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みなさん、こんにちは。AWS のソリューションアーキテクトの伊藤ジャッジです。 このブログでは開催予定のイベントや直近1カ月に発表された製造関連のブログ・サービスのアップデート・事例などをお届けしています。国内だけでなく海外の情報も含めていますので、リンク先には英語の記事・動画も含まれていますが、解説を加えていますのでご興味あればぜひご覧ください。 過去の月刊製造ブログはこちらです 。未読の方はあわせてご覧ください。 さて、AWS は創立二十周年を迎えました! AWS のサービスもお客様と共に成長してきました。その軌跡を こちらの二十周年記念記事 でご覧ください。これからも皆様からのフィードバックを元に、サービス改善を続けていきます。 AWS の節目の時期となりましたが、4 月は多くの企業も年度始まりですね。フレッシュな区切りの時期ですが、一方で先月末の棚卸しという重要なタスクもあったと思います。今回は、在庫管理、需要予測またサプライチェーン管理に役立つ情報をピックアップコンテンツとして特集をします。 ピックアップトピック:サプライチェーン管理 製造業において在庫管理は、経営効率の中枢を担う機能の一つです。在庫不足は生産ラインの停滞や顧客納期の遅延を招きますし、過剰在庫は保管コストやキャッシュフローを圧迫します。多品種少量生産や受注変動が常態化する現代では、単に在庫を管理するだけでなく、需要変動を先読みし供給網全体を最適化する仕組み作りが不可欠になっています。 ここで鍵を握るのが、需要予測とサプライチェーンマネジメントの活用です。販売実績や市場動向、季節要因、経済指標など多様なデータを AI で解析し、過去の傾向をつかみ将来の需要を精度高く予測し、必要量を前もって準備できます。これにより「作りすぎ」「作らなさすぎ」のムダを減らし、生産・調達・物流を連動させた全体最適が実現します。 こうしたデータドリブンな仕組みを飛躍させるのがクラウド技術です。工場や倉庫、販売拠点から収集されるさまざまな記録をクラウドに統合し、データの可視化と分析を可能にします。さらにエージェントAI を活用することにより、全体を俯瞰しながらボトルネックや需給ギャップを自律的に発見し、複数拠点をまたいだ調整のアクションまで実行できます。AI による「データ駆動の意思決定サイクル」を回しやすいのがサプライチェーンの領域といえます。 お客様事例 3 月には、サプライチェーン関連のお客様事例として、OPLOG 社 の AWS の AI サービスの活用の事例が発表されています。 1. Learn how technology-driven fulfillment company OPLOG accelerated decision-making using Amazon Bedrock AgentCore 倉庫管理企業の OPLOG 社が、AIエージェント × ロボティクスで倉庫オペレーションを変革した事例です。 Amazon Bedrock AgentCore を使って複数のAIエージェントがリアルタイムに数千の判断を下す基盤を構築しました。その結果、意思決定時間、稼働率、コスト全ての効率が上がりました。生成 AI エージェントを本番投入したい方が、構想→PoC →スケーラビリティのイメージをつかむための良い事例ですので、ぜひ元記事でご確認ください。 2. Amazon Multi-Channel Fulfillment and Buy with Prime Accelerators for SAP S/4HANA が利用可能に こちらは 1 月の発表とはなりますが、 SAP S/4HANA から Amazon MCF と Buy with Prime を直接アクセスできるようにすることで、在庫一元管理と出荷を自動化し、欠品・過剰在庫の抑制や在庫管理のコスト削減といった効果が期待できる、という機能の発表がありました。 こちらは既存 SAP への変更を最小限に抑えつつ、Prime 配送や簡単返品などの購入体験を自社 EC にも拡張できる機能となります。詳細の仕組みについては、ぜひリンク先本文をお読みください。 Amazon 社との協業 Amazon is investing AU$750 million in a robotics fulfillment center in Australia Amazon 社の倉庫におけるロボティクス技術活用がまた進化したニュースが 3 月に発表されました。