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みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。 今回からサムネイルがリニューアルされ、新メンバーの古屋さんも一緒に写って心機一転、今年も張り切って週刊AWSお届けしたいと思います。ちなみに新年を迎えてから、私はずっとkiroに向き合って時間を過ごすことが多く、最近個人的にアプリを世に公開しました。いろいろとAI駆動開発のコツが身についてきた感じがします。こんな感じで週末プログラマーが今後どんどん増えていくんだろうなと思っています。 それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。 2026年1月26日週の主要なアップデート 1/26(月) AWS Transfer Family が Amazon FSx for NetApp ONTAP をサポート開始 AWS Transfer Family で Amazon FSx for NetApp ONTAP のファイルシステムに SFTP / FTPS / FTP でアクセスできるようになりました。これまで NFS / SMB でのみアクセス可能だった FSx for ONTAP のデータに、外部パートナーや内部ユーザーが業界標準のファイル転送プロトコルでセキュアにアクセスできます。S3 Access Points 経由でのアクセス制御により、既存のファイルシステムワークフローを維持しながら、データセキュリティとコンプライアンス要件を満たせます。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 Amazon WorkSpaces Core がマネージドインスタンスの月額料金を発表 Amazon WorkSpaces Core の管理インスタンスに月次固定料金プランが新登場しました。従来は時間単位課金のみでしたが、常時稼働するデスクトップ環境では月次プランの方がコスト削減できます。例えば毎日 8 時間以上利用する場合、月次プランが経済的です。一方で利用頻度が不定期な場合は時間単位課金がお得。同じ環境内で両方の課金方式を混在させることも可能になり、用途に応じた柔軟なコスト管理が実現できます。 Amazon Bedrock がプロンプトキャッシュで 1 時間の持続時間をサポート Amazon Bedrock で Anthropic Claude モデルのプロンプトキャッシュが 1 時間まで延長可能になりました。従来の 5 分から大幅に延長され、長時間の AI エージェントワークフローや複数回にわたる会話でコスト効率と性能が向上します。例えば、ユーザーが断続的にやり取りするチャットボットや、複雑な処理を段階的に実行する AI エージェントで特に効果的です。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 1/27(火) Amazon Connect でケースに対する詳細なアクセス制御がサポートされました Amazon Connect Cases でタグベースのアクセス制御が利用できるようになりました。これまでは細かいアクセス権限設定が困難でしたが、ケーステンプレートにタグを設定し、セキュリティプロファイルで特定タグ付きケースへのアクセスユーザーを制限できます。例えば詐欺関連ケースに専用タグを付けて詐欺対応チームのみアクセス可能にするなど、データガバナンスが強化されます。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 AWS Marketplace が FPGA 製品への AMI セルフサービスリスティング体験を拡張 AWS Marketplace で FPGA (Field Programmable Gate Array) を使った AMI 製品の出品がセルフサービスで可能になりました。従来は手動フォームでの申請が必要でしたが、新しい UI や API を使って直接出品できるようになり、市場投入までの時間を大幅に短縮できます。Amazon F2 インスタンスで動作する高性能な AI や機械学習向けハードウェアアクセラレーターなどの製品販売が効率化され、開発者や企業がより迅速にビジネスを展開できるようになります。詳細は こちらの Seller Guide をご参照ください。 Amazon WorkSpaces が高度なプリンターリダイレクション機能を発表 Amazon WorkSpaces Personal で高度なプリンター リダイレクション機能が利用開始となりました。Windows ユーザーが仮想デスクトップから両面印刷、用紙トレイ選択、ステープル機能などプリンターの全機能を活用できるようになります。従来は基本的な印刷しかできませんでしたが、専門文書やラベル印刷など業務で必要な高度な印刷機能が使えるため、オフィス環境と同等の印刷体験を実現します。