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みなさん、こんにちは。今回の月刊 AWS 製造を担当させたいただきます。自動車・製造ソリューションアーキテクトのミカエルです。 今月は、製造関連のビッグイベントである 2026 年のハノーバーメッセの他に、開催予定のイベントや直近 1 カ月に発表された製造関連のブログ・サービスアップデート・事例などをお届けしています。 ピックアップトピック HANNOVER MESSE 2026 2026 年 4 月 20 日 〜 24 日 に開催された Hannover Messe 2026 で、AWS は今年も様々な展示を行いました。AWS の自動車・製造のリーダーである Ozgur Tohumcu の基調講演 では、Volkswagen のデジタル生産プラットフォームを用いた 43 工場における AI の取り組みを紹介し、産業 AI を実務展開する重要性を語りました。 デジタル主権、AI エージェント、フィジカル AI、炭素排出モデルに関する 4 つの講演と 3 つのマスターコースセッションを行いました。 ドイツのロボティクススタートアップ NEURA Robotics との フィジカル AI 分野での協業 や、Infor との ERP でのエージェント AI 活用 が発表されました。 AWS のブースでは、フィジカル AI を始めとした産業 AI の実務適用に向けた様々なデモや、 欧州主権クラウド や、Amazon のサプライチェーンやロボティクスにおける AI 活用の事例を含む 47 に及ぶデモ展示、52 の シアターセッション を実施しました。ブースデモの内容については、 こちらのブログ でご紹介していますので、併せてご覧ください。 AWS Summit Japan 2026 今年の AWS Summit Japan では、製造業向けにはハイライト展示とインダストリ展示を用意させていただいています。 ハイライト展示では、「AI で加速する製造業のルネッサンス」というテーマで、製造業の普遍的な目標であるばらつき低減、迅速な意思決定、生産能力向上を、仮想化・AI・データ統合という最新技術で飛躍的に向上させる「製造業のルネッサンス」を体験できる展示です。サプライチェーンの需要・リスクの予測、工場のボトルネック特定、制御プログラムを含むシミュレーション検証、設備への安全なデプロイ、PLM データを活用した学習レス外観検査まで、AI によって得られる製造現場での新しい能力を実機デモで紹介します。 インダストリ展示では、いくつかの AWS とパートナーのソリューションを紹介します。 直近での開催予定のイベント 5/26 Amazon Quick で実現する AI 業務変革 — 半日で一気見できるパートナーエクスポ Amazon Quick の導入を検討中の企業の DX 推進責任者・IT 部門責任者向けに、多数のパートナー企業が一堂に会し、それぞれの強みと伴走支援サービスをご紹介します。本イベント主催側による最新機能デモと業界別実践ハンズオンに加え、各パートナーの専門性を直接比較・相談できる機会です。一日で複数のパートナーの比較検討できるため、導入判断に必要な情報を効率的に収集し、業務改善への第一歩を早期に踏み出すことができます。 6/25 – 6/26 AWS Summit Japan 2026 今年も日本最大の “AWS を学ぶイベント” AWS Summit Japan が 6 月 25 日(水)、26 日(木)の二日間で開催されます!ベストプラクティスの共有や情報交換のこのチャンスにぜひご来場ください。ご登録は こちらのリンク からお願いします。 製造関連ブログの紹介 4/13 荏原製作所様と共催!社内クラウドイベント「Ebara Cloud Day」開催レポート クラウドに対する心理的障壁を取り除き、社内のクラウド活用文化を醸成することを目的に、2026 年 3 月 25 日にオンラインで開催されました。AWS によるクラウド基礎セッションに加え、社内エンジニア 5 名による LT(新入社員研修での EC2 構築、EC2 運用、中国リージョン導入、Kiro を活用したツール開発、EventBridge/Lambda によるコスト半減事例)が発表され、満足度 4.27/5.0、次回参加意向 100% という高い成果を達成。IT 部門が「クラウドの旗振り役」として社内に認知される契機となった事例です。 AI-DLC は開発をどう変えるか – ブラザー工業エンジニアが語る AI-DLC 体験記 ブラザー工業のエンジニア 4 名が、AI-DLC(AI 駆動開発ライフサイクル)体験会に参加した感想をインタビュー形式で語るブログ記事です。 2026 年 2 月・3 月に各3日間実施された体験会では、要件定義から実装まで開発の全フェーズで AI を活用する新しい働き方を実践。参加者からは「コーディング支援の枠を超えた開発手法の変革」「企画と開発の距離が縮まる」といった驚きの声が上がる一方、ドメイン知識や「問いかける力」の重要性、ジュニアエンジニアの成長機会確保といった AI 時代ならではの課題も浮き彫りになりました。組織展開に向けた具体的な戦略も議論されています。 