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はじめに こんにちは、Insight Edgeコンサルタント兼デザインストラテジストの楠です。私は普段、事業会社のさまざまな立場の方と会話させていただき、デジタル・AI活用のプロジェクト企画やそれによる業務変革のご支援をしています。 その中で、私自身が感じており、実際によくお伺いする課題として 「研修での知識習得やワークショップでのアイデア発想」と「実業務へのAI活用のギャップ」 があると思っています。例えば以下のようなものです。 「全社に向けて生成AIの研修を実施し、環境も整えた。しかし数ヶ月後、現場での日常的な活用が思いのほか進んでいない……」 目まぐるしく技術が進展し、常に新たなリリースが行われる昨今、日々手探りで最善の施策を打たれているAI活用推進事務局の皆様や、現場で変革をリードするマネジメント層・メンバー層の方々にとって、この「研修後の死の谷」は非常に悩ましい課題ではないでしょうか。 本稿では、この定着のハードルが発生する構造的な背景を紐解き、私たちInsight Edgeが現場の熱量を下げずに実務定着へ確実に繋げるために、過去実際に実践したアプローチをご紹介します。 読者としては主にAI活用推進事務局の皆様を想定していますが、AI活用の課題を感じている方にもぜひ読んでいただきたいです。 はじめに Disclaimer 「事務局」「マネジメント」「現場」の三者の思いとリアルのズレ 調査データから考える、実務定着を阻む3つのハードル ハードルA:技術と業務の分断 ハードルB:通常業務の引力 ハードルC:組織課題としての合意形成 Insight Edge流:研修を「実践と共創の場」に変える3つのアプローチ アプローチ①:エンジニア参加による技術的実現性の担保と高速プロトタイピング アプローチ②:「はじめの一歩」の検討による確実なネクストアクション遂行 アプローチ③:「プレゼンシート」の作成による組織内合意形成のサポート 補足:デザインストラテジストによる「現場の課題感と事業成果の橋渡し」 おわりに:AI定着は「ツール導入」ではなく「業務のアップデート」 関連記事 Disclaimer 本稿の内容は私のこれまでの経験を基に考えた内容をまとめたものであり、特定の個人・組織を意図したものではありません。 本稿では、AI≒生成AIとして両者を特に区別せず記載します。 「事務局」「マネジメント」「現場」の三者の思いとリアルのズレ 現場でのAI活用が思うように進まないのは、決して現場メンバーのモチベーションが低いからでも、事務局の研修企画が悪かったからでもありません。それぞれの立場で真剣に取り組んでいるからこそ生じる、三者間の構造的な “思いとリアルのズレ” が背景にあると考えています。 事務局の思い(人事・IT・DX部門): 最新のAIツール環境を安全に提供し、研修を通じて全社のリテラシーとスキルを底上げしたい。実際の業務活用については各現場メンバーで自律的に推進してほしい。 マネジメントの思い(事業部長・本部長層): スキルアップはあくまで足掛かりであり、業務効率化や新規価値創出といった具体的な「事業成果」を生み出してほしい。 現場のリアル(営業などの実務担当者): まずは最新の事例や知見を知りたい。研修は有意義だが、翌日からはまた忙しい日常業務。汎用的なAIの知識を「今日の自分のこの業務」にどう当てはめればいいか、じっくり考える時間的・心理的余裕がない。 このズレがあるために、誰もがAI活用に前向きであったとしても、単にセミナーやアイデア出しのワークショップを実施するだけでは、実業務の変革や事業成果の創出にはハードルが残ってしまうのです。 Nano Banana Proを利用して作成 調査データから考える、実務定着を阻む3つのハードル こうした「研修と実務のギャップ」について、近年の生成AIに関する調査レポートを見つつ、もう少し考えてみたいと思います。 一例として、 マッキンゼーのAIに関するレポート(2025年8月) によると、2025年3月時点で78%以上の企業が少なくとも1つのビジネス機能で生成AIを活用している一方、80%を超える企業が生成AIの取り組みによる利益の実質的な向上を実感できておらず、最終的な利益や実務の抜本的な変革にはつながっていないとのことです。同社ではこれを「生成AIのパラドックス」と呼んでいます。 また、 BCGがグローバルに実施した調査(2025年6月) によると、企業のAI活用はツールの「導入」から「プロセスの再構築」や「ビジネスの創出」へと徐々に進展しており、先進企業は後者に投資の80%を集中させている状況となっています。そして、AIの真の価値を引き出すためには、表面的な効率化ではなく中核事業の抜本的変革へリソースを集中すべきであるとしています。 