることを意識してきました。 暗号資産やNFTの基本概念をはじめ、法規制やコンプライアンス、チェーンの仕組み、トランザクションの流れ、ウォレットの挙動など、業務に必要な知識は社内ドキュメントとして多く整理されています。 日々の開発と並行して、それらの資料を自分から探して読み、背景となるドメイン理解を深めるようにしてきました。 Web3は学ぶ範囲も広く、継続して取り組みたい領域です。 社内の多職種の方とのコミュニケーション もう一つ意識的に取り組んでいたのが、社内の多職種の方とのコミュニケーションです。 プロダクト開発では、さまざまな職種と連携しながら仕様の確定やリリースに向けた調整を進める必要があります。 そのため、日々のやり取りだけでなく、会社の施策として実施されているチービルやメンターランチの機会を活用しつつ、自分からも声をかけて1on1やランチの機会をつくるようにしていました。 チーム全体が話しかけやすい雰囲気を持っていたこともあり、積極的にコミュニケーションを取ることができました。 また、普段どのように技術をキャッチアップしているのか、どんな観点で仕様を見ているのか、なぜ今のキャリアを選んだのかといった話を聞くことで、自分の知らなかった考え方や知識に触れる機会も多くありました。 開発スキルだけでは得られない学びが多く、視野を広げるきっかけになったと感じています。 エンジニア業務でのAI活用 CursorなどのAIツールも積極的に活用し、コード全体の構造を素早く把握したり、関連部分の洗い出しを効率よく進めるようにしていました。 開発・実装では、メンターの方からのアドバイスも参考にしながら、どの情報を渡すと意図が正確に伝わるかといった点を意識するようにしました。 仕様を明確にまとめてコンテキストとしてAIに渡すことで、実装の方向性がぶれにくくなり、提案されるコードの品質も安定するようになりました。 また、AIから返ってくるコードはそのまま使うのではなく、自分の考えとの違いを確認したり、なぜその書き方になるのかを読み解くことで理解を深めるきっかけにもなりました。 結果として、実装を効率化するだけでなく、コードの設計方針を比較しながら学べる良い教材のような存在にもなっていたと思います。 まとめ 3か月を通して、メルコインとメルカリNFTのそれぞれ異なる特徴を持つプロダクトの開発に携わり、多くの学びを得ることができました。 機能実装だけでなく、仕様の詰め方、テストの考え方、多職種とのコミュニケーションなど、エンジニアとして必要なスキルを幅広く経験できた期間だったと感じています。 残りの1か月も、これまでの学びを活かしながら、より深い理解と確かなアウトプットを積み重ねていきたいと思います。 明日の記事は @Fabさんです。引き続きお楽しみください。
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