4/14 パナソニック エレクトリックワークス株式会社の新組織立ち上げに向けた取り組み – AI 駆動開発ライフサイクルと AI 成熟度診断の実践 このブログでは、その立ち上げに向けて AWS と連携して実施した2つの取り組み ― わずか2.5日で動作するシステムを構築する「AI-DLC Unicorn Gym」と、日本初実施となる CAF-AI ベースの「AI Foundation Pack」による組織の AI 成熟度診断 ― を紹介しています。企画と開発の壁を越えたチーム協働の実現と、AI 活用戦略の策定に向けた組織的な目線合わせの実践事例です。 4/19 AWS と NVIDIA によるフィジカル AI の加速: シミュレーションと実世界での学習による本番環境向けアプリケーションの構築 AWS と NVIDIA は、フィジカル AI(ロボットや自律システムが物理世界で知的に行動するAI)を本番環境で実用化するためのリファレンスアーキテクチャを発表しました。このアプローチでは、NVIDIA Isaac Sim と Isaac Lab によるシミュレーション上での高速・安全な大規模訓練と、AWS IoT Greengrass や Amazon SageMaker を活用したエッジデプロイ後の実世界データによる継続的なモデル改善を組み合わせることで、シミュレーションと現実のギャップ(sim-to-real ギャップ)を埋めます。これにより、製造・物流・ヘルスケアなどの分野で、開発を加速しコストを抑えながら、運用中も自律的に性能が向上し続けるフィジカル AI システムの構築が可能になります 。 4/28 製造業 × 生成 AI 、8 社の「ここだけの話」がつながり課題解決を加速する — AWS 生成 AI ラウンドテーブル in 大阪 開催報告 2026 年 3 月 31 日に AWS 大阪オフィスで開催された、製造業 8 社(シャープ、ヤマハ、村田製作所、日立産業制御ソリューションズ、コベルコシステム、東洋紡、大日本印刷、ダイキン工業)のクローズド・ラウンドテーブルの開催報告です。社内ツールの現場定着、少人数での AI 推進体制、製造業特有の非構造化データの扱いといった共通課題に対し、各社の実践知が交換された様子が紹介されています。AWS セッションでは Amazon Bedrock AgentCore を活用した AgentOps の 4 ステップ評価フレームワークも紹介されています。 イベント動画のご紹介 4/29 What’s Next with AWS – AWS and OpenAI leaders on Agentic AI | Amazon Web Services AWS と OpenAI が、エージェンティック AI の次なる展開を共有し、エージェントがビジネスやビルダーの働き方をどのように変えているかを示す新機能を発表します。AWS CEO のMatt Garman 氏、AWS Applied AI ソリューション担当 SVP の Colleen Aubrey 氏、OpenAI CRO の Denise Dresser 氏をはじめとするリーダーたちによる率直なディスカッションをご覧ください。AWS と OpenAI のパートナーシップの拡大、Amazon Quick の新機能、そして Amazon での実際の運用から得た知見をもとに構築されたエージェンティック AI ビジネスソリューションファミリーである Amazon Connect についてお聞きください。 製造関連の主要なサービスアップデート 4/17 Engineering Development Hub (EDH) のリリース Hannover Messe での展示と併せて、2026 年 4 月に元 Scale-Out Computing on AWS (SOCA) が EDH に名前を変えました。EDH は、計算集約型ワークロード向けのマルチユーザー環境を容易にデプロイ・運用できるオープンソースソリューションです。豊富なコンピューティングリソース、高速ネットワーク、無制限のストレージ、予算・コスト管理機能を AWS に統合し、キュー、スケジューラ、AMI、ソフトウェアを自由に構成できる UI と自動化ツールを提供します。スケールアウトワークロードの実行環境として、本番対応のリファレンス実装を提供し、複雑な計算問題のシミュレーションに集中できるよう設計されています。 4/20 AWS IoT Greengrass v2.17 が非ルートインストールをサポートし、新しい軽量コンポーネントを導入 AWS IoT Greengrass v2.17 が利用可能になりました。Linux システム上で非ルートユーザーとしてエッジランタイムを実行できるようになり、メモリ使用量を大幅に削減した軽量コンポーネントのデプロイが可能になりました。AWS IoT Greengrass は、IoT(モノのインターネット)エッジランタイムおよびクラウドサービスであり、お客様がエッジでデバイスソフトウェアを構築、デプロイ、管理することを支援します。 