電気自動車普及の壁“充電”に立ち向かう、Hondaの「ビッグデータ分析×クラウド活用×ネットワーク構築」への挑戦

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電気自動車普及の壁“充電”に立ち向かう、Hondaの「ビッグデータ分析×クラウド活用×ネットワーク構築」への挑戦
カーボンニュートラルな社会の実現を目指すHonda。今回の「Honda Tech Talks #4」では、データドリブンなユーザーエクスペリエンス実現に向けて、「ビッグデータ分析」「クラウド活用」「ネットワーク構築」に取り組むソフトウェアエンジニアたちの挑戦と想いが語られた。

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カーボンニュートラル実現への想い、立ちはだかる課題と解決策とは

本田技研工業株式会社 高宮 秀治氏
本田技研工業株式会社
電動事業開発本部BEV開発センター
ソフトウェアデファインドモビリティ開発統括部
パワートレイン制御開発部 部長 高宮 秀治氏

最初に登壇した高宮秀治氏は、新卒入社後、エンジン制御開発を担当。その後ハイブリッドシステム制御開発、世界初Lv3自動運転の制御開発を経て、現在は電動パワートレイン制御領域の責任者を担っている。

四輪自動車に限らず、二輪自動車、マリン、飛行機など、Hondaが年間世界に送り出すパワーユニット製品は約2800万台。「人が行動するパワー、原動力を提供している」と語る高宮氏。Hondaが提供する価値の根幹についても、次のように紹介した。

「Hondaが提供したい価値は『環境』『安全』の2つであり、環境に関しては地球環境への負荷をなくす。安全については尊い命を守り安全を達成する。この2つの価値提供に徹底的に取り組んでいます」(高宮氏)

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環境対策に関する具体的な取り組みも紹介された。1970年代には、当時世界で最も厳しいといわれた自動車の排出ガス規制法「米国マスキー法」を、世界で初めてクリア。2011年には「Honda環境・安全ビジョン」を策定している。

2021年には、具体的な目標年や行動を定めた「Triple Action to ZERO」を策定。2050年までに、全製品ならびに企業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指す。

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実現に向けては、冒頭で紹介した数多くのモビリティを有機的に連携させる。同時に、バッテリーのみで動くBEV(Battery Electric Vehicle)の普及と、BEVを活用した街のエネルギーマネジメントを推進していく。

「BEVはモビリティであると同時に、大きな蓄電池を備えているためエネルギーを貯蔵できるという特性を持っています。これからはBEVの普及が重要になってきます」(高宮氏)

そして、BEVの普及においては、充電UXをいかに向上させるかがポイントだと続けた。

というのも、BEVに対する調査を行ったところ、多くのユーザーが充電に対して不安を持っていることがわかったからだ。充電に関する不安の内容は、充電器の数だけに留まらない。規格、料金、支払方法など、さまざまあることもわかった。

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だが、これらの不安要素は、Honda単独で解決できるものではない。そこで、Hondaは同業者との協業などに動いている。例えば、北米で販売するEVの充電ポートは、テスラが開発した規格「NACS(North American Charging Standard)」を採用することとした。

充電インフラに関する取り組みにおいても、BMWグループやゼネラルモーターズなど、同業7社と合弁会社を設立した。

高宮氏は、Hondaが業界関係者と協力しながら、充電の不安を取り除くために注力していることを紹介し、セッションを締めた。

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電動車両普及に向けた不安・不便を解消する充電UX向上の取組み

本田技研工業株式会社 星野 大介氏
本田技研工業株式会社
電動事業開発本部BEV開発センター
ソフトウェアデファインドモビリティ開発統括部
パワートレイン制御開発部
Eドライブ制御開発課 星野 大介氏

続いては、2023年から充電UXの開発リーダーを務める星野大介氏が登壇。充電におけるUXをいかに向上していくのか、今まさに取り組んでいる内容を語った。

星野氏は「充電UX」という言葉は、そもそもHondaが作った造語だと明かし、具体的にどのような充電UXがあるのか、通勤・お出かけの2つを例に紹介した。

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まずはお出かけのシーン。BEVではまだ長距離を走ることが難しい場合が多いため、目的地に到着するまで充電する必要がある。その充電スタンドを、事前に探すという体験がまず1つある。

2つ目は、見つけた充電スタンドは利用日に営業しているのかどうかだ。さらには支払方法も考える必要がある。こうした体験は当然、目的地からの帰路でも発生する。

もう1つの通勤においては、電気代を安くしたいといったユーザー体験が発生すると星野氏。このように、充電UXは自動車ユーザーの生活から切り離せないものだと、説明した。

