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AWS Systems Manager (SSM) の Fleet Manager を使用して、カスタムAMIから起動したWindows Serverインスタンスに接続できない事象の原因と解決策について解説します。Sysprep未実行によるSID重複などの問題を回避するための正しいAMI作成手順を紹介します。
はじめに こんにちは、EC基盤開発本部SRE部でテックリードを務めている杉山です。 ZOZOでは、長年運用してきた基幹システムを新しいアーキテクチャへリプレイスする取り組みを進めています。新システムではAPIにJava、フロントエンド+BFFにReact(TypeScript / Node.js)を採用し、インフラはKubernetes上に構築しています。 2025年11月に開催されたファインディ株式会社主催の「アーキテクチャConference 2025」では、「巨大モノリスのリプレイス──機能整理とハイブリッドアーキテクチャで挑んだ再構築戦略」と題して発表しました。基幹システムの課題と、アーキテクチャの方向性を紹介した内容です。 findy-tools.io その中で、基幹フロントエンドリプレイスについても触れています。既存システムと新システムを共存させながら、Kubernetes上で機能ごとにパスルーティングし、段階的に置き換えていく構想です。 しかし、当時このアーキテクチャはまだ「予定」でした。実現するためには、既存システムが長年抱えてきたある制約を取り除く必要があったためです。 それが、Webサーバーがユーザーセッションを保持する「ステートフル」な構成です。 本記事では、既存システムのIISが保持していたセッションをRedisへオフロードし、Webサーバーをステートレス化するまでの取り組みを紹介します。それによって基幹システムの段階的なフロントエンドリプレイスを進められるようになった背景にも触れます。 目次 はじめに 目次 基幹フロントエンドリプレイスの構想 新アーキテクチャを用意するだけでは移行できない 段階的リプレイスを阻んだIISセッション 認証だけではないIISセッションへの依存 認証をOIDC化するだけでは解決できない リプレイスの前に「状態」を切り離す IISセッションをRedisへオフロードする Before / After 独自フレームワークを変更した理由 セッションIDの引き回し シリアライズ方式と互換性 更新タイミングとエラー時のロールバック セッション期限管理の設計 Redis障害時の考え方 Redis Clusterの障害対策とキー設計 段階的な切り替えとフォールバック ステートレス化によって何が変わったのか いよいよ基幹フロントエンドのリプレイスへ まとめ 基幹フロントエンドリプレイスの構想 まず、ZOZOの基幹システムとリプレイスの背景について簡単に紹介します。 既存の基幹システムはClassic ASP(VBScript)/ IISを中心に構築され、長年にわたって機能追加を続けてきました。ZOZOは自社で倉庫を持っており、基幹システムには事業部が利用する業務機能だけでなく、ECサイトで取り扱う商品の物流機能も含まれています。非常に巨大なシステムで、長期間の運用によってモノリス化が進み、保守性・拡張性の低下や技術的負債の蓄積が課題となっています。 そこで現在、既存システムを新しいアーキテクチャへリプレイスする取り組みを進めています。 ただし、巨大な基幹システムを一度にすべて置き換えることは現実的ではありません。 ドメイン分離が容易な部分のマイクロサービス化やデータベースアクセス部分のマイクロサービスAPI化は進んでいますが、基幹システムのメインのフロントエンドのリプレイスはまだこれからです。 既存システムと新システムを一定の期間共存させ、機能単位で徐々に切り替えていく方針を考えました。 具体的には、次のような構成を目指しています。 Kubernetes基盤上にIngress + Istioによるルーティングの仕組みを構築し、URLのパスなどに応じてリクエストを振り分けます。これにより、既存システムを稼働させたまま一部の機能から置き換えていく、いわゆるストラングラーパターンによる段階的なリプレイスを目指しました。 「アーキテクチャConference 2025」でこの構想を紹介した2025年11月時点では、まだ「ステートレス化後のフロントアーキテクチャ(予定)」という位置づけでした。 では、なぜすぐにこの構成へ移行できなかったのでしょうか。 新アーキテクチャを用意するだけでは移行できない 構成図だけを見ると、新システムをKubernetes上に構築し、Ingressなどでパスルーティングすれば、既存システムから少しずつ移行できるように思えるかもしれません。 しかし、実際の既存システムには大きな制約がありました。 Webサーバー自身が状態を持っていた ことです。 既存システムでは、IISのセッション管理やサーバー上の作業用データファイルなど、動作に必要な状態をWebサーバー内部に保持していました。