現実世界の”見えないリスク”を可視化せよ─画像認識による危険検知/VLMで拓く予兆検知【DENSO Tech Night 第三夜】

2025/07/25(金)19:00 〜 20:30 開催
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参加枠申込形式参加費 参加者
オンライン参加枠
先着順 無料 318人
現地参加枠(終了後懇親会あり)※応募受付は7/17(木)正午まで
抽選制 無料 20人

※ 抽選結果は、2025/07/17 以降にメールおよびイベント詳細ページで通知されます。

イベント内容

概要

見えないリスクをどう“捉える”か。
画像認識、センサフュージョン、VLM──
現場で磨かれた認識技術と先行研究の最前線を公開。

交通事故をゼロに近づけるために、クルマが周囲の情報をどこまで“正確に捉えられるか”が重要になっています。
DENSO Tech Night 第三夜では、“現実世界の不確かさ”と向き合いながら、画像認識・センサフュージョン・VLM(Vision-Language Model/視覚言語モデル)などの現場で危険検知精度を磨き続けるエンジニアたちの挑戦に迫ります。

たとえば、車を駐車する際に多くの人が頼るバックモニター。
その裏側では、魚眼レンズで歪んだ画像から、極めて高い精度で車体の位置や距離を捉える必要があります。
そんな厳しい制約のなか、ソフトウェアだけで完結せず、ハードに実装してトライ&エラーを重ねる──
この実装と検証を繰り返せる現場力こそが、デンソーの強みです。

画像やミリ波レーダ、センサデータの統合による周辺の情報を精度よく認識する先行開発では、シミュレーション上で設計したフュージョンモデルと、実機で得られるセンサデータとの整合性が大きな壁に。
限られた環境下での検証を積み重ねながら、少しずつ実世界との乖離を埋めていくプロセスにこそ、研究開発者としてのやりがいや面白さが宿っています。

また、先進安全システムをさらに進化させる研究開発として、カメラ単独と従来アルゴリズムの組み合わせでは“認識をすり抜けてしまう”潜在的な危険に対し、VLMを活用したアプローチも始まっています。
たとえば、バスの陰から何が飛び出すか──。
VLMの導入により、状況文脈から「この場所では子どもが出てくる確率が高い」といったリスクを認識し、ADAS制御へ反映させる試みが進んでいます。

一方で、LLM (Large Language Models) による自然言語出力の評価は「意味が合っていても、表現が異なれば不正解」とされる難しさもあり、評価方法や目標値設定、エッジかクラウドかといったアーキテクチャ設計においても試行錯誤が続いています。

ハードとソフト、量産と先行開発──
異なる開発フェーズをまたぐ連携の中で起きている、リアルな課題とブレイクスルー。
見えないリスクと向き合い続ける現場エンジニアの視点から、デンソーの技術開発の“今”をお届けします。

■どんな話が聞けるのか

  • 自動駐車を支える画像認識技術の実際──魚眼カメラによる物体認識の工夫
  • 設計だけでは済まない、現場での泥臭いトライ&エラーや検証のリアル
  • 世界中のユーザーが使う製品に、安全性をどう担保し続けているのか
  • センサデータをどう扱い、どう統合し、実機とシミュレーションの差を埋めていくか
  • Vision-Language Model(VLM)を用いた、リスク認識手法
  • 自然言語出力の正解はひとつじゃない──VLM評価の難しさと解決アプローチ
  • 「できたらすごい」を追う先行研究が、未来の安全技術にどうつながるか

■こんな方にオススメ

  • 自動車業界やモビリティ分野で画像認識やAI開発に携わるエンジニア
  • 組み込みソフトやADAS関連のシステム設計・実装に関心のある技術者
  • センサフュージョン、VLM、LLMなどのAI技術の実装・応用に興味がある方
  • 量産現場の制約と先端研究の橋渡しにリアルな視点を求めている方

※配信URLは、申込者に対し本ページ上「参加者へのお知らせ」にて当日までに表示されます。

タイムスケジュール

時間 内容
19:00〜19:05 オープニング
19:05~19:15

デンソーの技術開発のリアルな悩み?