これらの調査レポートが示唆しているのは、事業成果の創出のためには、単にツールを導入して使い方やプロンプトの基礎を教えるだけでは不十分で、コア業務の変革やAIを活用した新事業の検討といった 「実務への落とし込み」 が必要であるということです。 それでは、研修やワークショップから一足飛びに実務への落とし込みを進めることはできるのでしょうか。少し飛躍しますが、私個人としては、研修やワークショップから「実務への落とし込み」を行うまでの間には以下をはじめとして多くのハードルが存在すると考えています。 ハードルA:技術と業務の分断 現場は自分たちの業務に詳しい一方、AIの技術的可能性や限界を知らないことが多いです。逆に事務局(IT部門等)は技術に詳しい一方、現場のリアルな業務や課題感を詳細には知りません。そのため、両者の知見をうまく掛け合わせられないと、研修で出たアイデアが「実現可能で実用的なものか」をジャッジできず、机上の空論になりがちです。 ハードルB:通常業務の引力 ワークショップの場で良いアイデアが出て盛り上がっても、「いつまでに・誰が・何をやるか」が決まっていなければ、翌日からの忙しい通常業務(引力)に引き戻され、熱量がリセットされてしまいます。 ハードルC:組織課題としての合意形成 仮に現場から「この業務が楽になる」というアイデアが出ても、「それでどれくらいコストが下がるのか?事業にどう貢献するのか?」が分からないと、マネジメントはPoC(概念実証)の投資判断を下せません。熱量を持って進める方がいない限り、現場が業務として検討を進めることは難しくなります。 これらのハードルを研修やワークショップの時間内に全てクリアすることはほぼ不可能でしょう。また「実務への落とし込み」のためには、研修のように熱量の異なる多くのメンバーを集める場の設定だけではなく、プロジェクトとしてリソースを投入して推進する必要があるはずです。 一方、だからと言って研修やワークショップが完全に無駄というわけではなく、限られた時間内でも、設計上の工夫により、少しでもこれらのハードルを乗り越えることに寄与できると考えています。 Nano Banana Proを利用して作成 Insight Edge流:研修を「実践と共創の場」に変える3つのアプローチ 私たちInsight Edgeでは、研修やワークショップを単なる「勉強やアイデア出しの場」ではなく、その場で業務変革・成果創出への第一歩を踏み出す 「実践と共創の場」 であると認識しています。 前述の「3つのハードル」を超えるために、過去のプロジェクトで実際に実践した具体的な3つのアプローチをご紹介します。 アプローチ①:エンジニア参加による技術的実現性の担保と高速プロトタイピング 通常のワークショップでは、現場のメンバーだけでアイデアを発散させるため、「夢物語」か「無難すぎる案」になってしまう可能性がある点が課題でした(ハードルA)。 そこでInsight Edgeが過去に関わったケースでは、 最前線で活躍するエンジニアが一参加者としてワークする形でのワークショップ を実施しました。「現在のAIならここまでできる」と技術的な裏付けを行いながら参加者の方とアイデア出しを行い、有力なアイデアが出たその場で、簡易的なプロトタイプをAIにより高速で構築します。「それって、こういう画面でこう出力されるイメージですか?」と目の前でイメージを提示することで、現場の熱量は一気に上がり、「これなら使える!」という強烈な当事者意識と腹落ち感が生まれます。 アプローチ②:「はじめの一歩」の検討による確実なネクストアクション遂行 ワークショップ内で良いアイデアが出たとしても、アクションが決まっていないと「良いアイデアが出たね」で終わってしまう可能性があります(ハードルB)。 それに対して過去のケースでは、ワークショップのアウトプットの一つとして 「最小限のコストで行う、翌日からの最初の検証ステップ(はじめの一歩)」 を作成しました。期間や金額といった条件をすり合わせた上で、「生成AIツールを用いて手元で検証してみる」「想定ユーザとミーティングを設定してヒアリングを実施する」という具体的なアクションをその場で検討することで「やりっぱなし」を物理的に防ぎます。 アプローチ③:「プレゼンシート」の作成による組織内合意形成のサポート アクションを決めるだけではなく、組織の課題として認識した上で取り組むことも重要です(ハードルC)。 当日のアウトプットとして、課題やポテンシャル、解決のための施策、期待効果などを 社内プレゼン(稟議や上層部への報告)にそのまま使える形式で整理 することで、その場限りになることを防ぎます。また、ワークショップの段階からプレゼンを意識することで、意思決定者の目線を取り込んだリアリティのあるアイデアにブラッシュアップされる効果も見込んでいます。 