【レポート】IoTが実現する世界:日常化されていくIoT[第1部] - TECH PLAY Conference 2017

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IoT

sakura.ioで実現する世界 〜量産前提のモノゴト作り〜

山口亮介(やまぐち・りょうすけ)/さくらインターネット株式会社 IoT事業推進室 室長 シニアプロデューサー。山口大学大学院卒。ニフティなどでの勤務を経て、2016年にさくらインターネットへ入社。ヘビーメタル好き。

さくらインターネットは、2017年4月よりIoTプラットフォーム「sakura.io」の提供を開始しました。その「sakura.io」を牽引する山口さんは、まずさくらインターネットの事業の概要を紹介。さくらインターネットが本格的にIoTへの取り組みを始めた目的を「これまで気づけなかった『モノ・コト』の相関性や関係性を見出し、世界でシェアできるプラットフォームを作ることにある」と説明します。

では、IoTによって何ができるようになるのでしょうか? 山口さんは「IoTは次の世の中を作る部品にすぎないと私たちは考えています」と語ります。「IoTの領域は人々の生活から『何らかの変化』や『何らかの活動量』といった情報を取得し、その情報を貯めること」だと山口さんは続けます。

蓄積された情報はAIによって分析され、その分析を元にロボティクスが動作を起こすことで実際の生活に影響を与えます。つまり、この一連の流れの一部を担っているのがIoTであるというのが、さくらインターネットの考え方です。

IoTの使われ方は大きく3つに分けられると山口さんは捉えています。それは、既にある仕組みを切り替える「モダナイゼーション」、全く新しいアイディアを形にした「イノベーション」、現在困ってはいないもののあると便利な「ちょい足し」の3つです。さらに実際に「sakura.io」が使われている分野は、行政・教育・農業・製造業・ヘルスケア・新分野など非常に多岐に渡ります。

続けて山口さんは、紙に記録していたバスの乗降客数の情報をIoTでモダナイゼーションした行政の案件、体高40cm以上のイノシシが檻に入ってきたら自動で檻を閉じてイノシシを捕獲する農業領域でのイノベーションなど、具体的な事例を紹介しました。

「IoTに取り組みたい」と言う人が本当にやりたいことは、「モノを作る」か「サービスを作る」ということです。つまり、データとネットワークのやりとりを行うことだけが目的です。しかし、それを実現するために、組み込みや通信、ネットワークにDBなどクリアしなければいけないフェーズが多々あります。

この課題を解決するために「sakura.io」が提供しているのは、「電子回路がデータセンターに直結するパーツ」です。通信モジュールとコントロールマネージャーを提供することにより、電気信号と「JSON」を相互変換する役割を「sakura.io」が行います。これにより煩雑なレイヤーは「sakura.io」に任せ、モノづくりやサービスづくりに注力することが可能です。

つまり「sakura.io」が担うのは製品やサービスの「パーツ」としての役割。製品やサービスに「sakura.io」を利用することで、「通信機能」「データ保存」「連携機能」を簡単に導入できるのです。

「データをつないで、貯めて、連携する」ことに徹底した「sakura.io」には、通信モジュールにSIMが搭載されています。つまり、自身でSIMを契約する手間は不要。さらに、電源を入れさえすればデータセンターに接続されるので、接続機能を開発する必要もありません。データも自動で保存され、「Azure」や「AWS」との連携機能も「sakura.io」が提供します。

さらに山口さんは「sakura.io」の料金体系を紹介。「sakura.io」の通信モジュールは、わずか8,000円で購入することが可能です。

さらに、標準ストレージと連携機能料金を含んだ月額利用料金は60円から。この60円という金額には1万回の通信費用が含まれています。1万回の通信は、5分に1回の連携がまかなえる数字です。導入・運用しやすいこの料金は、他社製品と比較しても初期モジュール費用は70%、ストレージも含めた月額料金は90%ほど低い価格です。

最後に山口さんは「sakura.io」の展望を語ります。

「まずは安い料金でとにかくデータを貯めてもらいたいんです。そして、その先には貯められたデータのエクスチェンジを構想しています。ユーザー間でのデータ取り引きを2018年には始めるべく準備を進めているんです。こうした段階で私たちもお手伝いができればうれしいですね」

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myThingsによるIoTデバイスとWebサービスが繋がる世界

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