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AWS がプライムデーを実現する方法についてお話しする私の毎年の伝統の一部として、いくつかのチャートトップのメトリクスを共有できることを嬉しく思います ( 2016 年 、 2017 年 、 2019 年 、 2020 年 、 2021 年 、および 2022 年 の過去の投稿も参照してください)。 今年は、私の趣味で使う 小型ボール盤 、3D プリンター用の フィラメント 、そして パイプ用点滴灌漑チューブ穴パンチ などを購入しました。また、孫のためにとても素敵な アルファベットブロック の本も数冊購入しました。 公式発表 によると、プライムデーの初日は、Amazon と個人出品者にとって史上最大の売り上となり、3 億 7,500 万点以上の商品が購入されました。 数字で見るプライムデー 例年と同様に、プライムデーでは AWS が活用されました。最も興味深く、驚異的なメトリクスをいくつか紹介します。 Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) – Amazon プライムデーのイベントでは、増分 163 ペタバイトの EBS ストレージ容量が割り当てられ、1 日あたり最大 15 兆 3,500 億件のリクエストと 764 ペタバイトのデータ転送が発生しました。EBS のピーク使用量の増加は前年に比べてわずか 7% でしたが、 Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) の AWS Graviton ベースのインスタンスを使用したワークロード最適化を始めとする効率化に向けた取り組みによって1 日あたりのトラフィック量は 35% 増加しました。視覚的に比較すると次のようになります。 AWS CloudTrail – AWS CloudTrail は 2023 年のプライムデーをサポートするために 8,300 億件を超えるイベントを処理しました。 Amazon DynamoDB – DynamoDB は、 Alexa 、 Amazon.com サイト、そしてすべての Amazon フルフィルメントセンター など、トラフィックの多い多数の Amazon の施設やシステムを支えています。プライムデーの期間中、これらのソースは DynamoDB API に対して何兆もの呼び出しを行いました。DynamoDB は高可用性を維持しながら、1 桁のミリ秒のレスポンスを提供し、1 秒あたり 1億 2,600 万リクエストでピークに達しました。 Amazon Aurora – プライムデーでは、Amazon Aurora の PostgreSQL 互換エディションと MySQL 互換エディションを実行する 5,835 個のデータベースインスタンスが 3180 億トランザクションを処理し、2,140 テラバイトのデータを保存し、836 テラバイトのデータを転送しました。 Amazon Simple Email Service (SES) – Amazon SES は 2023 年のプライムデー期間中に 2022 年よりも 56% 多い E メールを Amazon.com に送信し、これらの E メールの 99.8% をお客様に配信しました。 Amazon CloudFront – Amazon CloudFront は、1 分あたり 5 億件を超える HTTP リクエストのピーク負荷を処理し、プライムデー期間中には合計 1 兆件を超える HTTP リクエストを処理しました。 Amazon SQS – プライムデー期間中、Amazon SQS は、ピーク時に毎秒 8,600万件のメッセージを処理することにより、新しいトラフィック記録を樹立しました。これは、SQS が 1 秒あたり 7,050 万件のメッセージをサポートした 2022 年のプライムデーに比べて 22% の増加です。 Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) – 2023 年のプライムデー期間中、Amazon は、2,600 を超えるサービスのために正規化された AWS Graviton ベースの Amazon EC2 インスタンスを使用しました。その数は 2022 年の 2.7 倍に上りました。より多くの Graviton ベースのインスタンスを使用することで、Amazon は消費電力を最大 60% 削減しながら、必要なコンピューティング容量を確保することができました。 Amazon Pinpoint – Amazon Pinpoint は、2023 年のプライムデー期間中に膨大な数の SMS メッセージをお客様に送信しました。配信成功率は 98.3% でした。 スケールする準備 毎年同じメッセージを繰り返します。厳密な準備は、プライムデーやその他の大規模イベントの成功の鍵です。同様のチャートトップイベントの準備をしている場合は、 AWS Infrastructure Event Management (IEM) を活用することを強くお勧めします。IEM エンゲージメントの一環として、私の同僚は、自信を持ってイベントを実行するのに役立つアーキテクチャおよび運用上のガイダンスを提供します。 – Jeff ; 原文は こちら です。
本稿は、 関西電力送配電株式会社によるスマートメーターシステムのクラウド採用に向けた取り組みについて、執行役員である松浦 康雄様より寄稿いただきました。前半、後半の 2 回に分けてご紹介いただきます。本稿は、その後半となります。 現行のスマートメーターシステムにおける方向性の検討 寄稿:関西電力送配電株式会社によるスマートメーターシステムのクラウド採用に向けた取り組みのご紹介 (前半) で記載した現行のスマートメーターシステムの課題への対応として、 IT 分野における技術動向として広く進んできている AWS を中心としたクラウド技術の利用が選択肢になると考えました。クラウドを活用することで、オンプレミス設備においては避けられない、サーバハードウェアの保守切れに伴う「ハードウェアのリプレース」が、ほぼすべて不要になり、関連する業務の大幅な軽減が見込まれます。 また、システム負荷の増加に伴うサーバ増強の対応でも、クラウド活用の場合では、 GUI 上でのリソース設定だけでサーバリソースの変更ができ、また、設計次第ではオートスケール機能によりサーバのスケールアウトさえも考慮不要となります。さらに、クラウド上にデータを配置していくことで、多様なデータアナリティクスサービスも俊敏に利用できるため、柔軟かつ高度なデータ利活用の拡大も実現できます。 加えて、検討の素地として、当社の親会社である関西電力では、クラウド市場拡大の動向も踏まえてその活用に向けた調査や適用性に関わる技術検証を完了し、その結果、 AWS の標準採用を既に決定するなどクラウドの導入・利用について意思決定されていたことが挙げられます (※ 1 ) 。 (※ 1 ) AWS Summit 2022 「関西電力のデジタルトランスフォーメーションを支えるクラウド標準化・ガイドライン策定取組と AWS 活用事例」 このような背景もあって、スマートメーターシステムにおけるオンプレミス環境の様々な課題解決に向けて、クラウド活用の調査、検討を開始することは自然な流れでした。 