オーストラリアに新しいロボット駆動のフルフィルメントセンターを建設します。ここでは人とロボットが協働し、ロボットが重量物や反復作業を担うことで、従業員は判断が必要な業務に集中できるように設計されています。安全性と効率性を両立した職場づくりの取り組みや倉庫業務を行う、ワクワクする最新ロボットの詳細につきましては、リンク先をご覧ください。 AWS が提供する ワークショップ コンテンツ AWS からはセルフペースで手を動かしながらサンプルを構築し、サービスについて学べるワークショップが提供されています。3 月には、サプライチェーンの課題にフォーカスした下記のワークショップが新しくリリースされました。 Amazon Bedrock を使用した AI 駆動型サプライチェーン管理の構築 このハンズオンワークショップでは、 Amazon Bedrock AgentCore の機能を使用して既存のサプライチェーンシステムを強化する方法を学びます。 Strands Agents SDK とインタラクティブな Jupyter ノートブックを使用して、紛争や天災によるサプライチェーンの混乱を分析し、在庫配分を最適化し、緩和戦略を自律的に実行できるサプライチェーン管理システムを構築できます。 Amazon Bedrock AgentCore で実現する Chronos-2 を用いた時系列予測エージェント 時系列予測は在庫管理の分野で活用されてきましたが、このワークショップで体験できる Chronos は、AWS が開発した時系列基盤モデルです。事前に膨大な時系列データでトレーニングされた時系列予測モデルで、大規模言語モデルで利用されている Transformer を応用することで、予測対象の実績データをトレーニングすることなく、さまざまなケースで高い精度の予測を実現します。Chronos-2 はその最新モデルで、多変量予測においても、新しいデータセットに対して追加学習なしで、即座に高精度な予測が可能になっています。AWSのソリューションアーキテクトが執筆した 紹介ブログ もあります。 上記のワークショップにご興味をもたれましたか?ぜひ貴社の技術支援担当の者か、 技術支援窓口 にお問い合わせください。 なお、 AWSからはサプライチェーン系ワークロードを AWS 上で設計・運用する際のベストプラクティスと設計指針を体系的に示す Supply Chain Lens – AWS Well-Architected Framework が提供されていますので、あわせてご参照ください。 企業競争力の源泉は、もはや製造スピードだけではなく、データに基づく俊敏なサプライチェーン運営にあります。クラウドと AI を活用した在庫・需要・供給そして AI によるアクションの統一管理が、製造業の持続的な成長を支える次のステージとなるでしょう。今回のピックアップトピックが、皆さまのより良いサプライチェーン運営のきっかけになれば幸いです。 以上、4 月のピックアップコンテンツでした。 直近で開催予定のイベント・セミナー CAE in the Cloud 2026 〜 自動車・製造業向けCAEセミナー 〜 本年 2 月(東京リージョンは 3 月)に一般提供開始した Hpc8a インスタンス をはじめとしたAWS の最新ソリューションの情報をお届けするイベントです。4 月 20 日の週に東京・大阪・名古屋 3 か所で開催します。 Hannover Messe 先月号 でも紹介しましたが、2026 年 4 月 20 日(月)~ 4 月 24 日(金)に製造業の国際展示会がドイツのハノーヴァーで開催されます。 詳細はブログ記事、「 Hannover Messe 2026 で知る AWS による産業 AI の大規模展開 」もご参照ください。AWS もブース展示しますので、ホール 15、ブース D76 の AWS ブースにご来訪ください。 AWS JumpStart 2026 「AWS を使ってみたいけれど、学習方法がわからない」という初学者を対象に、AWS JumpStart 2026 が開催されます。直近では、2026年 5 月 11 日 (月) ~ 5 月 12 日 (火)(各回 2 日間:9 – 18 時)のオンライン開催となっています。製造業に限らず、高度な専門分野の技術に長けた専門家の皆様で、今までクラウドには触れてこなかった方は多くいらっしゃると思います。