このような構成では、リクエストを処理するサーバーを自由に切り替えられません。 例えば、あるユーザーからの最初のリクエストをWebサーバーAが処理し、そのサーバーのメモリ上にセッションを作成したとします。次のリクエストがWebサーバーBへ送られると、WebサーバーBにはそのセッションが存在しません。 これは単純なスケールアウトだけでなく、Kubernetesへの移行でも問題になります。KubernetesではPodが作成・削除されることを前提としており、特定のWebサーバーやPodのローカルな状態に依存しない、ステートレスなアプリケーションが扱いやすい構成となります。 そして今回、もう1つ大きな問題となったのが 段階的リプレイス でした。 段階的リプレイスを阻んだIISセッション 今回目指しているのは、既存システムをあるタイミングですべて停止し、新システムへ一斉に切り替えるリプレイスではありません。既存システムと新システムを共存させながら、ページや機能単位で少しずつ移行していく、ストラングラーパターンによる段階的なリプレイスです。 この構成を実現するうえで、大きな壁となったのが、既存システムのIISセッションへの依存でした。 認証だけではないIISセッションへの依存 既存の基幹システムでは、IISのインメモリセッションをさまざまな用途で利用しています。代表的なものがユーザーの認証情報ですが、セッションの用途は認証だけではありません。 基幹システムには、複数の画面を遷移しながら1つの業務を完了する機能が数多く存在します。その過程で入力・選択した情報など、画面をまたいで引き継ぐ必要がある一時的なデータの保持にもセッションを利用しています。 そのため、既存システムの画面遷移は、同じIISセッションを継続して参照できることを前提としていました。 ここで、ページ単位の段階的なリプレイスを考えてみます。 既存画面(Classic ASP / IIS) ↓ 新画面(新システム) ↓ 既存画面(Classic ASP / IIS) IngressやIstioを利用すれば、URLのパスに応じてリクエストを振り分けること自体は可能です。しかし、ルーティングだけを切り替えても、画面間で利用しているセッション情報まで引き継げるわけではありません。 例えば、既存画面で保持した認証情報や一時データを後続の画面で必要とする場合を考えます。遷移先がKubernetes上の新システムになると、IISのメモリ上に保持していたセッションをそのまま参照できません。 つまり、ログイン状態の維持だけが問題ではありません。既存システムにおける 画面間の状態の引き継ぎそのものが、IISのインメモリセッションに依存している ことが、段階的リプレイスの障壁でした。 認証をOIDC化するだけでは解決できない この問題に対して、認証方式そのものを変更するアプローチも考えられます。例えば認証をOIDC(OpenID Connect)化し、ID Tokenを利用する構成に変更したとします。認証情報を特定のIISサーバーのインメモリセッションに依存させず、新旧システムの双方でユーザーを識別できるようになります。 認証だけが課題であれば、この方法で解決できる可能性があります。しかし今回の基幹システムでは、OIDC化だけでは要件を満たせません。既存システムがIISセッションに保持しているのは認証情報だけではないこと、そして拠点専用のサーバー構成を脱却しALBによるロードバランシングを実現することも目的としていたためです。 仮にOIDC化によって「誰がログインしているのか」を新旧双方で識別できるようになったとします。それでも、画面で入力・選択した情報など、画面間で引き継いでいる業務上の一時データまでID Tokenで引き継げるわけではありません。 例えば、既存画面でセッションに保存した情報を、次の新システムの画面で必要とするケースを考えます。 既存画面 │ │ 認証情報 │ + │ 画面間で引き継ぐ業務データ ↓ IIS Session │ × │ 新画面(新システム) 認証方式だけを切り替えても、この「×」は残ります。 つまり、今回解決する必要があったのは、認証をステートレスにすることだけではありませんでした。必要だったのは、認証情報や画面間で引き継ぐ一時データを含め、 既存WebアプリケーションがIISに保持している状態そのものを、特定のWebサーバーから切り離すこと でした。 リプレイスの前に「状態」を切り離す このままでは、Kubernetes上に新しいアプリケーションを構築しても、ページ単位の段階的な置き換えは実現できません。 言い換えると、セッションの保存場所という既存システムの実装上の制約が、リプレイスできる単位まで制約していました。 そこで、新システムへの移行を本格化する前に、まず特定のIISサーバーに閉じていたセッションを外部へ切り離すことにしました。認証情報だけでなく、画面をまたいで利用される状態もWebサーバーの外部で管理します。これにより、既存システムと新システムが共存しながら、ページ・機能単位で段階的に移行できる状態を作ります。 