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お知らせ 2026年7月からオンラインでサーバーレスに関するワークショップを4件開催します。ぜひ、ご参加ください。 7/7 10:00〜12:00 Kiroによるサーバーレス開発 7/9 10:00〜12:00 イベント駆動アーキテクチャ・アプリケーションの構築 7/14 10:00〜12:00 AWS Lambda durable functions によるコード型ワークフロー 7/16 10:00〜12:00 AWS Lambda マネージドインスタンス 本記事は、2026 年 3 月 30 日に公開された Build high-performance apps with AWS Lambda Managed Instances を翻訳したものです。翻訳は Solutions Architect の 齋藤 拓巳 が担当しました。 最新のサーバーレスイノベーションを把握して、アプリケーションの変革に役立てましょう。 この第 31 回四半期レビューでは、2025 年第 4 四半期に発表された、見逃しているかもしれない AWS サーバーレスの重要なリリース、機能、リソースをご紹介します。 前回の ICYMI を見逃した方は、 2025 年第 3 四半期 の内容をご確認ください。 2025 年第 4 四半期カレンダー re:Invent 2025 におけるサーバーレス この記事では、re:Invent 2025 で発表された主要なサーバーレス関連のアナウンスを取り上げ、アプリケーションの改善に役立つ重要な機能アップデートを紹介するとともに、最新情報を把握するための有用なリソースを共有します。 AWS re:Invent 2025 には 60,000 人以上が現地参加し、基調講演には 200 万人以上のオンライン視聴者が集まりました。 イベントでは 3,000 人のスピーカーによる 3,500 のセッションが開催され、530 の AWS サービスおよび機能のアナウンスに関する情報が紹介されました。 基調講演 サーバーレスムーブメントの火付け役 サーバーレス関連のコンテンツは、Containers and Serverless (CNS) と Application Integration (API) の 2 つのトラックで構成されていました。 これらのトラックでは 150 種類のセッションが開催され、16,000 人を超える参加者が現地で視聴しました。 開発者向けの体験として、 Road to re:Invent Hackathon 、AWS Builder Loft、Builders Arena が用意されていました。 サーバーレステクノロジーで運営されるコーヒーショップ Serverlesspresso は、イベント期間中、Expo Hall と認定資格ラウンジの 2 か所で営業していました。 サーバーレスおよび開発者コミュニティの写真 厳選されたサーバーレス動画のリストは Serverless Land YouTube でご覧いただけます。 AWS Lambda durable functions マルチステップのサーバーレスワークフローにおける状態管理には、従来、複雑な外部オーケストレーションツールが必要でした。 AWS Lambda の durable functions は、開発者が Lambda を活用する方法を拡張します。 信頼性の高いマルチステップのアプリケーションや AI ワークフローを Lambda 内で直接構築できるようになりました。 AWS Lambda durable functions のコード durable functions は、実行中の重要なポイントで現在の状態と完了したステップを保存することで、自動的に進捗のチェックポイントを保存します。 これにより、長時間実行されるタスク中に最大 1 年間実行を一時停止でき、障害が発生した場合も最初からやり直すのではなく最後のチェックポイントから再開して復旧できます。しかも追加のインフラストラクチャ管理は一切不要です。 開発者は Python または TypeScript で構築し、自動リトライとチェックポイント機能を備えたステップで呼び出しをラップできるようになりました。 wait を使用すると、アイドル状態のコンピューティングに課金されることなく、数分、数時間、最大 1 年間まで実行を一時停止できます。 durable functions はリプレイメカニズムを使用して状態を維持し、障害を適切に処理します。 このメカニズムは、障害からの復旧時にチェックポイントから関数コードを再実行することで動作し、データを失うことなく状態の一貫性を確保します。 これにより、多くのユースケースで複雑な外部オーケストレーションツールが不要になります。 外部インフラストラクチャを管理することなく信頼性の高い状態管理が必要な AI ワークフローやマルチステップアプリケーションに特に役立ちます。 