
モビリティ
イベント
マガジン
技術ブログ
こんにちは。Amazon Web Services Japan のソリューションアーキテクト、田中 里絵 です。 本ブログは、2026 年 4 月〜5 月にかけて全国 5 拠点・計 8 回で開催した「 AWS Local Executive Roadshow 」シリーズの第 4 回レポートです。シリーズの背景や全体像については、 シリーズ 初回のイベントレポート をご覧ください。 前日(4 月 22 日)の AI を自社の業務に活かしたい企業の皆様向けセッションに続き、2026 年 4 月 23 日は同じ名古屋にて、AI で顧客を支援する IT 企業のエグゼクティブの皆様をお迎えし、「 AI ツールで実現する継続収益ビジネス 〜開発力を資産に変える〜 」と題したイベントを開催しました。AI エージェント時代のビジネスモデル変革をテーマに、登壇企業の実体験から「開発力をどう資産に変えるか」を共に考える一日となりました。 イベントの流れ 当日はまず、Amazon Web Services Japan のソリューションアーキテクト古屋 楓から「AWS で一歩先へ!生成 AI 時代のビジネスモデル変革の打ち手」と題したオープニングセッションを実施しました。このセッションでは、AI Agent を活用して IT 企業のビジネスの形がどう変わっていくのか、 Kiro のデモを交えながら解説しました(AWS セッションの詳細については 大阪・IT 企業編のイベントレポート をご覧ください)。 写真: AWS 古屋によるオープニングセッション ここからは、中部を拠点に AI を活用したビジネス変革に取り組まれている 2 社のパネルディスカッションの内容をご紹介します。 事例紹介:エスツーアイ株式会社様 〜Kiro の仕様駆動開発で、製造業 SI の課題に挑む〜 1 社目は エスツーアイ株式会社 様です。愛知県知多郡東浦町に本社を構え、製造業、特に自動車部品メーカー向けの SI を行っておられる会社です。生産準備段階から量産までの全体をカバーし、一貫して担当されています。当日はシステム開発センター 部長の與儀(よぎ) 智章 様にお話しいただきました。 背景と課題、お取り組み内容 與儀様は、製造業 SI の構造的な課題として 3 つを挙げられました。1 つ目は、新規開発における仕様のブレです。プロジェクトごとに要件定義や設計・開発を進めていく中で、同じ機能でもユーザーによって要求が異なったり、開発者が過去の経験を新しいプロジェクトに取り入れようとすることで、仕様にブレが生じ、設計や機能が肥大化してしまう。2 つ目は、運用保守における属人化です。お客様ごとにカスタマイズした構築をしているため、システムに人が紐づいてしまい、負荷分散しようとしても引き継ぎコストがかかる。3 つ目は、レガシーシステムからの再構築で発生する仕様漏れです。何十年も前のシステムを新しい仕組みに移行する際、仕様を誰も把握していない状態で進めざるを得ず、後工程で問題が発覚してしまう。 與儀様は、コーディングエージェントを活用してこれらの打ち手になりえるかを探るため、まず自社の休暇申請システムおよび出張旅費精算システムの開発で Kiro の活用にチャレンジをされました。Kiro の仕様駆動開発(Spec 駆動開発)では、要件定義 → デザイン → タスク化・実装という 3 つのフェーズを踏むため、従来のウォーターフォール型で起きがちだった仕様のブレを早い段階で防ぐことができます。実際に、画面が動作するところまで 2〜3 日で到達できたとのことで、早い段階でユーザーに見せることで後工程での問題発生を防ぐ効果が期待できると話されました。 さらに、あえてコーディングルールを縛らずに Kiro に開発させたところ、自社では通常採用しないような設計パターン(例:メール送信処理をデータベースで管理しバッチ実行する方式)が提案され、検討した結果そちらの方が設計として優れていたというケースもあったとのことです。AI を「指示通りに動く道具」ではなく「新しい設計のアイディアを一緒に作るパートナー」として活用できる可能性を実感されたといいます。 一方で、チーム開発に展開する際にはソース管理やコーディングルールの整備が必要になること、AI による変更の影響範囲をどう管理するかといった課題も見えてきた、と述べられました。 今後の展望 今後は、自社が持つ製造業関連のノウハウを最大限活用し、例としてプロジェクトの上流工程段階でのモック開発や、会議ログをもとにしたユーザー向けドキュメントの自動作成など、AI を活用してビジネスのスピード向上を目指したい、と述べられました。また、人間がどう統制し、AI がどう自律的に動くか、といったルールやフレームワークの整備を行うことで、より効果的に AI を活用していきたいとも述べられていました。今回は社内システムの事例についてお話いただきましたが、こうしたお取り組みを通して、SI の業務でどう AI を活用していくかも探っていかれるとのことです。 事例紹介:i Smart Technologies 株式会社様 〜IoT × AI で製造現場の意思決定を変える「AI 製造部長」〜 2 社目は i Smart Technologies 株式会社 様です。愛知県碧南市に本社を構え、自動車部品メーカーであるアサヒ鉄工様のグループ会社として、アサヒ鉄工で培った IoT の改善ノウハウを他の製造業に展開されている会社です。当日は COO の松下 隼人 様にお話しいただきました。 背景と課題、お取り組み内容 i Smart Technologies 様は、製造業のお客様向けに IoT ソリューションで生産性データを収集し、データベースに蓄積するところまでは実現されていました。課題は、蓄積されたデータを現場の意思決定にどうつなげるか、でした。製造現場の担当者は日々の業務に追われており、ダッシュボードを見に行く余裕がない。データはあるのに活用されない、という状況にありました。これを解決するために開発されたのが「 AI 製造部長 」です。 AI 製造部長は、IoT で収集した生産性データを Amazon Bedrock で解析し、製造部長のように分かりやすい言葉で現場スタッフに通知するサービスです。現場での朝礼代わりに使ってもらい、製造現場の意思決定に活かすことを目指して開発をスタートしました。 開発にあたって、まず課題となったのが AI の回答が安定しないことでした。当時の生成 AI の言語モデルは、2026年現在と比べると能力の制約も大きくありました。ときに抽象的な質問、ときにコンテキストが多い質問など、ユーザーの様々な質問に対して効率的に回答を得るために、モデル頼みではなく、データを含めたサービス全体の設計が必要だと気づかれたとのことです。 この壁を乗り越えるために取られたアプローチが 2 つあります。1 つ目は、 ルールベースとのハイブリッド設計 です。よくある質問に対しては、事前に情報を整理して AI に提供しておくようにして回答品質を担保しつつ、それ以外の質問に対してはAIが情報を動的に取得して回答するようにしました。2 つ目は、 AI を表面上見せない設計 です。製造現場のユーザーは AI に質問を書くこと自体にハードルがあるため、プッシュ型でユーザーに情報を届ける方式も採用しました。 今後の展望 導入後、現場からは「面白い」という声があり、積極的に使ってもらえるようになったとのことです。AI への抵抗感の強いメンバーもいたため、まずは正確性のある情報を通知するところから運用を開始し、AI の信頼感を少しずつ醸成していきました。このこつこつと実績を積み上げていったことで、今では「人間が書いてるのでは?」と時折聞かれるほど現場に溶け込み、信頼感を獲得されているといいます。 「製造業は、業界の性質上属人化している業務も多く、会社全体のモデルを変えるような AI 活用にはチャレンジがある。