4/26 Research and Engineering Studio on AWS (RES) 2026.03 のリリース Research and Engineering Studio on AWS (RES) は、管理者がセキュアなクラウドベースの研究・エンジニアリング環境を作成・管理するための、オープンソースで使いやすいウェブベースのポータルです。RES を使用することで、科学者やエンジニアはクラウドの専門知識がなくても、データの可視化やインタラクティブなアプリケーションの実行が可能になります。 RES 2026.03 では、管理者が環境の設定と管理をより柔軟に行えるようになりました。管理者は、複数の個別の FSx for ONTAP ボリュームを RES ファイルシステムとしてオンボードできるようになりました。また、DCV トークンの有効期限を設定できるようになり、より長時間のセッションファイルを有効にする場合に便利です。さらに、RES ログインページにアカウント管理ページ、ヘルプドキュメント、利用ポリシーページなどのリソースへのカスタムリンクを最大3つ追加できるようになりました。 4/28 Amazon Connect Decisions のリリース Amazon Connect は、単一製品から、Amazon Connect Decisions (サプライチェーン)、Talent (採用)、Customer (カスタマーエクスペリエンス)、および Health (ヘルスケア) の 4 つを含めた一連のエージェンティック AI ソリューションへと拡大されました。これらは既存のワークフローで機能するように設計されています。 Amazon Connect Decisions は、サプライチェーンチームが事後対応型のオペレーションからプロアクティブ(先手を打つ)なオペレーションへの転換を支援する、エージェント型 AI 計画・インテリジェンスソリューションです。Amazon の 30 年にわたるオペレーション科学と 25 以上の専門的なサプライチェーンツールを組み合わせ、AI チームメイトがお客様のビジネスに適応し、チームの意思決定から学習し、オペレーションを継続的に改善します。Amazon Connect Decisions は、既存のシステムを置き換えることなくサプライチェーンオペレーションを変革したいと考える、小売、消費財(CPG)、自動車、産業製造業などの幅広い業界のお客様にご利用いただけます。 最後までに読んでいただき、ありがとうございました。来月も 月刊 AWS 製造ブログ をよろしくお願いします。 著者について Mickaël Charneau (シャルノ ミカエル) AWS とパートナーのソリューションを元に、自動車と製造のお客様の業務の効率化とデジタルトランスフォーメーションをサポートしているソリューションアーキテクトです。
本ブログは ONESTRUCTION 株式会社様と Amazon Web Services Japan 合同会社が共同で執筆しました。GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)第 3 期の取り組みとして、ONESTRUCTION が AWS の Generative AI Innovation Center(以下、GenAIIC)から技術アドバイスを受けながら開発した、建設・BIM 特化型基盤モデル「Ishigaki-IDS」の開発事例をご紹介します。 背景 ONESTRUCTION 株式会社 ( note ) は、openBIM を中心に建設分野の課題解決に取り組む建設テックスタートアップです。建設業界の人手不足が続く中、設計・施工・維持管理の各段階で情報を一元的に扱える BIM(Building Information Modeling)の活用が、国レベルでも推進されています。一方で、BIM の導入や運用には専門知識が必要であり、習得コストの高さが普及の壁となっていました。 BIM モデル(IFC モデル)に対する情報の付与・照査の内容を定義する XML 形式の規格が IDS(Information Delivery Specifications)です。IDS の作成には、独自の文法に加えて IFC(Industry Foundation Classes)に関する知識やルールの理解が求められます。本プロジェクトでは、この専門知識の障壁を基盤モデルの力で下げ、BIM の専門家でなくても属性情報の確認と管理を行えるようにすることを目指しました。 課題 開発では主に 3 つの課題に直面しました。1 つ目はデータ不足です。IDS は 2024 年に公開された比較的新しい規格であり、建設業はもともと Web 上の公開情報が限られる領域です。金融・医療・法律のような主要ドメインでは数 B から数百 B トークン規模のコーパスが用いられることも珍しくない一方、IDS 領域ではそれに匹敵する量の公開データが存在しません。最新の Web コーパスを収集しても得られる情報はごく少量かつ浅いものにとどまり、大量のデータがなければモデルが IDS や関連情報を十分に学習できず、小手先のテクニックではカバーできない理解不足・精度不足に陥ります。2 つ目は数千規模の IFC 語彙の注入です。