そのために採用したのが、IISのインメモリセッションをRedisへオフロードする 「セッションオフロード」 という手法です。 次章では、このセッションオフロードをどのような構成で実現したのかを紹介します。 IISセッションをRedisへオフロードする 目指したのは、Webサーバー自身がユーザーセッションを保持しない構成です。そこで、これまでIISのインメモリに保持していたセッションを、外部のRedisへオフロードすることにしました。 Before / After ポイントは、単純にRedisを追加することではありません。既存アプリケーションから見たセッションの扱いを大きく変えずに、セッションの保存先だけをWebサーバーのメモリから外部へ移す必要があります。 ZOZOの既存基幹システムでは独自フレームワークを利用しています。今回、この独自フレームワークをバージョンアップして、セッションの読み書きをRedisへオフロードできる仕組みを導入しました。これによって、Webサーバー自身はユーザー固有のセッションを保持せず、必要なセッション情報を外部から取得する構成へ変更します。 サーバー内部に保持していたデータファイルも、読み書き先をファイルサーバーへ移行しました。 Webサーバーとセッションのライフサイクルを分離することが、この取り組みの重要なポイントです。 独自フレームワークを変更した理由 既存の基幹システムでは、Classic ASPの各ページから直接IISのSessionオブジェクトを操作するのではなく、独自フレームワークを通じてセッションを読み書きしています。このフレームワークが、セッションへのアクセスを一元的に管理する役割を担っています。 この構成であったことが、今回のセッションオフロードを実現するうえで大きな助けとなりました。 アプリケーションを1つずつ改修して保存先を変更するアプローチでは、膨大な画面数を持つ基幹システムにおいて現実的な工数で対応しきれません。しかし、セッションへのアクセスがフレームワーク層に集約されていたため、そのレイヤーでRedisへの読み書きを吸収すれば、個々のアプリケーションコードを変更せずにセッションの保存先を切り替えられます。 つまり、フレームワーク側を変更することで、 既存アプリケーションへの変更を最小限に抑えながら、セッション管理だけを差し替える ことが可能になりました。 セッションIDの引き回し 新旧システム間でセッションを共有するためには、同一ユーザーのリクエストに対して同じセッションIDでRedisにアクセスする必要があります。 セッションIDはCookieを通じてクライアントに保持させます。リクエストごとにCookieから取得したセッションIDをキーとしてRedisからセッション情報を取得します。この仕組みにより、振り分け先がIIS上の既存システムでもKubernetes上の新システムでも、同じセッションを参照できます。 シリアライズ方式と互換性 IISのインメモリセッションでは、VBScript固有のオブジェクト形式でデータが保持されています。Redisへオフロードするにあたっては、このデータをシリアライズ可能な形式に変換する必要があります。 フレームワーク層でシリアライズ・デシリアライズ処理を実装し、既存のセッションデータとの互換性を維持しながらRedisへの永続化を実現しました。シリアライズフォーマットにはJSONを採用し、VBScript固有の型情報も保持するスキーマ設計としています。これにより、新システム側でも同じフォーマットで正しくデータを読み書きできます。 更新タイミングとエラー時のロールバック セッションデータのRedisへの更新タイミングも、重要な設計ポイントです。 今回は、スクリプトの実行開始時にセッションデータをまとめて取得し、処理中はインメモリで扱い、実行完了時にまとめてRedisへ書き戻す方式を採用しました。この方式には、スクリプト処理中のセッションアクセスを高速化できること、そしてエラー発生時のロールバックを兼ねられることという2つの利点があります。 処理の途中でエラーが発生した場合、Redisへの更新は実行されません。つまり、セッションが中途半端に更新された状態を防ぐことで、セッションデータの自動ロールバックを実現しています。 仮に、スクリプト実行中に都度Redisを更新する方式にすると、エラー発生時点で一部だけ更新が反映された状態となり、ロールバックが難しくなります。更新タイミングをまとめることで、この問題を回避しています。 セッション期限管理の設計 IISのインメモリセッションには、一定時間アクセスがなければ自動的に破棄されるタイムアウトの仕組みがあります。既存システムでは、セッション破棄時にSession_OnEndイベントで業務処理を実行していました。Redisへオフロードするにあたり、このセッション終了時の処理をどう再現するかが課題となりました。 RedisにはKeyspace Notificationsという仕組みがあり、キーの期限切れを検知した際にexpiredイベントを通知できます。