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ハッカソン

ハッカソンとは、新しい技術製品やソリューションを構築するために人々が集まり、定められた期間で行われる共同イベントです。ハッカソンという言葉は、「hack(ハック)」と「marathon(マラソン)」という言葉の合成語です。ハッカソンの目的は、多様な背景や異なるスキルを持つ人々が集まり、革新的なものを作り上げることにあります。

ハッカソンは主にソフトウェア開発に焦点を当てることが多いですが、ハードウェアや他の種類のプロジェクトが含まれることもあります。参加者はチームに分かれて作業を行い、特定のテーマや問題を与えられることもあれば、自由な課題に取り組むこともあります。参加者は、使用が許可されたAPIやデータセットなどの技術的なリソースにアクセスし、その分野の専門家から指導を受けたり、フィードバックを受けたりする場合もあります。

ハッカソンは企業、大学、非営利団体など様々な組織によって開催され、小規模で参加者を限定したイベントから、数百人または数千人の参加者による大規模な集まりまで、さまざまな種類があります。ハッカソンではプロトタイプの作成、新しいビジネスプランの開発といったアウトプットが期待される場合もありますが、単にコラボレーション、交流、新しいスキルを学ぶ機会であったりもします。

ハッカソンは、人々が集まって共通の興味ある課題に取り組み、新しいテクノロジーソリューションを生み出す、とても楽しい機会です。

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本ブログは、キヤノン株式会社イメージング事業本部様と Amazon Web Services Japan が共同で執筆しました。 こんにちは、AWS ソリューションアーキテクトの木村です。 2025 年 6 月から 12 月にかけて、キヤノン株式会社のイメージング事業本部様と共に生成 AI ハッカソンを実施しましたので、その取り組みと成果についてご紹介します。 1. 取り組みの背景 キヤノン株式会社様は、イメージング技術を核とした幅広い事業を展開するグローバル企業です。デジタルトランスフォーメーションの加速に伴い、同社では開発業務や社内業務の効率化に向けて、生成AI技術の活用を推進しています。 イメージング事業本部では、日々の開発業務において、データ分析、調査、UI開発、社内ナレッジ共有など、様々な課題を抱えていました。これらの課題を解決し、かつエンジニア自身が生成AI技術を深く理解するための取り組みとして、今回のハッカソン開催に至りました。 本ハッカソンは「社内業務の課題を生成AIで解決する」をテーマに、以下の3つの狙いを掲げて開催されました。 プロトタイプ創出スキルの習得 アイデアから実装まで一気通貫で体験し、価値創造のプロセスを実践的に学習する プロジェクト間の技術交流促進 各プロジェクトに閉じがちなクラウドアプリ開発の知見を共有し、チーム横断での技術交流を活性化する 生成AI開発の理解促進 AIを「使う側」から「作る側」に回ることで、生成AIの仕組みや使い方への理解を深める 2. 生成AIハッカソンの概要 開催期間・参加者数・チーム構成 開催期間: 2025 年 6 月~ 12 月(約 6 ヶ月間) 参加者数: 約 20 名(イメージング事業本部所属のエンジニア) チーム構成: 5 チーム(各チーム 3 ~ 4 名) 全体スケジュール 本ハッカソンは、約6ヶ月間にわたるプログラムとして設計されました。今回は通常業務と並行して取り組んだため、期間を少し長く確保しました。 キックオフ後に、AWS生成AIサービスの勉強会、アイデアソン、プロトタイピングを経て最終評価会を行いました。 アイデアソン アイデアソンでは、 ML Enablement Workshop を活用したアイデア創出ワークショップを開催しました。ML Enablement Workshop とは、取り組みに必要なメンバーを組成し、生成 AI を活用したユースケースと解決策を特定することを目的としたワークショップです。ワークショップでは、各チームごとに異なるテーマを設定し、Amazon 流のイノベーション創出手法である “Working Backwards” を通じて顧客の明確化・顧客の課題と機会の特定・解決策の特定を行いました。 最終的には、Amazon の文書化の文化にならって、決定した解決策をプレスリリース/FAQ の形にまとめあげました。初めてプレスリリース/FAQ に取り組んだ参加者からは「開発前にプレスリリースを書くのが新鮮だった。文書化することで曖昧な表現が避けられチーム感の共通認識がとりやすくなるように感じた」とコメントをいただきました。 プロトタイピング アイデアソンで生まれた各アイデアの価値を実証する目的で、実際に動くプロトタイプの開発に取り組みました。ハッカソンの運営からは、「Amazon Q Developerでコード/ドキュメント生成・レビューを効率化するなど生成 AI をフル活用しましょう」「失敗を恐れず、試行錯誤を楽しもう」といった案内が出され、参加メンバーはその方針のもと、積極的に新しい技術やツールを取り入れながら開発を進めました。 3. 各チームの成果発表 6 ヶ月間の活動を通じて、5 つのチームが実用レベルのサービスを開発しました。最終成果発表会では、両社の管理職参加のもと、各チームの取り組みを発表しました。 ハッカソンということもあり以下の観点で評価を行い、最優秀チームを選定しました。 提案価値: 提案する価値が明確で共感できるか、ソリューションが課題に対して適切か 技術的優位性: サービス選定やシステム構成が合理的か、価値向上のための技術的な工夫がみられるか アプリケーション品質: 実際の業務で継続利用できるレベルか、展開後の運用まで考えられているか 生成AIの適合度: サービスに生成AIの利点がうまく活かせているか、開発者として生成AIを使いこなせているか 各チームが取り組んだテーマは、データ分析の効率化、社内ナレッジの活用、開発プロセスの自動化など多岐にわたりましたが、いずれも Amazon Bedrock や Amazon Bedrock AgentCore といった AWS の生成 AI サービスを活用し、実際の業務課題を解決するシステムとして発表されました。