チューリング の技術ブログ

Turingの未来の拠点立地について考える

Turingの未来の拠点立地について考える Turingアドベントカレンダー7日目です!今日はVehicleチームの山口が担当します。最近Xのカッパッパさんの取材や、前回のテックブログで車両開発チームの黎明期から現在までの間(といっても1年もたっていない)を赤裸々に語らせていただきましたが、今回は「これから」を見据えて取り組んだことの一端を書きます。 Turingの車両

オリジナルのECUを開発する(ハード)

Turing株式会社のアドベントカレンダー6日目です! 今回は、昨日に続き車両開発チームから中村がお贈りします。 私は、車両開発チームで電気設計を担当していて、主に電気回路設計を担当しています。前職までも電気回路設計やプロジェクトリーダー、組込みソフトウェア設計、ITシステム系など多岐にわたる業務に携わってきています。 今年8月からは、縁あって Turing

量産メーカーになるための第一歩

Turing株式会社のアドベントカレンダー5日目です!今回は車両開発チームの中山が担当します。 まず最初に自己紹介からはじめさせてください。Tier1サプライヤーでCluster Displayとエアコンコントロール制御ユニット開発を経験し、その後OEMに転職して工事現場を無人で走る軽トラックのHMI開発をリードしてきました。これまでの経験を活かして、大きな挑戦をしたいという

大規模言語モデルの事前学習知見を振り返る

はじめに Turing 株式会社のリサーチチームでインターンをしている東京工業大学 横田研究室B4の藤井(@okoge_kaz)です。 2022年11月末にChatGPTがリリースされてから早1年、2023年は大規模言語モデル開発の領域において飛躍の1年となりました。国内でもCyberAgent, PFN, ELYZAを筆頭に3B〜13B程度のモデルが多数公開され、多くの方にとってLLMが身近になった1年であったかと思われます

3次元物体検出もシンプルにTransformerで!PETRv2を理解する

Turing株式会社のアドベントカレンダー2日目です!1日目はCTOの青木さんのカレー屋さんとスタートアップ:CTO of the year 2023でオーディエンス賞受賞です。 自動運転・AIモデル開発チームの岩政(@colum2131)です。 Turingは完全自動運転車の開発を目標としており、自動運転AIや車両、LLMの開発など様々なことに取り組んでいます。今回の話は、自動運転AIの物体認識などのPerception

自動運転のための大規模なVisual QAデータセット・AutoScenesQAの作成

本記事では、Turing のサマーインターンでの成果を紹介します。2 週間のサマーインターンで、自動運転のための Visual Question Answering データセット・AutoScenesQA の作成を行いました。 AutoScenesQA は、手作業によるアノテーションではなく、LLM(GPT 3.5)とルールベースのロジックを活用し、完全に自動で作成されています. 今回作成した AutoScenesQA は、nuScenesという自動運転用のデ

車両サイバーセキュリティの実現に向けて

はじめに Turing Vehicleチームのチーフエンジニアの徳弘 (@res_circuit) です。 Turingは、完全自動運転システムを搭載した車を商品として販売することを目指しており、これに向けて量産を見据えた完全独自の車両の設計に取り組んでいます。お客様の元に届く商品としての車両を自社で開発する上では、膨大な数の課題を解決する必要が出てきます。 今回は、そのうちの一つ

UnityとC#で簡単にgRPCする in 2023

Turing株式会社のUXチームでインターンをしている東大4年の三輪です。 自動運転のUXを向上させるため、UXチームでは自動運転の「可視化」ソフトウェアの開発に取り組んでいます。 このソフトウェアはTuringが販売する車のディスプレイに搭載される予定です。AIが認識している世界をユーザにも見える形で示すことで、ユーザは自動運転AIの振る舞いをよりよく把握するこ

僕の考えた最強の信号機認識モデルを作る

Turing株式会社の自動運転MLチームでインターンをしている東京大学学部4年の中村です。 Turingでは完全自動運転EV実現のために、End-to-End(E2E)な自動運転モデルの開発を行っています。E2Eモデルを実現するためには、特定のタスクに特化したモデルを利用したオートラベリングを活用するなど、従来のタスク特化型モデルが必要になることがあります。 今回は、タスク特化な

完全自動運転にLLMは必要か?

この記事を3行でまとめると.. Turingでは1年以上前から完全自動運転に自然言語処理が必要と考えてきた 自動運転におけるロングテールなデータに対して、LLMの一般常識に基づく判断能力が必要 Chat-GPTをきっかけにLLMを自動運転に利用する研究が盛り上がってきている TuringのBrain Researchチームの棚橋です。Brain Researchチームでは、中長期的に自動運転においてキーとなるコア

ONNXモデルの変換エラーを解決: PyTorchのTransformerモデルの再実装方法

Turing株式会社の自動運転・AIモデル開発チームの岩政(@colum2131)です。 Turingは2030年までに完全自動運転の達成を目指しており、自動運転AI開発から車両開発など、取り組むことは多岐に渡っています。 今回の話は、自動運転AI開発中に出た問題と、ひとまずの解決方法になります。より良い解決策があれば、教えてもらいたいです🙏 Transfomer-EncoderをONNXに変換したい ONNX(Ope

電動パワステをつくって「曲がる」車をつくろう(1.準備編)

はじめに Turing株式会社 Vehicleチーム エンジニアの猪狩です。主に車載ソフトウェア、車体制御を担当しております。 Vehicleチームでは、自社開発したEVを2028年に量産開始することを目標に、車両を一から開発しているチームです。Turingは、自動運転のシステムだけではなく、オリジナルの車両を開発しています。完全自動運転EVを販売する完成車メーカーになることを目指

自動運転AI開発:学習からシミュレーション、実車テストまで

Turingの自動運転・AIモデル開発チームの塩塚です。Turingは2030年までに完全自動運転の達成を目指しています。その未来のためにTuringでは2つの機械学習チームで研究開発を進めています。一つはBrain Researchチームで、マルチモーダル学習ライブラリ「Heron」を公開したりと2030年の完全自動運転に向けて研究を行っています。もう一つは自動運転・AIモデル開発チームで、こち

Turingの自動車開発挑戦記

はじめに Turing株式会社でVehicleチームエンジニアを務めている山口恭史です。 Turingは自動運転車を量産するメーカーになることを目指し、2025年に100台の車の販売・2030年には10,000台の車の量産・販売を目標に開発を進めています。私たちTuringは単に自動車を作って販売することは目標に掲げておらず、Turing独自の哲学を持った自動車を作り上げることを目指しています。自

自動運転カメラの高負荷、その原因はLinuxカーネルのどこに?

はじめに Turing株式会社ソフトウェアエンジニアの堀ノ内です! 私が所属する自動運転チームでは2024 ~ 2025年に発売予定の自動車に搭載する自動運転システムの開発を行っています。Turingでは車両前方に取り付けられたカメラの画像を入力とし、機械学習モデルが進むべき経路を推論、その経路に沿って実際に車両を動かすための制御信号(ステアリング、アクセル、ブレー