ただし、このイベントはTTL満了時刻ちょうどではなく、Redisがキーの期限切れを検知・削除した時点で発行されるため、通知タイミングや時刻の厳密さは保証されません。また、Keyspace Notificationsは永続キューではなく、購読者が停止している間のイベントを後から取得する仕組みもありません。したがって、取りこぼしが許容されない業務処理のトリガーには適さないと判断しました。 そこで、別途、期限管理のサブシステムを稼働させる方式を採用しています。このサブシステムがセッションの期限切れを能動的に検知し、従来Session_OnEndで実行していた業務処理を代替したうえでセッションを削除します。定期スキャンによって確実に処理を実行でき、イベントの取りこぼしがないため安定性に優れます。 この仕組みは、ZOZOTOWNでのセッションオフロード時の仕様を踏襲したものです。 Redis障害時の考え方 セッションの保存先をRedisに一本化することで、Redis障害がシステム全体に影響するリスクが生まれます。 この点については、Amazon ElastiCache for Redisのクラスタモードを採用し、3AZにまたがるレプリケーショングループによる自動フェールオーバー構成としています。さらに、1シャードの障害影響を局所化するために複数シャード構成を採用しました。特定のシャードに障害が発生しても、影響を受けるのはそのシャードに割り当てられたセッションのみです。たとえば、1シャード構成では1ノード障害の影響が100%に及びますが、5シャード構成であればハッシュスロットが均等に分散していると仮定して1ノード障害の影響は20%にとどまります。実際にはハッシュスロット分散の偏りによって上下し、ここはランニングコストと可用性のバランスになります。そのうえで、SLOで定義した可用性や試験で計測したMTTRなども考慮して、最終的なシャード数を決定しました。 Redis Clusterの障害対策とキー設計 Redis Clusterでは、キーのハッシュ値に基づいてデータが各シャードに分散されます。しかし、1つのセッションに関連する複数のキーが異なるシャードに散ると、以下の問題が生じます。 複数シャードをまたいだ読み書きによるレイテンシー悪化。 multi-key commandは同一hash slot内のキーに制限されるため、別slotのキーにはCROSSSLOTエラーが発生する。 single-slot operationの方がパフォーマンスに優れる。 シャード障害時に、同一セッションのキーの一部だけが取得できず、データ不整合を引き起こす。 Redis Clusterには「ハッシュタグ」という仕組みがあります。キーに {...} パターンを含めると、波括弧内の文字列のみをもとにハッシュスロットが計算されます。これにより、同じハッシュタグを持つキーは必ず同一シャードに配置されます。 今回のセッション管理では、1ユーザーの複数のキーにセッションIDをハッシュタグとして埋め込む設計を採用しました。 機能によってHash・String・List・Setなど適したRedisのデータ型が異なるため、セッションを1つのキーにまとめず、ユーザーの認証情報とは別に機能や画面の単位でキーを分けています。これらのキーが別シャードに散らないよう、セッションIDをハッシュタグとして共通で埋め込んでいます。 例: data:{session-id}:<FEATURE_KEY_1> # Hash data:{session-id}:<FEATURE_KEY_2> # String data:{session-id}:<FEATURE_KEY_3> # List data:{session-id}:<FEATURE_KEY_4> # Set このキー設計により、同一ユーザーのセッションに属するすべてのデータが同じシャードに格納されます。これにより、前述の問題を回避しつつ、Redis Clusterによるシャーディングの恩恵を受けられる構成としました。 参考: Redis Cluster Specification - Hash tags 段階的な切り替えとフォールバック セッションオフロードの適用は、全拠点を一斉に切り替えるのではなく、段階的に進めています。 まず、セッションオフロードに対応した環境を構築し、全倉庫拠点での動作確認を事前に実施しました。その後、影響度が小さい拠点から順にアクセス先をセッションオフロード環境へ切り替え、ロングランで安定稼働を確認しながら対象拠点を広げていく方式を採用しています。 問題が発生した場合は、影響のあるユーザー単位で旧ドメインへ切り戻すフォールバックを用意しています。拠点全体を巻き戻す必要がなく、影響範囲を限定した復旧が可能です。 2026年9月現在、この段階的な切り替えを進行中です。 ステートレス化によって何が変わったのか セッションオフロードで得られた一番大きな変化は、「Redisを使えるようになったこと」ではありません。 Webサーバーとユーザーセッションの紐付きを切り離せたこと です。 これまでWebサーバーの中にあった状態を外部へ移しました。