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 1/28(水) マルチリージョン強整合性を持つ Amazon DynamoDB グローバルテーブルが AWS Fault Injection Service によるアプリケーション復旧力テストをサポート Amazon DynamoDB global tables with multi-Region strong consistency が AWS Fault Injection Service (FIS) に対応しました。これにより、リージョン障害などの実際の障害シナリオを意図的に発生させて、アプリケーションがどう応答するかをテストできるようになりました。従来は実際の障害が起きるまでアプリの復旧力を検証できませんでしたが、今回のアップデートで事前にテストして監視や復旧プロセスを改善できます。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 1/29(木) Amazon GameLift Servers がゼロインスタンスへの自動スケーリングに対応 Amazon GameLift Servers でインスタンス数を 0 まで自動スケールできるようになりました。従来は低アクティビティ時でもインスタンスを稼働し続ける必要がありコストがかかっていましたが、今回のアップデートでゲームセッション要求時のみ自動でスケールアップし、非アクティブ時は完全にスケールダウンできるようになります。ピーク・オフピーク時間が明確なゲームや季節性ゲーム、新規ローンチゲームで大幅なコスト削減が期待できます。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 AWS が AWS MCP Server (プレビュー) でデプロイメントエージェント SOP を発表 AWS MCP Server で Deployment Agent SOPs がプレビュー開始されました。これにより、開発者は自然言語のプロンプトだけで Web アプリケーションを AWS にデプロイできるようになります。従来はプロトタイプから本番環境への移行に複雑な DevOps 作業が必要でしたが、今回のアップデートで React や Vue.js などのフレームワークで作成したアプリを、たった一つのプロンプトで本番デプロイまで自動化できます。AWS CDK や CI/CD パイプラインも自動生成されるため、開発効率が大幅に向上します。バージニア北部リージョンでプレビュー提供中です。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 Amazon Bedrock が Responses API を使用したサーバーサイドカスタムツールをサポート開始 Amazon Bedrock の Responses API でサーバーサイドツールのサポートが開始されました。これまではクライアントサイドでのツール利用のみでしたが、今回の更新によりサーバーサイドでも直接ツールを呼び出せるようになります。これにより AI アプリケーションが Web 検索、コード実行、データベース更新などをリアルタイムで実行できるため、より高度な自動化処理が可能です。カスタム Lambda 関数や AWS 提供ツールを利用でき、バージニア北部、東京、ミラノなど 9 つのリージョンで利用開始されています。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 1/30(金) Amazon RDS for Oracle が追加ストレージボリュームを使用したクロスリージョンレプリカをサポート開始 Amazon RDS for Oracle でクロスリージョンレプリカが追加ストレージボリュームに対応しました。これまでプライマリストレージのみでしたが、最大 3 つの追加ボリューム (各 64 TiB) を設定でき、合計 256 TiB まで拡張可能です。ダウンタイムなしでストレージ容量を調整でき、災害復旧用のレプリカでも同様の柔軟性を得られます。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 新しい Partner Revenue Measurement により AWS サービス消費量の可視性を提供 AWS が Partner Revenue Measurement という新機能を発表しました。AWS パートナーが自社のソリューションがどの程度 AWS サービスの利用につながっているかを可視化できるようになります。これまでパートナーは自分たちの提供するソリューションの AWS 収益への影響を具体的に測定することが困難でしたが、AWS Marketplace の製品コードを使ったタグ付けにより定量的な測定が可能になりました。