クラウド化に関わる社内意見交換 先述のような背景から、スマートメーターシステムのクラウド化について技術調査、検討を進めることとなりましたが、当初、社内にはクラウドに対して漠然とした不安感を感じる意見が根強くありました。オンプレミスで設備構築するとともに業務スキームを整備することで、 10 年以上にわたって安定稼働を果たしてきた状況において、敢えてクラウドを選択することに対する不安感は当然のものであり、メリット・デメリットを含めて丁寧に意見交換を進めることとしました。 漠然とした不安感については、例えば、「クラウドってセキュリティ面は大丈夫なのか?」、「基幹業務システムでも使えるのか?」、「事業撤退などの懸念は無いか?」、「外資特有の強引な値上げ懸念は無いのか?」、「品質は担保されるのか?」、「保守や技術サポートは信頼に足るのか?」などがありました。漠然とした不安や疑問に対して、クラウドサービスへの知識や業界動向に関わる情報、 AWS や各社の事例などを収集し、事実確認を進めて、情報共有を通して関係者の理解を深め、検討初期段階における不安感を払拭していきました。また、セキュリティ面やクラウド活用の基本的な妥当性については、「システム構築に当たってのセキュリティ確保はクラウド利用者の設計次第であり、確実に実現可能」であること、「金融機関や社会インフラに関連する企業における基幹業務システムでも AWS 採用事例が拡大しており、技術面での導入障壁はない」など、社内で認識共有ができ、地に足の着いた検討と意見交換ができる状況が醸成され、その後はクラウド化に関する踏み込んだディスカッションが進みました。 例えば、 「インターネットからの侵入リスクに対してクラウドでは具体的にどのように対処するのか?」、 「クラウドでは障害復旧が長時間化しないか?当社専用のハードウェアの方が、障害復旧が早いのではないか?」、「システムをクラウドに移すことでネットワークコストが高止まりし、全体として高コストにならないか?」といった様々な疑問に対して論点化し意見交換しました。各論点に対して、 AWS クラウド導入事例を参考に情報収集した上で、双方の立場の意見を丁寧に整理し、侃々諤々の議論を継続しました。 その結果、セキュリティ面に加えて、可用性でもクラウドはオンプレミスと比べて同等以上の品質を確保できるという認識共有が図れました。ネットワークコスト面に関する検討では、クラウドとのネットワーク連携回線は単体ではコスト増になるのは明白であり、単体評価するのではなく、システム全体の TCO の観点から総合的に評価する必要性を明確にしました。次に、クラウドサービスの選択に議論が移りましたが、先述の通り関西電力で AWS を標準クラウドとして採用済であったこと、その実績評価や、市場シェア、コスト、サービス開発とその提供における顧客志向な考え方、サポート面、技術情報の入手しやすさなど総合的に検討した結果、当社も AWS を採用する方向性で認識共有されました。 以上のような、多岐にわたるクラウド化に関わる社内の意見交換も踏まえて、 AWS クラウドへの移行について、技術面を含めた社内理解が醸成され、方向性も固まっていきました。 コスト試算と経済性評価について スマートメーターシステムの AWS 移行に関わる概算コスト算定や経済性評価時に注力して意識したことは、クラウド化に伴い「増加するコスト」「減少するコスト」の種別を洗い出すことでした。このとき、当社グループ内の先行事例と実績を参考にしています。特に、当社先行事例として、IaaS ( Infrastructure as a Service ) のみならず PaaS( Platform as a Service ) を活用することでクラウドのメリットである柔軟性、可用性の向上を実現しながら、コスト削減を実現できているという点を重要視しました。 これを支える仕組みとして、 AWS のマネージドサービスがあります。マネージドサービスを活用するメリットのもう1つの側面として、クラウド利用は従量課金(使った分だけ支払う)の考え方を享受できることがあります。従来のハードウェア一括調達のようにリソース消費量が最大となる瞬間を見据えた調達が不要となったことで、コスト削減の一助となりました。 一方、机上整理では評価しきれない項目もありました。具体的には、現環境での機能をそのままクラウドに実装することはできるものの、 AWS 移行に合わせて実装方法自体を見直すことで、コスト面でもより大きな効果が得られる可能性のある項目です。当社では、これらの項目については整理、認識したものの、セキュリティ面を含めた技術的な実現性の見極めに時間を要することから、検討の初期段階でのコスト評価対象からは一旦外すこととしました。 こうした一定の考え方に沿ったコスト概算の結果、コストメリットが必ず確保できるという見通しを立てることができました。 当初の検討結果を踏まえた大きな方向性の判断 このような、多岐にわたるクラウド化に関する調査検討や、それに基づく社内意見交換も踏まえて、2022 年 4 月に、現行スマートメーターシステムについて、「コスト削減を前提に AWS 移行を推進する」という方向性について経営判断を行うに至りました。 プロジェクト推進体制の確立と検討加速 「コスト削減を前提に AWS 移行を推進する」という前提条件に沿って本プロジェクトを推進するにあたって、「経済合理性を確実に達成する」という点は、 AWS 移行検討の深化にあたり非常に重要なテーマとなりました。 経済合理性を確実に確保可能なクラウド移行を実現するために、このフェーズから AWS Professional Services を、技術と業務の両面におけるプロジェクトマネジメントを主体的に推進する立場に招き入れ、当社と同じ立場でサブシステムを所管する各システムベンダーへの全体統括を行い、プロジェクト推進を加速させることとしました。 それ以降のプロジェクト推進にあたっては、 AWS 移行の取り組みに係る基本スタンスや実装方針を明らかにし、それを各システムベンダーに明確にメッセージングし、それに基づいてベンダー各社が検討推進することが重要と考え、基本スタンスの整理からメッセージングの内容に至るまで、踏み込んで AWS Professional Services と意見交換を重ねました。 特にクラウドへの移行方針については精力的に検討を実施しました。例えば、現行システムの AWS 移行について、検討当初はアプリケーションやミドルウェアに極力手間をかけずに、サーバを単にクラウド上に移行する考え方がコスト面でもリードタイムでも最適ではないかと考えていました。しかし、サーバを単にクラウド上に移行する “クラウドリフト” ではなく、マネージドサービスを積極活用して AWS 上の仕組みに最適化する ”クラウドシフト” という考え方で取り組む方が、クラウド固有のメリットを享受できる上に、維持運用性の向上や可用性の確保に関する投資を含めて高い経済合理性が確保可能だろうという結論に達しました。( 図 1 ) 図 1 マネージドサービスの活用による構築・運用の負荷軽減 つまり、従来、オンプレミスで自らサーバ環境を整備してきたアプリケーションを AWS 上に従来同様に実装することは止め、クラウドサービスで代替できるものは積極的にサービス利用に乗り換えるという実装方針としました。 この実装方針を実現するためには、現行システムの改修が発生します。この過程において、マネージドサービスの積極採用の技術検討を加速させることに並行して、不要となった機能要件を洗い出して、それを踏まえたシステム要件の整理と見直し、次世代システムへの移行を意識したシステム改修の方向性を整理しました。