【イベントレポート】 eiicon×サムライインキュベート『Open Innovation BootCamp Program』勉強会を開催!3カ月で成果を出すためのノウハウとは?

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【イベントレポート】 eiicon×サムライインキュベート『Open Innovation BootCamp Program』勉強会を開催!3カ月で成果を出すためのノウハウとは?

オープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」と株式会社サムライインキュベートはオープンイノベーションを支援する『Open Innovation BootCamp Program』を共同で提供する。同プログラムは3カ月で事業会社×スタートアップの新規事業を実現させるのが大きな狙いだ。 Alt text これに合わせ4月25日、勉強会が開催された。同会では、プログラムの骨子や新規事業を行う際の注意点やコツ、事例などが紹介され、参加者たちは熱心に耳を傾けた。会に先立ち、eiicon founderの中村亜由子(下写真)が挨拶。講師はサムライインキュベート 共同経営パートナー 兼 Chief Strategy Officerの長野英章氏が務めた。

事業領域の設定が重要

長野氏は「アクセラレーターは既に仮説検証がある程度進んだスタートアップが対象で”協業事業の市場での検証”をゴールとするケースが多いが、ブートキャンプの立ち位置はアイデアやプロトタイプ段階のスタートアップと一緒に事業計画をブラッシュアップする役割を持つ」と説明した。オープンイノベーションを行うには事業の「領域設定」が重要と強調し、参入を試みる「製品・サービス・機能」と「市場・業界・産業」が新規か既存かを見抜くことが必要不可欠と説明。まったくアセットを活用しない新規と新規の掛け合わせは、実現が非常に困難になると指摘した。

特に大企業は、赤字を前提とした上でアセットのない分野に数十億円の予算を投入するのは困難で、計画がとん挫することも多いという。合わせて、目標設定についての注意点を示した。新規事業の目標を「売上だけで決めるのは危険」と述べ、新規事業はROIが年次で改善していくことを考慮しなければならないとし、また、販管費などにも十分に配慮しなければならないと注意を促した。

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【講師】 サムライインキュベート 共同経営パートナー 兼 Chief Strategy Officer 長野英章氏

アセットはアクセシブルか

オープンイノベーションを行う場合、大企業が自社の持つアセットを提供しようとする場合がほとんどと言える。しかし、長野氏は「アセットが外部からアクセシブルでなければ意味がない」と話す。特にデータや技術ノウハウについては、外部に出せないことが少なくない。社内で調整を図り、外部からアクセスできる状態にしておく必要があると力説した。

また、顧客がアセットという場合もあると考えられるが、「売り手と買い手の力関係を把握しておくことが欠かせない」と注意。買い手が圧倒的に強い場合は、実証実験などについて協力・理解が得られず、計画が大幅に遅れることもあるという。同時に、社内についても、新規事業を行う部門に一定の力がないと他の部門のリソースが使いにくくなる。新たな人事制度の構築も必要になってくると述べた。

低予算で始めるために、リーン検証が必要

新規事業の予算の取り方についても解説があった。通常、大きく予算を取りに行こうとするが、「むしろ低予算で始めるべき」と提案する。多額の予算は取るのに時間がかかる上に、上層部の意見が計画に入りがちで方向性がブレるからだ。小さな仮説検証のマイルストーンを設定し、スタート時は予算をかけずに仮説検証を進めて、仮説検証ステージが進む中で徐々に少額の予算を獲得するのがベターと話す。

合わせて、リーン検証の有用性を強調。リーン検証はプロダクトを作らずにニーズを検証する手段で、予算がほとんどかからない。リーン検証までを十分に行った後、役員にプレゼンテーションし、大きな予算を取るべきだと述べた。ブートキャンプでもリーン検証の伴走に力を入れる。長野氏は「ローコストで検証し、ベンチャーとの協業に賛同を得られるように進めるのがブートキャンプの肝」と話した。