パートナーにとって自社製品の価値を数値で示せるメリットがあります。詳細は こちらのオンボーディングガイドをご参照ください。 Amazon SageMaker Unified Studio が AWS PrivateLink をサポート開始 Amazon SageMaker Unified Studio が AWS PrivateLink に対応しました。これまではデータ通信がパブリックインターネットを経由していましたが、今回のアップデートにより VPC 内での完全なプライベート接続が可能になります。企業のセキュリティ要件が厳しい環境や、機密データを扱う ML プロジェクトにおいて、データ転送の安全性を大幅に向上させることができます。東京リージョンを含む 15 のリージョンで利用可能です。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 それでは、また来週お会いしましょう! 著者について 戸塚 智哉(Tomoya Tozuka) / @tottu22 飲食やフィットネス、ホテル業界全般のお客様をご支援しているソリューション アーキテクトで、AI/ML、IoT を得意としています。最近では AWS を活用したサステナビリティについてお客様に訴求することが多いです。 趣味は、パデルというスペイン発祥のスポーツで、休日は仲間とよく大会に出ています。
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。 ついに 12 月 1 日から 5 日で re:Invent 2025 が開催されます。私もデモ展示員として、現地ラスベガスに行く予定なので、ぜひ現地に行かれる方は Builders Fair で展示している私のブースにお越しください。そのブースでは、生成 AI を活用したロボットの自動走行デモを今絶賛開発中で、間に合わせるために必死に頑張っています。 それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。 2025年11月10日週の主要なアップデート 11/10(月) Amazon SageMaker Unified Studio がカタログ通知のサポートを追加 Amazon SageMaker Unified Studio でデータカタログの通知機能が利用できるようになりました。データセットの公開や更新、アクセス承認などの重要な変更をリアルタイムで受け取れます。プロジェクトホームページの「ベル」アイコンから通知を確認でき、通知センターでは全ての通知を一覧表示して必要に応じてフィルタリングも可能です。データチーム間のコラボレーションがスムーズになり、重要な更新を見逃すリスクが大幅に減ります。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 AWS Control Tower がアカウントの自動登録をサポート AWS Control Tower で、アカウントを組織単位 (OU) に移動するだけで自動的にガバナンス管理下に登録できる機能が追加されました。従来は手動でのアカウント更新や OU の再登録が必要でしたが、この機能により大幅に簡素化されます。アカウント作成後に適切な OU に移動するだけで、ベストプラクティス設定やコントロールが自動適用されるため、管理者の運用負荷が軽減されます。 MSK Express ブローカーが追加コストなしでインテリジェントリバランシングをサポート、アクション不要 Amazon MSK の Express brokers で インテリジェントリバランシング が無料提供開始しました。Kafka クラスターのスケーリング時に自動でパーティションバランシングを実行し、Standard brokers と比較して最大 180 倍高速に処理できます。これまで手動や外部ツールで管理していたパーティション操作が不要になり、クラスター性能を最大化できます。新規 MSK Provisioned clusters では追加設定なしで利用可能です。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 11/11(火) Amazon EC2 M8a インスタンスが追加リージョンで利用可能に Amazon EC2 M8a インスタンスがバージニア北部と東京リージョンで利用開始されました。AMD の第 5 世代 EPYC プロセッサを搭載し、従来の M7a と比較して最大 30 % のパフォーマンス向上と 19 % の価格性能比改善を実現しています。メモリ帯域幅も 45 % 向上したため、レイテンシが重要なアプリケーションでも快適に動作します。金融アプリケーション、ゲーム、レンダリング、アプリケーションサーバーなどの高性能を必要とするワークロードに最適で、12 種類のサイズから選択可能です。 