Nano Banana Proを利用して作成 補足:デザインストラテジストによる「現場の課題感と事業成果の橋渡し」 実際には、短期間の研修を実施するだけでアイデアを実装し、実際の効果を出すのはほぼ不可能です。研修の次のステップとして、現場の現状業務を深く理解しそれがどのように変わるのかを整理したり、コンセプトを磨きステークホルダーやビジネスモデルを整理したりして、期待効果やROIを算定しなければ、マネジメントの投資判断は下りません。 Insight Edgeでは、コンサルタントやデザインストラテジストがIT部門や現場のメンバーと共に汗を流すことで、「この業務プロセスをAIで変革することがいかに事業全体の成果に直結するか」というストーリーを紡ぎ出します。 デザインストラテジストの具体的な役割や魅力については 「総合商社DXでのデザイナーの役割と魅力」 をご参照ください。 おわりに:AI定着は「ツール導入」ではなく「業務のアップデート」 AIを実務に定着させるために必要なのは、単に現場のやる気だけではなく、事務局、マネジメント、現場が一体となり「技術(エンジニアリング)」と「体験設計(デザイン)」の力を借りて、共に業務プロセスをアップデートしていく過程そのものであると考えています。 次はぜひ、その場で動くものを作る・やることまで決める・事業成果と繋げる 「超実践型」のワークショップ を企画してみてはいかがでしょうか。 なお、本稿の内容が「研修後の次の一手が見えない」「現場の実務にどう落とし込むか悩んでいる」というAI活用推進に携わる皆様の参考になりましたら幸いです。 関連記事 生成AIプロジェクトがカオス化? 組織変革を成功に導く4つの処方箋 総合商社DXでのデザイナーの役割と魅力 その課題、本当にAIで解くべき?——生成AI活用の"課題選定"を考える AIと語る、DX推進とAI活用をデザインする仕事 ─ Insight Edgeのデザインストラテジスト ─
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの三厨です。 今年の目標は Kiro にどんどん業務をオフロードしていくことです。今日ご紹介する AWS Observability の Kiro Power を使ってみたのですが、複数の監視/運用に関する MCP とその使い方がパッケージングされていて体感として想定している作業を実現するためのプロンプト入力作業が減ってトラブルシュートが加速しました。 先週は Amazon と OpenAI の Strategic partnership が発表されました。 Stateful Runtime Environment や OpenAI Frontier に関しても言及されているので、気になる人はぜひご一読をお勧めいたします。また、 3 月 26 日(木)には「 Amazon Quick Suite で変わる業務の現場 — 活用企業・AWS社員による事例紹介 」が開催されます。分析業務や定型業務の効率化に興味がある方はぜひご参加ください! それでは、2 月 24 日週の生成 AI with AWS界隈のニュースを見ていきましょう。 さまざまなニュース AWS 生成 AI 国内事例ブログ: 住信 SBI ネット銀行様、Amazon Bedrock AgentCore を活用した AI 銀行サービス「NEOBANK ai」で顧客体験を革新 住信 SBI ネット銀行様は、デジタル金融における新しい UI/UX の可能性を見据え、ユーザーが「やりたいこと」を伝えるだけで必要な手続きが立ち上がる体験の実現を目指していました。従来のメニュー階層をたどる UI では、ユーザーの意図に沿ったスムーズな体験を提供しにくい場面があったためです。そこで、Amazon Bedrock AgentCore を中核とした AI エージェント機能を活用し、AI 銀行サービス「NEOBANK ai」のベータ版を開発しました。テキスト入力に加え、音声・画像を含むマルチモーダルなインプットを受け取り、AI エージェントが意図を解釈したうえで、照会・分析・手続き案内に必要な“その場で立ち上がる UI”を生成します。AgentCore Runtime による自動スケーリングや、タスクごとに異なる AI モデルを使い分ける柔軟なアーキテクチャ、AgentCore Observability による実行プロセスの可視化も実現しています。今後は ITSM 連携の強化やさらなるサービス高度化を目指すとのことです。 AWS 生成 AI 国内事例ブログ: ミツイワ株式会社様、Amazon Bedrock と AWS CloudFormation を活用した次世代インフラ自動構築ソリューション ミツイワ株式会社様は、ICT ライフサイクル全体をサポートするワンストップソリューションを提供する中で、顧客からの問い合わせ内容の整理や要件定義、環境構築に多くの時間がかかり、リードタイムの長期化や品質のばらつき、属人化といった課題を抱えていました。