このような実装対応方針を明確に打ち立ててベンダー各社とも意思統一を図ったうえで、クラウドシフトに向けた設計フェーズに踏み込むこととなりました。 次世代システムにおける当社の検討スタンス 現行スマートメーターシステムでの AWS 採用検討と並行して、次世代スマートメーターシステムの検討も進みました。システム開発観点において、現行システムで AWS 採用検討が進む中で次世代でもこれを否定するのではなく、より一層のクラウドメリットを享受する方向で検討を進めました。特に、次世代スマートメーターシステムではカーボンニュートラルに向けた環境変化に対応すべく、スマートメーターから得られるデータを柔軟に高度利活用した電力レジリエンスの強化、再エネ大量導入に資する配電網の更なる高度化を実現し、お客さまサービスのさらなる向上が必達であるため、これら要件へ着実に対応できる柔軟なシステム開発が必須と考えています。(図 2 ) 図 2 次世代スマートメーターを活用した電力DXの推進 次世代システム開発の方向性 次世代スマートメーターシステムの開発スタンスを実現するために、システム開発ではより近代的なアプローチを採用する方向で社内議論を進めました。スマートメーターシステムとして要求される堅牢なセキュリティ対策と送配電事業継続を支える高いレジリエンスを着実に実現しながら、将来予想される追加業務や要件へ対応できる仕組みを作り上げる必要があります。この思想を実現するためにも、当社の次世代スマートメーターシステムでは、マイクロサービスの考え方を導入し各コンポーネントを疎結合にしながら、機能拡張と障害発生時の影響範囲の極小化を目指しています。 加えて、マイクロサービスを着実に実現するためにも、サーバレスアーキテクチャを導入すると共に、現行システムよりも積極的にマネージドサービスを活用し、運用負荷軽減も狙う方向を打ち出しました。(図 3 )これら方針を着実に実現しながら、クラウドサービスの最先端技術を余すことなく活用していくことで、より一層堅牢かつ柔軟なスマートメーターシステムの実現を目指しています。 こうした思想と方針に基づき、当社の次世代スマートメーターシステム開発は現在もプロジェクトが進んでいます。 図 3 当社スマートメーターシステム開発の方向性 現行システムと次世代システムのマイグレーション 最後に、現行システムと次世代システムの今後の展望について言及します。当社スマートメーターシステムは 2025 年度時点では、現行システムと次世代システムの並行稼働を予定しています。これは、それぞれに求められる特性が異なることや、次世代スマートメーターをいち早く活用してお客さまサービスの向上を狙うことなどを踏まえて方向付けしたものです。一方、運用負荷を含めた TCO 削減なども思慮し、早い段階で現行システムの次世代システムへのマイグレーション実現を図っていきます。 マイグレーションの方向性検討においても、現行システムを ”クラウドリフト” ではなく、マネージドサービスを積極活用することで AWS 上の仕組みに最適化する “クラウドシフト” という考え方を取り込んで検討してきたことで、次世代システムへの移行を見据えた現行システムの円滑な縮退も視野に入れた仕組みの実現性が見えてきました。 おわりに 今回の寄稿では、当社スマートメーターシステムにおけるクラウド活用の議論の全体像をご紹介しました。 次回以降は、技術的な観点でより詳細に、次世代スマートメーターシステム開発と、現行スマートメーターシステムのクラウドシフトについてご紹介致したいと考えています。 執筆者 松浦 康雄 関西電力送配電株式会社 執行役員(配電部、情報技術部) 2000 年代初期より、次世代配電網に適用する通信メディアの技術開発に携わり、 2010 年よりスマートメーターシステムの開発・導入プロジェクトを担当。 この経験を踏まえ、 CIGRE (国際大電力会議)にてスマートメーターのデータ利活用に関するワーキンググループを立ち上げて報告書をまとめるなど、スマートメーターシステムの全体像からデータ利活用にかかる論点を国内外の場で調査・発表し、脱炭素社会の実現、レジリエンス向上や効率化の実現に欠かすことのできない重要なキーデバイスとして、日本におけるスマートメーターの認知度向上に貢献。 2020 年には、資源エネルギー庁の声掛けのもと再開された次世代スマートメーター制度検討会に委員として参画し、次世代スマートメーターに求められる構造、機能や性能などについて、現行スマートメーター導入の経験や諸外国調査の知見を活かして議論をけん引。 2022 年度には、同社の現行スマートメーター全数導入を成し遂げるとともに、データプラットフォームとなり得る次世代スマートメーターシステム構想を描き、同社における検討を推進。 現在に至る。
本稿は、 関西電力送配電株式会社によるスマートメーターシステムのクラウド採用に向けた取り組みについて、執行役員である松浦 康雄様より寄稿いただきました。前半、後半の 2 回に分けてご紹介いただきます。本稿は、その前半となります。 はじめに 関西電力送配電株式会社(以降、当社)は送配電事業の一層の中立性を確保するための電気事業法の改正に伴い、2020 年 4 月、関西電力から一般送配電事業を継承し、事業を開始しました。当社が将来目指す姿を描き出し、その姿に向かって自ら変革していく デジタルトランスフォーメーション ( DX )に全社を挙げて取り組んでいく過程において、この度日本初となる、クラウドを中核としたスマートメーターシステムを開発することを決定致しました (※ 1 ) 。 本取り組みに対するブログは全体で三部作シリーズでお伝えする予定です。今回は第一部として、スマートメーターシステムにおけるクラウドや AWS 採用に関わる意思決定に至る社内の議論経過をお伝えします。次回以降は、 AWS 活用を前提とした次世代スマートメーターシステムの具体的な方向性や取り組みについて、また現行スマートメーターシステム (※ 2 ) のクラウドシフトに関する課題解決の経緯について、ご紹介します。 (※ 1 ) 「 スマートメーターシステムとして日本初となるクラウドを中核としたシステム開発を決定 」(当社のホームページ、 2023/3/31 ) (※ 2 ) 当社の現行スマートメーターは 2023 年 3 月に設置完了。その後、現行スマートメーターの有効期間( 10 年間)が順次満了することに伴い、 2025 年度より次世代スマートメーターへの置き換えを開始予定。 図 1 当社ホームページのお知らせより抜粋 スマートメーターシステムとは スマートメーターシステムとは、お客さまの電気使用量を、通信網を介して遠隔・自動・定期的に収集・保存するシステムで、スマートメーターと通信ネットワーク、収集したデータを管理するシステム(メーターデータ収集・管理システム)、及び電気使用量にかかる業務を担うシステム(業務システム)により構成されます。スマートメーターは、お客さまの電気使用量を計測・記録する計量部と計測した電気使用量データを上位サーバへ伝送する通信部から構成されます。(図 2 ) 図 2 スマートメーターシステムとは 従前の、毎月一回の目視検針から、 30 分毎の遠隔・自動検針に大きく進歩を遂げただけでなく、スマートメーターからお客さま宅内の端末機器(Home Energy Management System 、Building Energy Management System 等)に電気使用量データを送信することにより、電気使用量が多い時間帯などを把握して、より効果的な省エネが実現可能になりました。 