Mountpoint for Amazon S3 が Amazon Linux 2023 に含まれるようになりました Amazon Linux 2023 で Mountpoint for Amazon S3 が標準提供開始されました。これまで GitHub からパッケージをダウンロードして手動インストールする必要がありましたが、今後は1つのコマンドで簡単にインストール・アップデートが可能です。S3 バケットをローカルファイルシステムのようにマウントできるため、既存のアプリケーションを変更せずに S3 のデータにアクセスできます。サーバー上でのデータ処理やバックアップ作業が大幅に効率化されるでしょう。 Amazon CloudWatch Composite Alarms にしきい値ベースのアラート機能を追加 Amazon CloudWatch Composite Alarms で、しきい値ベースのアラート機能が追加されました。従来は個々のアラームごとに通知を受け取っていましたが、今回のアップデートで複数のリソースのうち一定数に問題が発生した場合にのみ通知を受け取れるようになりました。例えば 4 つのストレージボリュームのうち最低 2 つで容量不足が発生した場合や、クラスター内の 50 % のホストで CPU 使用率が高くなった場合に通知するといった柔軟な設定が可能です。これにより軽微な問題による不要なアラートを削減し、本当に重要な問題に集中できます。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 11/12(水) Amazon EC2 F2 インスタンスが 4 つの追加 AWS リージョンで一般提供開始 Amazon EC2 F2 インスタンスが新たにフランクフルト、東京、ソウル、カナダ中部の 4 リージョンで利用開始となりました。F2 インスタンスは FPGA 搭載の第二世代で、従来の F1 インスタンスと比較して 3 倍の vCPU、2 倍のメモリを提供します。遺伝学研究やマルチメディア処理、ビッグデータ解析などの高速計算処理が必要な用途で威力を発揮します。これにより計 8 リージョンでの利用が可能となり、より多くの地域で FPGA の高性能を活用できるようになりました。 AWS Builder Center で Spaces が利用可能になりました AWS Builder Center に Spaces という新しいコミュニティ機能が登場しました。AWS に関する特定のトピックやユースケースについて、他のエンジニアとグループを作成して情報交換できるツールです。Public、Private、招待制の 3 つのスペースタイプから選択でき、投稿やコメント、検索機能を通じて知識共有や課題解決の議論が可能になります。AWS の学習で困った時に仲間を見つけたり、ベストプラクティスを共有したりする場として活用できそうです。 セキュリティインシデント対応のコミュニケーション設定の発表 AWS Security Incident Response で通知設定のカスタマイズ機能が追加されました。これまでは全メンバーが全ての通知を受信していましたが、今回のアップデートで役割に応じて必要な通知のみを選択できるようになりました。例えば管理者はケース変更通知を、一般メンバーは組織のお知らせのみを受け取るといった設定が可能です。不要な通知が減ることで重要な情報に集中でき、作業効率が向上します。追加費用なしで Security Incident Response コンソールから簡単に設定できます。 11/13(木) Amazon Kinesis Video Streams WebRTC マルチビューワー が一般提供開始 Amazon Kinesis Video Streams で WebRTC Multi-Viewer 機能が提供開始されました。これまで 1 対 1 だったリアルタイム動画配信が、最大 3 人の同時視聴者に対応しました。デバイスの負荷を増やすことなく、セキュリティカメラや IoT デバイスからの映像を複数人で共有でき、音声会話も可能です。家庭のセキュリティシステムでの家族間共有や、リモート監視システムでの複数オペレーター対応など、幅広い用途で活用できます。詳細は こちらのガイドをご参照ください。 Amazon Connect がマネージャーによるエージェントパフォーマンス評価の完了に関するメトリクスを提供開始 Amazon Connect でエージェントのパフォーマンス評価完了状況を測定するメトリクスが新たに提供開始されました。マネージャーは「月 5 回の評価」などの社内ポリシーや規制要件への準拠状況をリアルタイムで監視できるようになります。さらに、異なるマネージャー間の評価スコアパターンを分析することで、評価の一貫性と精度の向上も図れます。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 AWS IoT Core が Amazon Sidewalk 対応デバイス向けの位置解決機能を追加 AWS IoT Core Device Location が Amazon Sidewalk デバイスの位置解決機能を追加しました。