1モジュールから参加できますので、この機会に触れてみてください。 AWS Summit Japan 2026 今年も日本最大の “AWS を学ぶイベント” AWS Summit Japan が 6 月 25 日(水)、26 日(木)の二日間で開催されます!ベストプラクティスの共有や情報交換のこのチャンスにぜひご来場ください。[ 動画 ] フィジカル AI、シミュレーション、サプライチェーンなどの、去年よりパワーアップした製造業向け展示もあります! 過去 の イベント の 見逃し配信 や 動画 JAWS-Days AWS 利用者コミュニティ、JAWS のイベントが 3 月 7 日に行われました。皆様はご参加されましたか?あいにく行けなかった!という方にもアーカイブ動画が出ています。SAP、セキュリティといった製造業の皆様にも役にたつ動画が満載のアーカイブです。ぜひご覧ください。 CES 2026 – Physical AI for Adaptive Automotive Manufacturing | AWS Events 1 月に開催された CES の動画が AWS の公式チャンネルで公開されました。 AWS のデモでは、フィジカル AI が工場現場をどのように変革するかを紹介しました。こちらの動画では AWSの 5 つの要素(データ、トレーニング、シミュレーション、Sim 2 Real、Agentic なオーケストレーション)を柱に、物理の工場のモダン化から未来の工場設計まで、次世代の自動車生産を実現するデモのサマリをご覧いただけます。 製造関連の アップデート Auto & Manufacturing – Kiro for Business Users AWS が提供する AI コーディングアシスタント「 Kiro 」を活用して流体シミュレーションの構築から 3D モデリングを試行できるワークショップが3月に公開されています。製造業の設計部門の方々のご活用をお待ちしています。AWS のソリューションアーキテクトが執筆した日本語の 紹介ブログもあります 。 AWS IoT Greengrass v1 サポート終了 半年後の 2026 年 10 月 7 日に、Greengrass v1 のサポートが終了します。製造業の皆様は工場などクローズな環境や、スマートプロダクトに使っているかもしれません。まだの場合は早急な AWS IoT Greengrass v2 への移行をお願いします。 製造関連の Blackbelt Online Seminar アップデート 【AWS Black Belt Online Seminar】AWS IoT Greengrass コンポーネント開発編 エッジデバイス上でアプリケーション(コンポーネント)を動かし、クラウド側から一括デプロイ・更新・管理できる AWS IoT Greengrass の「コンポーネント開発編」の解説動画が 3 月にリリースされました。 製造業のお客様のAWS活用事例 下記は、3月に発表された製造業のお客様事例となります。製造業の皆様のもつ課題やゴールと似たお話があるかもしれません。ぜひ本文をご覧ください。 How Amazon Devices Eliminated Credential Risk to Scale AI across Engineering Tools Amazon 社には自社で開発・販売しているハードウェア製品 を取り扱う Amazon Devices という組織があります。この組織でハードウェア開発を加速するため、Creo、 Parametric、SOLIDWORKS、ANSYS など 60 以上のエンジニアリングツールに直接 AI を統合する必要がありました。10,000 人以上のエンジニアが使用しているこれらのツールは、ローカルのワークステーション上で動作しているため、セキュリティを維持しながらクラウド上の AI を活用できる仕組みが求められていました。このブログでは、Amazon Devices のエンジニアが、クレデンシャル配布をせずに認証して、ローカルの設計ツールから Amazon Bedrock にセキュアに接続した方法を寄稿しています。 The Evolution of BMW Group’s 3D Streaming Experience BMW 社は、オンプレミスで稼働していたディーラー向けの 3D 車両ストリーミングを、 AWS 上の Linux GPU(g4dn.2xlarge)でグローバル提供できる 3D ストリーミング基盤に移行しました。