【レポート】加速する動画ビジネス最新事例:急成長する動画市場[第1部] - TECH PLAY Conference 2017

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インタラクティブCM 最前線の成功モデル

第1部最後の登壇者は、HAROiDの吉澤さんです。

吉澤健吾(よしざわ・けんご)/株式会社HAROiD ビジネス開発マネージャー。1974年生まれ。2006年に電通に入社。2015年にHAROiDへ出向で参画。BOØWY好き。

吉澤さんは「ネットにはいつでもどこでも楽しめるという特性がある一方、テレビのように同時に多くの人を集めるのは得意ではない」と話します。吉澤さんが参画したHAROiDでは、ネットとテレビを掛け合わせることで、新しい体験の提供に取り組んでいる企業です。

そのHAROiDは、全国様々な場所にいるテレビの視聴者が同時に参加する「LiVE CM」を提供しています。「Live CM」では、テレビ視聴者がCM放送中にスマホのブラウザからゲームに参加し、そのゲームの内容に応じてCMコンテンツがリアルタイムに変化するというもの。

CM終了後は、ウェブサイトからの案内にそって登録すると、店舗で商品と引き換え可能なクーポンが配布されます。つまり、O2O2Oのソリューションでもあるのです。

吉澤さんは、キリン「氷結」のキャンペーンで「Live CM」を実施した事例の結果と効果を紹介します。

「CM放送中には、全国の視聴者から600万ものタップがありました。15万本発行したクーポンコードもわずか数時間で先着締め切りを迎えています。さらに、CMに参加するためにテレビ視聴者がスマホのブラウザで検索するので、Yahoo!検索のランキングは2位に上昇しました。SNSシェアも20万件獲得しています。
クライアントにとっては、まず商品体験機会を創出できるというメリットがあります。それから、クーポンを引き換えるコンビニへの配架率があがり、販売促進としての効果もありました。もちろん、ブランド好意度もリフトアップしました」

続いて吉澤さんはなぜ「O2O2O」が求められているのかを説明します。

「注目」「興味・関心」「検索」「行動」「共有」という行動モデルの中で、テレビCMが得意とするのは主に「注目」「興味・関心」の領域です。しかし、せっかくCMに接触しても、次のステージへ移行する前に消費者が忘れてしまうことはよくあります。そのステージから「検索」「行動」「共有」までの橋渡しをする役割こそが「O2O2O」の領域です。

「また、現代は『共感』と『参加』の時代です。」と吉澤さん。「これまでにも企業は商品を消費者に体験してもらうために、コンビニでサンプリングを行っていました。しかし、『Live CM』という『今しか参加できないお祭り』を提供することで、サンプリングと同じ『商品がもらえる』という体験価値を『壮大なイベントに参加する』と感じてもらい、共感を狙っています」

キリンの事例では、SNSにブランドやイベントに対しての感謝と読み取れるような共感の感想が実際に数多く投稿されました。

最後に吉澤さんは今後の展望語ります。

「今後は、『衝動』と『行動』が結びついた行動モデルに変化していくのではないかと思っています。『欲しい』と思ったその場で購買する、『参加したい』と思ったらすぐに参加する。そのための『衝動』に応えていく仕組みづくりに取り組みたいですね。

また、現在私たちは、放送局向けにプライベートDMPを提供しています。テレビに「ログイン」することで、どのユーザーがどの番組を見て、どのCMと接触したのかというデータを統合できるんです。放送局もネットのいいところを取り入れて、パーソナライズした情報をお届けしてもいい時代だと思いますので、その機能提供に取り組んでいきます」


以上で、第1部の講演は終了です!第2部のレポートもお楽しみに!

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