従来は GPS ハードウェアが必要でしたが、WiFi アクセスポイントや Bluetooth Low Energy データを活用して低電力デバイスの位置を特定できるようになります。これによりアセット追跡やジオフェンシングアプリケーションをより効率的に構築可能です。Amazon Sidewalk は Echo や Ring デバイスを通じた安全なコミュニティネットワークで、IoT デバイスにクラウド接続を提供します。バージニア北部リージョンで利用開始され、米国内でのみ Amazon Sidewalk ネットワークが使用できます。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 11/14(金) AWS Lambda が Rust のサポートを追加 AWS Lambda で Rust が正式サポートされました。これまで実験的な扱いだった Rust が、本格的な本番環境での利用が可能になります。Rust は高性能でメモリ効率が良く、コンパイル時の安全性チェックが特徴的な言語です。パフォーマンスを重視するサーバーレスアプリケーションの開発に最適で、従来の言語では難しかった高速処理が求められるワークロードでも安心して利用できます。詳細は こちらの Blog 記事をご参照ください。 Amazon SageMaker Catalog が Amazon S3 への読み取りおよび書き込みアクセスをサポート Amazon SageMaker Catalog が Amazon S3 への読み書きアクセスに対応しました。これまでデータの検索や共有に制限がありましたが、今回のアップデートでデータサイエンティストが非構造化データを簡単に検索し、構造化データと組み合わせて処理できるようになりました。処理結果を S3 に保存して他チームと自動共有することも可能です。データ提供者は読み取り専用または読み書き両方のアクセス権限を選択でき、セキュリティを保ちながら効率的なデータ分析が実現できます。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 AWS IoT サービスが VPC エンドポイントと IPv6 接続のサポートを拡張 AWS IoT Core、AWS IoT Device Management、AWS IoT Device Defender で VPC エンドポイントと IPv6 サポートが拡張されました。AWS PrivateLink を使って VPC エンドポイントを設定することで、IoT デバイスからの通信がパブリックインターネットを経由せずプライベートネットワーク内で完結できるようになり、セキュリティが大幅に向上します。また IPv6 サポートにより既存の IPv4 環境と併用しながら最新のネットワーク要件にも対応可能です。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 実は今週末、趣味でやっているパデルのシニア日本代表を決める試合があり、出場予定です。reInvent の準備も忙しいのですが、体づくりもしっかりして万全の状態で今月乗り切りたいです。よい結果になることを期待してください。 それでは、また来週お会いしましょう! 著者について 戸塚 智哉(Tomoya Tozuka) / @tottu22 飲料業界やフィットネス、ホテル業界全般のお客様をご支援しているソリューション アーキテクトで、AI/ML、IoT を得意としています。最近では AWS を活用したサステナビリティについてお客様に訴求することが多いです。 趣味は、パデルというスペイン発祥のスポーツで、休日は仲間とよく大会に出ています。
こんにちは、 電通 総研 コーポレート本部 サイバーセキュリティ推進部の櫻井です。 本記事ではCompTIA SecurityX認定に関する紹介をします。 なお、本記事でご紹介する資格の情報は2025年5月時点のものとなります。 CompTIA SecurityX認定とは? CompTIAはIT業界内で作成された各業務の実務能力基準の認定活動などを行っているIT業界団体であり、同様の団体にはISC2(International Information System Security Certification Consortium)やISACA(Information Systems Audit and Control Association)が挙げられます。 また、CompTIA SecurityXはCompTIAのサイバーセキュリティ分野の資格群では最上位(EXPERT)にマップされています(※1)。 