そこで、Amazon Bedrock による問い合わせ内容の自動解析と、AWS CloudFormation によるインフラ構築の自動化を組み合わせた次世代ソリューションを開発しました。AWS Lambda 上で MCP サーバーを起動するサーバーレスな構成により、問い合わせ受付から環境構築・初期設定・完了通知までを一気通貫で自動化し、従来数日から数週間かかっていたプロセスを大幅に短縮することに成功しています。 ブログ記事「 Amazon Q Developer 活用をプロジェクト全体へ拡げた取り組み 」を公開 株式会社 NTT ドコモ様の主要な Web サービス提供基盤「POPLAR」における Amazon Q Developer の組織展開事例です。 Software/Middleware のバージョンアップ案件で最大約 50% の効率化を達成し、その成功体験をもとに利用ガイドライン・環境設定マニュアル・プロンプト集などを体系化してプロジェクト全体へ展開しました。さらに生成 AI 開発ガイドラインの標準化や MCP Server 連携環境の整備、利用状況のダッシュボード可視化と個別フォローまで、段階的な取り組みの全体像が紹介されています。 ブログ記事「 Strands Labs の紹介: エージェント開発の最先端実験的アプローチを今すぐ体験 」を公開 エージェンティック AI 開発のための実験的なアプローチを試せる新しい Strands GitHub 組織「Strands Labs」が発表されました。ローンチ時には 3 つのプロジェクトが公開されています。Robots は AI エージェントが物理ロボットを制御するフィジカル AI、Robots Sim はシミュレーション環境での迅速なプロトタイピング、AI Functions はコードの代わりに自然言語仕様で関数を定義する実験的アプローチです。Strands Agents SDK を活用したエージェント開発に興味のある方はぜひチェックしてみてください。 ブログ記事「 AWS Elemental Inference でライブ動画をモバイルオーディエンス向けに変換 」を公開 新サービス AWS Elemental Inference が発表されました。ライブ動画やオンデマンド動画を AI で自動的に分析し、TikTok や Instagram Reels などのモバイルプラットフォーム向けに縦型形式へリアルタイム変換するフルマネージド AI サービスです。エージェンティック AI アプリケーションを使用しており、人間の介入なしにコンテンツを自律的に最適化します。ベータテストでは、複数のポイントソリューションを使用する場合と比較して 34% 以上のコスト削減を達成しています。 ブログ記事「 カスタム Amazon Nova モデル用の Amazon SageMaker Inference の発表 」を公開 Amazon SageMaker Inference でカスタム Nova モデルのサポートが一般提供開始されました。Nova Micro、Nova Lite、Nova 2 Lite のカスタマイズモデルを、G5 や G6 インスタンスを使用してコスト効率よくデプロイできます。SageMaker Training Jobs や HyperPod でトレーニングしたモデルをシームレスにデプロイする、エンドツーエンドのカスタマイズジャーニーが実現しています。 ブログ記事「 Agentic AI でサプライチェーン ロジスティクスを変革 」を公開 この記事では、AWS プロフェッショナルサービスがシンガポールの科学技術研究庁(A*STAR)と共同で開発した物流エージェントの事例を紹介しています。Amazon Bedrock を活用し、ERP・TMS・WMS などの複数データソースからリアルタイムにデータを集約・統合することで、自然言語での問い合わせに対して即時かつ正確な回答を提供します。手動での検索・照合作業を最大 50% 削減し、緊急配送コストを物流費用の 3〜5% 削減する効果が見込まれています。 ブログ記事「 AI コーディングに潜む非効率性とその発見方法 」を公開 AI コーディングエージェントは合格率やトークン数といったベンチマークで評価されることが一般的ですが、タスクが「合格」していても、エージェントが非効率な経路をたどっているケースがあります。この記事では、Kiro の AI エージェントが取った一連のアクション全体を軌跡ベースで分析し、ベンチマークでは見逃される非効率性を発見・改善する仕組み「CORAL」を紹介しています。具体例として、検索ツールの説明に 1 行追加するだけで誤った grep パターンを約 99% 削減した事例や、cd コマンドの誤用を検知して自動的に正しいパラメータに変換する仕組みが解説されています。 