日本全国では 2010 年代前半から導入が開始され、 2020 年代前半に全戸設置が完了する見通しの現行スマートメーターシステムに対して、仕様を見直して機能向上を図った次世代スマートメーターシステムが、2025 年度から導入が開始される予定です。 なお、スマートメーターは、計量器として正確・適正な装置であることを計量部の検定を以って担保しており、この検定の有効期間が 10 年であることから、メーター全数に対してスマートメーターに置き換えていくには、基本的に 10 年の歳月を費やすことになります。 導入経緯と実態 当社では、計量器周辺業務の効率化等を目指し、1990 年代末期から通信方式の研究開発を進めてきました。この開発コンセプトが、後にスマートメーターと呼ばれる汎用的な概念になります。当時は、携帯回線等の通信網のランニングコストが高かったため、自営通信網を主体にして、いかに接続性・信頼性の高い通信ネットワークを構築できるかという点が大きな課題でした。また、当時の計量器は機械式と呼ばれるアナログのものが主流でした。 計量器のスマート化に向けた研究開発に一定のめどが立った 2005 ~ 2006 年に、当社内で議論し、計量器のスマート化に向けた本格検討を開始することになりました。当時はスマートメーターという言葉が存在せず、当社内では計量システムのスマート化を「新計量システム」と呼び、開発を推進しました。当時は計量器の表示を目視確認して検針することや、引っ越し等に伴う送電時には計量器側で作業することが当たり前でしたが、新計量システムに置き換わることにより、これらの業務が大幅に変化するため、数十から百数十人の社内関係者が一堂に介し、議論を積み重ねて、ありたい業務の姿を一つ一つ決めていく議論を繰り返しました。その議論を踏まえ、システム開発としては、 2006 年に開発ベンダーを決定して、システム要件も確定、 2007 年に各ベンダーでの開発を実施し、同年末には通信ネットワークからシステムに至る間のマルチベンダー試験を行い、 2008 年 4 月より試験的導入を開始、 2012 年から全面導入を開始しました。 導入当初は、開発時には想定し得なかった通信ネットワークの通信輻輳の事象など、数多くの新たな課題に直面し、大変な苦労をしましたが、それらを解消することで、着実に新計量システムの信頼性向上を図りました。その後、日本全国においてスマートメーター導入の機運が高まり、2014 年からは当時の電力会社 10 社の本格導入が開始、順次展開され、当社では 2023 年 3 月に全戸導入を完了しています。これまでに当社においては、スマートメーターシステムを活用し、安全かつ確実な検針作業の実現やお客さまの利便性向上、蓄積された電気使用量データに基づいた配電設備形成の合理化などに積極的に取り組んできました。 電気使用量データの利活用 当社では 2012 年からスマートメーターの全面導入を開始し、 2023 年 3 月に全戸への導入を完了しています。導入途上から 30 分毎に収集される電気使用量データの利活用に取り組んでおり、配電設備の正常化や合理化など実践的にデータ利活用を推進してきました。 一方で、後述するように現行スマートメーターシステムは、開発当時にクラウドシステムの概念が無かったためにオンプレミスでデータ収集システムを構築しています。このため、順次拡大するスマートメーターを収容するためのサーバシステムの拡張性に関する課題がありました。また、マルチベンダーによるシステム構築に伴うベンダー間の詳細にわたる仕様調整が必要であり、さらに、ベンダー独自仕様で構成されていることから、ニーズに応じた柔軟なデータの抽出や加工には課題があり、徹底的なデータ利活用の実現にはハードルがありました。この状況の中、昨今のレジリエンス強化に対する関心の高まりや、再生可能エネルギーを始めとする分散型エネルギーリソースの導入拡大の進展等を踏まえて、 2020 年 9 月に資源エネルギー庁が、スマートメーターシステムの高度利用に関する議論の場として次世代スマートメーター制度検討会を設置し、カーボンニュートラル時代に相応しいスマートメーターシステムの新しい仕様や備えるべき新しい機能について議論・検討されました。 現行システムの課題と次世代スマートメーター制度検討会の議論を踏まえて、当社ではスマートメーターから得られるデータを柔軟に高度利活用し、電力ネットワークをご利用いただくお客さまへのサービスレベルアップや社会のレジリエンス向上を図ることを目指し、現行システムと次世代システムを AWS をベースとしたフルクラウドで実現することを決定致しました。(図 3 ) 図 3 現行システムと次世代システムのフルクラウド化 本稿で取り上げるスマートメーターシステム スマートメーターシステムの全体概要は一般的に図 2 の通り、各家庭に設置されたスマートメーター、通信ネットワーク、データを収集・保存するデータセンター、及び関連業務を担う業務系の各種システムで構成されます。 本稿では、AWS 上に構成するシステムに焦点を当てた内容を取り上げますので、本稿においては、図 4 の通り、スマートメーターシステムのうちスマートメーターからのデータ収集を担うヘッドエンドシステム( Head End System 。以下、 HES )、ならびに収集されたデータの活用やメーター管理を担うメーターデータマネジメントシステム( Meter Data Management System 。以下、 MDMS )に特化して記載します。このため、特に断りの無い限り、本稿では HES と MDMS のみをスマートメーターシステムと表現します。 図 4 本稿で取り上げるスマートメーターシステム 現行のスマートメーターシステムにおける課題 当社では、スマートメーターという言葉が存在しない時代から、新計量システムと呼んで開発を進めてきました。現在のようにスマートメーターのパッケージシステムなど存在していませんので、複数のシステムベンダーの協力を頂き、試行錯誤しながらシステム構成や機能配置を模索してきました。結果として、オンプレミス環境に、ベンダー固有の技術・仕様でシステムを構成し、システムを実現することに成功しています。このシステムの運用開始以降、スマートメーターの設置数量の拡大に伴ってサーバ規模も順次拡大し続けながら、継続的な安定稼働を実現しています。 当社の現行スマートメーターシステムは、こうした経緯で作り上げられたシステムのために、独自 OS や商用データベース、ミドルウェア採用に伴う経済性や将来持続性の課題、システムベンダーへの一元的な委託も背景とした、システムのブラックボックス化、業務処理ロジックの隠匿化などの課題に直面していました。これらの課題は、スマートメーターの 100% 導入完了を受けて、収集される膨大な電気使用量データの高度利活用を指向する当社にとっては、非常に大きな課題となっていました。 また、 10 年かけて導入拡大していくスマートメーターに対して、収容数増加に伴うサーバ数の増大、関連する OS ・ミドルウェアの保守切れ、ライセンス更新、及びサーバリプレース作業が毎年発生していることも大きな課題でした。これらの課題については、その都度、検証作業などが発生するために、経済性の課題だけではなく、当社のサーバ保守関係に従事するメンバーの業務負荷が増大しているという課題でもありました。