同じような業界で情報交換をしたり、会社と会社で関係づくりをして、収益モデルを業界全体で変えていくような動きができれば」と述べていただきました。会場ではこのようなメッセージで、大きく共感しながら聞いているお客様が多くおられました。 写真: エスツーアイ株式会社 與儀様、i Smart Technologies 株式会社 松下様、AWS 植木によるパネルディスカッション まとめ 名古屋でご登壇いただいた 2 社に共通していたのは、AI を「道具」ではなく「パートナー」として位置づけ、自社のドメイン知識と掛け合わせることで新しい価値を生み出すという発想でした。S2I 様は Kiro の仕様駆動開発で製造業 SI の構造的課題に向き合い、i Smart Technologies 様は IoT データと Amazon Bedrock を組み合わせて製造現場の意思決定を変えるサービスを生み出されました。 このブログシリーズでは、本イベントの開催レポートを各拠点の開催順にお届けしていきます。今回お届けした名古屋編に続き、次回は広島編を予定していますので、どうぞお楽しみに。 そして読者の皆様へ…もし本ブログを読んで「うちの会社の取り組みもぜひ発信したい」「AWS と一緒に何か取り組みたい」「AI で日本をもっと元気にしていきたい」と感じていただけたなら、ぜひ担当営業、あるいはお近くの AWS メンバーまでお気軽にお声がけください。 関連ブログ エスツーアイ株式会社様の AWS 生成 AI 事例「Kiro を活用した経費精算システムの迅速な開発」のご紹介 AWS Local Executive Roadshow 大阪・初回レポート(実践企業に学ぶ生成 AI 導入の勘所 〜眠るデータを企業価値に変える〜) AWS Local Executive Roadshow 大阪・IT 企業編レポート(AI ツールで実現する継続収益ビジネス 〜開発力を資産に変える〜)
こんにちは、Amazon Connect ソリューションアーキテクトの梅田です。 2026年 3 月号 はお読みいただけましたでしょうか。皆さんのお役に立つ内容があれば幸いです! 今月は 以下の内容でアップデート情報をお届けします。 Amazon Connect Family 2026 年 4 月のアップデート一覧 AWS Contact Center Blog のご紹介 AWS Black Belt オンラインセミナー (Amazon Connect Customer 関連) 今月のアップデートに関するよくある質問 1. Amazon Connect Family 今月は、アップデート一覧の前に大きなニュースをお伝えします。2026年4月28日、Amazon Connect は単一の製品から4つのエージェンティック AI ソリューションで構成されるファミリーへと進化しました。AWS Applied AI Solutions 担当シニアバイスプレジデントの Colleen Aubrey が About Amazon のブログ で発表した通り、Amazon Connect は以下の4つのソリューションに拡張されました。 リューション 対象領域 概要 Amazon Connect Customer カスタマーエクスペリエンス 従来の Amazon Connect(Unlimited AI)。State Farm、Air Canada、U.S. Bank などが利用する、音声・チャット・デジタルチャネルを統合した AI 駆動コンタクトセンター Amazon Connect Decisions サプライチェーン 25以上の専門ツールと Amazon の30年にわたるオペレーション科学に基づき、需要予測・在庫計画・例外対応を AI チームメイトが支援 Amazon Connect Talent 採用 AI エージェントが24時間365日の音声面接を実施し、構造化された評価とスコアリングで採用プロセスを数週間から数日に短縮 Amazon Connect Health ヘルスケア 臨床現場の管理業務(スケジューリング、ドキュメンテーション等)を AI で自動化し、医療従事者が患者ケアに集中できる環境を実現 これらのソリューションに共通するのは、Amazon 自身が大規模に運用してきた実績に基づいている点です。4 億件以上の SKU を管理するサプライチェーン、2025 年ピークシーズンだけで 25 万人を採用した人材オペレーション、毎日数百万件の顧客対応、そして One Medical や Amazon Pharmacy を通じた医療サービス。これらの現場で培われた AI システムが、各ソリューションの基盤になっています。 設計思想として「ヒューモーフィズム(humorphism)」と呼ばれるアプローチが採用されています。従来のソフトウェアがデスクトップ・フォルダ・ボタンというメタファーで設計されていたのに対し、Amazon Connect の各ソリューションは「AI チームメイト」として振る舞います。ビジネスコンテキストを学習し、チームの働き方に適応し、使うほど賢くなる。ツールではなく、同僚のように機能する AI です。 なお、これまでの AI 駆動のコンタクトセンターソリューションとしての「Amazon Connect」は、今後「Amazon Connect Customer」という名称になります。 詳細は以下をご覧ください: Amazon Connect Decisions Amazon Connect Talent Amazon Connect Customer Amazon Connect Health 2. 2026 年 4 月のアップデート一覧 AI を活用した採用を支援する Amazon Connect Talent (現在はプレビュー版) – 2026/04/28 Amazon Connect Talent のプレビュー版が利用可能になりました。これにより、人材獲得部門のリーダーは AI を活用した採用ソリューションを利用でき、候補者の選定を大規模にスピードアップできます。Amazon Connect Talent は、何十年にもわたる Amazon の採用の知見から情報を得て、AI エージェントを使用して体系的な音声面接を実施し、科学的根拠に基づく評価を実施し、一貫性のある候補者スコアリングを行います。これにより、採用担当者は戦略的な意思決定に集中できるようになります。候補者は、あらゆるデバイスから 24 時間 365 日面接を受けられます。採用担当者は、AI チームメイトが生成したスコア、文字起こし、詳細な候補者評価を確認できるため、一貫した客観性を保ちながらより迅速に採用決定を行えます。プレビュー機能には、AI 主導のスキル評価、適応型質問機能を備えた AI 主導の音声面接、ブランドに合わせてカスタマイズ可能なモバイルファースト候補者ポータル、包括的な採用担当者ダッシュボード、システム管理者オンボーディングツール、迅速なデプロイのための応募者追跡システム (ATS) 統合が含まれます。Amazon Connect Talent は雇用の急増に対応できるように拡張されており、数百人の候補者を同時に評価できます。 Amazon Connect Talent は米国東部 (バージニア北部) および米国西部 (オレゴン) リージョンで利用できます。 AWS が Amazon Connect Decisions を発表 – 2026/04/28 AWS は Amazon Connect Decisions の一般提供を発表しました。これは、サプライチェーンチームが場当たり的な対応から脱却し、先回りしたオペレーションへ移行できるよう支援する、エージェンティック AI の計画およびインテリジェンスソリューションです。Amazon における 30 年間の運用知見と 25 を超える専用サプライチェーンツールを組み合わせることで、AI のチームメイトがビジネスに適応し、チームの意思決定から学習し、継続的にオペレーションを改善します。