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はじめにこんにちは。LINEヤフーで社内プライベートクラウドの開発・運用を担当している中村です。2026年3月23日から26日にかけて、オランダのアムステルダムにて KubeCon + CloudNa...
本ブログは、荏原製作所 情報通信統括部様 と Amazon Web Services Japan が共同で執筆しました。 こんにちは、AWS ソリューションアーキテクトの野間です。 2026年3月25日(水)、荏原製作所様と Amazon Web Services Japan が共同で「Ebara Cloud Day」を開催しました。 本ブログではその取り組みと成果についてご紹介します。企業内でクラウドを浸透させることに苦労されているIT担当者の方も多いかと思います。このブログの内容が皆様の活動の参考になれば幸いです。 1. 取り組みの背景 荏原製作所は、ポンプや半導体製造装置をはじめとし、コンプレッサ・タービン、冷熱機械、送風機、廃棄物処理施設の設計・建設・運営管理などを展開する、産業機械メーカです。国内外に多数の拠点を展開し、経営・事業・ITが三位一体となった事業変革を推進しています。 CIO配下の体制では、ITによるグローバルな業務標準化と経営インフラの高度化を推進しており、クラウド基盤を土台とした「持続可能な成長を実現するDXの加速」が重要なテーマとなっています。 当社IT部門では、AWSをはじめとするクラウドサービスの利用が年々拡大しています。しかし、CIO配下のIT関連部門や国内外グループ会社のIT部門を見渡すと、クラウドに対する理解度や活用スキルにはまだ大きなばらつきがあり、「クラウドは難しそう」「社内のクラウド活用方法が知りたい」という心理的障壁を感じているメンバーも少なくありませんでした。 また、各部門がそれぞれの判断でクラウドを活用するケースが増える一方、組織としての共通知識やベストプラクティスの共有が不十分であり、中央管理が難しくなったという課題もありました。このような状況を踏まえ、「クラウドを身近に感じてもらい、まず一歩踏み出すきっかけを作りたい」という思いから、AWSと共同で社内向けクラウドイベントを企画することとなりました。 IT部門がイベントを主導することで、社内における「クラウド利活用の旗振り役」としての役割を果たすとともに、参加者が自ら学ぶ意欲を持ち、日々の業務にクラウドを取り入れていく文化を醸成することを目指しました。 2. Ebara Cloud Day の概要 イベント名: Ebara Cloud Day 開催日時: 2026年3月25日(水)13:00〜16:00(3時間) 開催形式: オンライン(事務局および一部スピーカーはオフライン集合) 対象者: IT関連部門・研究開発(CIO配下の組織) 技術レベル: 初級〜中級 参加者数: 41名(オンライン) 主催: 荏原製作所 / Amazon Web Services Japan イベント全体の目的: ① クラウドに対する理解の壁の排除:オンプレミス中心の文化からクラウドへの心理的・技術的障壁を取り除き、クラウド活用への抵抗感を軽減する ② AWSを知る:クラウドサービスの基礎とAWSの主要機能を理解し、業務における活用可能性を認識する ③ 技術興味への第一歩:社内事例やセッションを通じて、参加者のクラウド技術への興味を喚起し、自発的な学習意欲を促進する ④ 荏原製作所のデジタル変革の加速:クラウドファーストの文化醸成により、研究開発や業務効率化におけるイノベーションを推進する 3. セッション内容 当日はAWSによるセッションおよび荏原製作所社内メンバーによるLT(ライトニングトーク)が行われました。 (1)AWSセッション 「あらためて学ぶクラウドのキホン」 クラウドの基本概念(IaaS/PaaS/SaaS)から始まり、AWSが提供する主要サービスの全体像をわかりやすく解説しました。「オンプレミスとの違いが初めてイメージできた」「ブロックのように必要な機能を組み合わせて使えると知った」など、クラウド入門者に向けた内容に参加者から多くの反響がありました。 (2)LTセッション(社内事例発表) 荏原製作所社内エンジニアによるLTセッションでは、日々の業務の中でAWSを活用した実体験が発表されました。