製造業の R&D 部門の皆様は 3D データを配信する場面があると思います。ぜひご参考にしてください。 Driving Intelligent Quality in the Software-Defined Vehicle Era Upstream 社の PQD (Proactive Quality Detection) が Ocean AI エンジンを使用して「モビリティ特化のインテリジェンス層」を AWS のスケーラブルなインフラ・ストレージ・セキュリティ・AI 基盤上で提供しています。SDV 時代の品質管理を、実環境のデータベースの継続的な予測型プロセスに変革することに成功した事例をご覧ください。 AI 時代に組織はどう変わるか — Jeff Barr が語る開発チームの未来と、三菱電機の挑戦 三菱電機はデジタル基盤「 Serendie 」による DX を進め、モノの販売中心からデジタルサービスのコト売りへ事業転換中です。この過程で、AI 時代の開発組織についてのインサイト、生産性向上事例と KPI の変化、人材育成、コミュニティと組織変革について、イベントのため来日した、AWS の Chief Evangelist である Jeff Barr との対話しました。 三菱電機が挑む製造業の商談変革 – AWS で実現した商談支援サービス「Memory Tec h」 三菱電機名古屋製作所は、製造業の商談で起きがちな「口頭コミュニケーションの認識齟齬」を解消するため、AI商談支援サービス「 Memory Tech 」をAWS上で新規開発しました。 AWS のサーバーレス構成により、ブラウザやスマホだけで商談録音から 2 分以内の議事録自動生成を実現し、少人数でスモールスタートとスケーラブルな運用を両立しました。詳細は本文をご覧ください。 電通総研、大規模 GPU 環境を約 1 ヶ月で構築 〜リアルタイム 3DCG ソリューション「UNVEIL」の戦略的アプローチ 〜 電通総研はリアルタイム 3DCG メタバース「UNVEIL」の大規模イベント利用に向け、1,000 名同時接続で低レイテンシーを満たす GPU 環境を AWS 上に約 1カ月で構築しました。東京リージョンで Amazon EC2 g4dn/g5 や Amazon EKS などを活用し、段階的な負荷試験と複数回の事前テストでボトルネックを洗い出しつつ、イベント駆動型ワークロードに適した、スケーラブルかつコスト効率の高いアーキテクチャを設計しました。どのように実装したのでしょう。ぜひ本文をチェックしてください。 キヤノン株式会社イメージング事業本部様にて生成 AI ハッカソンを開催!生成 AI をフル活用し社内課題を解決する 5 つのシステムを開発 キヤノン 株式会社 イメージング 事業本部と AWS が協力し、社内業務課題を生成 AI で解決することをテーマに約 6 カ月のハッカソンを実施した事例です。 約 20 名のエンジニアが 5 チームに分かれ、AWS の生成 AI サービスの勉強会、アイデアソン、プロトタイピングを通じて、実用レベルの 5 つのプロトタイプを開発し、いくつかのプロトタイプでは実業務での活用検討が進んでいます。 最後まで読んでいただきありがとうございました。今月は サプライチェーン管理に役立つ情報をピックアップしてお届けしました。このような形式で毎月最新の情報を製造業の皆様にお届けして参ります。 月刊 AWS 製造ブログ を今後ともよろしくお願いします。それでは、また来月お会いしましょう!   伊藤ジャッジ向子 (Ito, Judge Sakiko) 米国での開発者経験を経て、AWSのサポートに入社し、異動しエンタープライズ事業本部でソリューションアーキテクトとして製造業のお客様をご支援しています。趣味は山登り、クラッシックバレエと愛犬のお世話です。