詳細については、 発表ブログ記事 をお読みいただくか、re:Invent ブレイクアウトセッションの動画をご覧ください: Deep Dive on AWS Lambda durable functions (CNS380) AWS Lambda Managed Instances Lambda は、 Lambda Managed Instances という新しいコンピューティングオプションを提供開始しました。これは Amazon EC2 の柔軟性とフルマネージドインフラストラクチャを組み合わせたものです。 AWS がインスタンスのプロビジョニング、スケーリング、メンテナンスを自動的に処理しながら、Graviton4、ネットワーク最適化インスタンス、その他の特殊なコンピューティングオプションを含む EC2 の幅広い機能にアクセスできます。 AWS Lambda Managed Instancesの設定 関数は、お客様のアカウントの専用 EC2 キャパシティ上で、お客様自身の Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC) 内で実行されます。 OS パッチ適用、ロードバランシング、オートスケーリングなどの運用オーバーヘッドは引き続き AWS が管理します。 これにより、サーバーレスの運用モデルを維持しながら、特殊なハードウェアオプションにアクセスできます。 Compute Savings Plans や Reserved Instances などの EC2 料金モデルを Lambda ワークロードに活用することで、コストをさらに最適化できます。 各インスタンスは複数の同時リクエストを処理できるため、予測可能な料金体系と特定のハードウェア要件が重要な、大量かつ定常的なワークロードに特に適しています。 詳細については、 発表ブログ記事 をお読みいただくか、re:Invent ブレイクアウトセッションの動画 Lambda Managed Instances: EC2 Power with Serverless Simplicity (CNS382) をご覧ください。 その他の Lambda に関する発表 マルチテナント SaaS アプリケーションには、テナント間のデータ漏洩や、あるテナントのワークロードが他のテナントに影響を与えるノイジーネイバー問題といった課題があります。 また、カスタムの分離メカニズムの実装にも苦労してきました。 テナント分離モード は、テナントごとに個別の実行環境で関数の呼び出しを処理することで、これらの課題に対処します。 これにより、テナントレベルのコンピューティング環境の分離が自動的に管理されます。 AWS Lambda tenant isolation Lambda は Amazon SQS イベントソースマッピングに Provisioned Mode を追加しました。これにより、高スループットの SQS 処理ワークロードにおいて、予測可能なパフォーマンスとコールドスタートの削減を実現します。 非同期 Lambda 呼び出しで 最大 1 MB のデータを送信 できるようになりました。 従来の 256 KB から引き上げられ、より複雑なデータ処理シナリオの構築が可能になります。 Lambda 関数は IPv6 ネットワーキング をサポートするようになったため、VPC に接続された関数からインターネットや他の AWS サービスにアクセスする際に NAT Gateway が不要になりました。 NAT Gateway を介した Lambda のインターネット接続 (IPv4) と、Egress-Only インターネットゲートウェイを介した Lambda のインターネット接続 (IPv6) です。 Lambda の Rust サポート が一般提供 (GA) になり、実験的ステータスから移行しました。 これは AWS サポートおよび Lambda の可用性 SLA の対象となります。 Lambda は、 Python 3.14 、 Node.js 24 、 Java 25 をマネージドランタイムおよびコンテナベースイメージとして追加し、ランタイムサポートを拡充しました。 これにより、最新の言語機能を利用でき、長期サポートも確保されます。 Amazon ECS Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) Express Mode は、従来開発者の作業を遅らせていたインフラストラクチャのセットアップを自動化することで、コンテナ化されたアプリケーションのデプロイと管理を効率化します。 Amazon ECS Express Mode デプロイメント これにより、AWS のベストプラクティスを活用して自信を持ってデプロイしながら、アプリケーションの構築に集中できます。 Express Mode では、単一のコマンドで本番環境対応のコンテナ化された Web アプリケーションと API をデプロイできます。 シンプルな API を通じて、ドメイン、ネットワーキング、ロードバランシング、 AWS Identity and Access Management (IAM) ロール、オートスケーリングが自動的に処理されます。 