事業創造のパターンとは

ブートキャンプでは、主にデジタル事業を扱うことを考慮している。デジタルの領域は、情報の送信・共有速度を速めた情報革命のインパクトを与えることが重要になると解説した。事業の目の付け所として大切になるのが「100年後も変わらない価値」だと述べ、「安さ、簡単さ、早さ、選択肢の多さ、質の高さ(正確性、安心・安全性)の5つの価値軸を、どこまで高められるか」がイノベーションの重要な要素になると強調した。

この5つの価値軸で戦略的に投資をしている例としてAmazonを取り上げ、「だからこそ、大成功を収めているのではないか」と持論を述べた。また、Amazonに限らず、近年、成功モデルとして語られる企業や事業は、5つの価値軸のいずれかまたは複数について、大きく改善・進化させていると指摘した。

確立された行動をより便利にする

新たな事業を起こそうとする際、新しいものを生み出そうとするが、「確立された行動をより便利にする」という観点が重要だという。「お金と時間のかかる消費行動を、先端テクノロジーを用いてどれだけ便利にするか考えること」が欠かせないと力説した。消費行動の基本は変わらないが、インターネットが出た後は、行動を行う場所が大きく変化している。こうしたことを考慮した上で、イノベーションや事業創造について考えることが大切だと述べた。具体的な手法として、基本行動のフローを分解し、さらに頻度・時間・コストで分解する方法が紹介された。

また、マーケットは決してボリュームだけではなく、頻度とコストの切り口で考えることが重要だとし、そうすることで新たなマーケットも見えてくると伝えられた。さらに、長野氏はアイデアの発想法として「従来品の機能を向上させ未来品に変える」という発想がキーになると話した。

代替品とターゲットを探す

アイデアの優劣を見極めるのには、競争戦略の視点に立つことが重要と強調した。ユーザー目線で商品間の優位性を見極めるのだという。どんなに新しいプロダクトでも、ニーズがあると考えているのなら、必ず競合=代替品があると指摘する。その上で、競争戦略とは究極的には「戦わないことだ」と話す。ターゲット、提供価値、提供方法、すべての領域で同じ方法で戦うと活動量が多いところ、つまり、資金が多いほうが勝つため、戦いは可能な限り避けるのが優れた戦略となる。代替品を見極めたら、次はターゲットを具体化する。長野氏は「『誰が』が変わるとすべてが変わる」と解説し、ターゲットの具体化は極めて重要だと述べた。ターゲットは「ひっ迫したニーズを持つ人を探すこと」で見つかり、そのターゲットに対し、刺さるポイントをシャープにエッジを利かせることで、優れた商品・サービスになると説明した。

長野氏は「これまで多くのオープンイノベーションに携わり、サービス・プロダクトの最適化、CSとCRMによるLTVの最大化、スケーラブルなマーケティングチャンネルの確立、CACの最適化について、フレームが整っている。ブートキャンプでは、競争力の高い製品コンセプトを作り、それを検証し一層強固なものにする。さらに、実行計画への落とし込みまで徹底して伴走しながら行っていく」と説き、会を締めくくった。

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▲イベント終了後は講師である長野氏を交え、ネットワーキングの時間が設けられた。

取材後記

大企業×スタートアップのオープンイノベーションは新規事業や新たな価値を生み出す、非常に有効な手段であることは、今さら言うまでもないだろう。しかし、どのように事業創造を行えばよいか、アセットをどう活用していいか、不明となる場合が多いのも事実だ。また、最初から壮大な事業計画を打ち立て、文字通り計画倒れとなる場合も少なくない。国内でオープンイノベーションはまだ新しい手法だけに手探りなところがあるのは否めない。だからこそ、オープンイノベーションの先駆者の力を頼ってはどうか。特にサムライインキュベートはこれまでにいくつものオープンイノベーションを実現に結びつけてきた。大企業×スタートアップで新たな試みを模索しているのなら『BootCamp Program』を活用してみてはどうか。特に早期で結果を出したいという場合におススメしたい。

◆『Open Innovation BootCamp Program』の詳細は右記URLをご覧ください。 https://eiicon.net/about/eiicon-samurai/

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