実際、どれくらい充電が生活に密着しているのか、具体的な数字も示された。充電時間は自宅で行う場合は約12時間、出先での急速充電であっても約30分も必要とする。出先での充電の場合は、前に充電している人がいたら、さらに倍かかる場合もある。

充電電力はエアコンや電子レンジの約5倍かかり、毎日充電を12時間続ければ、月の電気料金がものすごい額になる。場合によってはブレーカーが落ちるトラブルも発生する。

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続いては、HondaにおけるUX設計の考え方が語られた。まずは、ユーザーの困りごとを把握する。星野氏は同スコープにおけるポイントを次のように語った。

「ただ把握するのではなく、お客さまの気持ちに寄り添うこと、自分ごととして捉えることが大事です」(星野氏)

その後は課題を定義し、ソリューションを検討、プロトタイプの作成、テストといった工程で進める。なお前半のフェーズではいわゆる右脳を、後半のフェーズでは左脳をフル活用するという違いがあるという。本セッションでは前半、右脳を使ったUX設計について解説された。

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お客さまの気持ちに寄り添い、お客さま目線になるためには、リアリティのある顧客像となるペルソナを設定し、困りごとに感情移入していくことが大事だと星野氏は言う。

具体的には、俳優のようにペルソナになりきる。場合によっては、ペルソナに近い対象者にインタビューしたり、現地でのエスノグラフィーを通じて解像度を高めたりすることも効果的だと続けた。

ユーザーのカスタマージャーニーを洗い出すことも重要だ。行動の機能要件が出ると同時に、それぞれのジャーニーにおけるペインポイントも明らかになるからである。

「お客さまの気持ちを把握する手がかりや、ペインの抜け漏れにも効果があります」(星野氏)

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次のステップでは、Hondaの伝統的な開発手法である「ワイガヤ」を行う。

ワイガヤとはそのまま、メンバーでワイワイガヤガヤ話し合いながら、議論を進めていく。イメージしたペルソナはメンバー全員が共感しているか。困りごとはメンバー同士でズレていないか、といった内容である。

「ワイガヤは、合意形成を図るための手法ではありません。メンバー同士が思っていることを、腹を割って正直に話し言い合うことで、課題や提供価値をブラッシュアップしていきます」(星野氏)

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ワイガヤを行いメンバーの考えが統一化されたら、今度はその考えを可視化していく。

このステップでは辛いことではなく、これから設計するUXで実現する楽しく便利な世界観を表現することが大事だという。星野氏は、実際に使っているサンプルも示した。

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具体的なソリューションに落とし込み、アイデアがかたまれば、実際のアプリ開発を進めていく。

星野氏は具体的な事例も紹介した。例えば、UXの向上が期待できるスマホや、カーナビによる充電場所、計画策定に役立つアプリ的なサービスである。

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一方で、ここまで詳細に設計したサービスであっても、実際の開発では苦労が多いと星野氏。例えば開発体制では、これまで携わった領域ではないため、既存の技術部門では対応が難しい。

そこで、該当する協力会社や部門との会話や連携が必要となってくるが、お互いの専門領域が異なるため、会話が成り立たない場合もあるといった問題である。

協力会社との協業では、事業部門のメンバーにも協力してもらい、契約も平行して進めることも重要である。

「勢いも気持ちも充実している若いメンバーに任せることが重要だと考えています。その結果、新しいアイデアが続々と出てくるからです。ただ任せて権限移譲するだけではなく一人ひとりに声がけなどを行い、うまくいかないときのサポートを行うことも重要です」(星野氏)

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また、現場に赴くことも重要だと星野氏。実際に行ってみると、各国のリアルな状況や地域による違い、ペルソナが抱える課題が異なることなどが見えてくるからだ。実際に先月行ったインドで得た気づきを、次のように話した。

「インドではCPOや充電規格が多数混在しています。その割に、充電スポットで充電している人はほとんど見られませんでした。おそらく自宅で充電していると思われます。このように現場に行くことは、開発においてとても重要だと考えています」(星野氏)

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星野氏は、現場に足を運び一歩を踏み出すという行動は、まさしくHondaイズムそのものでもあると述べ、セッションを締めた。

「100回エラーしたら、1つの成功がある。UX設計を進めていく上でもキーになると思います」(星野氏)

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充電品質向上のためのデータによるアプローチ

本田技研工業株式会社 岡部 寛人氏
本田技研工業株式会社
電動事業開発本部BEV開発センター
ソフトウェアデファインドモビリティ開発統括部
パワートレイン制御開発部
Eドライブ制御開発課 岡部 寛人氏