例えば「梁」は「IfcBeam」、「エアコン」は「IfcUnitaryEquipment」のように、建設領域の用語を IFC 上の語彙へ正確に対応付ける必要があります。従来は専門家が一つひとつ手作業で紐づけてきた知識を、モデル側に学習させなければなりません。3 つ目は IDS 独自文法の習得です。IDS は単なる XML ではなく、情報付与や確認の対象・記述内容に応じてタグ構造が変化する専用ルールを持ちます。繰り返しや専用タグの使い分けが求められるため、汎用の基盤モデルでは正確に生成することが難しい領域でした。 解決策 学習パイプライン 汎用言語性能とモデルサイズの選択肢を考慮し、Qwen3(8B / 14B / 32B)をベースに 3 段階の学習パイプラインで Ishigaki-IDS を開発しました。 継続事前学習(CPT):Web コーパスに加え、社内のドメインエキスパートと協働して構築した大量の合成データを用い、IDS と IFC に関するドメイン知識をモデルに注入しました。具体的には、妥当性のある IDS を大量に生成するとともに、IDS 関連ドキュメントを多角的に説明する合成データセットを整備し、学習データの多くを合成で補いました。 教師ありファインチューニング(SFT):CSV または自然言語による IDS 作成指示と、出力すべき IDS のペアデータでモデルを学習させ、IDS の「型」を安定して生成できるようにしました。SFT 単独では、XML タグの選択ミスや誤った属性値の付与など、それらしいが不正な生成が残ることが分かっており、後段の学習で補強する前提で設計しています。 検証可能な報酬による強化学習(RLVR):国際標準団体 buildingSMART が提供する IDS-Audit-Tool を報酬関数に組み込みました。同ツールは XML としての整合性、IDS 形式としての妥当性、意味的な整合性の 3 観点を自動検証できるため、モデル自身が出力を試行し、機械的な正誤フィードバックを受けながら改善を重ねられます。RLVR は大量の教師データがなくても出力品質を洗練できるため、データが乏しい IDS 生成タスクとの相性が非常に良いと考えています。 アーキテクチャと評価 学習基盤は、Amazon EC2 P5en インスタンス(p5en.48xlarge × 2 ノード、NVIDIA H200 GPU 搭載)を AWS ParallelCluster でオーケストレーションし、学習データ・合成データ・チェックポイントは Amazon FSx for Lustre 上で高スループットに共有する構成としました。これにより、複数ノードでの分散学習と大容量データの並列アクセスを安定して回しています。評価軸は、社内の IDS 専門家と協働で独自ベンチマーク「IDS-Bench」として構築し、IFC バージョン × 建設分類(意匠/構造/設備/共通)× 言語(日本語/英語)× Implement/Structure/Content の多軸で、実業務に耐え得る精度を測定しました。 結果 開発した Ishigaki-IDS-8B と IDS-Bench は Hugging Face で公開しています。 Ishigaki-IDS-8B IDS-Bench 評価の結果、汎用フロンティアモデルでは十分に対応できないケースが多い一方、Ishigaki-IDS は IDS を適切に生成できることを確認しました。IDS が専門性の高い比較的新しい領域であるため、ドメイン特化モデルであれば解決可能な課題設定であったと考えられます。また、YaRN によるコンテキスト長スケーリングにも対応しており、最大 120k トークンほどの入出力でも問題なく生成できることを確認しました。buildingSMART と実施した実証実験でも、IDS の専門家・非専門家の双方から、業務への活用可能性や、曖昧な表現からでも意図通りの IDS を生成できる点について、ポジティブな反応を得ました。同時に、今後の改善や展開に繋がる多くの示唆もいただき、開発したモデルの実用性と意義を改めて確認できました。 IDS-Bench 評価結果。Ishigaki-IDS(8B / 14B / 32B)は XML 構造準拠・IDS 構造準拠・IDS 内容整合性準拠のいずれでも高いスコアを達成している一方、汎用フロンティアモデルでは低いスコアにとどまっている。 GenAIIC からの技術アドバイザリー ONESTRUCTION が建設・BIM ドメインの知見をもとに開発を主導し、GenAIIC から基盤モデル開発に関する技術アドバイザリーを Bi-weekly で受けながら進めました。開発の節目ごとに学習結果や評価データを持ち寄り、以下の 5 つの観点から GenAIIC の専門的な助言を得ています。 学習データ設計:IDS ドメインにおける合成データ活用と、CPT/SFT/RLVR 各段階のデータ配合・多様性設計 評価ベンチマーク:IFC/IDS 知識、構造化生成、汎用対話を多面的に評価する指標設計 学習段階と学習テクニック:CPT/SFT/RLVR の学習設計と、長文対応・報酬設計・構造化生成の最適化 学習インフラ:大規模分散学習における並列化設計と、スループット・安定性の最適化 実験結果の診断と次段の方向提示:学習・評価結果に基づく課題要因の特定と、次イテレーション方針の整理 これらの観点で「どの方向に振れば IDS 生成の精度と実用性が一段上がるか」を継続的に議論できたことが、データの乏しいニッチ領域でドメイン特化の基盤モデルを短期間で成立させる推進力となりました。 