Amazon Connect Decisions は、小売業、CPG、自動車、工業製造業界など、既存のシステムを入れ替えることなくサプライチェーン業務を変革したいと考えている企業が利用できます。AI のチームメイトは 24 時間 365 日稼働し、需要シグナルを整合して合意済み予測にまとめ、制約を考慮した供給計画を生成し、サプライチェーン全体のオペレーションをモニタリングします。これにより、差異を検出し、自動化された根本原因分析を実行し、数千件の例外をトリアージして、ビジネス上の優先事項に基づき、最も重要な事項のみを実行可能な推奨事項として提示します。 こちら をクリックして無料トライアルを開始することが可能です。Amazon Connect Decisions は米国東部 (バージニア北部) および欧州 (アイルランド) リージョンで利用できます。 Amazon Connect チャットでやり取りできるファイル容量はどれくらいですか?添付ファイル上限が100 MBに拡大、カスタムファイルタイプも追加可能になりました – 2026/04/27 Amazon Connect Customer では、チャット、ケース、およびタスク用の添付ファイルサイズが、以前の 20 MB の制限から最大 100 MB に引き上げられました。また、管理者は Amazon Connect Customer の管理ウェブサイトまたは Amazon Connect API を使用して、チャット、E メール、ケース、およびタスク全体に対する制限を引き上げ、添付ファイルのカスタムファイル拡張子を設定できます。例えば、企業顧客をサポートする、あるテクノロジー企業では、診断バンドルやログアーカイブなどのファイルをチャットで最大 100 MB まで受け付けられるようになったことで、やり取りの回数が減少し、問題をより迅速に解決できるようになりました。また、ある金融サービス企業では、署名済みの契約書やコンプライアンスドキュメント用のファイル拡張子を追加して、顧客がチャットや E メールに直接書類を添付できるようになりました。 管理者ガイド 添付ファイルの有効化 Amazon Connect Customer でスーパーバイザーがエージェントのステータスを変更した履歴は確認できますか?CloudTrail でのログ記録が可能になりました – 2026/04/24 Amazon Connect Customer の分析ダッシュボードを通じて行われたエージェントアクティビティのステータス変更が AWS CloudTrail に監査ログとして記録されるようになりました。この機能強化により、誰がエージェントのアクティビティステータスを変更したのか、いつ変更が行われたのかを可視化できるため、コンタクトセンターのコンプライアンスや運用管理を強化できます。例えば、エージェントが休憩に入る場合、スーパーバイザーはエージェントのステータスを「Available」から「Break」(カスタムステータス)に変更できます。このアクションは、スーパーバイザーの ID、タイムスタンプ、ステータス変更の具体的な内容などの詳細情報とともに CloudTrail にキャプチャされます。追加の設定は不要で、AWS アカウントで CloudTrail のログ記録が有効になっていれば、分析ダッシュボードでのステータス変更が自動的にログに記録されます。 管理者ガイド CloudTrail による Amazon Connect API コールのログ記録 エージェントアクティビティステータスの変更 Amazon Connect Customer の AI エージェントのパフォーマンスはどのように測定できますか?目標達成率・忠実性スコアなど8つの新メトリクスが登場しました – 2026/04/24 Amazon Connect Customer は、目標達成率、忠実性スコア、ツール選択精度など、AI エージェントのパフォーマンスを測定および改善するための新しいメトリクス 8 つの提供を開始しました。これらのメトリクスを活用することで、AI による顧客対応の品質を把握できます。これにより、AI エージェントによる対応結果を正確に測定し、継続的に改善できるようになります。 今回のリリースにより、AI エージェントが顧客のリクエストを正常に解決したかどうかをモニタリングし、忠実性を評価し、文脈に沿わないハルシネーションを検出することが可能になります。ツールの選択と使用の精度を評価したり、有効に設定されている場合は「サムズアップ/ダウン」評価を用いて顧客フィードバックを収集したりすることもできます。これらの新しいメトリクスは、Amazon Connect の AI エージェントパフォーマンスダッシュボードで使用できます。また、 GetMetricDataV2 API や 分析データレイク を活用すれば、独自のレポート作成や既存の分析ワークフローへの統合も行えます。 管理者ガイド AI エージェントのパフォーマンスダッシュボード Amazon Connect Customer のアウトバウンドキャンペーンで発信先に優先順位を付けられますか?最大10個のプロファイル属性に基づく優先ダイヤルが可能になりました – 2026/04/21 Amazon Connect Customer のアウトバウンドキャンペーンでは、ジャーニー内で音声キャンペーンと音声アクティビティの最大 10 個のプロファイル属性に基づいて、優先順位を用いてコンタクト先にダイヤルできるようになりました。 これにより、価値の高い顧客や時間的制約、対応期限のある案件にエージェントの時間を集中させることができ、キャンペーンの効果とコンバージョン率が向上します。Customer Profiles でセグメント作成時に「 セグメントの並び替え – オプション 」を設定し、セグメントコンタクトの優先順位を指定すると、顧客生涯価値、アカウント階層、予約日などの属性でセグメントをソートできます。たとえば、金融サービスチームが契約更新間近の価値の高いアカウントへの働きかけを優先したり、医療提供者が予約が最も早い患者に最初に連絡するようにしたりできます。初期ダイヤル試行が再試行よりも常に優先されるため、キャンペーンの実行全体で優先順位が維持されます。 管理者ガイド アウトバウンドキャンペーンのベストプラクティス 顧客セグメントの構築方法 Amazon Connect Customer のアウトバウンドキャンペーンはどのくらいの頻度で新規顧客を追加できますか?セグメント更新間隔が1時間ごとに短縮可能になりました – 2026/04/20 Amazon Connect Customer のアウトバウンドキャンペーンでは、キャンペーンセグメントを 1 時間ごとに更新できるようになり、以前の最小 24 時間の間隔から短縮されました。これにより、次回の実施を待たずに 1 日を通して新規対象となるお客様にキャンペーンでアプローチできます。セグメントを 1 時間ごとに更新することで、あらゆるキャンペーンタイプで変化するビジネス状況に対応できます。回収チームは、報告を受けたその日の午後に、新たに滞納しているアカウントへの働きかけを開始できます。医療提供者は、新規予約から 1 時間以内に予約リマインダーコールを開始できます。SMS リマインダーに応答がなければ電話による音声通話でフォローする、といったマルチステップのジャーニーにおいても、1日1回のバッチ処理を待たずに、新たに対象となった顧客を随時キャンペーンに追加できます。 使用を開始するには、Amazon Connect Customer のコンソールまたは API を使用してキャンペーン設定時のステップ4 キャンペーンスケジュールにて、「 キャンペーン を更新 – オプション 」を有効にします。 