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はじめに OpenStreetMap(OSM)は、誰でも自由に地図を使えるように、皆でオープンデータの地理情報を作るプロジェクトです。2004年に英国で始まり、日本では2008年から活動しています。 日本地域におけるOp […]
LIFULLは、国立情報学研究所(NII)が運営する情報学研究データリポジトリ(IDR)に、 LIFULL HOME'Sデータセット を提供しています。 本記事では、先日開催された IDRユーザフォーラム2025 のご報告として、LIFULL HOME'Sデータセットを活用した研究発表や、LIFULLとしての取り組みについてご紹介します。 IDRユーザフォーラム2025とは 2025年5月、新たにLIFULL HOME'Sデータセットを追加 LIFULL HOME'Sデータセットを活用した研究ポスター発表 不動産情報の俯瞰的閲覧を可能にするVR探索インタフェース 公示地価・人口動態予測データを用いた機械学習による将来賃料の予測 スタートアップセッションにおける企業賞の授与 住宅ローン税制は住宅購入者の利益になっているか LIFULLからの発表:不動産データのビジネス応用事例 おわりに 一緒に不動産データの可能性を広げるエンジニアを募集しています 前回および前々回のフォーラムの様子については、以下の記事でもご紹介していますので、あわせてご覧ください。 www.lifull.blog www.lifull.blog IDRユーザフォーラム2025とは IDRユーザフォーラムは、NIIが提供する研究データ基盤を活用した研究成果を共有し、データ提供者・研究者・利用者が一堂に会して議論する場です。 不動産、医療、交通、社会経済など、分野横断的なデータ利活用の事例が紹介される点が特徴で、年々参加者・発表内容ともに広がりを見せています。 2025年5月、新たにLIFULL HOME'Sデータセットを追加 2025年5月には、IDRにおける LIFULL HOME'Sデータセットの拡充が行われました。 これにより、より多様な分析・研究テーマへの応用が可能となり、学術研究と実社会をつなぐ基盤としての価値がさらに高まっています。 データセットの詳細は、以下のページで公開されています。 情報学研究データリポジトリ LIFULL HOME'Sデータセット LIFULLとしては、引き続き「実社会で蓄積されたデータを、研究を通じて社会に還元する」ことを重視し、IDRを通じたデータ提供を進めていきます。 LIFULL HOME'Sデータセットを活用した研究ポスター発表 IDRユーザフォーラム2025では、LIFULL HOME'Sデータセットを活用した研究発表が複数行われました。 ここでは、特に印象的だった2件のポスター発表をご紹介します。 不動産情報の俯瞰的閲覧を可能にするVR探索インタフェース 中山 裕紀 氏,大島 裕明 氏(兵庫県立大学) ポスター資料 本研究では、不動産情報をVR空間上で俯瞰的に探索できるインタフェースが提案されました。 LIFULL HOME'Sデータセットを用いることで、従来のリスト表示や地図表示では捉えにくかった空間的・構造的な特徴を、直感的に把握できる点が示されていました。 不動産情報とXR技術の融合は、住まい探しや都市理解の新しい可能性を感じさせる研究事例でした。 公示地価・人口動態予測データを用いた機械学習による将来賃料の予測 佐藤 豪栄 氏,秦野 亮 氏,西山 裕之 氏(東京理科大学) ポスター資料 こちらの研究では、LIFULL HOME'Sデータセットに加えて、公示地価や人口動態予測データを組み合わせ、将来の賃料を機械学習によって予測する手法が提案されました。 不動産市場の将来予測という社会的ニーズの高いテーマに対し、オープンデータと民間データを組み合わせた分析は、IDRならではの研究アプローチと言えます。 スタートアップセッションにおける企業賞の授与 今回のIDRユーザフォーラム2025では、スタートアップセッションも開催されました。 LIFULLは企業賞として、以下の研究発表を表彰させていただきました。 住宅ローン税制は住宅購入者の利益になっているか 河瀬 豊 氏(神戸学院大学) 発表資料 本研究は、住宅ローン税制が実際に住宅購入者の利益につながっているのかを、データに基づいて検証したものです。 不動産・住宅政策とデータ分析を結びつけた点、そして社会的インパクトの大きさを評価し、LIFULLとして企業賞を授与させていただきました。 LIFULLからの発表:不動産データのビジネス応用事例 データ提供者セッションでは、LIFULLからも発表の機会をいただきました。 speakerdeck.com このセッションでは、実際の不動産データがどのようにビジネスの現場で活用されているかを、具体的な事例と技術アプローチの観点から紹介しました。