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1. はじめに 昨今、生成AIの進歩が加速しており、Web検索や調査に生成AIを利用することは日常では最早当たり前の光景となっています。Web検索はChatGPTをはじめ、多くの生成AIツールで利用できる機能です。一方、ブラウザやWebサイト操作については、あらかじめユーザーが設定した操作を実行させるRPAツールやHTML構造を解析して情報を取得するスクレイピングツールが主流となっています。定型的な作業であれば、RPAツールやスクレイピングツールを利用すれば一見問題なさそうに見えます。しかし、Webページの構造は変化する可能性があり、変化した際はその都度設定を変更する必要があります。
こんにちは!Insight Edge リードコンサルタントの山田です。 私は普段から事業会社におけるAI/デジタル活用のご相談を多く受けているのですが、この記事では、生成AIで解くべきではない課題にフォーカスしながら、業務活用における生成AIの向き/不向きを整理してみたいと思います。 AI活用があらゆる企業で経営マターに 生成AI活用の肝は“課題選定” 業務パターンごとの生成AIとの相性を理解する ①定型プロセス × 許容幅 広い ——  ◎生成AIの得意領域 ②非定型プロセス × 許容幅 広い —— ◎生成AIの本領を発揮しやすい ③定型プロセス × 許容幅 狭い —— △AIが適切でないケースあり ④非定型プロセス × 許容幅 狭い —— ★設計次第では効果大 AIには得意なことだけをやらせる 例:投資判断プロセス 相性がよいパターンであっても、「プロセスの長さ」には注意 実際の業務で適切な課題を設定するために AI活用があらゆる企業で経営マターに 2025年はAIエージェント元年ともいわれ、企業における生成AIやAIエージェントに関する活用事例はさらに増えました。「AI活用」が経営アジェンダの最上位マターに位置付ける企業も珍しくなくなり、弊社でも引き続きAIエージェント開発、AI CoE組織立ち上げ、教育/ワークショップなど、多岐にわたるAIプロジェクトを推進しています。 事業会社の経営層との会話でも「AIで何かできないか」というご相談は本当に多くいただいていますし、経営トップが旗を振ってAI活用を推進するケースも目に見えて増えてきました。 具体的には 前回記事 でもご紹介したような社内ナレッジ検索や投資判断への意思決定支援に加え、この1年はマルチAIエージェントによる事業開発・投資判断高度化プロジェクトなど、目に見える成果が出ている領域は確実に広がっています。 生成AI活用の肝は“課題選定” 一方で、様々な場面でAI活用ユースケースが生まれ、世の中がAIエージェント一色の状況でよくあるのが、「ハンマーを持つとすべてがクギに見える」ような、すべての業務課題にAIエージェントを適用しようとしてしまうことです。 Nano Banana Proを利用して作成 属人化している業務をAIがいい感じに判断し実行してほしい 一連の業務フローをAIで自動化したい このようなニーズも少なくないのですが、業務プロセスが明確でなかったり、業務知見や商習慣など考慮すべきコンテキストが与えられない状況だと、意図するアウトプットを得ることは非常に難しいです。 AIは強力なツールである一方で、向いていない/苦手な業務に適用しようとすると、期待した効果や精度が出ず、「業務では使えない」という判断になってしまうことにもなりかねません。AIの技術的な問題というより課題設定の問題であるにも関わらず、AI=使えないとなってしまうのが一番もったいないです。実際の業務においてはAIが向いているパターン、向いていないパターンがあり、課題選定の段階で正しいテーマ設定をすることが、生成AI活用がうまくいくための第一歩です。 業務パターンごとの生成AIとの相性を理解する 効率化・高度化したい業務においてAI活用するべきかを考える上で、以下の2つの軸で業務を分類することが有効です。 軸1:業務プロセスの定型度(定型 vs非定型 ) 手順やルールが決まっているか、状況に応じてプロセス自体が変わるか 軸2:アウトプットの許容幅(広い vs 狭い) だいたい合っていればOK(面的)か、正解が一意(点的)か Nano Banana Proを利用して作成 ①定型プロセス × 許容幅 広い ——  ◎生成AIの得意領域 業務プロセスの手順が決まっていて、出力も「だいたい合っていればOK」な業務。生成AIの導入効果が出やすく、個人/組織の身近な業務で恩恵を感じやすいです。 