管理者ガイド アウトバウンドキャンペーンのスケジュール設定 エージェンティック音声の音声合成エクスペリエンスを 3 つの新しい AWS リージョンと 10 のロケールに拡張 – 2026/04/20 Amazon Connect Customer では、エージェンティック音声の音声合成エクスペリエンスがアジアパシフィック (ソウル)、アジアパシフィック (シンガポール)、欧州 (フランクフルト) の 3 つの AWS リージョンに拡張され、オーストラリア英語、イギリス英語、シンガポール英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、韓国語などの新しいロケールが追加されました。今回のアップデートにより、より多くのリージョンや言語において、より幅広い顧客に自然で人間のような音声 AI エクスペリエンスを提供できるようになります。 管理者ガイド Amazon Connect のサポートリージョン Amazon Connect のサポート言語 Amazon Connect が AI を活用したセルフサービスにタッチトーンバッファリングを追加 – 2026/04/20 Amazon Connect Customer では、通話がつながった瞬間から自動的に顧客のコンテキストを渡して、セルフサービスエクスペリエンスをパーソナライズできるようになりました。お客様がウェブサイト、モバイルアプリ、通知リンクから通話を開始すると、顧客 ID、セッション参照、キャンペーンコードなどのコンテキストを通話に自動的に渡すことができます。AI エージェントはこのコンテキストを使用して発信者を認識し、通話の理由を理解し、アクションを実行し、問題を解決します。発信者には身元確認や通話理由の再確認は不要です。 管理者ガイド タッチトーンバッファリングの設定 Amazon Connect Customer のフローモジュールはすべてのフロータイプで使えますか?全フロータイプ対応に加え、モジュールのネストも可能になりました – 2026/04/17 Amazon Connect Customer では、すべてのフロータイプでフローモジュールを使用できるようになりました。これにより、インバウンドのカスタマーエクスペリエンス以外にも、共通のロジックや機能を再利用できます。フローモジュールは、繰り返し使用可能なロジックを整理し、フローを使用して構築するカスタマーエクスペリエンス全体で共通の再利用可能な機能を作成します。例えば、エージェントウィスパーフローでモジュールを使用して顧客の最近の取引情報を共有し、エージェントに関連情報を提供して準備を整えさせるなど、以前はインバウンドフローの一部としてしか利用できなかった機能を活用できるようになりました。さらに、フローモジュールを他のモジュール内で使用できるようになったため、あらかじめ構築された中間ステップを 1 つのモジュールにまとめることで、複雑なロジックを構築できます。例えば、クレジットカード適格性モジュールは、最終決定を下す前に、クレジットスコアの確認、収入の検証、支払い履歴の確認を行う他のモジュールを呼び出すことができます。このモジュール式アプローチにより、ビジネス要件の変化に応じて組み合わせたり拡張したりできる再利用可能なコンポーネントを構築できます。 管理者ガイド 再利用可能な機能のためのフローモジュール 3. AWS Contact Center Blog のご紹介 Amazon Connect Customer: 会話型 AI を数か月ではなく数週間で展開 (日本語翻訳) NLX(nlx.ai)が Amazon Connect に加わり、ノーコードで高度な会話型 AI エクスペリエンスを構築・展開できるようになりました。ビジネスチームがエンジニアリングリソースを待たずに、インテリジェントなセルフサービス体験を設計・ローンチできます。United Airlines は従来12ヶ月かかるところを3ヶ月で本番稼働、あるグローバル小売企業は6ヶ月を6週間に短縮した実績があります。エンタープライズが求めるコントロールとスケーラビリティを維持しながら、デプロイまでの時間を大幅に短縮するアプローチです。 Amazon Connect Customer による音声・ビデオ・チャットを統合したコミュニケーションの構築 (日本語翻訳) 音声・ビデオ通話とチャットを同一エージェントとの1つのやり取りに統合するソリューションの構築方法を紹介しています。StartWebRTCContact API で音声・ビデオ通話を開始し、DescribeContact API で通話中のエージェント ID を取得、そのエージェント ID をチャットウィジェットのルーティングに渡すことで、チャネルをまたいでも同じエージェントが対応し続ける仕組みです。例えば、ローン申請の電話中にエージェントが書類を送信し、顧客がその場で署名して返送するといった体験が、数日ではなく数分で完了します。AWS CDK でデプロイ可能なサンプルコードが GitHub で公開されています。 Configure Schedule Adherence Thresholds in Amazon Connect to Account for Operational Variances スケジュール遵守率の測定で、日常的な業務のずれをノイズとして除外するには? Amazon Connect のスケジュール遵守率に設定可能なしきい値(1〜10分)が追加され、通話対応中に休憩開始が数分遅れるといった運用上の許容範囲を定義できるようになりました。シフトレベルとアクティビティレベルの4段階で設定でき、しきい値内のずれは「遵守」として扱われます。あるシナリオでは、しきい値適用により非遵守時間が45分から15分へ67%削減。リアルタイムダッシュボードでは緑(遵守)・黄(しきい値内)・赤(非遵守)の3段階表示で、スーパーバイザーが本当に注意すべき逸脱を即座に判別できます。 4. AWS Black Belt オンラインセミナー (Amazon Connect Customer 関連) Amazon Connect Customer Profiles による C360 の実現とマーケティング活動での活用 Amazon Connect Customer Profiles による顧客 360 度ビュー(C360)の実現とマーケティング活動での活用方法を解説します。サイロ化された顧客情報を統合し、パーソナライズされた顧客体験を実現する方法をデモを交えてご紹介します。IT マーケティングを検討、実装する方、カスタマーセンターのシステムを検討、実装する方、Amazon Connect Customer を利用しているが、Customer Profiles はまだ利用していない方は、ぜひご視聴ください。 資料( PDF ) | 動画( YouTube ) Amazon Connect Cases コンタクトセンターにおけるケース管理の課題と、Amazon Connect Cases がこれらの課題をどのように解決できるかについて解説しています。Amazon Connect Casesを活用することで、効率的なケース管理と顧客体験の向上を実現できるメリットについて理解を深めることができます。カスタマーセンターのシステムを検討、実装する方、Amazon Connect Customer を利用しているが、Cases はまだ利用していない方は、ぜひご視聴ください。 資料( PDF ) | 動画( YouTube ) Amazon Connect AI agentsConnect assistant 基礎編 Amazon Connect Customer の AIエージェントについて、基本的な機能について説明し、人間のエージェントによる顧客サービスの向上支援についてユースケースを交えて解説します。また、GUIを介した各種リソースの設定方法についても解説します。Amazon Connect Customer ご利用中のお客様、パートナーの方、コンタクトセンター での AI 活用や業務効率化に関心のある方は、ぜひご視聴ください。 