Comptia IT Certification Roadmapより出典 想定される受験者としてサイバーセキュリティ分野における高位の実務者を想定していますが、ガバナンス、リスク、 コンプライアンス の要件と法律を意識した設計での知識も要求されます(※2)。また、米国 国防総省 指令 8140.03M で定義されている DCWF(The DoD Cyber Workforce Framework)内のワークロールにも マッピング されています(※3)。 あとから思いましたが、なんかすごそうな資格です。 ※1 Comptia IT Certification Roadmap ※2 Comptia 公式サイト(日本語) ※3 CompTIAとDoDM8140.03:サイバーセキュリティ分類標準の遵守 以降、CompTIA SecurityXを本試験と表記しますのでご了承ください。 受験に至った経緯 筆者は前職までオンプレ、 クラウド を問わずシステムの設計/構築/運用を行ってきました。 電通 総研に中途入社し、現職(サイバーセキュリティ推進部)の業務ではシステムのリスク評価や社内のガバナンス、リスク評価、技術的セキュリティレビューに関わる必要があり、包括的なセキュリティ フレームワーク の知識を習得することが必要と考えている最中に本試験の存在を知りました。 本試験の他に横並びで受験を検討していたものとしては、ISC2が主催するCCSP(Certified Cloud Security Professional ※4)や CISSP (Certified Information Systems Security Professional ※5)がありましたが、前段となるSecurity+や CySA+が存在し、ステップアップがふみやすい点を考慮し、本試験を含むCompTIAの認定試験を選択しました。 また、本試験は2024年12月に新しく配信が開始されたCAS-005と以前から存在するCASP+(旧CompTIA Advanced Security Practitioner+)から名称が置き換えられたCAS-004の2種類の試験が受験可能が存在しますが、今回は予約時点で日本語試験対応済みであったCAS-004を受験しています。 ※4 CCSP®とは ※5 CISSP®とは 試験概要 CompTIA公式の紹介から要点を紹介します。(※6) テスト形式:CBT(ピアソンVUE予約) テストセンター受験、オンライン受験(※7) 問題数:最大90問 出題形式:単一/複数選択、パフォーマンスベーステスト 試験時間:165分 その他 退出(とりわけ途中離席)が可能かはテストセンターに事前に確認した方がよさそうです。 ※6 CompTIA CASP+ 試験情報 ※7 CompTIA オンライン試験実施概要 単一/複数選択 複数の選択肢から1つの選択肢を選ぶ一般的な選択問題です。 パフォーマンスベーステスト 一般的な表現ではシミュレーション問題となります。正解の選択肢が複数存在するケースについては全て選択する必要がありますのでその点を注意してください。また、事前にCompTIA公式のサンプル問題を確認しましょう。(※8) ※8 CompTIA パフォーマンスベーステスト サンプル問題 試験に出題される領域 一言でいうと「幅広い」という表現になり、本試験では主に技術用語に関して膨大な知識を要求されます。 セキュリティなら全部という表現が正しいですが、技術の階層に関してはオンプレ or クラウド 、アプリケーション or インフラという二者択一ではなくセキュリティすべての領域が対象です。 様々な試験を受けてきた筆者ですが、ここまで広範囲の領域を問われる試験は経験がなくひたすら自力を要求されます。 設計/開発のみの経験しかない場合はインシデント対応や リスクアセスメント のケース問題で悩むことはあるかと思いますが、必要とする知識を備えていれば後述の問題集を元に対応することは可能だと筆者は考えています。 注意点 本試験には一般的なITインフラから外れる内容として産業向けインフラ分野が含まれています。筆者もこの試験を受ける前まで触れたことがなく、大部分の方は初めて接することになると思われますので、用語リストで確認を行いましょう。 分野配分 本試験の分野としては以下の4分野の配分となっています(※9)。海外の法律に関する問題を含め、普段あまり触れることのない領域の問題も出題されますので、後述の略語リストで確認を行いましょう。 セキュリティ アーキテクチャ  29% セキュリティオペレーション 30% セキュリティエンジニアリングと暗号化技術 26% ガバナンス、リスク、 コンプライアンス  15% ※9 CompTIA CASP+ 試験情報 予約方法 ピアソンVUEのサイト(※10)からログインを続行することでCompTIA側のサイトにリダイレクトされるので、新規にアカウントを作成することで試験情報の紹介や試験予約が可能になります。 注意点 住所は正しく登録しましょう。CBT試験開始前に氏名と住所による身分証明の確認は当然行われますが、合格した場合は数か月後に郵送で資格証が登録している住所に届きますので郵送も可能なように登録する点に注意しましょう。