ラーメン二郎botを作った土井、結婚を機に転職を決めた河合――ヤフーに入社してぶっちゃけどうだった?

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ラーメン二郎botを作った土井、結婚を機に転職を決めた河合――ヤフーに入社してぶっちゃけどうだった?

ヤフーには機械学習、ディープラーニングなど人工知能(AI)テクノロジーを駆使したデータ解析を強化しているヤフーには、データサイエンス分野のとても優秀な研究者・エンジニアたちが続々と入社しています。

今回はその中から2名の機械学習エンジニア、河合俊典(2017年10月入社)さんと土井賢治(2018年4月入社)さんに、「ヤフーに転職してどうだった?」というところをいろいろ語り合ってもらいました。

土井 賢治(中途入社4ヶ月)
新卒で大手通信系企業に入社後、受託開発や新規サービスのプロトタイプ開発等に従事。
2018年4月にヤフーに中途入社。データサイエンスを用いてヤフオク!を改善する業務に携わっている。天神オフィス勤務。
河合 俊典(中途入社10ヶ月)
学生時代より機械学習、データサイエンス関連の開発アルバイトを経験。新卒にてベンチャー企業に入社後も機械学習を用いた画像処理、自然言語処理システムの開発に従事。
2017年10月にヤフーに中途入社。大規模データを処理する分散処理技術を応用し、ヤフオク!サービスの改善を行っている。

結婚を機に、働き方を変えてみようと思った


私と河合さんは同じ部門に所属していて、現在はヤフオク!のサービス改善のために、機械学習を活用した技術開発をしてます。ヤフオク!の検索ではオススメ順で商品表示されるのですが、私はその精度をさらに上げることが当面のミッションです。


私は問題のある出品者の傾向を、機械学習で判断するアルゴリズムを書いています。これまでは中のヒトが頑張って人力で判断していた業務を、機械学習を用いてサポートすることでより効率化させることができるというわけです。いくつかのモデルを開発し、少しずつ精度は向上しています。


ところでヤフー入社の動機などを語るのが、今日のテーマですよね。


私の場合は、学生時代からデータサイエンス関係のアルバイトをしていて、就職後も同様の業務に従事してきました。

会社の規模からいっても、設計から実装後の管理まで少人数で回すことが多くて、本当に日々勉強という感じでした。優秀なエンジニアが多く、啓発されるものが多かったのでとても楽しかったです。

転職は、昨年結婚した事もあり、働き方を少し変えてみようかと思ったのがきっかけです。

ヤフーの内情については知人を通して私なりに知っていて、フリーアドレスやリモート業務制度が充実しており、好きな時間に好きな場所で仕事に集中、タスクが終了したらさっさと帰れるんじゃないかと、そんなイメージがありました。


実際、河合さんは結構早く帰ってますよね(笑)。


はい!私が新妻のために毎日晩御飯の準備をしているので(笑)。


私は前職がいわゆるSIerで、受託開発や大規模なシステム更改プロジェクト等の業務を経て、研究開発部門に配属。新サービスのプロトタイプ開発などを手がけていました。

直近で携わっていたのは、路面撮影動画をディープラーニングで分析・診断して路面の不具合を把握するというもの。機械学習やディープラーニングは、それまでは犬と猫の識別みたいな趣味レベルでやっていたんですが、仕事として関わるのはそれが初めてでした。

あの「ラーメン二郎全店分類器」の人がヤフーに


土井さんといえば、ラーメンの画像を機械学習して見分けるサービスを開発したことで、この業界では有名ですよね。


ラーメン二郎全店分類器」ですね。これは前職時代の業務時間外に個人で開発したものです。

インターネットから収集した大量のラーメン画像でディープラーニングを行い、「ラーメン二郎」のラーメンの写真から、それがどの店舗のものなのかを識別できるbotを開発しました。Twitterのbotに画像を添えてリプライすると、予測した店舗名を教えてくれます。


これがまた結構精度が高いんですよね~。


約4万8000枚のラーメン写真で学習してみたら正答率が95%前後にもなって自分でもびっくりしました。機械学習の威力や成果を一般の人にもわかりやすく伝えることができるサービスじゃないかと自負しています(※撮影を禁止している店舗での撮影を推奨するものではありません)。


で、土井さんのヤフー転職のきっかけは?


私の場合、ヤフーは福岡拠点の採用なんです。私自身は広島出身なんですが、妻が長崎の佐世保出身。長い間東京で仕事をしてきたものの、実家が遠いことや帰省の大変さもあり、いずれは私と妻の実家の中間地点である福岡あたりで仕事ができたらいいなと考えていました。

そんなとき、ヤフーが福岡で機械学習のエンジニアを求めているという話をTwitterで見かけ、娘がちょうど小学校に上がるタイミングというのもあって、転職と引っ越しを決めました。

私の場合は、勤務地と給与、というのが転職の重要な条件でしたね。年収も前職より増えていますし、転職にあたって検討した他社よりも高かった。これも決め手の一つでした。

古くて大きな会社のイメージが崩れるほどのスピード感


転職のきっかけが、一般的な求人広告への応募ではなく、Twitterをきっかけとしているというのが、私と土井さんでは共通していますね。

私もTwitterでフォローしていたり、勉強会で知り合ったりした優秀なエンジニアがいる会社、というのが転職の重要な条件になっていました。現在の上司が「ヤマカツ」さんというんですが、彼のことは勉強会でもお会いして知っていた。彼と一緒に働くのなら、いいなと……。