サービスアップデート Amazon Bedrock の Responses API にて AgentCore Gateway 連携によるサーバーサイドツール実行をサポート Amazon Bedrock の Responses API にて、Amazon Bedrock AgentCore Gateway を通じたサーバーサイドツール実行がサポートされました。AgentCore Gateway の ARN をツールコネクタとして指定すると、Amazon Bedrock がゲートウェイから利用可能なツールを自動検出し、モデルがツールを選択した際にサーバーサイドで実行します。これにより、クライアントサイドのツールオーケストレーションループを構築・維持する必要がなくなり、エージェンティックワークフローのアプリケーション複雑性とレイテンシーが削減されます。Responses API と AgentCore Gateway の両方が利用可能なすべてのリージョンで利用できます。 Amazon Bedrock バッチ推論にて Converse API フォーマットをサポート Amazon Bedrock のバッチ推論にて、モデル呼び出しタイプとして Converse API がサポートされました。従来はモデル固有のリクエストフォーマットが必要でしたが、リアルタイム推論とバッチ推論で同じ統一リクエストフォーマットを使用できるようになり、プロンプト管理の簡素化とモデル切り替えの手間が削減されます。Amazon Bedrock バッチ推論がサポートされているすべてのリージョンで利用可能です。 Amazon Bedrock にて OpenAI 互換 Projects API を発表 Amazon Bedrock の分散推論エンジン Mantle にて、OpenAI 互換の Projects API がサポートされました。複数のアプリケーション、環境、チームを持つお客様は、個別のプロジェクトを作成して分離を実現できます。各プロジェクトに異なる IAM ベースのアクセス制御を割り当てたり、タグを追加してコスト可視性を向上させることが可能です。追加料金なしで利用できます。 Amazon Bedrock Guardrails の Automated Reasoning ポリシーにてソースドキュメント参照を追加 Amazon Bedrock Guardrails の Automated Reasoning ポリシーにて、ソースドキュメント参照機能が追加されました。Automated Reasoning checks は形式検証技術を使用して、基盤モデルが生成したコンテンツがポリシーに準拠しているかを検証する機能で、AI ハルシネーション検出において最大 99% の精度を実現します。今回の更新により、生成されたポリシールールや変数を元のドキュメントの内容と照らし合わせてレビューできるようになり、ポリシーの確認・改善が容易になりました。 Amazon Q Developer にて生成 AI ベースのアーティファクト機能を一般提供開始 AWS マネジメントコンソールにて、Amazon Q Developer アーティファクト機能が一般提供開始されました。リソースデータをテーブル形式で、コストデータをチャート形式で可視化できる生成 AI ベースのユーザー体験です。例えば「タグ値が production の S3 バケットを一覧表示」と質問すると表形式で表示され、「過去 6 か月の RDS コストをインスタンスタイプ別に表示」と質問するとチャートで表示されます。Q アイコンがナビゲーションバーに移動し、コンソールのどこからでもアクセスしやすくなりました。 AWS Elemental Inference を一般提供開始 ライブ動画やオンデマンド動画を AI で自動的に変換するフルマネージドサービス AWS Elemental Inference が一般提供開始されました。エージェンティック AI を使用して、横型配信を TikTok や YouTube Shorts などのモバイルプラットフォーム向けの縦型形式にリアルタイムで変換する機能と、ライブコンテンツからハイライトクリップを自動生成する機能を提供します。米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)、アジアパシフィック(ムンバイ)、欧州(アイルランド)で利用可能です。 AWS IAM Policy Autopilot が Kiro Power として利用可能に re:Invent 2025 で発表されたオープンソースの静的コード分析ツール AWS IAM Policy Autopilot が、Kiro Power として利用可能になりました。