続いて登壇したのは、他の自動車メーカーでキャリアを積んだ後、2018年にHondaにジョインした岡部寛人氏。現在は、パワートレイン制御開発部へのUX開発プロセスの構築と定着、充電品質改善のためのデータ分析基盤の開発・整備と、2つのプロジェクトをリードする。

岡部氏はまず、「EV充電ネットワークの複雑さ、複雑さによる不具合やコンプレイン(苦情)」について紹介した。

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従来のガソリン車であれば、開発者は主に走る機能に着目して開発していればよかった。しかしEVになると、充電残量や充電時間を、開発側も考える必要がある。

ここからが問題であるが、充電を行う場所や充電器を作っているメーカーは数多く、それぞれが異なる考え方で製品を開発している。さらに充電器の裏には、インフラも繋がっている。インフラの不安定さも考慮する必要があるだろう。

このように多くのステークホルダーや事案が絡んでくるため、充電時に不具合が発生した場合、不具合の原因究明が難しいというのだ。

実際にどの程度不具合が発生するのか。岡部氏は、停車から充電完了後、出発するまでの約30分間におけるトラブルの発生可能性のバリエーションの多さをUX分析視点から紹介した。

さらに充電器側の視点で考えると、目の前の車を充電している事象は同じように見えても、実際には車と充電器の組み合わせにより、全く異なる充電シーンが発生しているという。

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加えて、ユーザーによっては充電の操作を間違えるケースや、車や充電器に不具合があるケースも考えられる。さらには通信も絡んでくるため、通信の規格やバージョンによる組み合わせ不具合も生じる可能性がある。

岡部氏はこのような背景を説明した上で、実際のトラブルも紹介した。

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この例ではあるユーザーが「特定の充電スポットで充電できない」という事象を経験した。そのユーザーにとってはある一か所だけできなかった経験のため、同じ場所でまた充電できないことを経験するまで連絡が上がらず、発見から連絡まで時間がかかってしまったケースだ。実車のロガーデータをチェックするなど、詳細を確認してもエラーコードも見つからず、なかなか原因がわからなかった。

深く調べていくと、充電に関する車側のソフトウェアが新しい通信規格に対応していないことが原因だった。そこでようやく、ソフトウェアに手を加えることで改善した。

「トラブルが発生してから明確な対応が出るまでに約6カ月かかりました。不具合を実際に改善するためには、お客さま一人ひとりがディーラーに来ていただくことで完了するためそれ以上の時間が必要となります」(岡部氏)

しかし岡部氏は、充電UXとの視点で考えて“苦い経験”と捉え、改めてデータに対するアプローチを見つめ直すこととなる。

着目するデータは、大きく3つの視点で分けている。1つ目は車側から、2つ目は充電器側から、3つ目は車と充電器相互にやり取りする通信での視点である。具体的には、電流などのデータ、通信データ、温度データなどだ。

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データを分析するといってもステークホルダーは多様であり、インフラの状況や充電器の設計などによっても、データは変化していく。岡部氏は改めて、EV充電におけるデータ分析の難しさを語った。

「データに規則性がないため、プロファイルするデータも多岐にわたる。このような課題があります」(岡部氏)

このような難しさを踏まえた上で、現状のアプローチ手法も紹介した。これまで説明してきたように、充電に関するUXをユーザー、充電器それぞれの視点で捉え、単数・複数と場合することで、大きく4つの事象に場合分けする。

そして、それぞれの視点でのデータの組み合わせをシフトすることで、データ全体を分析していくというアプローチである。

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このようなデータアプローチを行い、市場を詳細にデータモニタリングしていれば、先の苦い経験にも早急に気づける兆しはあったと、岡部氏は振り返る。

実際、現在はバッテリーの残量、温度、地点といったコネクテッドデータを5分周期で上げている取り組みを紹介した。

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一方で、データ分析から事象の解釈を行うには、これまでの充電エンジニアのスキルに加え、データエンジニアのスキルも必要になってくる。かつ、専用のクラウドデータ基盤も必要だ。

そこで今まさに両方の実現に向けて取り組んでおり、実際AWSとの協業などを進めているという。

充電エンジニアに求められる具体的なスキルも語られた。データの統合分析、データの可視化、UX・UI視点などである。

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岡部氏は、具体的に実現したいデータの利活用に向けたロードマップを示し、さらにはAI、機械学習へのアプローチも必要だと説明。次のように補足した。