(※11) ※10 ピアソンVUE CompTIA | コンプティア認定試験 ※11 CompTIA 認定証の発送方法 利用したコンテンツ 筆者はTAC社の CompTIA Security X(旧 CASP+)(CAS-004)Web模擬試験 を利用しました。利用してみて評価はかなり高いです。 実際の試験と同じ出題形式でまとまっており、確認と仕上げをするには十分な分量です。 要点と注意点(※12) 問題数は模擬試験2回分。 コンテンツ利用期間は購入してから約2か月の期間で、TAC社の専用Webサイトでの利用となります。 購入後、初回ログインのためのID/Passwordは登録住所に郵送となります。(1週間程度かかります) 事前に細かいところまで知識を詰めたいということであればCompTIA公式のThe Official CompTIA CASP+ Self-Paced Study Guide 書籍 日本語版の利用を検討してもよいと思います。(※13) 筆者は後述のおススメの勉強法でも紹介している通り、本試験のみに合わせた方法はでなくても合格できると考えているため、Study Guideの利用は見送りました。 また、udemyのコンテンツの利用も検討しましたが、以下の理由から筆者は良質なコンテンツを選ぶ難易度が高いと判断したため見送りました。 本試験に適合するe-Learningのコンテンツは現時点で日本語非対応のものしか見当たらなかった。 問題集は、多数存在するが、玉石混交であるため見分けるのが難しい。 ※12 TAC社 CompTIA「Web模擬試験」 ※13 CompTIA jp Store The Official CompTIA CASP+ Self-Paced Study Guide 筆者の前提知識 先の通り筆者はオンプレ& クラウド 、ネットワーク&セキュリティのごちゃまぜエンジニアです。担務領域に関しては特にこだわりなくなんとなく興味を持った資格は取得してます。(※ My credly ) その点を踏まえ、次のセクションの勉強法では各分野の知識を既に習得済みの上級者(CompTIAの想定する10 年間の一般的な IT の実務経験済み)向けの勉強法と、上級者に該当しない中級者向けの勉強法に分けて紹介します。 AWS Azure Google CompTIA その他 AWS Certified Solutions Architect - Associate Azure Administrator (AZ-104) Associate Cloud Engineer CompTIA Cloud+ IPA ネットワークスペシャリスト 試験 AWS Certified Security - Specialty Azure Security Technologies (AZ-500) Professional Cloud Security Engineer CompTIA Security+ IPA 情報処理 安全確保支援士 (登録) AWS Certified Advanced Networking - Specialty Azure Network Engineer (AZ-700) Professional Cloud Network Engineer CompTIA CySA+ ---- おススメの勉強法 上級者向け 筆者は受験に至った経緯と前提知識の通り クラウド 、セキュリティ分野は初学ではなくそれぞれの分野で上位資格( AWS Certified Security - Specialty、Professional Cloud Security Engineer等)を既に取得しています。同じように本試験のレベルと同程度のスキルを既に持っている方は、最初に試験自体について要点を抑えることを推奨します。 本試験の「カバーする領域がどこまでなのか?」を理解する事が重要であり、CompTIA公式のCompTIA Advanced Security Practitioner(CASP+) 認定資格試験出題範囲(※14)を一読してみるのが良いです。とはいえ、流し見しても全く理解は進まないと思いますので、具体的な方法として以下をお勧めします。 末尾に付属している略語リスト、一覧についてわからないものは全部調べてみる。 CASP+(CAS-004) 略語リスト ECDSA、 FPGA 、CASB等明らかに階層が全く違う専門用語が並んでいます。 CASP+ ハードウェアとソフトウェア一覧 略語リストほどピンポイントではないですが、ある程度対象となるようなコンテンツを確認するのに役立ちます。 上記までを完了し、TAC社の問題集を利用した学習を進めれば、最低限の合格ラインには達すると思います。どうしてもこの分野だけわからないということであれば物理インフラやガバナンスだけ追加で勉強する等対策を行うのがよいです。