2024年度にAWS認定資格をすべて取得し、 2025 ALL AWS Certifications Engineers として表彰していただきました! 振り返ってみると、当初の予定を大幅に前倒しした 資格取得RTA のような怒涛のスケジュールでした。 今回は、なぜ実務経験が断片的だった私が全冠を目指したのか、そしてどうやって駆け抜けたのか、その記録を公開します。 挑戦前のスペック:AWS経験は「点」でした 「全冠」と聞くと、さぞかしAWSを使いこなしている人を想像されるかもしれませんが、当時の私の状況はこんな感じでした。 仕事:クラウドネイティブな開発基盤構築チームで、いわゆる「何でも屋」をしているエンジニア 主戦場: Azure、GoogleCloud(仕事の比率はこちらが高め) AWS実務経験: 特定サービスのアプリ部品を1つ作成。あとは、炎上プロジェクトでの技術支援(火消し)にスポット参戦 得意なこと: プログラミング、DevOps関連技術、アプリ開発周り 保有資格: 高度情報(システムアーキテクト、データベーススペシャリスト)、Java資格など AWSに関しては「広く浅く」どころか、特定のスポットだけ激しく触ったことがあるという、非常に偏った知識状態からのスタートでした。 取得動機:あふれるAWSへの想いを形にしたかった 理由はシンプルです。AWSが好きだから。 しかし、世の中はAWSエンジニア戦国時代。人気すぎて競争率が高く、インフラ専任ではない私には、なかなかAWSメインの案件が回ってきませんでした。 「好きなのに、触れない……。この熱意をどうにかして証明したい!」 そう思い立った結果が、「資格で可視化すること」でした。当初は「年2個くらいずつ、ゆっくり取ろうかな」と考えていたのですが、いざ始めると火がついてしまいました。 得意なDevOps分野が意外とスルスル取れたことで弾みがつき、1資格2週間(1・2月は月3個ペース)という怒涛の短期集中モードに突入してしまったのです。 (※よい子の皆さんは、無理のないスケジュールを立ててくださいね!) 攻略ルート:得意を固めてから「専門領域」に挑む 一般的にはSAA(Associate)からSAP(Professional)へ進むのが王道ですが、 私は知識のオーバーラップを意識して、得意な領域からグルーピングして攻略しました。 実際に進んだ順番 1. 基礎・開発系(足場固め) CLF → SAA → DVA → DOP → SOA まずは得意なDevOps周りを固め、勢いをつけました。 2. トレンド・データ系(攻めの姿勢) DEA → AIF → MLS → MLA 新設されたデータ・AI系資格を一気に攻略。 3. インフラ・専門系(最難関の壁) ANS → SCS → SAP 最難関のネットワーク(ANS)をあえて後半に。 最後は集大成としてラスボス的存在のSAPで締めました。 実際に駆け抜けたロードマップ コード 正式名称 レベル 初回取得日 コメント CLF-C01 AWS Certified Cloud Practitioner Foundational 2023-01-28 AWSはじめ SAA-C03 AWS Certified Solutions Architect Associate 2024-02-12 穏やかに取得 DVA-C02 AWS Certified Developer Associate 2024-06-26 ウォーミングアップ期間 DOP-C02 AWS Certified DevOps Engineer Professional 2024-12-20 覚醒 SOA-C02 AWS Certified SysOps Administrator Associate 2025-01-10 ここからRTAスタート DEA-C01 AWS Certified Data Engineer Associate 2025-01-25  ↓ AIF-C01 AWS Certified AI Practitioner Foundational 2025-01-29  ↓ MLS-C01 AWS Certified Machine Learning Specialty 2025-02-06  ↓ MLA-C01 AWS Certified Machine Learning Engineer Associate 2025-02-13  ↓ ANS-C01 AWS Certified Advanced Networking  Specialty 2025-02-26  ↓ SCS-C02 AWS Certified Security Specialty 2025-03-05  ↓ SAP-C02 AWS Certified Solutions Architect Professional 2025-03-17 ゴール!! 勉強方法:三種の神器 短期集中を成功させるために、効率を最優先しました。 1. AWS Black Belt (動画/資料) 知らないサービスは、まずこれ。公式の「正解」を脳に叩き込みます。 