チューリング の技術ブログ

Jetson AGX Orinでグラボを動かした話

最近、ラズパイにグラボを接続した、ルーターにGPUを接続したなど、いろんなものにGPUを繋げるのが流行っているようですが、似たようなことをJetsonでやったという記事です。 設定方法だけ書くとわりと短いので、最初に経緯などを書いています。結論だけ欲しい方は、こちらに飛んでください。 はじめに Jetson AGX Orinというのは、NVIDIAが開発しているエッジコンピュー

日本語Vision Languageモデル heron-blip-v1の公開

はじめに Turingでは完全自動運転実現に向けて、LLMやそれを用いたVision Langauge(V&L)モデルの開発に取り組んでいます。最近は経済産業省/NEDOの「競争力のある生成AI基盤モデルの開発を支援する「GENIACプロジェクト」」にも採択されるなど、大規模な生成AIの開発に精力的に取り組んでいます。 特に、Vision Languageモデルについては、Heronというライブラリとモデル群を

GoogleTest/gMockを用いたC++ユニットテストの導入ガイド

はじめに Turing UXチームでソフトウェアエンジニアをしています佐々木 (kento_sasaki1) です。Turingは「We Overtake Tesla」をミッションに完全自動運転EVメーカーを目指すスタートアップです。 UXチームでは車載ソフトウェアの開発を行っており、ユーザーインターフェースからハードウェア抽象化レイヤに至るまで幅広い範囲を担当しています。 本記事では、ハードウェア抽象化

Vision-Launguageモデルで走行データベースと動画検索システムを作る

Turing株式会社の自動運転チームでインターンしている東大B3の大野です。 自動運転チームでは、完全自動運転の実現を目指して自動運転AIを開発しています。モデル開発の際に、「雨の日に高速を走っていて先行車がいない」や「交差点で歩行者がいる中、右折している」など、特定の状況の走行データが必要になることがあります。 今回私は、動画に対して天気や歩行

最新の自動運転研究 in NeurIPS2023

TuringでResearcherをしているいのいちです。 先日、会社にサポートしていただいてニューオーリンズで開催されたNeurIPS 2023に参加させていただくことができたので、今年のNeurIPSで発表された自動運転系の論文をいくつかピックアップして紹介しようと思います。 NeurIPSとは NeurIPSは1987年から開かれている機械学習系でトップの国際会議です。この会議が発足した当初はBiologica

物体検出もセグメンテーションもテキストでやりたい!

アドベントカレンダー22日目を担当します!モデル開発チームの塩塚です。 本日は金曜日で、このままクリスマス突入ですね。そしてそのまま年末年始を迎えるこの時期は少しだけ楽をしたいですよね。 そんな我々にピッタリの機械学習リポジトリがあります。それがこちら Language Segment-Anything です。 公式リポジトリより引用 こちらのオープンソースプロジェクトは、

Swiftでllama.cppを使いたい!

今年の流行語といえばLLMですが、中でもローカルLLMの技術がプログラマ的には気になります。何かに使えそう! そこでローカルLLMの代名詞である(?)llama.cppを眺めていたところ、堂々とPackage.swiftがあるのに気づきました。 https://github.com/ggerganov/llama.cpp/tree/master ということは、自力で難しいことをしなくても、簡単にSwiftから利用できそうです。 今更感もありますが、

KotlinからWhisperAPIを使う

はじめに Turing株式会社のアドベントカレンダー20日目! 今回は、UXチームの井上(@yoinoue5212)が担当します! UXチームではAndroidベースのIVIシステム開発を進めています。 ちなみに、IVIシステムとは、速度計などを表示する計器クラスター部分と、ナビやエンタメを提供するセンターディスプレイ部分を総称した概念です。 UXを意識するうえで、より簡単に、よりシンプルに

自動運転ってどこまでdeep de ponできるの?

1.はじめに Turingで自動運転の開発をしている猪狩と申します。現在、私達のチームは2024年末リリース予定の少量生産車に搭載される自動運転システムの開発を行っております。Turing では以前より「end-to-end deep learning modelによる自動運転システム」を謳っているわけですが、いま現在deep learningモデルがどこまで運転操作を代替できるのか、2024年末リリース予定の少量生産

llama.cpp の動かし方と量子化手法

はじめに Turingアドベントカレンダー17日目です!今日は Research チームの柏谷が担当します。 Research チームでは、LLMによる完全自動運転を実現するための技術開発を行っています。その中で重要な技術の1つが量子化です。量子化によって少ビットでパラメータを表現できれば、LLM の膨大なパラメータのデータ圧縮が可能となります。量子化実装はいろいろと考えられま

GPT Builderで保安基準GPTを作ってみた

はじめに Turing UXチームでソフトウェアエンジニアをしています佐々木(kento_sasaki1)です。Turingは「We Overtake Tesla」をミッションに掲げ、2030年に完全自動運転EVの10,000台量産を目指すスタートアップです。 本記事は、Turingアドベントカレンダー15日目の記事です。今回、手軽に試せるGPTsの機能を用いて「保安基準GPT」を作ってみたので、その概要について紹介します。 https://x

自動運転開発におけるシミュレータ活用

Turingの機械学習モデル開発チームの@hidetatzです。Turingアドベントカレンダー14日目の記事です。 TuringはAIによる完全自動運転車を開発するスタートアップです。 この記事では、自動運転車というプロダクトを開発するために重要なシミュレータについて、Turingがどう活用しているかを書きます。 シミュレータとは? 自動運転の文脈において、シミュレータは車を運転する

アニメーションでDeepSpeed (ZeRO1)の仕組みを完全に理解する

Turingのリサーチチームで完全自動運転の研究開発を行なっている棚橋です。Turingアドベントカレンダー14日目の記事として、DeepSpeedについて取り上げます。 DeepSpeedはMicrosoftによって開発されたライブラリで、一言で言うと、「1つのGPUに乗り切らないような巨大MLモデルをなんとか学習させるため」のツールです。特に、この論文で提案されているDeepSpeedのZero Redundancy Optimiz

GMSLカメラをなんとなく理解する

Turing Advent Calendar 2023の9日目の記事です。 本日は組込みソフトウェアエンジニアのやべ(@ken_ya_be)が担当です。今年の10月からTuringに在籍し、直近開発している車両の自動運転まわりのところをやっています。何かしらやってみた系の内容を書くのが好きなのですが、在籍期間短くてネタがなかったので、今回は調べもの記事を書いてみました。 はじめに これを読むとGMSLカ

ここまで進化している!?車載向けSoCとその活用

はじめに Turing の Vehicle チームの徳弘 (@res_circuit) です。 Turing は、完全自動運転システムを搭載した車を商品として販売することを目指しており、量産を見据えた独自の車両システムの設計に取り組んでいます。Turing ではその一環として、ECU (Electronic Control Unit, 電子制御ユニット) の開発にも取り組んでいます。 車の制御装置であるECUの多くは、マイコンをベースに構成