一種のリファラル(知人紹介)採用ですね。会社の実情が事前にわかっているから、転職後のギャップは少ないと思います。


それでも私は転職前には、ヤフーは古くて大きな会社というイメージがありました。それだけ意思決定のスピードが遅いんじゃないか、と。ただ、いざ転職してみたら、実際はプロジェクトの成果判断が速くて、どんどん新しいことに挑戦している

ヤフーは自前で分析環境やスパコンを開発しているので、そちらを利用して高速にPDCAを回す事が可能です。自社の大規模なデータに対して何パターンかの機械学習手法を試して回して何か成果があがったら即実践へ、ダメだったら次に移るというような判断がすぐできるのはヤフーならではだなと思います。

普通は仮説検証のフローで時間がかかってしまうものですが、整った環境がそれらをカバーしてくれています。ダメな仮説、ダメなデータに固執しているよりは、すぐにデータを検証して成果を見る事でサービス全体のスピードの向上につながります。


いわゆるマルチビッグデータが社内にあるというのも強みですね。膨大なデータを駆使して、自社サービスを開発していることが、私にとっては重要なポイントです。前職のSIerのような業態だと一般的にお客様のサービス開発のためのシゴトで終わってしまうことが多いですから。


機械学習のエンジニアにとっては、自社運営の複数のサービスによって得られるマルチビッグデータがあるということ、そのデータをサービスに還元し利活用できる環境が整っているということ、これらの点においては日本のどの企業に比べても、恵まれた環境だと思います。

社内勉強会が充実しているので、外に出なくなる!?


恵まれているという点では、もう一つ、紀尾井町のオフィスはいいですね。ランチは社員食堂で栄養バランスが整った食事ができますし、フリーアドレス制なので、仕事内容や気分によって席のタイプも選べる。リラックスしたい時、集中して作業をしたい時などでいろいろ使い分けてます。


確かに社食などの環境が整っているので、移動もなく集中して1日中開発してる時ありますね(笑)。

社内環境といえば、ヤフーの外にいたときは勉強会でヤフーの人が登壇するケースをあまり見なかったので、このあたりどうなんだろうと思っていたんですが、実際はLODGEというオフィス内のコワーキングスペースでさまざまな勉強会を実施していたり、国際学会にも人をたくさん送ったりしていて、その報告会も社内で頻繁に開かれている。

加えて、体験してみて分かりましたが、ヤフーにはすごいエンジニアがたくさんいて、社内で開かれる小中規模の勉強会では、ハイレベルでかつ業務に近い密な議論が行われていました。こういった社内で開かれる技術勉強会や学会聴講報告の満足度は非常に高いです。


外からはよくわからないかもしれないけれど、実際にはヤフーの研究者やエンジニアが発表する、データサイエンス関係の論文数は世界的にもとても多いんですよね。

私は転職後に社内のメンバーでチームを組んで、世界中のデータサイエンティストがチャレンジする「Kaggle」のコンペに参加しました。手探りでしたが、チームメンバー全員の健闘の末、シルバーメダルという成果を残すことができました。技術的な部分で切磋琢磨できる人たちがいるというのは、本当に刺激になります。


私も入社後すぐにシンガポールで開催された機械学習関係の学会に参加しました。今も同じ部署のメンバーが国際学会登壇の準備を業務の一環として行っていて、よく研究レベルの話をしています。学術的な面でも、会社の中で学ぶ事は本当に多いですね。

ファミリーデーで妻が「ここに転職してよかったね」


ほかにヤフーに入ってよかったことって、何かありますか。


大手SIerだと、年齢を重ねるに従って、開発の現場から外れ、自分のキャリアがマネジメントにほぼ特化してしまうことも多いと思います。その点、ヤフーは自分がいつまでエンジニアとしてプロフェッショナルでいるか、マネジメントに進むか、キャリアの選択ができます。二つの間を行き来してもいい。実際、私より年上でも開発一筋というエンジニアがたくさんいますからね。


キャリアプランをサポートする制度が多いですよね。職場に家族を呼んで、社内を案内する「ファミリーデー」というイベントが年に一度あるんですが、私はこの前、妻を呼びました。妻いわく、「ヤフーに転職してよかったね、これなら仕事もっと頑張れるね」って。


めちゃくちゃプレッシャーじゃないですか(笑)。でも、自分の仕事について家族や恋人が理解してくれるというのは、エンジニアにとってはとてもよいことだと思います。

技術力の向上を狙ったクリエイター活動支援制度「My Polaris」もいいですね。エンジニアやデザイナー向けのさまざまな支援がパッケージになっていますが、一番気になるのは、社会人大学院の博士課程で学べる制度。週に丸1日は通学・研究などのため業務を休む権利がある。


月に1万円の補助があって、技術力向上のためのガジェットや書籍を買える制度もありがたい。私は妻から毎月定額の小遣い制を言い渡されているので、RaspberryPI(ラズベリーパイ)のようなツールを買うのに活用しています。


私も早速それをAmazon Echo の購入費に充てました。子育て支援補助のような福利厚生も重要だと思いますが、エンジニアの関心に沿って、その技術力向上に直結するような制度があるのは良いことだと思います。


今日は、ヤフーに転職してここがダメだったみたいな、もっとネガティブな話が出るのかと思ったら、意外と思いつかないものですね。


これからいろいろな壁にはぶつかるとは思うけど、それを一緒に乗り越えていく仲間がいるな、という実感はあります。会社もエンジニアを積極的にサポートしてくれる。それはほんとにうれしいことです。


※ 本記事は、エンジニアやデザイナー向けのイベント情報をはじめ、ヤフーで働く社員のワークスタイルやキャリアを幅広くご紹介する情報発信メディア【linotice(リノティス)】からご提供いただいた記事です。