また、本試験でも海外の法律に関連した問題が出題されることがあるため、問題集で出題されるものは最低限は押さえておきましょう。 ※14 CompTIA CASP+出題範囲 中級者向け 中級者については特定の分野では知見がある方や クラウド やセキュリティに関わって間もない方もいらっしゃると思いますが、基本的には広範囲で知識が足りない可能性が高いです。 そのため、本試験への直接チャレンジは難しいかと思いますので、先に クラウド 分野、インフラ分野、セキュリティ(ガバナンス)分野で学習を行い、それぞれ1つくらい資格を取得する流れをお勧めします。以下が筆者が考えている資格例です。 クラウド 分野 インフラ分野 セキュリティ (ガバナンス)分野 CompTIA Cloud+ CompTIA Network+ CompTIA Security+ (及び CySA+) AWS Certified Solutions Architect - Associate Cisco Certified Network Associate IPA 情報処理 安全確保支援士試験 Azure Administrator (AZ-104) IPA ネットワーク スペシャ リスト試験 ---- 上記レベルの資格をそれぞれの分野で取得していれば(ないしそれに準ずる知識があれば)本試験を受験できるレベルに達しています。先の紹介している産業向けインフラ領域や国外の法律を除き全く知らない技術が出てくることはほぼないと思います。 筆者は本試験に関する事前知識としては スペシャ リストレベル(とりわけ クラウド 領域)の知識は不要と考えています。出題範囲が広く習得しないといけない分野が多岐にわたるため、各領域のエントリー~中級レベルで下地となる知識を備えた上で、「上級者向け」の対策を行い、本試験に合わせるという勉強法が良いと思います。 受験所感 筆者は無事1回目で合格できましたが、事前の予想通り、出題範囲は広く、問題数はやはり多かったです。以下、受験後の所感です。 問題数が多いため全体の時間配分に注意する。 何度も読み直してもいまひとつ理解できない問題は出題される。 日本語翻訳の問題もありますが、回答者として見るべき視点が違ったのではないかと振り返って思います。 選択肢がかなり似ている問題も存在する。 消去法で対応するしかありませんが、問題で何を求めているかを再確認しましょう。同一の技術用語が含まれている場合でも求められている使用法が異なるケースも存在します。 総評(有用か否か?) ここまで読んでいただいて「かなり面倒な試験なのでは?」、「取得する意味あるの?」と思われた方もいるかと思いますので、筆者なりのメリット、デメリットを紹介したいと思います。 メリット 表面的なセキュリティに詳しいだけでは合格できないため、IT全般の領域で知識レベルは相当高いことが証明できる。少なくとも筆者の評価は高いです。 おススメの勉強法でも示した通り、 クラウド とオンプレの両方で知見を積んでいる必要があり、とりわけハイブリッド クラウド の設計・運用ではかなり有用なセキュリティ技術者であることを証明できます。 情報処理安全確保支援士試験をはじめとした IPA の試験でも本試験ほどの技術的知識を求められないため、代替できるものはない認識でいます。試験合格後に登録のプロセスが必要ということもないため、筆者のようにライトにチャレンジしてみようという受験者にとって本試験は好ましい立ち位置に見えます。 海外では評価される資格である。 日本国内では IPA 情報処理安全確保支援士試験が有力ですが、それを補完する意味で持っていても損はないです。(海外の企業と仕事をする予定のかたは是非チャレンジしましょう!) デメリット 受験費用 AWS 、Azure試験の上級資格の試験料よりも高額となるため、受験回数がかさむことは避けたいです。(※15) 対策としては1回目の試験分は支払う前提になりますが、CompTIA公式のリテイクキャンペーンや格安のバウチャーチケットを利用することで2回目の受験費用を抑える方法が考えられます。 必要とされる勉強量が多い。 合格レベルに達するために複数の技術領域、用語を多く理解する必要があります。おススメの勉強法で紹介した通り、本試験のみの勉強に時間を費やすのではなく、他の中級者向け資格を経由することでステップを踏み能力を底上げすることで対応しましょう。 ※15 CompTIA 認定資格試験価格 最後に 読了いただきありがとうございました。筆者はCompTIAのCloudNetX(※16)やISC2のCCSP試験にも今後チャレンジ予定ですので受験後に今回の記事に加えてアップデートできればと思います。 ※16 SecurityX認定資格の提供開始でCompTIA Xpert シリーズが拡充 執筆: @sakurai.ryo レビュー: @nakamura.toshihiro ( Shodo で執筆されました )

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