Kiro IDE からワンクリックでインストールでき、手動での MCP サーバー設定が不要です。AWS アプリケーションの迅速なプロトタイピングや新規プロジェクトのベースラインポリシー作成に活用できます。 AWS Observability が Kiro Power として利用可能に AWS Observability が Kiro Power として利用可能になりました。CloudWatch、Application Signals、CloudTrail、AWS Documentation の 4 つの MCP サーバーをパッケージ化し、アラーム対応、異常検知、分散トレーシング、SLO コンプライアンス監視、セキュリティ調査などの包括的なワークフローを IDE 上で実現します。自動ギャップ分析機能により、コード内の不足しているインストルメンテーションパターンの特定と改善提案も行います。 Amazon Location Service が Kiro Power として LLM コンテキストを提供 Amazon Location Service が、Kiro Power および Claude Code プラグインとして AI エージェントコンテキストを提供開始しました。住所入力フォーム、地図表示、最寄り店舗検索、ルート可視化などの一般的な位置情報ソリューション開発を加速する、事前検証済みの実装パターンとステップバイステップの手順が含まれています。東京リージョン含む複数のリージョンで利用可能です。 今週は以上です。それでは、また来週お会いしましょう! 著者について 三厨 航 (Wataru MIKURIYA) AWS Japan のソリューションアーキテクト (SA) として、ヘルスケア・ハイテク製造業のお客様のクラウド活用を技術的な側面・ビジネス的な側面の双方から支援しています。クラウドガバナンスや IaC 分野に興味があり、最近はそれらの分野の生成 AI 応用にも興味があります。最近の趣味はカメラです。 週刊 AWS の新しいサムネイルを撮影したので、是非ご覧ください。
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。 先日、Developer Summit に AWS として出展をしてきたのですが、私は Physical AI デモとしてロボットの自然言語で動作するロボットの展示をしておりました。昨今やはり Physical AI というワードにはみなさん敏感で、デモについても面白いといって足を止めていただける人が非常に多く大変好評でした。普段 Web サービスの開発をされている方でロボット開発に縁がないという方も、Amazon Bedrock と AWS IoT Core 等を使って、クラウドとデバイスを連動させた仕組みに可能性を感じていただけました。 それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。 2026年2月23日週の主要なアップデート 2/23(月) Automated Reasoning ポリシーにソースドキュメントへの参照が含まれるようになりました Amazon Bedrock の Automated Reasoning policies に、元の文書への参照機能が追加されました。これまでは HR ポリシーや財務承認ガイドラインなどの文書をアップロードして形式論理ルールに変換する際、生成されたポリシーの内容を確認するのが困難でした。今回のアップデートにより、元の文書内容を参照しながらポリシールールをレビューできるようになり、AI の回答精度向上や幻覚 (hallucination) 検出に活用できます。バージニア北部リージョンなど 6 リージョンで利用可能です。詳細は こちらの Blog 記事をご参照ください。 Amazon Redshift Serverless が 3 年間のサーバーレス予約を導入 Amazon Redshift Serverless で、新しい 3 年間の Serverless Reservations が提供開始されました。従来の 1 年間のコミットメントから期間が延長され、最大 45% のコスト削減を実現できます。特定数の RPU (Redshift Processing Units) を 3 年間コミットし、前払いなしの支払いオプションを選択できます。AWS の支払いアカウントレベルで管理されるため、複数の AWS アカウント間で共有可能です。時間単位で請求され、秒単位で計測される柔軟な料金体系を維持しながら、長期的なコスト予測が可能になります。コミットした RPU を超過した使用量は、通常のオンデマンド料金で課金されます。Amazon Redshift コンソールまたは API 経由で購入でき、Redshift Serverless が利用可能な全リージョンで提供されています。 