資料( PDF ) | 動画( YouTube ) Amazon Connect AI agents self-service 基礎編 Amazon Connect Customer のAIエージェントの概要、特にセルフサービス機能に焦点を当て、顧客セルフサービスにAIを活用するメリット、セットアップ手順、導入後の効果測定について解説しています。コンタクトセンター業務の改善について理解を深めることができます。Amazon Connect Customer ご利用中のお客様、パートナーの方、コンタクトセンター での AI 活用や業務効率化に関心のある方は、ぜひご視聴ください。 資料( PDF ) | 動画( YouTube ) 5. 今月のアップデートに関するよくある質問 Q. Amazon Connect とは何ですか? Amazon Connect は、Amazon の運用実績に基づいて構築されたエージェント型 AI ソリューションのファミリーになりました。2026年4月に、Amazon Connect Customer(カスタマーエクスペリエンス)、Amazon Connect Decisions(サプライチェーン)、Amazon Connect Talent(採用)、Amazon Connect Health(ヘルスケア)の4つのソリューションに拡張されました。( Amazon Connect について ) コンタクトセンター領域を担う Amazon Connect Customer は、音声・チャット・メール・タスクなど複数のチャネルを一つのプラットフォームに統合し、AI を中核に据えたクラウドコンタクトセンターソリューションです。料金プランは、すべての AI 最適化機能がチャネル料金に含まれる「Amazon Connect Customer」(旧 Unlimited AI)がデフォルトです。従来のアラカルト型プランは「Amazon Connect Customer Basic」として既存顧客向けに提供されていますが、今後の新しい AI 機能は Connect Customer で提供されるため、Customer Basic からの移行が推奨されます。( Amazon Connect Customer について / Amazon Connect Customer の料金 ) Q. Amazon Connect Customer の最新アップデートはどこで確認できますか? アップデートは AWS の最新情報( What’s New )ページで随時公開されます。 Q. Amazon Connect Customer の AI エージェントのパフォーマンスはどのように測定できますか? 今月新たに追加された8つのメトリクス(目標達成率、忠実性スコア、ツール選択精度など)を使用して、AI エージェントの品質を多角的に測定できます。AI エージェントパフォーマンスダッシュボードでリアルタイムに確認できるほか、GetMetricDataV2 API や分析データレイクを活用して独自のレポートを作成することも可能です。( AI エージェントパフォーマンスダッシュボード ) Q. Amazon Connect Customer のフローモジュールとは何ですか? フローモジュールは、コンタクトフロー内で繰り返し使用するロジックを再利用可能なコンポーネントとしてまとめる機能です。今月のアップデートにより、インバウンドフローだけでなくすべてのフロータイプ(エージェントウィスパー、キュー転送など)で使用可能になり、さらにモジュール内から別のモジュールを呼び出す「ネスト」にも対応しました。( フローモジュール ) Q. Amazon Connect Customer のスケジュール遵守率しきい値とは何ですか? スケジュール遵守率しきい値は、エージェントのスケジュールからのずれを「許容範囲」として定義する機能です。例えば、通話対応中に休憩開始が3分遅れた場合でも、しきい値内であれば「遵守」として扱われます。シフトレベルとアクティビティレベルの4段階で1〜10分の範囲で設定でき、リアルタイムダッシュボードでは緑(遵守)・黄(しきい値内)・赤(非遵守)の3段階で表示されます。( スケジュール遵守率 ) Q. Amazon Connect Customer のアウトバウンドキャンペーンとは何ですか? アウトバウンドキャンペーンは、Amazon Connect Customer Profiles のセグメントに基づいて、音声・SMS・メールなど複数チャネルで顧客に自動的にアプローチする機能です。ジャーニー(複数ステップのワークフロー)を設計し、顧客の行動や属性に応じたパーソナライズされたアウトリーチを実行できます。今月のアップデートでは、最大10個のプロファイル属性に基づく優先順位付きダイヤルと、セグメント更新間隔の24時間から1時間への短縮が追加され、よりタイムリーで効果的なキャンペーン運用が可能になりました。( アウトバウンドキャンペーン ) 今月のお知らせは以上です。皆さんのコンタクトセンター改革のヒントになりそうな内容はありましたでしょうか?ぜひ、実際にお試しいただき、フィードバックをお聞かせいただけますと幸いです。Amazon Connect の最新情報は毎月このブログでお届けしていますので、来月号もお楽しみに。 著者プロフィール 梅田 裕義(Hiroyoshi Umeda) アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 シニア Amazon Connect ソリューションアーキテクト 2020年12月入社。コンタクトセンター領域を専門に、Amazon Connect Customer を活用した顧客体験の向上や業務効率化の技術支援を行っています。AI によるセルフサービスの導入、オムニチャネル対応、分析基盤の構築などコンタクトセンターが抱える課題解決に幅広く取り組んでいます。
AWS の請求書からわかるのは、支出パターンだけではありません。セキュリティ上の問題を特定することもできます。 AWS Cost and Usage Reports (CUR) には、 AWS Organizations 全体にわたる詳細な使用状況データが含まれており、コスト最適化の機会の発見、コストの配分、そして潜在的なセキュリティリスクの検出に活用できます。この記事では、AWS CUR を使用して環境内の潜在的なセキュリティ上の問題を特定する方法について説明します。潜在的なリスクの例と、それらがアカウント内に存在するかどうかを判断するために使用できる CUR データ内のマーカーを紹介します。 この記事の手順に沿って進めるには、AWS Organizations のプライマリ請求アカウント (※注) (または委任管理者アカウント) へのアクセス権があること、 Data Exports が設定された Cost and Usage Reports 2.0 が利用可能であること、そしてデータをクエリするための Amazon Athena へのアクセス権があることが必要です。 ※注:通常は管理アカウントですが、AWS Billing Transfer 利用時は異なる場合があります。 各セキュリティリスクについて、それが問題となる理由、検出方法、そして AWS 環境内の潜在的な問題を特定するために コンソールの Athena で CUR データに対して実行できる SQL クエリなどの詳細を提供します。CUR テーブル名と日付フィルターにはプレースホルダーとして ${table} と ${date-filter} を使用しています。これらの値の確認方法については、 CUR Query Library を参照してください。また、質問や発見事項がある場合は、自社のアーキテクチャを踏まえて検討できるよう、貴社のセキュリティチームにも相談してください。 