更に近年では、半導体枯渇によるサーバハードウェア調達納期の遅延など、将来の不確実性も含めた様々な課題が顕在化してきていました。 おわりに 本稿では、当社のスマートメーターシステムのクラウド採用に向けた取り組みについて、「現行のスマートメーターシステムにおける課題まで」をご紹介致しました。後半については、「 寄稿:関西電力送配電株式会社によるスマートメーターシステムのクラウド採用に向けた取り組みのご紹介 (後半) 」をご参照ください。 執筆者 松浦 康雄 関西電力送配電株式会社 執行役員(配電部、情報技術部) 2000 年代初期より、次世代配電網に適用する通信メディアの技術開発に携わり、 2010 年よりスマートメーターシステムの開発・導入プロジェクトを担当。 この経験を踏まえ、 CIGRE (国際大電力会議)にてスマートメーターのデータ利活用に関するワーキンググループを立ち上げて報告書をまとめるなど、スマートメーターシステムの全体像からデータ利活用にかかる論点を国内外の場で調査・発表し、脱炭素社会の実現、レジリエンス向上や効率化の実現に欠かすことのできない重要なキーデバイスとして、日本におけるスマートメーターの認知度向上に貢献。 2020 年には、資源エネルギー庁の声掛けのもと再開された次世代スマートメーター制度検討会に委員として参画し、次世代スマートメーターに求められる構造、機能や性能などについて、現行スマートメーター導入の経験や諸外国調査の知見を活かして議論をけん引。 2022 年度には、同社の現行スマートメーター全数導入を成し遂げるとともに、データプラットフォームとなり得る次世代スマートメーターシステム構想を描き、同社における検討を推進。 現在に至る。
AWS ヒーロー プログラムでは、深い技術的専門知識と、他の人がより多くのことを学び、より早く構築できるよう支援したいという情熱を兼ね備えた個人を表彰します。長年にわたり、コミュニティがどのように AWS 上で構築されたソリューションを開発し、デプロイするかについて、トレンドが進化してきました。この影響により、特別なヒーローカテゴリが生まれました。8月1日、注目のセキュリティ分野のリーダーを公式に表彰し、称えることができることを嬉しく思います。 セキュリティは、チームが安全にイノベーションを起こすことを可能にするものというより、インパクトの観点から見られることがよくあります。初代の AWS セキュリティヒーロー は、情報提供と教育を意図して取られる実用的なアプローチが、セキュリティにポジティブな結果をもたらすことを幾度となく示してきました。AWS セキュリティヒーローの最初の仲間たちは、その分野の第一線で活躍する専門家であり、他のユーザーがセキュリティをよりよく理解できるよう手助けすることを共に志しています。 最初の AWS セキュリティヒーローをご紹介します。 Chris Farris 氏 – 米国、アトランタ セキュリティヒーローの Chris Farris 氏は、1994 年から IT 業界に従事しており、主に Linux、ネットワーク、セキュリティに取り組んできました。過去 8 年間、同氏はメディアとエンターテインメント業界のパブリッククラウドとパブリッククラウドのセキュリティに深く関わってきました。その専門知識を活かして、Turner Broadcasting、WarnerMedia、Discovery Communications、PlayOn! Sports でクラウドセキュリティプログラムを構築し、 進化させてきました。現在は主に、クラウドセキュリティの中核となる概念を理解し、中小規模の組織でもクラウドのセキュリティとガバナンスを強化できるよう、ビルダーを教育し、支援することに取り組んでいます。 Gerardo Castro 氏 – ペルー、カヤオ セキュリティヒーローの Gerardo Castro は、Caleidos のセキュリティソリューションアーキテクトです。彼は Medium ブログで技術的な記事を書いたり、サイバーセキュリティについて話したりするのが好きです。また、AWS に焦点を当てた動画、ポッドキャスト、オンラインクラス、ワークショップの作成と指導も行っています。さらに、Castro 氏は中南米の AWS UG セキュリティコミュニティのコミュニティリーダーであり、多くの人々にクラウドでのキャリアをスタートさせ、成長するきっかけを与えてきました。 臼田 佳祐氏 – 日本、千葉県 セキュリティヒーローの 臼田 佳祐 氏は、Classmethod のシニアソリューションアーキテクトであり、CISSP の認定を受けています。また、セキュリティに特化した日本 AWS ユーザーグループ (Security-JAWS) の中核メンバーでもあり、定期的にイベントを開催しています。臼田氏は AWS のセキュリティ関連のマネージドサービスに深い関心を持っており、世界中のすべての AWS アカウントで Amazon GuardDuty を使えるようにすることを提唱しています。 Ray Lin (Chia-Wei Lin) 氏 – 台湾、台北 セキュリティヒーローの Ray Lin 氏は、iFUS System Consultants Ltd. の AWS およびセキュリティコンサルタントであり、一からチームを構築し新製品を開発することに長けています。彼の主な専門分野は、ソフトウェアプロジェクト管理、アジャイル開発、ビジネスおよびシステム分析、SaaS 製品開発、アーキテクチャ設計、サイバーセキュリティ、DevSecOps、AI です。Lin 氏は、特にサイバーセキュリティと安全なアーキテクチャ設計分野で、AWS コミュニティにも多大な貢献をしてきました。知識を共有することに対する彼のコミットメントは、AWS ユーザーグループ台湾へ積極的に参加していることからも明らかです。 吉江 瞬氏 – 日本、横浜 セキュリティヒーローの 吉江 瞬 氏は、野村総合研究所 (NRI) のセキュリティコンサルタントで、2021 年からヒーローになっています。マルチクラウド環境におけるセキュリティの運用設計に関するコンサルティングを行っており、マルチクラウド、クラウドネイティブ、CNAPP、セキュリティオブザーバビリティに関連するテーマに焦点を当てています。また吉江氏は、2013 年に日本の AWS ユーザーグループ (JAWS-UG) に参加し、2019 年から JAWS-UG 東京勉強会を運営しています。 Teri Radichel 氏 – 米国、サバンナ セキュリティヒーローの Teri Radichel 氏は、組織へのクラウドセキュリティトレーニング、侵入テスト、セキュリティ評価という 3 つのサービスを提供するサイバーセキュリティ企業、2nd Sight Lab の CEO です。また、IANS Research を通じて組まれるコンサルティングコールで、顧客のサイバーセキュリティに関する質問に答えている。Radichel 氏は、「Cybersecurity for Executives in the Age of Cloud」という本の著者であり、2016 年からヒーローとして活躍しています。またセキュリティイノベーションが評価され、SANS 2017 Difference Makers 賞を受賞しています。Radichel 氏は GSE を含む 13 のサイバーセキュリティとペンテストの認定を受けています。GSE では、取得時に 2 日間の実地試験に合格する必要がありました。 詳細はこちら 新しいセキュリティヒーローのカテゴリについて詳しく知りたい、またはお近くのヒーローとつながりたいという場合は、 AWS ヒーローのウェブサイト にアクセスするか、「 AWS Heroes Content Library 」(AWS ヒーローコンテンツライブラリ) をご覧ください。 – Taylor 原文は こちら です。