その結果、リクエストをどのWebサーバーが処理するかと、ユーザーがどのセッションを利用するかを分離して考えられるようになりました。 これによって、アーキテクチャ上の選択肢が大きく広がります。 特定のWebサーバーにユーザーを固定する前提がなくなる。 ALBによるリクエストの均等な負荷分散が可能になる。 Webサーバーの増減や入れ替えと、ユーザーセッションのライフサイクルを分離できる。 Podが入れ替わることを前提とするKubernetesへの移行にも対応しやすくなる。 従来のステートフルな構成では、拠点ごとに接続先のWebサーバーが固定されていました。「アーキテクチャConference 2025」でもこの点を課題として紹介しています。セッションがサーバーに紐付いているため、リクエストを別のサーバーへ振り分けられず負荷が偏りやすい構造でした。ステートレス化によってこの制約がなくなり、ALBで均等にリクエストを分散できるようになりました。 しかし、今回の基幹リプレイスにおいて最も重要なのは、その先です。既存システムと新システムをまたいだ、段階的なフロントエンドリプレイスを進めるための前提条件が整いました。 これまで、 Webサーバー = アプリケーション + ユーザーの状態 だったものを、 Webサーバー = アプリケーション Redis = ユーザーの状態 へ分離したことで、フロントエンドのルーティングとセッション管理を独立して考えられるようになります。 これは単なるインフラ変更ではなく、基幹システムをどの単位で、どの順番でリプレイスできるかを変えるための アーキテクチャ変更 です。 いよいよ基幹フロントエンドのリプレイスへ ここで、2025年11月の「アーキテクチャConference 2025」で紹介した構成に戻ります。 当時紹介したのは、Kubernetes基盤上にIngress + Istioを配置し、ストラングラーパターンによって既存システムと新システムを共存させる構成でした。そして、機能ごとのパスルーティングによって、既存のClassic ASPから新しいアプリケーションへ段階的に切り替えていくことを予定していました。 当時はまだ「予定」だったこのアーキテクチャに対して、今回のセッションオフロードによって、その前提となるステートレス化を進めることができました。 巨大な基幹システムのリプレイスでは、新しいシステムを作ることだけが課題になるわけではありません。既存システムが長年の運用の中で持つようになった前提や制約を1つずつ解きほぐし、新旧システムが共存できる状態を作ることも、段階的なリプレイスには必要です。 今回取り組んだセッションオフロードは、そのための1つのステップでした。Webサーバーから状態を切り離したことで、既存システムを稼働させたまま、新アーキテクチャへページ・機能単位で移行していくための土台が整いました。 まとめ 本記事では、ZOZOの基幹システムにおけるWebサーバーのステートレス化について紹介しました。 2025年11月の「アーキテクチャConference 2025」では、基幹システムのリプレイスを進めるうえで「ステートフル」であることを課題として挙げました。あわせて、IISセッションをRedisへオフロードする方針と、Kubernetes上での段階的なフロントエンドリプレイス構想を紹介しました。 その構想を実現するため、既存システムで利用している独自フレームワークをバージョンアップし、IISのインメモリに保持していたユーザーセッションをRedisへオフロードしました。 今回の取り組みで重要だったのは、Redis導入そのものではありません。既存システムから「状態」という制約を切り離し、リプレイスの自由度を上げることでした。 長年稼働してきた基幹システムを、一度にすべて刷新できません。だからこそ、新しいアーキテクチャを作るだけではなく、既存システムを少しずつ「置き換えられる状態」に変えていくことが重要だと考えています。 2025年に「予定」として紹介していた基幹フロントエンドの新しいアーキテクチャは、今回のステートレス化によって実現に向けた準備が整いました。ここから、基幹フロントエンドの段階的なリプレイスを進めていきます。 ZOZOでは、一緒にサービスを作り上げてくれる仲間を募集中です。ご興味のある方は、以下のリンクからぜひご応募ください。 corp.zozo.com