リスク 1:暗号化されていない Amazon CloudFront トラフィック 問題点: Amazon CloudFront は、暗号化されたトラフィック (HTTPS) と暗号化されていないトラフィック (HTTP) の両方をサポートしています。HTTP をサポートするように設定されている場合、ユーザーと CloudFront ディストリビューション間のデータは保護されない状態で送信されます。このトラフィックを傍受した第三者は、データを読み取ったり改ざんしたりすることが可能です。 多くのコンプライアンスフレームワーク (PCI DSS、HIPAA、GDPR) では、転送中のデータの暗号化が求められています。暗号化されていないトラフィックは、コンプライアンス違反、データ侵害、そして顧客からの信頼の喪失につながる可能性があります。 検出方法: CUR は、HTTP トラフィックと HTTPS トラフィックを区別する特定の使用タイプコードを通じて、CloudFront の使用パターンを記録しています。HTTP トラフィックでは、region-Out-Bytes-HTTP-Static や region-Out-Bytes-HTTP-Dynamic のような料金が発生し、セキュアなトラフィックでは region-Out-Bytes-HTTPS-Static や region-Out-Bytes-HTTPS-Dynamic として表示されます。これらの HTTP 料金が存在する場合、ポリシー違反の可能性があることを示しており、調査が必要です。 以下のクエリを使用して、CloudFront ディストリビューション上の暗号化されていないトラフィックを特定できます。 SELECT line_item_resource_id, line_item_usage_type, product['region'] AS region, billing_period, SUM(line_item_usage_amount) AS total_usage_amount, SUM(line_item_unblended_cost) AS total_cost FROM ${table} WHERE product['product_name'] = 'Amazon CloudFront' AND ( line_item_usage_type LIKE '%HTTP-Static%' OR line_item_usage_type LIKE '%HTTP-Dynamic%' OR line_item_usage_type LIKE '%HTTP-Proxy%' ) AND line_item_usage_type NOT LIKE '%HTTPS%' AND line_item_unblended_cost > 0 AND billing_period = ${date-filter} GROUP BY 1, 2, 3, 4 ORDER BY total_cost DESC; このクエリの結果は、暗号化されていないトラフィックを実際に配信している CloudFront ディストリビューションを示します。line_item_resource_id を使用して CloudFront コンソールで該当するディストリビューションを見つけ、Viewer Protocol Policy を「Redirect HTTP to HTTPS」または「HTTPS Only」に更新してください。 リスク 2:承認されていないリージョンの使用 問題点: 組織は通常、データ所在地の要件、コンプライアンス規制、またはビジネスポリシーに基づいて、特定の承認されたリージョンで AWS リソースを運用しています。承認されていないリージョンにリソースが存在する場合、認証情報の漏洩や、従業員が確立されたポリシーを回避している可能性を示唆しており、調査が必要です。 検出方法: CUR は、各明細項目の product[‘region’] フィールドを通じてリージョン情報を記録しており、送信元-送信先-使用状況のパターン (例:USE1-TimedStorage-ByteHrs) に従うデータ転送コードを識別します。承認済みリスト外のリージョンでフィルタリングすることで、想定外のリソース使用を特定できます。なお、AWS CloudTrail など一部の AWS サービスは、設計上グローバルまたは複数リージョンにまたがって動作するため、この分析からは除外する必要があります。 以下のクエリを使用して、承認済みリスト外のリージョンで発生している料金を特定できます。クエリを実行する前に、NOT IN 句を更新して、組織で承認されているすべてのリージョン (例:’us-east-1’、’us-west-2’、’eu-west-1’、’global’) を含めてください。 SELECT CASE WHEN (bill_billing_entity = 'AWS Marketplace' AND line_item_line_item_type NOT LIKE '%Discount%') THEN product['product_name'] WHEN (product['product_name'] = '') THEN line_item_product_code ELSE product['product_name'] END AS product_name, CASE product['region'] WHEN NULL THEN 'Global' WHEN '' THEN 'Global' WHEN 'global' THEN 'Global' ELSE product['region'] END AS product_region, line_item_availability_zone, SUM(line_item_unblended_cost) AS sum_line_item_unblended_cost FROM ${table} WHERE billing_period = ${date-filter} AND line_item_line_item_type IN ('DiscountedUsage', 'Usage', 'SavingsPlanCoveredUsage') AND product['region'] NOT IN ('us-east-1', 'global') -- update with approved region list GROUP BY 1, line_item_product_code, line_item_availability_zone, product['region'] HAVING SUM(line_item_unblended_cost) > 0 ORDER BY product_region, sum_line_item_unblended_cost DESC; このクエリの結果は、承認されていないリージョンで稼働しているリソースを示しています。product_name と product_region の列を確認して、どのサービスがどこで実行されているかを特定してください。コストの高い項目は、暗号通貨のマイニングやその他の悪意のあるアクティビティを示している可能性があるため、優先的に調査してください。CloudTrail のログと照合して、これらのリソースを誰が作成したのか、そのアクティビティが承認されたものであったかどうかを確認してください。 リスク 3:Amazon CloudFront と Route 53 における保護されていない DDoS 攻撃対象領域 問題点: Amazon CloudFront と Amazon Route 53 は、DNS 解決とコンテンツ配信を大規模に処理する、ワークロードへの入り口となることが多いサービスです。その露出度の高さゆえに、ボリューム型 DDoS 攻撃の標的となります。 