外部の事例ではなく「自社の仲間が実際にやっていること」として参加者に届けられたことで、クラウドへの親近感と「自分にもできる」という前向きな意識が広がりました。 LT①:「新入社員研修の事例(AWSサーバ構築)」 情報部門に配属される新入社員向けに「AWSでサーバを構築する」という研修を行っているので紹介しました。ITインフラについて理解を深めてもらうことを目的として、3時間程度で実際にEC2の「新規作成」→「設定変更」→「削除」を行い、サーバのライフサイクルを体験するという実習です。実際にAWSコンソールを見せながら説明したことで、EC2のイメージができたこと、オンプレと比べて簡単にサーバ作成ができることを理解してもらったのではないかと考えています。 LT②:「EC2提供の運用」 本発表では、弊社IT部門が提供し、管理するEC2インスタンス運用プロセスについて共有しました。Datadogを利用した監視運用、AMI自動バックアップ取得と仕組みをはじめ、セキュリティグループで各EC2インスタンスの社内外接続制限等について荏原製作所でのやり方を展開しました。また、EC2だからこそ最小限のスペックで構成開始し、状況にあわせて徐々に拡張するメリットを共有し、コスト最適化をアプローチしました。 参加者から、次回もより運用にフォーカスした内容が聞きたい、AWSサービスを有効活用してコスト最適化を実現したいとの声をいただきました。 LT③:「中国におけるAWS利用について」 中国のAWSはグローバル環境から独立しており、現地パートナー企業によって運営されています。アカウント開設には現地当局の審査が必要という制約がありますが、当社は特定の業務要件を満たすために中国リージョンの導入を決定しました。社内発表でこの独自の導入プロセスを共有し、今後の展望としてOrganizationを活用したグループ会社ごとのコスト管理の簡易化を提示したところ、参加者からも深い納得感を得ることができました。 LT④:「WrikeAPIと連携したタスク表示ツール」 タスクスケジュールの管理にWrikeを利用しておりますが、標準UIでは日常的なタスク管理のやり辛さに課題を持っていました。そこでPythonとAPIを活用した独自のGUIツールをKiroを活用して作成する発表を行いました。 KiroというAWSのエージェント型IDEで何ができるのか、既存のAIツールを利用した際との正確性の違いについて多くの方に興味を持っていただけました。 LT⑤:「リモート接続サーバー自動停止の実践事例」 本発表では、在宅勤務時に利用するリモート接続サーバーの運用見直しによるコスト削減事例を紹介しました。業務時間外も24時間稼働していたEC2を、利用実態に合わせて夜間停止・朝起動の自動化を実施しました。EventBridgeとLambda、タグ制御によりシンプルに実現し、コスト半減を達成しました。 イベント当日は、普段は個別のプロジェクトや部門に閉じて業務を行っているメンバーが、オンライン上で一堂に会し、クラウドという共通テーマのもとに活発な意見交換が行われました。 チャット欄には「これは知らなかった」「うちの部門でも使えそう」といったコメントが次々と投稿され、参加者が受け身ではなく積極的に学ぼうとする姿勢が随所に見られました。またLTでは普段はなかなか共有されない社内の生の声が届けられたことで、参加者の共感を呼び、質問が途切れないほどの盛況ぶりとなりました。 3時間という限られた時間でしたが、参加者からは「もっと長くても良かった」「次回は1時間程度の定期開催にしてほしい」といった声も届くなど、継続的な学習機会への需要の高さが実感できるイベントとなりました。 4. 実施結果 全体満足度:4.27 / 5.0 次回参加意向:100% 興味のあるテーマ:第1位:AI・生成AI、第2位:コスト最適化 IT部門として、今回のイベントを通じて以下のような効果が得られたと感じています。 クラウドへの心理的障壁の低下 イベント前は「クラウドは専門家のもの」という意識が強かったメンバーも、AWSの丁寧な入門セッションや社内事例の LTを通じて、「自分たちにも使いこなせるかもしれない」という感覚を持ち始めてくれました。アンケートでも「スモールスタートで始められると知った」「まず試してみようと思った」という声が多く、行動変容のきっかけとなったことが確認できました。 社内のクラウド活用事例の可視化と横展開 普段は部門内に留まりがちなクラウド活用事例を、LTという形で全社に向けて発信できたことは大きな収穫でした。 