発表はデータ提供者セッションにて行われ、参加者のみなさまにも幅広い関心を寄せていただきました。 発表では、以下のようなトピックに触れました。 「おとり物件」の防止に向けた取り組み:不動産情報の信頼性向上を目的とした取り組みと技術的背景の紹介 不動産売却査定におけるLLM活用:大規模言語モデルを用いた査定支援サービスの事例 LIFULL HOME'Sデータセットの拡充とその活用可能性:2025年5月に追加されたデータの内容と、これを活かした応用事例の可能性 この発表を通じて、データ利活用が不動産ビジネスにもたらす価値を、研究者・実務者双方の視点から捉えていただくことを目指しました。 LIFULLでは、今後もデータ駆動型サービスの可能性と実装事例を共有し、研究コミュニティとの対話を深めていきたいと考えています。 おわりに IDRユーザフォーラム2025を通じて、LIFULL HOME'Sデータセットが多様な研究テーマに活用されていること、そして研究成果が社会課題の理解や解決に寄与しうることを改めて実感しました。 LIFULLは今後も、 データ提供を通じた研究支援 学術と実社会をつなぐ取り組み 不動産・住まい領域におけるデータ利活用の発展 を継続していきます。 研究者の皆さま、データ利用者の皆さま、そしてIDR事務局の皆さま、改めてありがとうございました。 一緒に不動産データの可能性を広げるエンジニアを募集しています IDRユーザフォーラム2025を通じて、LIFULL HOME'Sデータセットが研究・ビジネスの両面で多様な価値を生み出していることを改めて実感しました。 これらの取り組みは、エンジニアリング・データサイエンス・AI技術の積み重ねによって支えられています。 LIFULLでは現在、不動産データやAI技術を活用し、社会課題の解決に取り組むエンジニアを積極的に募集しています。 データ基盤、機械学習、LLM活用、プロダクト開発などに関心のある方にとって、実データを使いながら挑戦できる環境があります。 エンジニア向けの募集職種一覧は、以下の採用ページをご覧ください。 hrmos.co 研究コミュニティと連携しながら、実社会にインパクトを与えるプロダクトをつくりたい方、不動産・住まい領域のデータ利活用に興味のあるエンジニアの皆さまのご応募をお待ちしています。
この記事は Safie Engineers' Blog! Advent Calendar の23日目の記事です。 こんにちは開発本部AI開発部で開発マネージャーをしているおにきと申します。 この記事ではセーフィーにおける映像解析AI開発におけるプロセスを紹介したいと思います。 読者としては主に映像に関わるAIの開発をしている方およびAI開発のマネジメントに関わる方を想定しています。 1. セーフィーにおけるAI開発とは 2. はじめに:AI開発における「プロセス設計」の重要性 3. AI開発プロセス全体の構造 4. モデル開発の5つフェーズ 4.1. フェーズ1:技術調査(メトリクスと技術選定の確定) ゴール やること 4.2. フェーズ2:フィジビリティスタディ ゴール やること 4.3. フェーズ3:PoC ゴール やること 4.4. フェーズ4:製品開発 ゴール やること 4.5. フェーズ5:改善 ゴール やること おわりに 1. セーフィーにおけるAI開発とは セーフィーではクラウド録画プラットフォームの価値をさらに高めるべく、映像解析AIの開発に注力しています。 私たちが開発する映像解析AIとは、動画や静止画を入力として、AIが物体の位置や数、特定のイベントを検出する機能です。例えば、カメラ内のエッジコンピューティングを活用して人の動きの分析を行う「AI-App(アイアップ) 人数カウント」や、クラウド側で解析を行う「AI People Count」などがあります。 現在、セーフィーでは 映像解析AIのプラットフォーム構想 を掲げています。今後、さらに多様なアプリを迅速に開発していくうえで、「仕組みづくり」が重要になっています。 ※なお、これらの開発にあたっては、弊社の「データ憲章」に基づき、プライバシー保護と倫理的配慮を最優先事項として取り組んでいます。 2. はじめに:AI開発における「プロセス設計」の重要性 AIの開発においては、モデルの認識精度、必要なデータ量、計算コストを事前に予測することが難しく、加えて顧客の要望やユースケースを事前に十分に把握することもできない場合が多いため、リスク(=不確実性)の高い開発と言えます。AI開発ではいきなり製品開発を開始すると開発の途中で所望の性能やコストを実現できずに開発が長引いたり、最悪開発が中止したりといった事態につながります。 リスクを下げるためには、開発プロセスを複数のフェーズに分けて、各フェーズにおいてリスクを管理することが大切です。 AI開発プロセスを導入することで以下のことが期待できます。 