AWS Shield Advanced などのプロアクティブな DDoS 保護がない場合、組織は専用の DDoS 保護レイヤー、リアルタイムの攻撃通知、および AWS DDoS Response Team (DRT) へのアクセスを欠くことになります。この保護のギャップは、サービス停止、攻撃中のパフォーマンス低下、そしてダウンタイムによる潜在的な経済的損失につながる可能性があります。 検出方法: CUR は、このセキュリティギャップを、データの存在ではなく不在によって明らかにします。CloudFront と Route 53 の支出を算出し、同じ請求期間内に Shield Advanced の料金が存在するかどうかを確認することで、保護されていないインフラストラクチャを特定できます。CloudFront または Route 53 のコストが発生しているにもかかわらず、対応する Shield Advanced の支出がない場合、それらのディストリビューションには専用の DDoS 保護が欠けていることを意味します。 以下のクエリを使用して、Shield Advanced のカバレッジがないままの CloudFront/Route 53 の支出を検出できます。 WITH cloudfront_route53_spend AS ( SELECT billing_period, SUM(line_item_unblended_cost) AS exposed_spend FROM ${table} WHERE product['product_name'] IN ('Amazon CloudFront', 'Amazon Route 53') AND line_item_unblended_cost > 0 AND billing_period = ${date-filter} GROUP BY 1 ), shield_spend AS ( SELECT billing_period, SUM(line_item_unblended_cost) AS shield_cost FROM ${table} WHERE product['product_name'] = 'AWS Shield' AND line_item_unblended_cost > 0 AND billing_period = ${date-filter} GROUP BY 1 ) SELECT c.billing_period, c.exposed_spend AS cloudfront_route53_spend, COALESCE(s.shield_cost, 0) AS shield_advanced_spend, CASE WHEN COALESCE(s.shield_cost, 0) = 0 THEN 'No Shield Advanced - DDoS Protection Gap' ELSE 'Shield Advanced Active' END AS ddos_risk_status FROM cloudfront_route53_spend c LEFT JOIN shield_spend s ON c.billing_period = s.billing_period ORDER BY c.exposed_spend DESC; 結果に「No Shield Advanced – DDoS Protection Gap」と表示された場合、DDoS 保護なしで稼働している CloudFront または Route 53 のディストリビューションがあることを示しています。exposed_spend を確認して、AWS 環境全体で保護されていないインフラストラクチャとリソースを特定してください。リスク許容度と、DDoS 攻撃がオペレーションに与える潜在的な影響に基づいて、費用対効果を評価してください。特に機密データやビジネスクリティカルなアプリケーションを扱う重要なディストリビューションについては、AWS Shield Advanced の有効化を検討してください。 リスク 4:延長サポートが適用された古いソフトウェア 問題点: 延長サポートの料金 が発生しているということは、既知のセキュリティ上の脆弱性を含む古いバージョンのソフトウェアでシステムが稼働していることを示しています。標準サポートのライフサイクルを超えたレガシーソフトウェアバージョンの運用を続けている場合、割増料金 (100〜600% のコスト増加) を支払っているだけでなく、それらの古いバージョンには攻撃者が悪用可能なパッチ未適用の脆弱性が含まれている可能性もあります。3 年目以降の延長サポートは、延長サポート対象のリソースの重要度に応じて、即時の修復が必要となる可能性のある深刻なリスクがあることを示しています。延長サポートによる財務的な影響は、アップグレードの優先度を上げるべき明確なシグナルとしても捉えるべきです。 検出方法: CUR は、line_item_usage_type フィールドに「ExtendedSupport」パターンを含む延長サポート料金を記録します。これらの料金は請求データ内で個別の明細項目として表示されるため、容易に特定できます。使用タイプに ExtendedSupport を含む Usage 明細項目でフィルタリングすることで、脆弱性のある古いバージョンで稼働しているワークロードやリソースを正確に特定できます。コストの大きさもまた深刻度を示す指標となります。延長サポートのコストが高いほど、一般的にはより古いバージョンで稼働していることを意味し、より緊急な対応が求められます。以下のクエリを使用して、延長サポート料金が発生しているシステムを特定できます。 SELECT line_item_line_item_type, line_item_resource_id, line_item_usage_account_id, product['product_code'] AS product_code, line_item_operation, line_item_line_item_description, line_item_usage_type, billing_period, SUM(line_item_usage_amount) AS sum_line_item_usage_amount, SUM(line_item_unblended_cost) AS sum_line_item_unblended_cost FROM ${table} WHERE billing_period = ${date-filter} AND line_item_line_item_type = 'Usage' AND line_item_usage_type LIKE '%ExtendedSupport%' GROUP BY 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8 ORDER BY sum_line_item_unblended_cost DESC LIMIT 100; 延長サポート料金が表示された結果は、古く脆弱性のあるソフトウェアが存在しており、早急な対応が必要であることを示しています。line_item_line_item_description を確認して、具体的なリソースやワークロードを特定してください。コストへの影響とサポートティアに基づいてアップグレードの優先順位を決定してください。たとえば、長期 (3 年以上) の延長サポートは重大なリスクを伴う可能性があり、移行計画の推進に役立てることができます。 リスク 5:異常なデータ転送コスト 問題点: データ転送料金の急増は、セキュリティ上の問題を示している可能性があります。攻撃者が AWS 環境を侵害した場合、大量のデータを窃取 (持ち出し) しようとしたり、外部のコマンド&コントロール (C&C) サーバーと通信するためにリソースを悪用したりすることがよくあります。