本記事は 2026 年 8 月 27 日 に公開された「 A year of expanding choice for VMware customers on AWS 」を翻訳したものです。 Amazon EVS が一般提供 (GA) を開始してから 1 年以上が経ちました。人材やツール、運用ワークフローへの既存の投資を維持しながらクラウドでより多くの選択肢を求めていた VMware ワークロードのお客様にとって、Amazon EVS の GA 開始は大きな節目でした。Amazon EVS を使用すると、AWS 環境と統合された Amazon EC2 ベアメタルインスタンス上で VMware Cloud Foundation (VCF) を実行できます。チームは VMware のソリューションを継続して使用しながら、AWS の機能とグローバルな展開力を活用できます。 この 1 年間で新しい VCF バージョンのサポートを追加し、デプロイの自動化機能をリリースし、新しい EC2 インスタンスへの対応も拡大してきました。VCF 9 の Memory Tiering や NSX Federation の設定に関するガイダンスも公開し、新しい Windows Server ライセンスの権利オプションも導入しました。これらの機能追加により AWS で稼働する VMware ワークロードのデプロイ、運用、スケーリング、保護をお客様がより細かく制御できるように取り組んでいます。 ここからは最初の 1 年間でお届けした内容を詳しく紹介します。 VCF 9 を思い通りにデプロイ 今年に入って Amazon EVS での VCF 9.0 および 9.1 のサポート を発表しました。VCF 9 では Amazon EVS が VPC 内に EC2 ベアメタルインフラストラクチャをプロビジョニングし、アーキテクチャや設定はネイティブの VCF Installer でお客様自身が管理します。この制御レベルは VCF のライフサイクル全体に及ぶため、オンプレミスと同じ VCF の機能を Amazon EVS でも利用できます。 自動インストールを好むチーム向けには Solutions for Amazon EVS GitHub リポジトリ で Amazon EVS Deployment Orchestrator を公開しました。Amazon EVS Deployment Orchestrator には Amazon EVS 上に完全に構成された VCF 9 環境をデプロイするためのエンドツーエンドの自動化が含まれています。今後も計画、デプロイ、移行、運用のための新しいソリューションを追加していきます。 新しい i7i.metal-48xl、AWS リージョンの拡大、より大規模な環境でスケール 4 月には i7i.metal-24xl のサポート を追加して EC2 インスタンスの選択肢を拡大し、本日 i7i.metal-48xl のサポート を発表します。この新しいインスタンスは物理コア 96 個、メモリ 1.5 TB、ローカル NVMe ストレージ 45 TB を備え、負荷の高い VMware ワークロードに対応する大きなキャパシティを提供します。 第 5 世代 Intel Xeon Scalable プロセッサーを搭載した i7i インスタンスは、i4i インスタンスと比べてコンピューティング性能が最大 23% 向上し、料金性能比も 10% 以上向上しています。i7i.metal-48xl はコア数とメモリ容量が増えているため、ホストあたりでより多くの VM を実行でき、少ないホスト数でも環境を拡張できます。 また Amazon EVS の対応リージョンを 22 の AWS リージョンに拡大し、エンドユーザーの近くにワークロードを配置したり、ビジネス目標やデータ主権の要件に合わせたデプロイができるようになりました。さらに環境の最大サイズを 16 ホストから 32 ホストに増やしました。1 つの環境内で大規模な単一クラスターを構築することも、複数の小規模クラスターに分けることも、要件に合わせて自由に組み合わせることもできます。 Memory Tiering でクラスター密度を向上 VCF 9 は、ホストがローカル NVMe ストレージを追加メモリとして利用できる Memory Tiering を導入しました。同じホスト数でもクラスターが実質的に最大 2 倍のメモリを扱えるようになり、VM の密度を高めながらハードウェアとライセンスのコストを削減できます。Memory Tiering は i4i および i7i の両インスタンスファミリーに対応しています。 Memory Tiering の詳細解説 ではこの機能の仕組みや、Amazon EVS でのサイジングと有効化について説明しています。 Windows Server のライセンスをシンプルに Windows Server のライセンスは VMware の移行を計画する際に障壁となることがあります。 Amazon EVS Windows Server Licensing では Windows VM を実行するための 2 つの選択肢を用意しています。対象となる Windows Server ライセンスと移行権を持つお客様は、そのライセンスをそのまま Amazon EVS に持ち込めます。移行権のない VM については、Amazon EVS で Windows Server ライセンスの権利を追加し、使用した分だけ vCPU 時間単位で料金を支払えます。権利は環境の変化に応じて追加・削除できるため、個々の VM 単位でライセンスを付与し、ホスト全体にライセンスを付与するコストを回避できます。 Amazon EVS で VMware ワークロードを保護・復旧 Amazon EVS を使うと、チームが既に使い慣れた VMware のツールとプロセスのまま、AWS 上で VMware ワークロードを柔軟に保護・復旧できます。