AWS IAM Policy Autopilot が Kiro Power として利用可能になりました AWS IAM Policy Autopilot が Kiro Power として利用可能になりました。このツールは開発者が手動で IAM ポリシーを作成する手間を省き、アプリケーションの進化に合わせて調整可能なベースラインポリシーを素早く生成できます。Kiro IDE からワンクリックでインストールでき、AI 支援開発環境にシームレスに統合されます。AWS アプリケーションのプロトタイピングや新プロジェクトでのベースラインポリシー作成に最適で、開発ワークフローを離れることなくポリシー生成が可能になります。 2/24(火) AWS WAF が AI アクティビティダッシュボードを発表、AI ボットとエージェントトラフィックの可視性を提供 AWS WAF が AI activity dashboard を発表し、AI ボットやエージェントのトラフィックを一元的に可視化できるようになりました。これまで見えなかった AI トラフィックのパターンや傾向を把握し、インフラコストの削減やアプリケーションパフォーマンスの改善が可能です。650 以上のユニークなボット検出に対応し、AI 検索クローラーやデータ収集ボットなどを識別してルール設定できます。 AWS AppConfig が New Relic と統合し、自動ロールバック機能を提供 AWS AppConfig が New Relic と連携し、フィーチャーフラグのデプロイ時に問題を自動検知してロールバックする機能を提供開始しました。従来は手動でロールバック作業が必要でしたが、エラー率上昇や遅延増加を検出すると数秒で自動的に前の状態に戻します。アプリケーションの段階的デプロイ中に障害が発生した場合の影響を最小限に抑えられるため、安全なリリース運用が実現できます。 AWS Observability が Kiro Powerとして利用可能に AWS が開発者向け AI ツール Kiro で AWS Observability power の提供を開始しました。CloudWatch や Application Signals などの観測機能を IDE 内で直接利用でき、アラーム対応や異常検知を AI エージェントが支援します。従来は複数のコンソールを行き来していたトラブルシューティングが、一つの環境で完結するため開発者の作業効率が大幅に向上します。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 Amazon Bedrock が AgentCore Gateway によるサーバーサイドツール実行をサポート開始 Amazon Bedrock で AgentCore Gateway を使ったサーバーサイドツール実行機能が提供開始されました。これまでクライアント側で複雑なツールの実行管理が必要でしたが、今回のアップデートで Amazon Bedrock が自動でツールを発見し、モデルが選択したツールをサーバー側で実行してくれます。1 回の API 呼び出しで完結するため、アプリケーションの複雑さと遅延を大幅に削減できます。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 2/25(水) Amazon WorkSpaces Applications が 4K 解像度のサポートを拡張 Amazon WorkSpaces Applications が 4K 解像度 (4096 x 2160) に対応しました。これまでは高解像度表示にはグラフィックス加速インスタンスが必要でしたが、今回のアップデートで通常のインスタンスでも 4K 表示が可能になりました。ウルトラワイドモニター (21:9) での作業や、高精細な画像・動画編集などで威力を発揮します。追加料金なしで利用でき、すべての接続モードに対応しています。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 Amazon Location Service が AI パフォーマンス向上のため Kiro パワーおよび Claude Code プラグインとして LLM コンテキストを導入 Amazon Location Service で AI 開発支援コンテキストの提供が開始されました。Kiro や Claude Code などの AI ツールと組み合わせることで、地図機能の実装精度向上と開発時間短縮が可能になります。配送アプリの住所入力フォームや地図表示、最寄り店舗検索、ルート可視化といった位置情報を活用したアプリ開発が格段に効率化されます。詳細は こちらの GitHub リポジトリをご参照ください。 