これらのアクティビティは、請求データ上でコストの異常として現れる、通常とは異なるデータ転送パターンを生み出します。 検出方法: CUR は、lineItem/UsageType フィールドを通じて詳細なデータ転送情報を記録しています。このフィールドにより、アウトバウンドインターネットトラフィック (DataTransfer-Out-Bytes)、リージョン間転送 (AWS-Out-Bytes)、アベイラビリティゾーン間トラフィック (DataTransfer-Regional-Bytes) など、さまざまな種類のデータ移動を識別できます。これらのパターンを時系列で分析し、ベースラインの使用状況と比較することで、調査が必要な不審な急増を特定できます。 以下のクエリを使用して、セキュリティ上の問題を示す可能性のあるデータ転送コストとパターンを特定できます。 SELECT line_item_usage_account_id, line_item_resource_id, product['region'] as region, line_item_usage_type, product_product_family, line_item_operation, product_from_location, product_to_location, pricing_unit, DATE_FORMAT(line_item_usage_start_date, '%Y-%m-%d') AS usage_date, ROUND(SUM(line_item_usage_amount), 2) AS total_gb, ROUND(SUM(line_item_unblended_cost), 2) AS total_cost FROM ${table} WHERE product_product_family = 'Data Transfer' AND line_item_line_item_type = 'Usage' AND ( line_item_usage_type LIKE '%DataTransfer-Out-Bytes%' OR line_item_usage_type LIKE '%DataTransfer-Regional-Bytes%' OR line_item_usage_type LIKE '%AWS-Out-Bytes%' ) AND billing_period = ${date-filter} GROUP BY 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10 ORDER BY total_cost DESC, total_gb DESC; この結果で大幅なコスト増加や通常とは異なる転送パターンが示された場合は調査が必要です。他のリスクほど単純に潜在的なリスクを判断できるものではないため、このデータについては必ず開発チームと連携して確認してください。確認すべき主なフィールドは以下のとおりです。 line_item_resource_id: データ転送を発生させている特定の AWS リソース (EC2 インスタンス、S3 バケットなど) を識別します total_gb: 転送されたデータ量 — 急激な増加は調査が必要です total_cost: 転送アクティビティによる財務的な影響 product_from_locationとproduct_to_location: 転送元と転送先のリージョン line_item_resource_id を既知のリソースと照合して、承認されていないインスタンスや侵害されたインスタンスがないかを確認してください。さらに詳しく調査するには、これらの結果を VPC Flow Logs や CloudTrail と関連付けて、データ転送の急増に関連する具体的なネットワーク接続や API アクティビティを特定してください。 追加のプロアクティブなセキュリティ対策 ここまで、CUR を分析するために使用できるクエリの例をいくつか紹介してきましたが、セキュリティ上の問題を検出するために活用できる AWS サービスを使ったプロアクティブな対策もあります。 AWS Budgets は、突然の支出の急増を検出し、承認されていないリソースのプロビジョニングを示唆します。悪意のあるアクティビティの標的になりやすいコンピューティング集約型のサービスには、個別の予算を設定してください。 AWS Cost Anomaly Detection は、機械学習を使用して異常な支出パターンを自動的に検出します。1 日 3 回、24 時間の検出ウィンドウで実行されます。 Amazon GuardDuty は、行動分析とコストパターンを関連付けます。特に、不審なシステムコールとコンピューティングコストの急増を組み合わせることで、暗号通貨マイニングやその他の種類の分析を検出します。 AWS Security Hub は、コストベースの検出結果と従来のセキュリティアラートを一元化し、統合的に確認できるようにすることで調査時間を短縮します。予算アラートを GuardDuty の検出結果や Amazon Inspector の脆弱性評価と関連付けることで、包括的な脅威検出が可能になります。 今すぐ行動を開始しましょう 以下のステップから始めてください。 時間単位の粒度とリソースレベルのデータを含む AWS Cost and Usage Reports (CUR) を有効にする 前述の SQL クエリを使用して CUR データをクエリできるように Amazon Athena を設定する 厳しめのしきい値で Budgets と Anomaly Detection を設定する この記事で紹介したリスクを検出するためのクエリを実行する 検出結果を AWS Security Hub に統合し、セキュリティ管理を一元化する コストベースのセキュリティモニタリングは、財務的な痕跡を通じて脅威を検出することで、従来のセキュリティツールを補完します。経済的なインセンティブとセキュリティ要件が交わることで、より良いアーキテクチャへの改善を促す自然な力が生まれます。セキュリティ上の問題が目に見えるコストとして現れることで、組織はそれを修正する動機を得ると同時に、測定可能なセキュリティ指標も手に入れることができます。 セキュリティと FinOps のリーダーは協力して、コストベースのモニタリングを標準的なプラクティスとして確立すべきです。この記事で紹介したクエリは、すぐに実装できる手段を提供します。また、AWS のセキュリティサービスとの統合により、既存のオペレーションとの互換性も確保されます。AWS の請求データを、単なる財務レポートツールからセキュリティインテリジェンスプラットフォームへと変革しましょう。今こそ行動する時です。 Steph Gooch Steph は、シニア最適化ソリューションアーキテクトアドボケイトです。お客様が現在および将来の AWS 支出を最適化する方法をガイドする分野のエキスパートです。お客様が請求データと使用状況データを整理・分析し、そのデータから実行可能なインサイトを見出し、コスト意識を組織文化に根付かせるための持続可能な戦略を策定できるよう支援しています。前職では、Big Four の 1 社で FinOps チームを率いていました。 Mark Keating Markは、英国を拠点とするプリンシパルセキュリティソリューションアーキテクトで、グローバルのヘルスケア・ライフサイエンスおよび自動車業界のお客様と連携し、セキュリティとコンプライアンスの課題解決およびリスク低減を支援しています。オペレーション、ソリューション、エンタープライズアーキテクチャの各分野にわたり、20年以上のテクノロジー業界での経験を持っています。 翻訳はテクニカルアカウントマネージャーの堀沢が担当しました。 原文 はこちらです。


