2021 年 6 月、Jeff Barr は AWS イスラエル (テルアビブ) リージョンが間もなく利用可能になることを 発表しました 。本日、3 つのアベイラビリティーゾーンと il-central-1 API 名を備えた AWS イスラエル (テルアビブ) リージョン の一般提供の開始をお知らせします。 新しいテルアビブリージョンでは、アプリケーションを実行し、イスラエルにあるデータセンターからユーザーにサービスを提供するための追加オプションがお客様に提供されます。お客様はイスラエル国内にデータを安全に保存しながら、近隣のユーザーにさらに低いレイテンシーでサービスを提供できます。 AWS イスラエル (テルアビブ) リージョンの AWS のサービス 新しいテルアビブリージョンでは、 C5 、 C5d 、 C6g 、 C6gn 、 C6i 、 C6id 、 D3 、 G5 、 I3 、 I3en 、 I4i 、 M5 、 M5d 、 M6g 、 M6gd 、 M6i 、 M6id 、 P4de (パブリックプレビューのみ)、 R5 、 R5d 、 R6g 、 R6i 、 R6id 、 T3 、 T3a 、 T4g インスタンス、および次のさまざまな AWS のサービスをご利用いただけます:  Amazon API Gateway 、 AWS AppConfig 、 AWS Application Auto Scaling 、 Amazon Aurora 、 Aurora PostgreSQL 、 AWS Budgets 、 AWS Certificate Manager 、 AWS CloudFormation 、 Amazon Cloudfront 、 AWS Cloud Map 、 AWS CloudTrail 、 Amazon CloudWatch 、 Amazon CloudWatch Events 、 Amazon CloudWatch Logs 、 AWS CodeBuild 、 AWS CodeDeploy 、 AWS Config 、 AWS Cost Explorer 、 AWS Database Migration Service 、 AWS Direct Connect 、 AWS Directory Service 、 Amazon DynamoDB 、 Amazon Elastic Block Store (Amazon EBS) 、 Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) 、 Amazon EC2 Auto Scaling 、 EC2 Image Builder 、 Amazon Elastic Container Registry (Amazon ECR) 、 Amazon Elastic Container Service (Amazon ECS) 、 Amazon Elastic Kubernetes Service 、 Amazon ElastiCache 、 AWS Elastic Beanstalk 、 Elastic Load Balancing 、 Elastic Load Balancing – Network (NLB) 、 Amazon EMR 、 Amazon EventBridge 、 AWS Fargate 、 Glacier 、 AWS Health Dashboard 、 AWS Identity and Access Management (IAM) 、 Amazon Kinesis Data Streams 、 Amazon Kinesis Data Firehose 、 AWS Key Management Service (AWS KMS) 、 AWS Lambda 、 AWS Marketplace 、 AWS Mobile SDK for iOS and Android 、 Amazon OpenSearch Service 、 AWS Organizations 、 Amazon Redshift 、 AWS Resource Access Manager 、 Amazon Relational Database Service (Amazon RDS) 、 Resource Groups 、 Amazon Route 53 、 Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC) 、 AWS Secrets Manager 、 AWS Shield Standard 、 AWS Shield Advanced 、 Amazon Simple Notification Service (Amazon SNS) 、 Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS) 、 Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) 、 Amazon Simple Workflow Service (Amazon SWF) 、 AWS Step Functions 、 AWS Support API 、 AWS Systems Manager 、 AWS Trusted Advisor 、 VM Import/Export 、 AWS VPN 、 AWS WAF 、 AWS X-Ray 。 イスラエルの AWS Israel Ministry of Economic Industry によると、イスラエルはクラウドコンピューティング時代の最前線にあり、「数多くのグローバルスタートアップが輩出されている『スタートアップ国家』として知られています。過去 10 年間にわたって、イスラエルは 2,000 を超えるスタートアップを輩出してきましたが、これらのスタートアップの大部分は Software as a Service (SaaS) 駆動型です。新しいスタートアップが絶えず市場に参入しているため、イスラエルのクラウドテクノロジーが市場で成功を収めることについて、常に大きな期待が寄せられています」。 AWS は 2013 年に AWS Activate プログラムを通じてイスラエルのスタートアップのサポートを開始しました。イスラエルでは、AWS は 8200 EISP 、 F2 Venture Capital – thejunction 、 TechStars などのアクセラレーター組織や、 Entrée Capital 、 Bessemer Venture Partners 、 Pitango 、 Vertex Ventures Israel 、 Viola Group などのベンチャーキャピタル企業と連携して、これらのポートフォリオに含まれている企業の急速な成長をサポートしています。 2014 年、当社はイスラエルに AWS のオフィスと研究開発 (R&D) センターを開設しました。それ以来、Amazon は同国での R&D のプレゼンスを拡大し、現在では Prime Air や Alexa Shopping などを提供するに至っています。 