稲田 純也
目まぐしい速さで進化するAI技術を自動車製品にどのように適用していくのか?デンソーのADAS領域のおける技術開発の悩み、面白さをお伝えできればと思います。
19:15~19:25

駐車場での安心安全を世界中に!
見えない危険を回避する自動駐車向け画像認識技術

二反田 直己
車載センシングカメラを用いた画像認識、特に自動駐車向けの開発について紹介します。机上での優雅な(?)設計だけでなく、現場での泥臭い調整・評価も多々ありますが、世の中に製品を出せる喜びも含めてお伝えできればと思います。
19:25~19:35

目だけでは見えないリスクを発見!
車両の周辺環境を高精度に認識するためのセンサフュージョン開発

野場 悠佑
画像認識は近年とても高精度になってきています。しかしながら原理上、画像認識は正確な位置の認識や夜間の認識が苦手分野です。
デンソーでは、カメラに加えてレーダも開発しており、さらなる高精度な認識に向けて取り組んでいるセンサフュージョンを紹介します。 開発の中で取り組んでいるシミュレーションについても、実車との一致性検証についてお話できればと思います。
19:35~19:45

カメラ画像内のリスクを先読みせよ!
生成AIの設計・評価・エッジ組み込みで目指す、"熟練ドライバーレベルの安全運転"

鷹野 翔
従来の画像認識モデルでは見えている物の物理状態(種類・位置・速度)を正確に把握することは可能です。
これにとどまらず、ADASのプロ:デンソーとして、その場面を踏まえた究極の快適・安全・かもしれない運転の実現を目指しています。
その実現可能性を秘めたVLM技術の製品化のため、クラウド v.s. エッジ, ファインチューニング v.s. プロンプトチューニング, 量子化変換SoC実装にいたるまで、デンソーの先行開発の取り組みを紹介します。
19:45~20:05

【トークセッション】Coming soon

20:05~20:25 質疑応答
20:25〜20:30 クロージング

※ 当日予告なく時間配分・内容が変更になる可能性がございます。

登壇者

稲田 純也
株式会社デンソー
セーフティシステム事業部
セーフティシステム技術1部
部長
2002年に株式会社デンソーに入社。2011年まで基礎研究所にて画像認識技術の研究開発に従事。2012年よりAD&ADASの量産開発部署へ異動し、前方監視カメラの画像認識開発を担当。GSP (Global Safety Package)の物体認識技術を担当し、製品化を実現。2016年からはデンソードイツ拠点にて欧州のおけるAD技術研究に従事。2018年からはTRI-AD(現Woven by Toyota)へ出向し、前方監視カメラの画像認識技術開発チームをリード、2021年に発売されたLEXUS新型「LS」、およびTOYOTA新型「MIRAI」に搭載されている高度運転支援技術「Advanced Drive」向けの製品として採用された。2023年より現職として、AD&ADASの次世代システム開発を統括。
二反田 直己
株式会社デンソー
セーフティシステム事業部
セーフティセンサ&コンポーネント技術1部
室長
2007年に株式会社デンソーに入社。2013年まで研究開発部署にてカメラやLiDARを用いた走行環境認識の研究開発に従事。2014年よりAD&ADASの量産開発部署へ異動し、前方監視カメラの画像認識開発を担当。GSP2 (Global Safety Package 2)の走路認識開発を担当し、製品化を実現。2019年からは周辺監視カメラの画像認識開発を担当し、自動駐車向けの認識技術を製品化。2020年よりセーフティセンサ&コンポーネント技術1部の室長として、主に自動駐車向けの画像認識技術を統括。
野場 悠佑
株式会社デンソー
セーフティシステム事業部
セーフティシステム技術1部
2018年に株式会社デンソーに入社。2023年までETC/ETC2.0車載器の筐体設計に従事。2024年よりAD&ADAS領域へ異動し、自動運転向け認識アルゴの先行開発を担当。
鷹野 翔
株式会社デンソー
セーフティシステム事業部
セーフティシステム技術1部
担当係長
2013年に株式会社デンソーに入社。車載カメラを用いたシステム企画・PoC開発に従事。2018年よりAD&ADASの量産開発部署へ異動し、前方・周辺監視カメラの画像認識開発を担当。デンソーADAS製品2世代の様々なMLモデル開発や、MLOps立ち上げ導入を担当し製品化を実現。2025年からシステム技術1部に移動し、次世代のADAS製品の先行開発に従事。

参加対象

  • ソフトウェア開発に知見を有するエンジニアの方
  • 電気・電子・情報系の知見がありソフトウェア開発に興味をお持ちの方

※車載やハードウェアの知識がない方も歓迎です!

参加にあたっての注意事項

  • 本イベントは、参加形式について現地参加かオンラインかをお選びいただけます。
  • 現地参加を希望される場合は、席数に限りがあるため抽選制となりますことを予めご了承ください。
  • 現地参加を希望された方の抽選結果は、2025年07月17日(木)以降にメールおよびイベント詳細ページで通知されます。メール配信設定をオンにしてお待ちください。
  • 現地参加に当選された方への交通費などの支給はありません。予めご了承ください。
  • 現地参加を希望される方は、営業目的のご参加や現地での勧誘行為はご遠慮ください。
  • オンライン参加の場合は、配信映像や音声は各自の通信環境に依存します。できるだけ通信環境の良い状態でご視聴ください。
  • 参加を辞退する場合は、詳細ページより申込のキャンセルをお願い致します。
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