オンデマンドで復旧環境をデプロイし、ワークロードを変更せずに稼働させ、復旧目標に合わせてキャパシティをスケールできます。 Amazon EVS における VMware ワークロードの災害復旧ガイド では復旧方法と保護オプションを比較しており、ワークロードごとに復旧時間、復旧時点、コスト、運用要件のバランスを取れます。 サイト間でネットワークとセキュリティを拡張 またオンプレミスの NSX 環境と Amazon EVS 環境を単一のコントロールプレーンで管理できる NSX Federation のサポートも発表しました。NSX Federation により拠点をまたいでネットワークセグメントとセキュリティポリシーを拡張し、データセンターと AWS の間で統一されたネットワーキング基盤を構築できます。大規模なレイヤー 2 拡張、統一された Distributed Firewall ポリシー、簡素化された災害復旧のフェイルオーバーを必要とするお客様にとって、NSX Federation は HCX の移行ワークフローを補完する長期的なネットワーキングと復旧の基盤となります。 NSX Federation の詳細解説 では両方の技術がどのように連携し、それぞれがどのような場面に適しているかを説明しています。 より広い選択肢を提供した 1 年間 今年リリースしたすべての機能はチームが使い慣れた VMware のツールと運用ワークフローを維持しながら、Amazon EVS でより多くの制御、選択肢、柔軟性を提供するという目標を支えるものです。VMware を利用している組織であれば、Amazon EVS を VMware ベースのワークロードを実行する世界最高の場所にしたいと考えています。 次のステップ: VMware Explore 2026 で Amazon EVS をご覧ください 最新の取り組みを実際にご覧になりたい方は、8 月 31 日から 9 月 3 日までラスベガスの The Venetian で開催される VMware Explore 2026 にぜひお越しください。 今すぐセッションをスケジュールに追加してください 。 ブレイクアウトセッション [CLOB2172LVS] Amazon EVS with VCF 9: Expanding choice and flexibility for VMware on AWS – 9 月 2 日(水) | 午後 3:15 – 午後 4:00 | Level 3, San Polo 3505 20 分間シアターセッション [CLOQT2319LVS] 20-minute guide to running VMware Cloud Foundation 9 on Amazon EVS – 8 月 31 日(月) | 午後 5:30 – 午後 5:50 | The Hub Theater VMware Explore にご参加の有無を問わず、皆様が取り組んでいる内容についてぜひお聞かせください。 Amazon EVS の製品ページ にアクセスして利用を開始するか、AWS のアカウントチームに連絡して次のステップを検討してください。 著者について Bianca Velasco AWS のプロダクトマーケティングマネージャーとして、VMware ベースのワークロードの AWS への移行とトランスフォーメーションを担当しています。マーケティングとテクノロジー分野で7年以上の経験を持ち、複雑な技術を分かりやすく伝えるストーリーづくりに情熱を注いでいます。AWS の業務以外では、ボランティア活動、ダンス、ボルダリングを楽しんでいます。 Andy Reedy EC2 Commercial Applications のシニアプロダクトマネジメントマネージャーとして、VMware、SAP、Red Hat OpenShift のワークロードを担当するチームを率いています。IT インフラストラクチャ、ネットワーキング、セキュリティ、クラウド戦略、エンタープライズソフトウェアの分野で25年以上の経験を持ち、お客様のビジネスクリティカルなアプリケーションの移行とモダナイゼーションを支援することに情熱を注いでいます。 Spiros Tsitsonis AWS のシニアテクニカルプロダクトマネージャーとして、インフラストラクチャの移行と Amazon Elastic VMware Service を担当しています。以前は Amazon Elastic Container Service とサーバーレスの Fargate チームを管理しており、AWS のサービスを活用してお客様がビジネス成果を達成することを支援することに情熱を注いでいます。プライベートでは、旅行を通じて様々な場所や人々、文化に触れることを楽しんでいます。 翻訳はパートナーソリューションアーキテクト 豊田が担当しました。原文は こちら です。

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