アプリケーションが進化し、高度な機能が必要になった場合は、Amazon ECS を含むリソースのすべての機能をシームレスに設定してアクセスできます。 詳細については、 発表ブログ記事 をご覧ください。 Amazon ECS は、AI を活用した開発・運用体験を実現するフルマネージド型の MCP サーバー のパブリックプレビューを発表しました。 この Model Context Protocol (MCP) サーバーは、自動更新とパッチ適用、AWS IAM 統合による一元的なセキュリティ管理、 AWS CloudTrail を通じた包括的な監査ログ、そして AWS が実証済みのスケーラビリティ、信頼性、サポートといったエンタープライズグレードの機能を提供します。 Amazon Elastic Container Registry (ECR) の マネージドコンテナイメージ署名 は、セキュリティ体制を強化し、署名のセットアップにかかる運用上のオーバーヘッドを排除します。 コンテナイメージ署名により、イメージが信頼できるソースからのものであることを検証できます。 ECR は、イメージがプッシュされる際に、プッシュしたエンティティの ID を使用して自動的にイメージに署名します。 署名操作は CloudTrail を通じてログに記録されるため、完全な監査が可能です。 Amazon API Gateway Amazon API Gateway では、レスポンスペイロードをクライアントに 段階的にストリーミング することで、REST API の応答性を向上させることができます。 この新機能により、ストリーミングレスポンスを使用して、LLM 駆動のアプリケーション (AI エージェントやチャットボットなど) を構築する際のユーザーエクスペリエンスの向上、Web およびモバイルアプリケーションの Time-to-First-Byte (TTFB) パフォーマンスの改善、大容量ファイルのストリーミング、 Server-Sent Events (SSE) などのプロトコルを使用した増分的な進捗報告を伴う長時間実行オペレーションの実行が可能になります。 Amazon API Gateway streaming API Gateway は、 Application Load Balancer (ALB) との プライベート統合 を導入しました。 これにより、ALB をパブリックインターネットに公開することなく、VPC ベースのアプリケーションを REST API を通じて安全に公開できます。 API エンドポイントやカスタムドメイン名に 強化された TLS セキュリティポリシー を設定できるようになり、API のセキュリティ体制をより細かく制御できるようになりました。 Amazon EventBridge Amazon EventBridge に、カスタムアプリケーションや 200 以上の AWS サービスからのイベントを開発者が発見しサブスクライブできる 拡張ビジュアルルールビルダー が導入されました。 このコンソールベースのインターフェースは、EventBridge の スキーマレジストリ と包括的なイベントカタログ、直感的なドラッグアンドドロップキャンバスを統合し、イベント駆動型アプリケーションの構築を簡素化します。 開発者は、個々のサービスのドキュメントを探し回ることなく、すぐに利用可能なサンプルペイロードやスキーマを使ってイベントを閲覧・検索できます。 スキーマ対応のビジュアルビルダーが、イベントフィルターパターンやルールの作成をガイドし、構文エラーを削減して開発時間を短縮します。 EventBridge では、 SQS フェアキュー をターゲットとして指定することもできます。 AWS Step Functions AWS Step Functions では、 TestState API を通じて強化されたローカルテストが可能です。 AWS にデプロイすることなく、包括的なテスト機能にプログラムからアクセスできます。 これにより、開発マシン上でワークフロー定義をローカルに検証する自動テストスイートを構築できます。 お好みのテストフレームワークを使用して、エラーハンドリングパターン、データ変換、モックサービス統合をテストしましょう。 また、新しい メトリクスダッシュボード も追加され、アカウントレベルとステートマシンレベルの両方でワークフローの運用状況を可視化できるようになりました。 その他の発表 Savings Plans の柔軟な料金モデルが、 Database Savings Plans のローンチにより AWS マネージドデータベースサービスにも拡張されました。 1 年間の一定量の使用量 ($/時間) をコミットすることで、データベースコストを最大 35% 削減できます。 割引は毎時間、対象のデータベースサービス全体の適格な使用量に自動的に適用され、コミットメントを超える追加使用量はオンデマンド料金で課金されます。 Amazon DynamoDB が グローバルセカンダリインデックスでの複数属性複合キー をサポートするようになりました。 