会議の議事録要約 日報など定型レポート生成 FAQ・問い合わせへの一次回答 コード生成・リファクタリング ②非定型プロセス × 許容幅 広い —— ◎生成AIの本領を発揮しやすい プロセスも出力も「これが正解」が決まっておらず、アウトプットの幅の広さが価値となる業務。生成AIの柔軟性が最も活きる場面であり、使い方次第で効果が大きく変わってくる領域です。 新規事業・企画のアイデア出し 戦略仮説の壁打ち・論点整理 プロダクトのUX改善案出し ペルソナ作成・ユーザーシナリオ生成 ③定型プロセス × 許容幅 狭い —— △AIが適切でないケースあり 手順もルールも明確で、出力もブレてはいけない業務。この領域はルールベースやRPAなど従来型システムでシステム的に処理した方が適切なケースも多く、わざわざ確率的な振る舞いをするAIが最適とは限らない領域です。 経費精算・請求処理のデータ入力 発注・検収処理 条件分岐が明確な承認フロー判定 ④非定型プロセス × 許容幅 狭い —— ★設計次第では効果大 プロセスに決まった正解がなく状況に応じた判断が必要かつ、アウトプットには高い正確性が求められる業務。適切にワークさせる難易度が高い一方、設計次第ではAIによる恩恵が大きい領域です。 投資判断や経営の意思決定(Go/No-Go) 個別事象を加味した契約書レビュー 与信審査の最終判定 カントリーリスク評価やDDレポート生成 AIには得意なことだけをやらせる ③や④のような、出力の許容幅が狭い(≒正確性が求められる)パターンでも、設計次第で十分業務に活用できます。AIには得意なことだけをやらせる、逆に言えば苦手なことは何らか別の方法で補完することで、一連の業務を品質高く実行できます。 RAGや外部ツール利用による知識補完/スキル補完、人間のレビューを「仕組み」として組み込むこと(Human-in-the-Loop)などが有効です。 例:投資判断プロセス 情報収集・整理フェーズ(AI) 対象企業/マーケットに関する外部情報や社内の案件資料をRAGで検索し、様々な情報を収集・整理したり、過去の類似投資案件の議事録などをもとに当時議論された論点を抽出する 定量分析フェーズ(従来型システム) 財務モデルに基づくバリュエーション算出、感応度分析、各種指標の計算。「数字を正確に出す」ことが求められるため、ルールベースの計算エンジンを使用 論点整理・リスク洗い出しフェーズ(AI) 収集した情報と定量分析の結果を踏まえ、検討すべきリスク論点を構造化して提示する。「過去の類似案件ではカントリーリスクが争点になった」「この業界ではこの規制変更が影響しうる」など、人間が見落としやすい観点を補完する。 意思決定フェーズ(人間) AIが整理した判断材料と従来型システムが算出した定量データを踏まえ、Go/No-Goを最終決定する。 Nano Banana Proを利用して作成 相性がよいパターンであっても、「プロセスの長さ」には注意 また、いずれのパターンにおいても業務プロセスが長く連鎖する場合は、うまくいかないケースが出てきます。AIの出力は確率論でしかないので、1ステップの精度が90%であっても、それが10回続くとすべて成功する確率は35%まで下がります。プロセス全体を一気通貫でAIに実行させるのではなく、AIのタスクを分解してモジュール化(カタマリ化)し、各モジュールの間で人間の確認ポイントを挟むことで、全体の精度を担保する業務設計が必要になります。 実際の業務で適切な課題を設定するために とはいえ、実際の業務は複数のステップや要素が絡み合っているので、そのままマトリクスに当てはめられるほど単純ではないことがほとんどです。現場でAI活用の課題設定を行う際には、 ①業務プロセスを分解して可視化する 属人的/暗黙知化しているプロセス含め、業務フローを洗い出す ②ステップごとに「出力の許容幅」を確認する だいたい合っていればOKなのか、確実な正解が必要か ③AIと人間の役割分担を設計する 人が介在する余地を残し、AIにすべてを任せない この辺りを意識して業務を見直し、AI活用する場合の業務フローを設計していくことが重要です。ある意味地味なプロセスですが、業務で使われるAIを作るためにはとても重要なポイントだと思います。
こんにちは、株式会社SHIFT 製造ソリューションサービス部のライターNとです。IT初心者としての目線でIT分野の情報をお届けしています。 今回の内容は「RPA」について。

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