2. Udemy (動画教材) 特に未知の領域(AI、ネットワーク)は、ハンズオン付きの教材で「触った感触」を擬似体験しました。 3. オンライン問題集 「試験の勘」を養うために、仕上げとして数周。間違えた部分は公式ドキュメントに戻って徹底的に潰しました。 挑戦中に感じた「光と影」 苦しかったこと:最難関ネットワークの壁 一番しんどかったのは、やはりANS(ネットワーク)です。 開発をしていると不具合の原因として立ちはだかることもあるネットワークですが、実務で使ったことのない細かいサービス仕様には本当に苦戦しました。 また、MLA(機械学習エンジニア)も普段の業務と距離があったため、根気強く動画と問題集を往復する日々でした。 楽しかったこと:アーキテクチャの万華鏡 逆に一番楽しかったのは、試験を通じて膨大なアーキテクチャ事例に触れられたことです。 普段は特定の基幹システムを見ることが多いのですが、多種多様な構成を学ぶのは新鮮で、「AWSならこんな解決策があるのか!」と、ただただワクワクしました。余計にAWSが好きになりました。 おまけ 最後にちょっとだけ自慢させてください! 12回もの試験を乗り越えたご褒美に、AWS Summit2025で取得した資格のシールをいただいてきました!(デザイン好きすぎて額縁に入れました。) 某RPGが大好きでたくさんのシリーズをやっているのですが、まさかAWSの資格シールがRPG風なんて…!!ドット絵のキャラクターが並んでいるのを見るだけで、テンションが上がります。こうして物理的な形になると、頑張ってよかったな~と改めて実感します。  総評:全冠を取得して変わったこと 2月から3月のラストスパートは、正直くじけそうになる瞬間もありました。 ですが、1つ合格するたびに「自分でもできるんだ」という自信が積み重なり、最後は 早く次の試験を受けたい! というランナーズハイに近い状態になっていました(笑)。 全冠を達成して得られたのは、単なる称号だけではありません。 AWSという巨大なパズルの全体像 が見えるようになったことで、アーキテクトとして自信を持って提案ができるようになりました。   もし、「実務経験が少ないから」と迷っている方がいたら、ぜひ一歩踏み出してみてください。資格取得の過程で得られる知識は、必ず現場でのあなたの武器になります。 最後まで読んでいただきありがとうございました! 2025 ALL AWS Certifications Engineers の名に恥じぬよう、これからも精進します! P.S.勢いそのままに、実は「AWS Certified Generative AI Developer – Professional」のベータ版も突撃し、Early Adopterバッジをもらってきました。気力が湧いたら、そちらの記事も書く…かもしれません。
AIツールの進化が加速するなか、エンジニアの仕事はどう変わっているのか。日々の開発でAIを使い続けるエンジニア3名に、活用の実態から失敗談、半年後の開発スタイルの展望まで、本音で語ってもらいました。 登場人物 名前 役割 あさしん( @asashin227 ) (写真右下) 名古屋プロダクト部のエンジニアリングマネージャー。仕事でもプライベートでもAIをうまく使う方法を常に模索中。エンジニア以外でもAIを使えるようにスタメン内でのハンズオンやAIもくもく会を運営しています おしん( @38Punkd ) (写真左下) iOS開発を得意とするエンジニア。AIを使って積極的にAndroidやWeb技術にチャレンジ中。プライベートではAIでインフラ中心のエンジニアをしている いが( @cochumo ) (写真真ん中) フロントエンドを専門領域としているエンジニア。AIを使ってバックエンド開発にも軸足を伸ばしています。今回のインタビュアーも兼任。 1日の業務の50〜80%がAIと対話。コードの外にも使い道は広がる ── 1日の業務のうち、何%くらいAIと対話したり、作業を任せたりしていますか? あさしん: ミーティングが結構多いので、思ったよりは使えていないんですよね。それでも50〜60%くらいにはなっていると思います。ミーティングの前に依頼しておいて、ミーティング後に確認みたいな使い方をしています。 おしん: 自分はあまりミーティングが多くないので、70〜80%は使っていますね。 いが: 60%ぐらいでしょうか。作るものの方向性についてメンバーとディスカッションする部分は人間がやらないといけないので、100%にはならないですね。 ── どんな場面でAIを活用していますか? おしん: 仕様の方向性をまずAIと話して、提案の形に整えてから人間とのディスカッションに持ち込む流れが増えてきました。ステークホルダーへの合意形成の前段階だったり、CS(Customer Success)へのお知らせ文や顧客との調整の頭出しにも使っています。まるっと投げるというよりは、自分なりの仮説がある状態でブラッシュアップしていく、という使い方が多いですね。 あさしん: 最近はClaude Cowork(以下Coworkと表記)をコーディング以外の場面でも使えるようにしていきたいなと思っていて、少しずつ試しています。割合はこれからも増えていきそうだという感覚はありますね。 いが: Coworkいいですよね。社内のチャットのステータス変更の処理を自動化してスケジューリングさせるような使い方は、本当に助かっています。 スピードは上がった。でも、楽しさの「質」が変わった ── AI導入から、開発のスピード感や楽しさはどう変わりましたか? あさしん: スピード感は確実に上がりましたね。やりたいことを自然言語で書けばとりあえず動く状態になるので、試行錯誤の回数が格段に増えています。ただ、仕事においては「プログラミングは自分がやらなくていい」という目標をもともと持っていたので、AIがコードを書くことへの心理的な変化はそれほどないというか。メンバーが書いてくれるのとAIが書いてくれるのとで、感覚的にはさほど変わらないんです。変わったと思うのは、人との解釈合わせにかかるコミュニケーションコストが減ったことです。AIへの指示は自分の責任で完結するから、より言語化の精度を上げないといけないという意識が強まりましたね。 おしん: 楽しさという意味では、むしろ大きくなりました。これまでネット上の記事を探し回ることに費やしていた時間をAIが肩代わりしてくれるので、「プロダクトの仕様をどう改善すれば売上に貢献できるか」という、本来考えるべきことに頭を使える時間が増えています。 いが: AIの進化にはワクワクするんですけど、AIに実装をやらせているとき自体はそんなにワクワクしなくなってきました。自分が書いていないからのめり込めなくて、複数のことを並行して浅く広く動かす形になってしまっている。コードを書いているときの楽しさは、正直なくなってきましたね。 おしん: ただ、その代わりに。職人的な充実感よりも、事業を前に進めている手応えに重きが移ってきた感覚がありますね。 ── 具体的に「これはAIにやらせて正解だった」という事例はありますか? あさしん: テストケースを大量に作らせるのはAIが得意な領域で、活用しています。あとは先ほど触れたCoworkですね。カンファレンスのグッズを企画するときに、会話の中で出てきたアイデアをそのままデータ化したり、作ったデータをNano Bnanaで画像に合成して、それっぽいイメージを可視化できるのが便利でした。コーディング以外のプロトタイプも、以前より格段に作りやすくなっています。 いが: Coworkは自然言語で指示してワークフローを組むと、ブラウザ操作まで実行してくれます。そこが本当に大きい。こういった活用はこれからさらに広がっていくんだろうなと感じています。 ガードレールを引かないと、リポジトリもドキュメントも静かに汚れていく ── 逆に、失敗したことや、気をつけていることはありますか? あさしん: 個々のミスというより、チーム全体として気になっているのはリポジトリに入っているドキュメントが少しずつ汚れていくことです。うちもそこまでドキュメントの文化が強いわけじゃないので、誰も深く見ていない箇所でAIが誤った内容を書き込んでいても気づけない。ガードレールをきちんと設計しておかないと、気づかないうちに的外れな方向へ進んでしまう。意識して向き合わなければならない課題だと思っています。 おしん: 嘘とまでは言えないけれど、根拠があいまいなままでも断言してしまうのがAIの特性だと思っていて。わずかでも事実と違う内容が混ざると、ドキュメント全体の信頼性が揺らいでしまいますよね。 いが: 仕様書をAIに書かせた場合でもユーザーインタビューに基づいた内容なのか、推測で書いたものなのか、根拠がまったくない記述なのか、読んだだけでは区別がつかない。その3パターンをちゃんと分類する仕組みを作って曖昧なところを明示的に固めていく、そういう工夫をこれからも続けていきたいですね。 ── プロンプトや指示の出し方で、自分なりにこだわっていることはありますか? あさしん: まず一度考えさせる、というのは意識しています。「プランニングしてください」と明示的に書いてから進めるようにしていて。あとは、プロンプトで都度指示することより、ドキュメントを整えて自動的によい動きをしてくれる環境をつくることを優先していますね。スキルの整備やエージェントの動きを定期的に見直すのも続けています。週に一度くらいは、同じ作業を繰り返していたらスキルとして切り出す習慣もつけています。 セッションの履歴を見て、繰り返しやっていることをスキル化するのは効果的です。全セッションを遡る必要はなく、そのセッション内のやり取りから切り出すだけで十分なことが多い。CLI(Command Line Interface)やLSP(Language Server Protocol)をちゃんと使い込むと、その辺りがうまく機能すると思いますね。 これからのエンジニアに求められるのは、ドメイン分解力・抽象力・言語化力だ ── 半年後、自分たちの開発スタイルはどうなっていると思いますか? あさしん: コーディング作業そのものは今より少なくなると思っています。その代わり、課題を持っているステークホルダーとのコミュニケーションがより重要になってくる。FDE(Forward Deployed Engineer)と呼ばれる役割、つまりお客さんの現場に立ってエンジニアとして提案していくような動き方も、これから注目されていくはずです。 いが: すでに別の会社では、CxO(Chief x Officer)にAI活用が得意な人を一人つけて、その人がやりたいことをPoC(Proof of Concept: 概念実証)化していくという動き方をしているところも出てきていますよね。 おしん: Figmaじゃなくてプロダクトレベルでのモックを素早く作る、という段階は確実に進んでいくと思います。エンジニアの強みは、やりたいことに対してどのアプローチが現実的かを具体的に示せる点にあります。自分のタスクや技術領域だけを見ていればいいという姿勢は通用しなくなって、事業全体を見渡して課題を見つけ動かしていけるエンジニアが、これからの開発を牽引していくと思っています。 ── AIが進化し続ける中で、エンジニアが磨くべき「コアスキル」とは何でしょうか? あさしん: ITバブルの頃、エンジニアの工数が一番レバレッジが効くと言われていたのは、一人分の工数をかけることで、かけた工数をソフトウェアとして何万人というユーザーに展開できる、かけ算的な成長ができるからでした。今後はAIによってプログラミングが民主化されて誰もが主体的に開発できるようになってくる。そういった中で自分たちが発揮できる価値を捉えていく必要があります。アウトプットがソフトウェアである以上、ソフトウェアがわかる人向けの言語化の仕方はエンジニアならではの強みになると思う。 あとはロジックの破綻を整理してあげるとか、ドメイン駆動開発をエンジニアが担ってAIにドメインごとの指示を出していくとか、そういうやり方が主流になっていくでしょう。ドメイン分解能力、抽象能力、言語化能力、そして事業全体を俯瞰できる広い視野。自分のタスクだけ見ていればいいというエンジニアはどんどん淘汰されていって、事業全体から課題を見つけて推進できるエンジニアが成長して牽引できると思っています。 おしん: エンジニアの専門性はPMやデザイナーとも融合してきているし、モバイル・バックエンド・フロントエンドといった境界もなくなりつつある。そこをコアスキルにするのはもったいない。エンジニアが磨くべきは事業理解であり、事業ドメインをソフトウェア設計に落とし込んで、リリース後も安定的に運用できる力こそが本質なんじゃないかと思っています。 おわりに 今回はテックブログとしては新しい取り組みである「エンジニア3人でAI活用の座談会をする」という記事を作成しました。 AIを使える人と使えない人で、仕事の速さも質も変わってきており、何に注力して、何をAIに任せていくか、そして自身の思考をどこに使っていけばいいのかヒントが掴めたように思えます。 AIの使い方に正解はないからこそ、同じように模索しているエンジニアの方とお話してみたいと思っています。この記事が、そのきっかけになれば嬉しいです。 herp.careers 本記事はインタビュー音声をもとに編集・再構成しています。

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