これまでは値を手動で連結して合成キーを作成する必要があり、新しいインデックスを追加する前にデータのバックフィルが必要になることもありました。 今後は、最大 8 つの既存属性を使用してプライマリキーを作成できるため、多様なアクセスパターンのモデリングや新しいクエリ要件への対応が容易になります。 Amazon Bedrock は、信頼性の高い AI エージェントを大規模にデプロイするための 品質評価とポリシーコントロールを備えた AgentCore を発表しました。 Bedrock には 18 のフルマネージドオープンウェイトモデル も追加され、開発者が利用できる AI モデルの選択肢が拡大しました。 Strands Agents SDK は、モデル駆動型のアプローチで AI エージェントをわずか数行のコードで構築・実行できるオープンソースフレームワークです。 TypeScript のサポートがプレビューとして 利用可能になり 、Strands Agents の構築に Python と TypeScript のどちらかを選択できるようになりました。 Amazon S3 Vectors が一般提供開始となりました。 S3 Vectors は、AI エージェント、推論、検索拡張生成 (RAG)、セマンティック検索を数十億ベクトル規模で実現する、専用設計されたコスト最適化済みのベクトルストレージを提供します。 サーバーレスに関するブログ記事 10 月 モノリスワークフローの分解: AWS Step Functions ワークフローのモジュール化 AWS Serverless MCP Server での AWS Lambda イベントソースマッピングツールの紹介 AWS Step Functions Distributed Map S3 プレフィックスを使用した Amazon S3 オブジェクトの大規模処理 11 月 AWS Lambda の IPv6 ネットワーキング AWS Step Functions Distributed Map によるビッグデータ処理のオーケストレーション AWS Step Functions Distributed Map を使用したネストされた JSON 配列処理の最適化 新しい Amazon API Gateway Portal で API の見つけやすさを向上させる Amazon API Gateway レスポンスストリーミングでレスポンシブな API を構築する AWS Lambda で Python 3.14 ランタイムが利用可能になりました AWS Lambda 上で Rust を使用したサーバーレスアプリケーションの構築 非同期 AWS サービスを AWS Step Functions ステートマシンと統合する際に、予測不能な処理時間を運用の一貫性を保ちながら処理する AWS Lambda が Java 25 をサポートしました Amazon API Gateway TLS セキュリティポリシーによる API セキュリティの強化 Kafka 向けサーバーレスストリーミングワークロードのスループット向上 Amazon API Gateway と Application Load Balancer のプライベート統合を使用してスケーラブルな REST API を構築する LLM レスポンスのストリーミングにおけるサーバーレス戦略 AWS Lambda の新しいテナント分離モードを使用したマルチテナント SaaS アプリケーションの構築 AWS Step Functions と Amazon Bedrock バッチ推論による大規模ドキュメント処理のオーケストレーション AWS Lambda で Node.js 24 ランタイムが利用可能になりました Serverless Office Hours 毎週火曜日の午前 11 時 (太平洋時間) に開催されるライブストリームにぜひご参加ください。サーバーレステクノロジーに関するライブディスカッション、Q&A セッション、深掘りセッションを行っています。 エピソードは serverlessland.com/office-hours でオンデマンドでもご視聴いただけます。 10 月 10 月 7 日 – Amazon API Gateway Routing Rules 10 月 14 日 – Amazon DynamoDB Global Tables 10 月 21 日 – Building agents with Amazon Bedrock AgentCore 10 月 28 日 – What’s new with Observability 11 月 11 月 4 日 – AI 仕様を正しく定義する! 11 月 11 日 – AWS Lambda で Swift を実行する 11 月 18 日 – EventCatalog の最新情報 11 月 24 日 – pre:Invent 2025 12 月 12 月 9 日 – AWS Lambda Managed Instances 12 月 16 日 – AWS Lambda durable functions さらに詳しく知りたい方へ サーバーレスのランディングページ には、サーバーレスアプリケーションの構築に関する全般的な情報があります。 