まとめと今後 専門家との協働・合成データ・検証ツール連動型の RLVR の組み合わせが、データが乏しい専門領域のドメイン特化モデル開発に有効であることを確認しました。本開発は、GenAIIC から技術アドバイスを継続的にいただきながら進められたことで、短期間でも高い品質の基盤モデルを完成させることができました。ONESTRUCTION では今後も、AWS との連携を活かしながら、AI を活用した建設 DX の推進に取り組んでまいります。 About the authors 日高洸陽 ONESTRUCTION AI戦略ユニット Manager。自社でのAI開発にとどまらず、自社製品へのAI活用や、クライアントとのAI領域の共同研究も行っています。最近生活の意思決定をAI Agentに預けるようになってきました。好きなSFは、エヴァンゲリオンとSteins Gateです。 金澤 亮 ONESTRUCTION AI戦略ユニット AIエンジニア。建設xAIの基盤モデル開発に取り組んでおり、GENIAC Cycle3ではIDS特化モデルIshigaki-IDSを開発。東京理科大学修士2年。好きなSFは、Steins Gateと三体です。 王 晨光 アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 Applied Scientist。APJCのエンタープライズ企業に対し、LLM・VLM・MLMのトレーニングおよびエージェント導入の技術支援を担当しております。 姜 大原 アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 Senior Deep Learning Architect。9年以上のAI・機械学習の業務経験を持ち、ビジネス環境でデータサイエンスの概念を適用することに熟練しており、現実世界の問題をモデル化し、問題を解決するためにデータを解釈し分析することに経験があります。 Angie Wang アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 Sr. Generative AI Strategist。AWSのお客様を対象に、生成AIの活用戦略策定から本番導入までを支援しています。コンピュータサイエンスとベンチャーキャピタル投資のバックグラウンドを活かし、ビジネス戦略と技術実装の橋渡しを行っています。
2026年4月17日、目黒セントラルスクエア17F AWS Startup Loft Tokyoにて「AWS Container Platform Engineering Meetup」を開催しました。このイベントは、Amazon ECSやAmazon EKSを活用しながらプラットフォームエンジニアリングに取り組む企業が一堂に会し、実践的な知見を共有し合うイベントです。今回は約60名の方にご参加いただき、会場ではPlatform Engineering に関する様々な知見が飛び交いました。 イベント構成 本イベントは3部構成で実施しました。 メインセッション : AWSによるセッションとカスタマー企業によるパネルディスカッション RoundTable Session (事前招待制) : 事前招待制のラウンドテーブルディスカッション ネットワーキング (事前招待制) : 参加者同士の交流 セッションで広い視点を得た後、ラウンドテーブルで具体的な議論を深め、懇親会でさらに交流するという流れが好評でした。 AWSセッション — プラットフォームエンジニアリングの実践 Speaker: Hayashi Masatoshi(アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 Container Specialist SA) オープニングセッションではアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社の林より「AWSが考えるプラットフォームエンジニアリングの実践」を実施しました。クラウドにおけるプラットフォームエンジニアリングにおける様子と、AWSでの実装方法を解説しました。加えて、ECSおよびEKSに関連する最新アップデートを紹介しました。 パネルディスカッション Part 1: Amazon ECS 登壇企業: クックパッド株式会社様、レバレジーズ株式会社様、株式会社タイミー様 Facilitator: Hayashi Masayoshi(アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 Specialist SA) ECSを活用する3社に、コンテナサービスの選択理由、開発者向けインターフェースの設計、チーム組織・文化の3つのテーマで議論いただきました。 コンテナサービスの選択理由 では、クックパッド様からECSからEKSに移行後、再度ECSに戻した経験が語られました。