AWS Security Agent が AWS アカウント間での共有 VPC でのペネトレーションテストのサポートを追加 AWS Security Agent で、他の AWS アカウントから共有された VPC リソースに対してペネトレーションテストが実行できるようになりました。従来は各アカウント内でのテストに限定されていましたが、AWS Resource Access Manager (RAM) を活用することで、複数アカウントにまたがるセキュリティ評価が可能になります。例えば、サブアカウントの VPC リソースを中央アカウントに共有し、統合的にセキュリティテストを実施できます。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 2/26(木) AWS Marketplace が SaaS およびプロフェッショナルサービス製品の複数購入をサポート AWS Marketplace で SaaS や Professional Services 製品の複数購入が可能になりました。以前は 1 つの AWS アカウントで同じ製品につき 1 つの契約しか結べませんでしたが、新しい Concurrent Agreements により複数の契約を同時に保持できます。これにより異なる部署が独立して調達したり、契約更新を待たずに拡張案件を進められるようになりました。Professional Services は自動有効で、SaaS は統合作業が必要です。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 Amazon Bedrock が OpenAI 互換 Projects API を発表 Amazon Bedrock で OpenAI 互換の Projects API が利用可能になりました。この機能により、複数のアプリケーションやチーム、環境を管理する際に、プロジェクト単位で分離して管理できるようになります。各プロジェクトに異なる IAM アクセス制御を設定でき、タグ付けによるコスト可視化も実現します。従来は全体で一括管理していた AI アプリケーションを、組織やチーム別に整理して運用できるため、セキュリティとコスト管理が大幅に向上します。追加料金は不要で、モデル推論分のみ課金されます。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 2/27(金) Amazon Bedrock バッチ推論が Converse API 形式をサポート Amazon Bedrock のバッチ推論で Converse API 形式がサポートされました。これまではモデルごとに異なるリクエスト形式が必要でしたが、今回のアップデートで統一された形式を使用できます。リアルタイム推論とバッチ推論で同じ Converse API 形式が利用でき、プロンプト管理が簡素化されモデル間の切り替えも容易になります。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 Amazon Lightsail が新しい WordPress ブループリントでブループリント選択肢を拡張 Amazon Lightsail で新しい WordPress blueprint の提供が開始されました。数回のクリックで WordPress がプリインストールされた仮想プライベートサーバー (VPS) を作成でき、ガイド付きセットアップウィザードで数分でサイトを構築できます。カスタムドメインの接続、DNS 設定、静的 IP アドレスの割り当て、無料の Let’s Encrypt SSL/TLS 証明書による HTTPS 暗号化まで、すべて Lightsail コンソール内で完結します。WordPress サイトの立ち上げが格段に簡単になり、初心者でも本格的な Web サイトを素早く構築可能です。詳細は こちらのドキュメントをご参照ください。 今回のアップデートの中で、個人的に良いと感じたのは、AWS Marketplace が SaaS およびプロフェッショナルサービス製品の複数購入をサポートしはじめたところで、よりパートナーサービスが活発に使われるようになり、AWS を通じて世の中がよくなっていくような流れができそうだと思いました。 それでは、また来週お会いしましょう! 著者について 戸塚 智哉(Tomoya Tozuka) / @tottu22 飲食やフィットネス、ホテル業界全般のお客様をご支援しているソリューション アーキテクトで、AI/ML、IoT を得意としています。最近では AWS を活用したサステナビリティについてお客様に訴求することが多いです。 趣味は、パデルというスペイン発祥のスポーツで、休日は仲間とよく大会に出ています。