2015 年、AWS はイスラエルのマイクロエレクトロニクス企業である Annapurna Labs を買収しました。同社は、AWS が設計した Graviton プロセッサ 、 AWS Inferentia 、 AWS Trainium チップ、 AWS Nitro System など、AWS 向けの高度なコンピューティング、ネットワーキング、セキュリティ、ストレージテクノロジーを開発してきました。 2018 年、当社は、テクノロジーに焦点を当てたイベントや教育活動を通じてイスラエルのスタートアップ、企業、政府のお客様の成長をサポートするために、 テルアビブの新しいオフィスに拡張しました 。これには、 Floor28 の AWS Experience Tel Aviv が含まれます。現在、Floor28 の AWS Experience Tel Aviv は教育ハブとなっており、AWS に興味のある人なら誰でも、業界イベント、ワークショップ、ミートアップに参加したり、AWS のエキスパートから技術指導やビジネス指導を無料で直接受けたりできます。 2019 年、当社はイスラエルで最初の AWS インフラストラクチャを立ち上げ、 Amazon CloudFront エッジロケーションを開設しました。2020 年には AWS Outposts と AWS Direct Connect をイスラエルに導入し、イスラエルの組織が独自のデータセンターで AWS のテクノロジーを実行し、AWS クラウドとの間での専用接続を確立できるようにしました。 2021 年 4 月、イスラエル政府は Nimbus 契約 の一環として AWS を主要なクラウドプロバイダーに選定したと発表しました。Nimbus フレームワークにより、省庁、教育、医療などの政府部門や、地方自治体が AWS テクノロジーを利用してデジタルトランスフォーメーションを加速できるようになります。 AWS は、 AWS Educate 、 AWS Academy 、 AWS re/Start 、および他の トレーニングおよび認定 プログラムなどのプログラムを通じて、イスラエルの現地のデベロッパー、学生、次世代の IT リーダーのスキルアップに投資し続けています。 AWS Educate および Academy プログラムは、クラウド関連の学習を加速し、イスラエルの今日の学生が将来の仕事に備えるための無料リソースを提供しています。既に AWS Academy プログラムに参加している イスラエルの大学 には、Bar Ilan University、Ben-Gurion University of the Negev、Holon Institute of Technology、Jerusalem College of Technology、University of Haifa が含まれます。また、失業者または不完全雇用者がクラウドキャリアを新たに開始するのを重点的にサポートするために、AWS re/Start を立ち上げました。現在、イスラエルの Appleseeds 、 Sigma Labs Jerusalem 、 Analiza Cyber Intelligence を通じて AWS re/Start プログラムにお申し込みいただけます。 イスラエルの AWS のお客様 イスラエルには、AWS を利用して輝かしい成果を実現している数多くのすばらしいお客様がいます。そのうちの数社を以下でご紹介します。 AI21 Labs – AI21 Labs は、企業が独自の生成系人工知能アプリケーションを構築できるようにする AI21 Studio を通じて、最先端の独自言語モデルを利用できるようにしているほか、同社の消費者向け製品である Wordtune (文脈と意味を理解する初の AI ベースの記述アシスタント) へのアクセスも提供します。AI21 Labs は、言語モデルの Jurassic-2 ファミリーを構築するために、高い費用対効果で効率的に数百の GPU にスケールしました。これらのモデルは、 Elastic Fabric Adaptor (EFA) によってサポートされる Amazon EC2 P4d インスタンス の 400 Gbps の高性能ネットワーキングに基づく分散並列インフラストラクチャを使用してトレーニングされています。 Bank Leumi – Leumi はイスラエルの大手銀行の 1 つで、全国に 200 を超える支店を持ち、AWS を利用して高度な銀行サービスの市場を構築する専門チームを擁しています。Leumi は、サービスを中断することなく、わずか 5 か月間で 16 のオンプレミスアプリケーションを以前の Kubernetes ソリューションから Amazon EKS Anywhere に移行しました。銀行の新しい環境により、デプロイに対する一貫したスケーラブルなアプローチが促進されました。これにより、時間と費用が削減され、イノベーションの速度を向上させることができました。 CyberArk – CyberArk は、ID セキュリティ業界における AWS のパートナーです。CyberArk は、特権アクセス管理を中心として、ビジネスアプリケーション、分散したワークフォース、ハイブリッドクラウドワークロード、および DevOps ライフサイクル全体にわたって、人間またはマシンのいずれであるかを問わず、あらゆる ID のために極めて包括的なセキュリティ SaaS サービスを AWS 上で提供します。CyberArk Identity Security Intelligence は、標的型攻撃に関連する可視性と応答性を高めるために、 AWS CloudTrail Lake と統合しました。また、CyberArk Audit は、セキュリティイベント情報を Amazon Security Lake に提供します。 Ichilov Hospital – Ichilov Hospital の I-Medata Innovation Center は、 AWS Control Tower を利用して、機密性の高い医療データを保護しながら、AWS アカウントの迅速かつ安全な一貫性のある作成を促進しています。また、同センターは Amazon SageMaker を利用して、サイエンティストが COVID-19 患者の悪化を早期に検出するための高度な機械学習モデルを構築、トレーニング、デプロイできるようにしています。同センターは、研究者の生産性を高める能力を維持しながら、AWS 上で機密性の高い医療データを完全に保護することができました。 イスラエルのお客様の事例 をさらにご覧いただけます。 今すぐご利用いただけます 新しいテルアビブリージョンは、お客様のビジネスをサポートする準備ができています。このリージョンで利用可能なサービスの詳細なリストは、 AWS サービスのリスト (リージョン別) でご覧いただけます。 この立ち上げにより、AWS の事業活動の場は、世界各地の 32 の地理的リージョンにおける 102 のアベイラビリティーゾーンに広がりました。また、 カナダ 、 マレーシア 、 ニュージーランド 、 タイ において、12 のアベイラビリティーゾーンと 4 つのリージョンをさらに追加する計画もこれまでに発表しています。 詳細については、「 グローバルインフラストラクチャ 」のページをご覧いただき、ぜひお試しください。そして、イスラエルの AWS サポートの通常のお問い合わせ先にフィードバックをお寄せください。 – Channy P.S.私たちは、より良いカスタマーエクスペリエンスを提供するためにコンテンツの改善に注力しており、そのためにはお客様からのフィードバックが必要です。 この短いアンケート にご回答いただき、AWS ブログに関するご感想をいただけますと幸いです。なお、このアンケートは外部企業によって実施されているため、リンク先は当社のウェブサイトではありません。AWS は、 AWS プライバシー通知 に記載されているとおりにお客様の情報を取り扱います。 原文は こちら です。