また、全てのチームが Amazon Q Developer を活用し、開発の効率化を実現していました。 どのチームの発表も思わず「わお!」とコメントしたくなるようなデモ・発表内容で、審査員の皆様も採点に頭を悩ませていた様子でした。 最優秀賞を受賞したチームが開発したシステムのアーキテクチャ 4. 得られた効果 本ハッカソンを通じて、キヤノン株式会社イメージング事業本部様からは以下のような効果が得られたとコメントをいただいています。 技術スキルの向上 参加者全員が Amazon Bedrock や Amazon Q Developer を実際に使いこなし、生成 AI アプリケーションを「作る側」の経験をしました。特に、プロンプトエンジニアリングや RAG 、AI Agent の実装など、実践的なスキルの習得に繋がりました。 開発生産性の向上 Amazon Q Developer を活用することで、コード生成やドキュメント作成の効率が大幅に向上しました。参加者からは「従来であれば数週間かかっていた開発が、数日で完了できた」という声も聞かれ、生成 AI を活用した開発の可能性を実感する機会となりました。 組織横断のコラボレーション促進 普段は異なるプロジェクトで業務を行っているメンバーがチームを組むことで、技術知見の共有やコミュニケーションが活性化しました。交流が増えたことにより、組織全体の技術力向上につながっています。 5. 参加者の声 ハッカソン終了後に実施したアンケートから、参加者の声をご紹介します。 「生成 AI を活用したシステム開発を一から経験できたことで、生成 AI の可能性と限界の両方を知ることができました。今後の業務でも積極的に活用していきたいです。」 「Amazon Q Developer の支援により、普段触れないフロントエンド開発にも挑戦できました。『作りたいもの』に集中できる環境が整っていたと感じます。」 「Working Backwards の手法でプレスリリースを先に書くアプローチが印象的でした。開発を始める前に『誰のために、何を作るのか』を明確にすることの重要性を学びました。」 「他部門のメンバーと協力してゼロからシステムを作り上げる経験は、通常業務ではなかなか得られません。チームワークの大切さを再認識しました。」 6. まとめ 約 6 ヶ月間にわたるキヤノン株式会社イメージング事業本部様との生成 AI ハッカソンは、5 つのチームが実用レベルのプロトタイプを完成させるという大きな成果を収めました。 本ハッカソンで開発されたプロトタイプのうち、いくつかは実際の業務への展開が検討されています。また、今回の取り組みで得られた知見やノウハウを社内に展開し、生成 AI 活用の裾野を広げていく予定です。今回のハッカソンを一過性のイベントで終わらせず、継続的なイノベーション創出の仕組みとして発展させていくことをイメージング事業本部様は目指しています。 最後に、本ハッカソンの企画・運営にご尽力いただいたキヤノン株式会社イメージング事業本部の皆様、そして熱意を持って取り組んでいただいた参加者の皆様に心より感謝申し上げます。 執筆者 キヤノン株式会社 イメージング事業本部 IMG技術第二開発センター 運営:草壁 悠希 様 キヤノン株式会社 イメージング事業本部 IMG技術第二開発センター 運営:田代 大地 様 キヤノン株式会社 イメージング事業本部 IMG技術第二開発センター 運営:南 佑太朗 様 Amazon Web Services Japan ソリューションアーキテクト 木村 直登(Naoto Kimura)
なぜ、今「ハッカソン」なのか?「一人で悩む」を「みんなで突破」に 「便利そうなのはわかっているけど、日々の業務に追われて触る時間が作れない…」
イベント概要 NIFTY Tech Talkは、ニフティ株式会社の社員が主催するトークイベントです。 本イベントでは、ニフティグループの社員が業務を通じて学んだことを発信しています! 2025年、ニフティ社内でエンジニアハッカソン合宿が開催されました。 AIをテーマにした今回のハッカソンにて、優勝チームがアイディア創出に挑戦と学びの物語などについてをTech Talk#26のテーマとして開催しました。 今回のエンジニアハッカソンの概要としては、AIを企画から開発までを通しで行い、短期間で成果を出す目的で行われ、そこに中堅エンジニアが挑戦するというものです。 チームに分かれ激しい競争の中で勝ち抜いたその成果について、当日見ていない方も興味があれば是非 アーカイブ からご視聴いただければと思います。 エンジニアハッカソン合宿の様子はNIFTY engineeringにてブログ掲載されておりますので、よろしければこちらもご覧ください。 中堅エンジニアたちの激闘2日間 in 熱海 ~AIと共に~ CS教育のDX AIによる育成の効率化 現場が抱える課題に対し、AIを使用して解決するというアプローチで開発をしています。 開発にAIを使うだけでなく、AIを顧客役としたり、評価をさせるなど活用をしています。 また、対人ではなくAIを相手にすることで教育を受ける新人の心理的負担の軽減など、人間味ある課題解決を考えているところも興味深い観点かと思います。 技術スタックも紹介されており、似たような課題を感じている方は参考になるものと思います。 資料 AI 開発合宿を通して得た学び AIが速すぎて人間のレビューが間に合わないという問題もあり、速すぎるのもたいへんだなぁと感じる点もあり。 また「動作する」レベルから本格的なプロダクション移行時の品質基準をどう設定するかの難しさなどの課題があったようです。 AI開発により開発スピードや実装コスト削減を活かし、今後どのようにしていくのか。どんな気付きや学びがあったのかは是非アーカイブ動画もご覧いただければと思います。 最後に 次回のTech Talkは未定ではありますが、開催が決まりましたら connpass や X でお知らせいたしますので、よろしければ登録してお待ちいただけると幸いです。 アーカイブ(YouTube) 発表資料(Speaker Deck)

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