「EC2を使っているとは聞いていたが、具体的な取り組みを初めて知った」という声も多く、情報共有の場としての価値が高いことが確認できました。今後は LT登壇者を増やし、他部門の事例の横展開も加速させたいと考えています。 IT部門が「クラウドの窓口」として認知される機会に イベントの主催者として IT部門が前面に立ったことで、「クラウドのことは IT部門に相談すれば良い」という認識が社内に広まりました。イベント後、複数の部門から「AWS活用について相談したい」という問い合わせが寄せられており、IT部門のプレゼンス向上という観点でも大きな効果があったと感じています。 継続的な学習コミュニティの素地の形成 参加者全員が「次回も参加したい」と回答し、1名は LT登壇の意向まで示してくれました。また、「他部門のクラウド活用事例も知りたい」、「他社のAWS活用事例も取り上げてほしい」との意見もいただきました。今回のイベントが一過性のものではなく、定期的な学習機会の出発点となり得ることを実感しました。クラウドに興味を持つ仲間が社内にいることを参加者が知ったことで、非公式な情報共有や自発的な勉強会につながる可能性も感じています。 5. 参加者の声 「本日は貴重な機会をありがとうございました。クラウドに関して、これまで曖昧に理解していた部分を体系的にご説明いただき、非常に勉強になりました。特に、具体的な事例を交えた解説があったおかげで、実際の利用シーンをイメージすることができました。」 「AWSは機能が多く学習のハードルが高いイメージがありましたが、スモールスタートできて必要な機能をブロックのように増やせることを知り、まずは必要な機能に絞って触ってみようと思いました。」 「昨年担当システムをオンプレミスからAWS EC2にリフトアップしましたが、今回のイベントでAWSのサービスを有効活用すればするほどコスト的にメリットがありそうだと感じました。今後もAWSのサービスや利用方法について定期的に情報提供いただけると助かります。」 6. まとめ・今後の展望 今回の「Ebara Cloud Day」は、41名の参加者とともに盛況のうちに終了しました。全参加者が「次回も参加したい」と回答し、クラウドへの関心と学習意欲の高まりが感じられるイベントとなりました。 今回のイベントを通じて、社内のクラウドに対する意識が大きく変わり始めたことを実感しています。目標KPIとして掲げていた「満足度4.0以上」「次回参加意向80%以上」をいずれも大幅に上回る結果となり、IT部門として非常に手応えを感じています。 今後は、今回の開催で得た知見を活かしつつ、定期的なイベント開催を通じて社内クラウドコミュニティの形成を目指します。特に参加者から関心が高かったAI・生成AI活用や、コスト最適化をテーマに次回以降のセッションを企画していく予定です。社内のクラウド活用をより一層加速させ、荏原製作所のDX推進に貢献していきたいと考えています。 最後に、本イベントの企画・運営にご尽力いただいた荏原製作所の皆様、そして熱意を持って参加いただいた参加者の皆様に心より感謝申し上げます。今後も荏原製作所様のDX推進を全力でご支援してまいります。 執筆者 株式会社荏原製作所 情報通信統括部 ITアーキテクト部 福島 康平 情報通信統括部 ITアーキテクト部 竹之内 遼 情報通信統括部 ITアーキテクト部 Shwe Yee Myat Mon (シュエ イー ミャッ モン) Amazon Web Services Japan シニアソリューションアーキテクト 野間愛一郎
はじめに クラウドやSaaSの利用拡大に伴い、攻撃者に狙われやすいアタックサーフェスは拡大しています。 さらに、サイバー攻撃は自動化やAI活用により高頻度化・高度化しています。 攻撃側が有利になりやすい状況の中で、防御側は限られたリソースをどこに集中させるかという判断を求められています。その対応策の一つとして、外部公開領域を可視化できるASM(Attack Surface Management)への期待が高まっています。 対象読者 ASM導入を検討しているセキュリティ担当者 ASM導入後の運用設計に悩んでいる方 ASM(Attack Surface Management)導入

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