グローバルサービス統合の過程でEKSに移行したものの、運用負荷とチーム規模の変化を踏まえ、ECSのシンプルさを優先して再移行を決断したとのことです。 開発者向けインターフェースの設計 では、レバレジーズ様がTerraformリモートモジュールとコーディングエージェントスキルを組み合わせ、AWSの深い知識がなくても本番インフラを構築できる仕組みを整えた事例を紹介されました。 チーム組織・文化 では、3社ともEmbedded SRE(プロダクトチームにSREメンバーが常駐するモデル)を実践しており、SREチームが撤退した後にナレッジが失われる課題を共通して認識していました。ガードレールによる安全確保や、テンプレートの配布など、各社それぞれのアプローチで対策を講じています。 パネルディスカッション Part 2: Amazon EKS 登壇企業: 株式会社マネーフォワード様、ウォンテッドリー株式会社様、株式会社サイバーエージェント様 Facilitator: Goto Kenta(アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社 Solutions Architect) EKSを活用する3社に、EKSの選択理由と移行事例、プラットフォームの抽象化レベル設計、チーム組織とフィードバックサイクルについて議論いただきました。 EKSの選択理由と移行事例 では、ウォンテッドリー様が2016年からEKS登場以前よりKubernetesを本番運用してきた歴史を紹介しました。Herokuの開発者体験をAWS上で再現するために内製CLIツールを構築し、20回以上のクラスターアップグレードで蓄積された知見が大きな資産になっていると語りました。 プラットフォームの抽象化レベル設計 では、サイバーエージェント様がKubeVelaによる抽象化の取り組みを紹介しました。開発者がKubernetesを意識せずにアプリケーションをデプロイできる環境を実現した一方、プラットフォームが提供するテンプレートへの社内コントリビューションをどう促進するかが次の課題として挙げられました。 チーム組織とフィードバックサイクル では、マネーフォワード様がプラットフォームチームへのリクエスト集中という課題を共有。定型作業の自動化やAI活用の検討、SRE出身者が開発側の業務も担当する柔軟な体制づくりなど、実践的なアプローチが議論されました。 事前招待制 RoundTable Session メインセッション終了後、事前招待した企業によるクローズドなラウンドテーブルを実施しました。EKS/Platform EngineeringグループとECS/Containerグループの2つに分かれ、より踏み込んだ議論が行われました。 EKSグループ では、以下のトピックが議論されました: プラットフォーム提供における失敗と改善のアプローチ プラットフォームの抽象化レベルの設計 プラットフォーム運用におけるAIの活用戦略 マルチテナント環境でのセキュリティ分離 ECSグループ では、以下のトピックが議論されました: ECSにおけるジョブオーケストレーションの課題と各社の工夫 キュー設計と運用のベストプラクティス 組織拡大に伴うアーキテクチャの分離戦略 グローバル展開時のアーキテクチャ設計 フェーズやアーキテクチャの特性が近い企業同士で、具体的かつ実践的な議論が実現しました。 参加者の声 「業界のフロントランナーたちのECS, EKSの選択理由と開発者へ提供するインターフェースについて聞くことができ、非常に参考になりました。」 「現在進行系でPlatform化の議論が行われている状態でちゃんとした形としてプロダクトチームに提供できているわけではないので、ほかの事例ややり方などを聞くことができ助かりました」 「現在ECSを運用していて、規模が大きくなってきたのでそろそろプラットフォームがないと難しいのではないか?という課題感が出てきたので、今回のイベントに参加した。実際にプラットフォームを運用している人たちの、ベストプラクティス以外の生の話を聞くことができて、とても参考になった。次回もあれば参加したい」 「小さい範囲に閉じたミートアップだったことで、より濃い内容の話を聞けたのが良かったです。別のテーマでも実施いただけるとよいかなと思いました」 「セッション → ラウンドテーブル → 懇親会という会の構成が良くて、広い考え方から徐々に具体の話の議論ができて良かったです」 「ラウンドテーブルでは組織規模の近い企業と話すことで、課題感を共有しディスカッションすることができた。」 おわりに 第1回の開催を通じて、コンテナとプラットフォームエンジニアリングに取り組む企業同士が実践知を共有し合う場の価値を実感しました。今後も同様のイベントを企画していく予定です。事前招待制のクローズドセッションにご興味のある方は、ぜひAWSのアカウントチームにお問い合わせください。 著者情報 岸田 晃季(Kishida Kouki) スタートアップソリューションアーキテクト。スタートアップにて機械学習エンジニア、プロダクトマネージャーを経験後、より多くのスタートアップと関わりたいと思い現職にジョイン。スタートアップのために何ができるか日々模索中。



