各開発プロセスで検討する内容とアウトプットの起き方がわかる フェーズを分けることで、フェーズ間でのリスクの判断をはっきりと行うことができる 3. AI開発プロセス全体の構造 AIを利用したシステムの開発プロセス全体像を、モデル開発とシステム開発の二軸で整理したものが以下の図です。 AI開発においては、モデル開発とシステム開発を分けて管理することを推奨します。これは、モデル開発においては、認識性能や計算コストといった非機能要件の実現・改善が開発内容になるのに対して、システム開発ではUIなど機能要件を実装することが主な開発内容になり、管理の仕方と時間軸が大きく異なるためです。一般的にもモデル開発はMLOps、システム開発はDevOpsとして分けて扱うことが多いようです。 次の章ではモデル開発のプロセスにおける分解したフェーズを説明していきます。実際のAI開発ではテーマによってどこから開始するかなどは異なっているため、テーマごとに柔軟な運用が必要です。 4. モデル開発の5つフェーズ 4.1. フェーズ1:技術調査(メトリクスと技術選定の確定) まずはどのような技術および評価方法があるのかを把握します。 ゴール 既存のモデルの調査を行い、技術選定と評価方法の大枠を定める やること 論文調査を行い既存の手法を理解し、採用する技術を定める 物体検出か画像分類かなどのタスクを定め、採用するモデルを決めます 評価手法を把握する 選定したタスクに対してどのような評価手法があるかを把握します 4.2. フェーズ2:フィジビリティスタディ アルゴリズムを実際に動かしてみて大まかな性能と課題を把握します。把握した課題の改善の見込みの度合いに応じて、課題改善を続けるか、場合によっては開発を中断するかを判断します。 ゴール モデルを用いて製品として実現可能であるかを検証する 課題を把握する ※課題把握(+改善)に関しては今後のフェーズで継続的に行います やること データの収集 オープンデータが利用できるかを調べます (利用可能であれば)製品が使われる環境に近いデータを集め、アノテーションを行います 評価の実施 評価メトリクスを定めて、性能評価を行います モデルの計算時間を計測します エッジコンピューティングの場合は、実際のカメラデバイス上で目標の処理速度が出るかも検証します 課題の把握 評価の結果どのような課題があるかを把握します それらの課題が改善しそうかを判断します 4.3. フェーズ3:PoC 顧客が実際に運用する環境を想定した検証を行います。検証もいきなり実地で行うのではなく、最初はオフラインでの検証から始めるなどステップを分けることも勧められます。 ゴール 実運用状況で顧客が満足できるモデル性能を実現する 評価メトリクスに対して顧客が満足するための達成基準を定める やること モデルの改善の実施 モデルの追加学習が必要な場合はデータの収集・アノテーションを行います パラメタのチューニングを行います 評価メトリクスの達成基準を定める 顧客のヒアリングや反応を見て、評価メトリクスにおいて達成すべき基準値を定めます 評価メトリクスは必ずしも学術的な手法でなくとも正解率など製品の顧客が直接理解できる手法にしても良いです 課題の把握・改善 フィジビリティスタディに引き続き課題の把握を行いますが、このフェーズからは改善も行います 4.4. フェーズ4:製品開発 製品としてリリースするための最後のフェーズです。モデル開発の場合このフェーズまで来ると時間の限り性能改善やパラメタチューニングをし続けるということも少なくありません。 ゴール 製品としてリリースできるレベルにモデルを仕上げる やること 評価メトリクスの達成基準を達成する 追加学習やパラメタチューニングを行います 性能・計算量の改善 達成基準をクリアした場合はリリースまでの時間で改善を続けます 課題の把握・改善 リリースまでに解決すべき課題を改善し続けます クリティカルでない課題であれば、改善はリリース後に先延ばしすることも検討します 4.5. フェーズ5:改善 製品がリリースしたあとであっても製品価値を向上するためにモデルの改善は継続的に行うことが重要です。 ゴール より良いモデルをリリースして改善を行う やること 課題の把握・改善 既知の課題、リリース後の運用中に見つかった課題を改善します おわりに 本記事では、セーフィーの映像解析AI開発で採用しているプロセスについて記載しました。実際の開発ではこのプロセスをベースとしつつ状況によって柔軟にフェーズの内容を変えながら開発を行っています。 AI開発はリスクとの戦いですが、こうしたプロセスを開発組織全体で共有しながら、プロダクトとして実現させていくことがやりがいのあるところだと思います。 セーフィーでは一緒に働く仲間を募集中です! 少しでもご興味を持っていただけたら、ぜひ以下の採用サイトを覗いてみてください。 safie.co.jp





