「規則性がないことを踏まえると、ニューラルネットワークのような仕組みを導入したとしても、うまくいかない可能性もあります。そこで、複雑な物理モデルの簡略化、自動検知アルゴリズムをどのように作ればよいのか、取り組んでいるところです」(岡部氏)

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さらにはUXにおいても、単にデータを読み込ませるだけではなく、改めてデータを可視化する特徴量を抽出する取り組みを行うなど、データ活用を推進していく。

「これまでは組み込み系のソフトウェアエンジニアでしたが、現在の充電エンジニアにはデータ分析に関するスキルも求められるため、同スキルを身につけるためにチャレンジを続けていきます」(岡部氏)

【Q&A】参加者からの質問に登壇者が回答

セッション後は、イベントを聴講した参加者からの質問に、登壇者が回答した。

Q.CO2排出量、UXの両視点で考えると、しばらくはPHEVが最適な選択肢なのではないか?

高宮:5〜10年単位で考えれば、そのとおりだと思います。ただ、PHEVはエンジンが載っているため、再利用・ライフサイクルとの観点で考えた場合は難しい。蓄電池との観点で考えると、固体電池やワイヤレス充電といった技術革新を踏まえ、2030〜50年頃にはBEVが本命になっていると考えています。

Q.データの加工は社内・社外どちらで行っているのか?

岡部:社内で行っていますが、自分たちだけでは難しいので、インドにある関連会社などと連携しています。その際にはお互いのアイデアの共有などもしています。

Q.充電UX以外で、Hondaがこの先に考えているEVの付加価値とは?

高宮:1月のCESで具体的に発表する予定です。これまでのHondaらしさを反映した、遊び心、スポーティーさなどを表現できればと考えています。

Q.世の中にまだない機能やサービスのUX設計はどのように進めているのか?

星野:非常に難しいことですが、あまり重点的に取り組もうとはせず、あくまで現状の課題にアプローチする。つまり、本当に大切なところから優先的に取り組んでいます。

Q.異常データが少なそうなため、機械学習が難しいのではないか?

岡部:まさに機械学習のデータが不足しており、苦労しています。自分たちが故障した充電器を持っているわけでもないからです。

Q.充電におけるフェイル・セーフの技術開発の現在地は?

高宮:数時間前までに検知し、放置しておくかは既に法規で定められています。我々は同規定をミニマム要件とし、より厳しいレベルでの検知システムならびに、検知後の対応について開発を進めています。近い将来に出すBEVには実装する予定です。

Q.協業相手とのやり取りでの注意点や難しさは?

星野:我々が頑張り過ぎることで、利益を損ねるような企業が出てくるケースや可能性もあるため、そのあたりを配慮しながら進めています。ただ、お客さまの課題を解決するゴールは一緒なので、特にCPOとはよく話す機会を設けています。

Q.組み込みエンジニアから充電エンジニアへの転身は、勇気が必要だったのではないか?

岡部:やるしかないと考えています。これは私に限らず、後輩のエンジニアもそうですし、苦労も多いと思います。またデータにおいてはお客さまに対してだけでなく、ディーラーに近い部署での活用なども増やす必要があると考え、実際に取り組んでいます。

星野:私は元モーター制御エンジニアでしたので、モーターをいかに早く動かすか、揺れないように動かすかなどの取り組みをしていました。

高宮:私も元々はエンジン制御に取り組んでいました。その後、自動運転、電動車に携わってきました。こちらからやりたいことを提案すると聞いてくれる会社なので、これまでいろいろなチャレンジができました。

Q.ペルソナ設計のためのユーザーインタビューについて

星野:実際にインドで、ディーラーや現場の人に行いました。インタビューを行うことで、自分たちの思い込みが違っていたことなどが出てくるので、すごく大事だと思っています。

Q.分野や所属の違う人たちと、円滑なコミュニケーションを取るために気をつけていることは?

星野:フェイス・トゥ・フェイスを意識しています。本当に困っているからという姿勢を、自己紹介で丁寧にするように工夫しています。

Q.いずれ充電規格は統一されるのか?

高宮:難しいテーマですがお客さまのペインとなっているため、統一されるべきだと考えていますし、競争する領域ではないと思います。

Q.データの分析・運用において、関係各位との仕組みづくりで意識していることは?

岡部:品質やディーラー部門の方たちの立場で考え、どのような充電データを、どのように見せれば、実際に業務で使いたいと思うのか。そのイメージを掴むために、普段から会話やヒアリングを心がけています。

本田技研工業株式会社
https://www.honda.co.jp/
本田技研工業のキャリア採用情報
https://www.honda-jobs.com/
本田技研工業の採用情報
https://global.honda/jp/jobs/?from=navi_footer_www

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