Lambda リソースページ には、ケーススタディ、ウェビナー、ホワイトペーパー、お客様事例、リファレンスアーキテクチャ、さらに多くの入門チュートリアルが掲載されています。 Serverless Developer Advocacy チームをフォローして、最新ニュースの確認、会話のフォロー、チームとの交流もできます。 Julian Wood: @julian_wood , https://www.linkedin.com/in/julianrwood/ Eric Johnson: @edjgeek , https://www.linkedin.com/in/singledigit/ Gunnar Grosch: @GunnarGrosch , https://se.linkedin.com/in/gunnargrosch Erik Hanchet: @ErikCH , https://www.linkedin.com/in/erikhanchett/ Salih Gueler: @salihgueler , https://www.linkedin.com/in/salihgueler/ Marcia Villalba: @mavi888uy , https://www.linkedin.com/in/marciavillalba 最後に、サーバーレスに関するあらゆる情報については Serverless Land をご覧ください。
Web未経験MLエンジニアが社内プロダクト開発でAIコーディングにどハマりするまで はじめに こんに ...
はじめに こんにちは。ニフティの塚崎・佐藤です。 5/22, 23の2日間にわたって開催された TSKaigi 2026 に初めて参加してきました。 TSKaigiとは? TSKaigiは、日本最大級のTypeScriptをテーマとしたテックカンファレンスです。毎年、5月頃に開催されているようで、今年は現地参加者が約800名でオンライン参加者が約900名と合わせて1700名規模の大きなイベントとなりました。また今年の会場はベルサール羽田空港という場所で開催されました。 なぜ参加しようと思ったか 塚崎 元々、フロントエンド開発やTypeScriptが好きだったというのと、業務でも頻繁にTypeScriptを使うため今回参加することにしてみました。TSKaigi自体は昨年、オンラインで参加していたのですが、今年は同期の佐藤からの誘いもあり現地参加をしてみました。オフラインイベントへの参加経験もほぼなかったので、単純な興味というのも理由としてありました。 佐藤 普段は個人開発で最新のライブラリを試してみたり、毎日の習慣で技術ブログを読み漁ったりしています。現在所属しているチームの開発では割合としてはまだ低いですが、TypeScriptを採用する機会は増えてきており、APIの刷新ではHonoなどを採用しました。現在進行中の新規開発でも、引き続きTypeScriptを採用する予定です。 実務での経験を積むにつれて、他社エンジニアのTypeScript活用方法に興味が湧いてきました。そこで、普段からTypeScriptの話で盛り上がる同期の塚崎を誘い、今回のイベントへの参加を決めました。 塚崎のタイムテーブル 塚崎のタイムテーブル 塚崎のタイムテーブル 佐藤のタイムテーブル 佐藤のタイムテーブル 佐藤のタイムテーブル 印象に残ったセッション 塚崎 数あるセッションの中でも、特に印象に残ったのがKazuya Serizawaさんによる「アンチパターンを避ける型駆動React最適化」です。 https://2026.tskaigi.org/talks/17 こちらのセッションは、React 19から正式に登場したReact Compilerによってコンポーネントの最適化を行うという内容です。React Compilerが最適化できるのは純粋なコンポーネントだけですので、コンポーネントの純粋性をいかにして型とLintで担保するか、という型駆動のアプローチを紹介していました。また、コンポーネントを純粋に保つことは、最適化のためだけではなく、読みやすくメンテしやすいコードにも繋がると説明されていたのも印象的でした。 最適化ができない例として、以下の4つが紹介されていました。 副作用の混入 :render中のDate.now() / ログ出力 / 乱数生成 ミュータブル操作 :letの再代入、push / sortなどの破壊的操作 参照不安定 :毎回新規生成のオブジェクトや関数を子に渡す 非決定的な依存 :モジュールスコープの可変変数をrenderから触る これについては、以下のような型定義で対策をしていました。 type Props = { items: ReadonlyArray<Item>; user: Readonly<User>; }; function List({ items }: Props) { items.push(...) // コンパイルエラー const next = [...items, x]; // OK } ReactではPropsに対してミュータブル操作をしてはいけないのですが、これをReadonlyArrayやReadonlyを使って対策していました。