株式会社カケハシ の技術ブログ

プログラマのための Functor・Applicative Functor・Monad 入門

はじめに 認証・権限管理基盤チームでソフトウェアエンジニアをしている金子です。 「Monad(モナド)」という言葉をご存知でしょうか。Haskell を少し触ったことがあれば、名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか(私もその一人です)。Monad は圏論という数学の分野から来た概念であり、数学的に正確な理解を得るのは簡単ではありません。 しかし、プログ

スクラムを利用した開発で見積もりを絶対値から相対値に変えたら、チームの議論が深まった話

こんにちは。認証・権限管理基盤チームでソフトウェアエンジニアをしている坂本です。 私たちのチームではスクラムを採用しており、毎週のスプリントプランニングではエンジニア全員でプランニングポーカーによる見積もりを実施しています。 今回の記事では、見積もりの基準を「絶対値(作業時間)」から「相対値(他タスクとの比較)」に変えただけで、見積も

既存システムへの仕様駆動開発ツールの選定・導入・運用

こちらの記事は カケハシ Advent Calendar 2025 の 16日目の記事になります。 はじめに Pocket Musubiチームでソフトウェアエンジニアをしている牧野です。 私たちのチームでは、既存システムへの機能追加のプロジェクトにおいて仕様駆動開発(Specification-Driven Development)を行っています。 本記事では、ツールの導入検討から実際の運用、チーム全体での学習プロセスまでを具体

TypeScriptのテストにはas const satisfiesが便利です

こちらの記事は カケハシ Advent Calendar 2025 の 14日目の記事になります。 はじめに こんにちは、kosuiこと岩佐 幸翠(@kosui_me)(id:kosui_me)です。カケハシで認証基盤・ライセンス基盤・組織階層基盤などのプラットフォームシステムを開発・運用する認証・権限管理基盤チームのテックリードをしています。 認証・権限管理基盤チームではサーバサイドTypeScriptにて基盤システム

カケハシでの発信活動が教えてくれた仕事の楽しさ

こんにちは、AI在庫管理のプロダクト開発をしているソフトウェアエンジニアの鳥海 (X: @toripeeeeee)です。 今まで発信活動もほとんど行っておらず、発信することに対して苦手意識もある私が、カケハシに入社してから発信活動を始めたところ、予想以上に仕事が楽しくなってきました。そこで、カケハシで発信活動をやり始めたきっかけや、テックブログの執筆や登壇を

Terragrunt実践Tips5選 ─ さらにDRYに書くための上級テクニック

AI在庫管理の開発チームでバックエンドエンジニアをしている沖(@takuoki)です。 最近、新しい環境でインフラをゼロから構築する機会があり、Terragruntを採用しました。採用した一番の理由は、複数環境の設定をもっとDRY(Don't Repeat Yourself)に書きたかったからです。というのも、AI在庫管理でもTerraformを利用していますが、複数環境を用意するために全環境で共通の設定

タスクの棚卸しをAIにやってもらいたい

こんにちは、カケハシのMusubi基盤開発チームでSREをしているmorityです。 これは、カケハシ Advent Calendar 2025 の10日目の記事です。 はじめに 当時の私は入社3ヶ月目で、既に作成されているチケットの背景や詳細をあまり知らない状態でした。Musubi基盤開発チームではJiraでタスク管理を行っており、エピックやチケットをきちんと起票して管理する文化は根付いていたのです

Terraform × Claude Codeで属人化を解消:Datadogモニター設計を改善してわかりやすくする実践例

はじめに こんにちは、PocketMusubiチームでエンジニアをしている南光です。 こちらの記事は カケハシ Advent Calendar 2025 の 9日目の記事になります。 さて、Datadogのモニター(アラート)設定、こんな経験はありませんか? 「閾値、とりあえず10件にしておくか...」 「この設定、なんでこの値なんだっけ?」 「レビューで指摘したいけど、自分も正解がわからない」 監視設定

モノレポ と「育つ仕様書」で実現する、LLM時代のマルチ言語システム構築

こちらの記事は カケハシ Advent Calendar 2025 の 8日目の記事になります。 はじめに ソフトウェアエンジニアのkackyです。 「kintoneの契約データを、Databricks経由でAWS上のプロダクトに同期したい」 このような要件を受けたとき、どのような開発ステップが浮かぶでしょうか? kintoneのデータ構造を理解する プロダクト側のAPI仕様を把握し、TypeScriptで書かれたバックエンドと連

エンジニアがカンファレンスのブース対応をして良かったこと

こんにちは、AI在庫管理のプロダクト開発をしているソフトウェアエンジニアのもっち(X: @mottyzzz)です。 普段はプロダクトやシステムと向き合う日々を送るソフトウェアエンジニア(以下エンジニア)の皆さん、技術カンファレンスでブース対応と言われると、「知らない人とコミュニケーションするの苦手…」「エンジニアは機能開発に専念していた方が良いのでは」など

生成AIフレンドリーなフロントエンド基盤をつくる

こちらの記事は カケハシ Advent Calendar 2025 の 5日目の記事になります。 こんにちは。生成AI研究開発チームでソフトウェアエンジニアをしているNokogiri(@nkgrnkgr)です。 はじめに 私たちのチームでは、新規プロジェクトを始めるにあたり、今後少ない人数で保守性の高いコードを高速に開発できることを目標にフロントエンド基盤を整えることにしました。その過程で、生

LLM のフォールバックをどうテストする? Node.js で手軽に障害再現&カオスエンジニアリング

こちらの記事は カケハシ Advent Calendar 2025 の 4日目の記事になります。 はじめに 生成AI研究開発(GenAI)チームでソフトウェアエンジニアをしている坂尾です。 私たちのチームでは、生成 AI を利用したサービスを開発しています。このサービスでは、Google の Gemini や AWS の Bedrock など、外部 LLM サービスを利用しています。 なお、外部 LLM サービスの利用にあたっては、カケ

2025年のカケハシSRE組織をふりかえる

こちらの記事は カケハシ Advent Calendar 2025 の 3日目の記事になります。 はじめに カケハシのSRE組織は、各プロダクトにEmbedded SREが入り、横断側のPlatform SREが全体最適を支える形で動いています。 参考資料: How SRE teams are organized, and how to get started - Google Cloud Blog 2024年末には、技術・組織の複雑化に伴い、横断フィードバックループと役割/責任(RACI)の明確化が不可欠だと

爆速でプロダクトをリリースしようと思ったらマイクロフロントエンドを選んでいた

こんにちは。生成AI研究開発チームでソフトウェアエンジニアをしているNokogiri(@nkgrnkgr)です。 本記事は、2025年9月21日に開催されたフロントエンドカンファレンス東京での発表内容をブログ記事としてまとめたものです。 発表資料はこちらです。 はじめに カケハシでは、約10年運用されているクラウド型電子薬歴システム「Musubi」に生成AI機能を搭載するプロジェクト

PdMがAI×Databricksで5分待ちの外注システムからデータを取り戻すまで

こちらの記事は カケハシ Advent Calendar 2025 の 2日目の記事になります。 こんにちは!データが好きすぎる梶村(@n_kaji_kaji)です。 カケハシで薬局向けの在庫管理発注システムである「AI在庫管理」というプロダクトのPdMをしていますが、データが好きすぎて担当領域を超えて子会社のデータ移管を行いました。 皆さんの会社にはパッケージの外注基幹システムや開くのに5分