【開催報告】学生データ分析AWARD2024

イベント 公開日:
ブックマーク
【開催報告】学生データ分析AWARD2024
2024年12月8日、学生データ分析AWARD2024を開催しました。 全チームの発表はデータ分析の技術力だけでなく、社会課題解決への熱意が感じられるものでした。 本記事では、当日の審査結果及び各チームの発表内容を具体的なデータとともに振り返ります。

学生データ分析AWARD2024 開催報告

2024年12月8日、学生データ分析AWARD2024を開催しました。
全チームの発表はデータ分析の技術力だけでなく、社会課題解決への熱意が感じられるものでした。
本記事では、当日の審査結果及び各チームの発表内容を具体的なデータとともに振り返ります。

審査結果

  • 優勝:神田外語大学 KUIS GLAチーム
  • 準優勝:東北大学 datamushチーム
  • 3位:金沢工業大学 DataDreamers Team Eagleチーム

各チームの発表について

1. 金沢工業大学 DataDreamers Team Eagleチーム

代表者:黒瀬慈礼様
参加メンバー:吉岡真様、皆川青輝様、山本佳輝様
テーマ:東京圏一極集中における地域の衰退および改善案の提案
概要:
東京圏への人口集中が引き起こす地方の衰退問題に対し、人口・教育機関・企業の分布データを活用して課題を浮き彫りにしました。解決策として、地方に産業クラスターを形成し、地域経済を活性化させる案を提示しました。
具体的な数字:

  • 東京圏には日本人口の約30%に当たる3700万人が集中。
  • 東京圏の1人当たりの土地面積はテニスコート1.4面分に相当する一方、地方では16面分。
  • 上場企業の本社の60%が東京圏に集中。
  • 偏差値50以上の大学の36.5%が東京圏に集中。

提案内容:

  • アメリカの産業クラスター事例を参考に、地方の特色を活かした産業育成を提案。
  • 過去の産業クラスター政策が持続可能性に欠けた点を指摘し、大学・企業・自治体の連携を強化する新たなモデルを提案。

2. 金沢工業大学 Data Dreamers 行政・オープンデータチーム

代表者:原康太様
参加メンバー:有本偲生様、北山裕心様
テーマ: 非正規雇用と生産性低迷の克服 ~DXがもたらす賃金向上の可能性~
概要:
日本の低賃金問題を非正規雇用者の増加と労働生産性低迷の観点から分析。DX推進がどの程度賃金向上に寄与するかを具体的な数値で示しました。

具体的な数字:

  • 非正規雇用者の賃金は正規雇用者より時給で600~800円低い。
  • 非正規雇用者の割合は男女ともに増加し、2023年には非正規労働者が2110万人に達した。
  • 労働生産性向上による賃金増額効果は一人当たり年間9万7670円と試算。

提案内容:

  • AIチャットボットを用いたDX推進支援システムを提案。
  • 開発・運用費用は年間72億円で、導入効果として年間3000億円以上の経済効果を見込む。
  • 中小企業にも導入可能な低コストモデルで、企業のDX推進を加速。

3. 北陸大学 北陸観光データチーム

代表者:石崎颯士様
参加メンバー:吉田皓祐様、佐々木啓汰様、山下雄大様、河村亮様
テーマ: 北陸3県の観光オープンデータを使用した観光客の現状分析

概要:
北陸3県の観光アンケートデータを統合し、観光客の行動パターンや課題を可視化しました。観光業の収益改善に向けた具体策を提示。

具体的な数字:

  • 観光客の情報源はSNSが最多で、訪問目的の約50%が「地元の美味しいものを食べる」。
  • 石川県では徒歩での観光が多い一方、富山県では市内電車の利用が目立つ。
  • データの収集期間に差があり、石川県はまだ蓄積が浅い。

提案内容:

  • アンケート回答データの統一化と質問設計の改善。
  • 地域の特色を活かした観光プロモーションとデータ分析ツールの活用。

4. 神田外語大学 KUIS GLAチーム

代表者:田澤章帆様
参加メンバー:荒﨑智芳様
テーマ: 技能実習生が働きやすい社会づくり
概要:
技能実習生が直面する言語とコミュニケーションの課題を分析し、AI技術と大学生の協力を活用した支援策を提案しました。

具体的な数字:

  • 技能実習生の平均賃金は月18万2000円で、東京都平均賃金を大きく下回る。
  • 技能実習生の日本語能力の自己評価では、「流暢に会話可能」と答えた割合が他の在留資格者よりも低い。
  • 在留外国人全体のうち、相談窓口で「言語の壁」を感じる人が最多。

提案内容:

  • AIチャットボットの活用による母国語対応の相談窓口の拡充。
  • 大学生をメンターとして採用し、異文化交流や日本語学習の支援を実施。
  • 岡山大学の成功事例を参考にしたオンライン交流プログラムの導入。

5. 東北大学 datamushチーム

代表者:國島正寛様
参加メンバー:須田朱音様
テーマ: データで紐解く空き家の未来
概要:
日本全国で進行する空き家問題をデータで可視化し、住宅需要と供給のミスマッチに着目。中古住宅市場の活性化や新たな空き家活用法を提案しました。

具体的な数字:

  • 空き家率は全国平均で14%、10年で約2%上昇。
  • 空き家による地価下落は1万戸で年間1610億円の損失と試算。
  • 日本の中古住宅取引率は15%で、アメリカの70%と大きく差がある。

提案内容:

  • 中古住宅市場を活性化し、新築偏重文化を見直す。
  • 地方移住を促す「お試し移住プラン」の導入。
  • 空き家を活用したキノコや昆虫の飼育施設化など、非住宅的価値の提案。

総評

今回のアワードでは、データ分析を基にした説得力ある提案が多く見られました。特に、現実的な課題と具体的な数値を結びつけた発表は、社会的意義と実現可能性の両面で高く評価されました。今後の展開に期待しつつ、さらなる挑戦を応援します。

「より多くの人にデータ分析者・データアナリスト・データサイエンティストの道に興味を持ってもらいたい」と考えて、データ分析ユーザーの有志で始めたAWARD、学生データ分析AWARDです。優勝賞金は30万円、準優勝は10万円。 全国の大学生・大学院生・高専生が応募可能です。 2024年10月から応募開始です。

テクノロジーと共に成長しよう、
活躍しよう。

TECH PLAYに登録すると、
スキルアップやキャリアアップのための
情報がもっと簡単に見つけられます。

面白そうなイベントを見つけたら
積極的に参加してみましょう。
ログインはこちら

タグからイベントをさがす