型で定義し、そもそも書けないようにするというのは、TypeScriptの良さを最大限活かした設計だなと感じました。型定義であれば部分的にも導入がしやすいですので、現在担当しているプロジェクトにも適用してみようかと考えています。また、発展形として、Branded Typeを使った副作用のない関数しか受け付けない手法も紹介されていました。Branded Typeについては実務で使った経験もなく初めて知った手法だったので、もう少し調べてみようと思います。他にも型定義だけでなく、BiomeやOxcなどのLinterルールで防止するという多層的なアプローチも取られていました。型定義だけでは防げない操作をLinterで防ぐという手法で、型定義とLinterでより堅牢なReactアプリケーションが作れると実感できるセッションで非常にたくさんの学びが得られました。 佐藤 印象に残っているセッションは tscからtsgoへ ── DenoのTypeScript基盤はどう変わったか(maguro) 業務に残された「よくない型」で考える「TypeScriptの難しさ」(Saji) の2つです。 前者は、型チェック( deno check )をはじめ、コードの解釈や実行を支える仕組みがどう変わってきたかをたどる内容でした。その中心にあるのが、JavaScriptで書かれた公式のTypeScriptコンパイラ tsc と、それをGoで再実装した tsgo です。タイトルの「tscからtsgoへ」が示す通り、Denoが模索してきた歩みが紹介されました。 jsr: や npm: 、Deno独自APIといった概念をTypeScriptが読める形に「翻訳」する仕組みが、 tsc を抱え込む状態から tsgo 、そして公式TypeScriptへと、次の3段階で外側へ移ってきたそうです。 Phase 1:embedded tsc — パッチを当てたtscをV8 isolate内で実行。挙動は安定する一方、巨大バンドルや上流への追随コストが課題。 Phase 2:forked tsgo — Go製のtsgoをサブプロセスで起動し deno check を高速化(簡易ベンチで約2.6倍)。ただしfork維持やLSP対応のコストが重い。 Phase 3:公式npmパッケージへ — forkを捨て、Deno独自の依存をローカルにmaterializeして公式TypeScriptが読める形に橋渡しする方向へ。 私自身Denoを使ったことはないのですが、 deno の裏側でこれほど大きな変遷が起きていたとは知らず、ツールの内部仕様を詳しく知ることができて、話を聞いていてとても面白かったです。「forkも再実装も避けたい」制約の中で、普段は意識しない内部の仕組みまで踏み込んで知ることで、内部アーキテクチャに対する理解が一段と深まったと感じています。 後者は、Sajiさんが実際の業務コードに残った「良くない型」( as や @ts-ignore など)を収集・分類し、そこからTypeScriptの難しさや限界、チームでの向き合い方を考えるという内容でした。普段は細かい型まで意識せずに書いてしまうことも多いため、型との向き合い方を改めて見直す良い機会になりました。AI駆動開発にも規約として活用できそうです。 イベントに参加してみて 塚崎 TypeScriptの高度な型定義について学びが得られたのは大きな収穫でした。 他にもTanStack Start、Oxlintのような最新のフレームワーク・ツールに関するセッションもいくつかあり、技術選定やツールチェーンの見直しの際の参考にもなったかなと思います。 AI周りについても知見を深められました。特にAI活用が当たり前になった現在でいかにして品質を担保するかという視点での学びは大きなものでした。 今回のイベントに参加してみて、勉強のモチベーションも向上したので今後もTypeScriptについて勉強していこうと思います。 佐藤 登壇者や参加者の方々の知識の深さに触れ、自分のTypeScript理解の浅さを痛感しました。 セッション以外でも、各社がスポンサードでブースや企画に趣向を凝らしており、多くの学びがありました。特に、学生支援制度のあるイベントは参加者層が広く、会場全体が活気にあふれていました。参加して良かったなと思います。 高まったモチベーションをそのままに、帰宅後はさっそく自分のポートフォリオサイトの改修に取りかかりました。引き続きTypeScriptについて勉強していこうと思います。 おわりに 例年通りであれば、YouTubeにアーカイブ動画が掲載されると思います。また、登壇された方々が発表スライドを公開しているので、興味を持った方はぜひ覗いてみてください。 来年は社内のメンバーも数人誘って、一緒に参加できればと思います! 本記事が来年以降にTSKaigiへの参加を考えている方の参考になれば幸いです。 参考記事 https://2026.tskaigi.org/

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