この記事は、“ Introducing AWS HealthScribe – automatically generate clinical notes from patient-clinician conversations using AWS HealthScribe ” を翻訳したものです。 はじめに 本日 (2023 年 7 月 26 日)、 AWS HealthScribe (プレビュー) を発表できることを嬉しく思います。これは、医療ソフトウェアベンダーが、患者と臨床医の会話を分析して予備的な臨床記録を自動的に生成する臨床アプリケーションを構築できるようにする、HIPAA 適格の新しいサービスです。 AWS では、医療とライフサイエンスにおいて、お客様のコラボレーションの方法、データ主導の臨床および運用上の意思決定、精密医療の実現、医療費削減などの目的に特化したサービスに投資してきました。AWS には、医療やライフサイエンスのデータを保存、変換、分析、アクセスできる、高性能で人口規模のアプリケーション構築が可能な最先端の機能が備わっています。目的に特化した機能により、お客様は、臨床記録、ゲノムやその他のオミクスデータ、医用画像、構造化されていない医療テキストや音声など、さまざまな種類の医療データや科学データを管理し、そこから得た知見を活用することができます。 文書化の義務が患者の診察体験を妨げる クリニックでの忙しい一日を想像してみてください。臨床医は、すべての患者に質の高いケアを提供しようと、予約をやりくりしながら一日を過ごしています。休憩時間が限られているこの連続したスケジュールに加えて、臨床医は患者の診察を行うたびに詳細な文書を保管する必要があります。この必要な管理業務に費やされる時間と労力により、患者との貴重な対面でのやり取りの時間を奪われてしまうことがよくあります。 業界の要件により、厳密な文書化が求められます。臨床医は、患者との対面でのやり取りよりも、管理作業に約 2 倍の時間を費やすことがよくあります 1 。そのため、思いやりのあるケアを提供することと、正確な記録を維持することとの間で葛藤が生じています。この負担は、臨床医と患者の両方に発生します。患者は医療提供者からあまりケアを受けられない一方で、臨床医は燃え尽き症候群のリスクが高くなり、仕事の満足度が低下します。医療筆記は文書作成の作業負荷を軽減するのに役立ちますが、雇用、訓練、維持に費用がかかり、文書作成に時間がかかるため、同様の燃え尽き症候群に直面することがよくあります。 新時代: AI を活用した医療情報文書化ソリューション AI は、管理業務への臨床医や医療筆記の関与を大幅に減らすことで、臨床文書の作成プロセスを変革する可能性を秘めています。従来の支援型 AI エージェントは、書き起こされた会話のコンテキストを理解する能力が限られていました。しかし、生成系 AI と大規模言語モデルの進歩により、コンテキストの理解が大幅に向上しました。 生成系 AI の核となるのは、学習データから複雑なパターンを識別して再現することの学習です。この機能は、データの複雑さと多様性が大きな課題となる医療業界の課題に非常に適しています。生成系 AI は、手間と時間がかかっていたタスクを迅速化し患者ケアの時間を確保する、といった医療提供変革の支援ツールを構築する新たな機会を生み出します。 AI への期待は大きいですが、医療アプリケーション開発者は、AI を構築し臨床アプリケーションへ統合する際に、いくつかの課題に直面しています。 実装の複雑さ: 会話型 AI および生成系 AI サービスのトレーニング、最適化、統合には、時間と費用がかかる場合があります。 セキュリティ: 開発者は、AI 搭載ソリューションがセキュリティ、プライバシー、医療に関する厳しいコンプライアンス要件を満たしていることを確認する必要があり、開発プロセスがさらに複雑になります。 信頼: AI が生成する臨床記録への信頼の欠如、およびモデルトレーニングにおける患者データの使用可能性に対する信頼性の欠如は、AI ベースのソリューション採用をためらう原因となります。 AWS HealthScribe の紹介 AWS HealthScribe は、医療ソフトウェアベンダーが患者と臨床医の会話を文書化、要約し、臨床記録を自動生成するアプリケーションの開発を支援する HIPAA 適格サービスです。AWS HealthScribe は、会話型 AI と生成系 AI を組み合わせることで、臨床記録作成の負担を軽減し、診察体験を向上させます。AWS HealthScribe は、臨床アプリケーションにおける臨床記録作成を迅速に行えるよう設計された AI 搭載の堅牢な機能一式を提供します。AWS HealthScribe は、患者と臨床医の会話音声を分析して以下の機能を提供します。 豊富な診察文書化: AWS HealthScribe は、文書化された各対話において単語レベルでのタイムスタンプを含む包括的なやり取りの文書化を提供します。 話者の役割識別: 診察室にいる個人は記録の中で一意に識別され、会話の内容から医師または患者を識別します。これにより、医師と患者のやり取りの中で、「誰が何を言ったか」を明確に確認できるようになります。 文書のセグメンテーション: AWS HealthScribe は、文書化された対話を分類し、臨床関連部分を主観、客観、評価、計画などの適切な要約セクションに整理します。また、会話中の雑談や沈黙時間も特定できるため、文書の特定箇所を見つけやすくなります。 臨床記録の要約: AWS HealthScribe は、診察内容を分析し、主訴、現在の病歴、評価、計画などの項目ごとにまとめられた臨床記録を生成します。これらの要約は簡単にレビュー、編集、最終決定が行え、臨床医や筆記の診察要点を素早くまとめることができます。 エビデンスマッピング: AI が生成する臨床記録で使用されるすべての文書には、元の診察記録への参照が含まれているため、ユーザーは要約の正確性を簡単に検証できます。 構造化された医学用語: AWS HealthScribe は、病状、医薬品、治療法など、会話の記録から構造化された医学用語を抽出します。これらの医学用語を使用すると、臨床応用のさまざまな分野に関連する有用なワークフロー候補を生成したり、関連するエントリを自動提案することができます。 医療アプリケーション開発者は、AWS HealthScribe を臨床アプリケーションに統合することで、医療従事者へ患者診察時の重要な項目を強調表示することができます。 図 1: 医療アプリケーション開発者が AWS HealthScribe により医療従事者へ提供できるアプリケーション体験の実例 これらの機能を統合することで、AWS HealthScribe は個別に AI サービスをトレーニング、最適化、統合、カスタムモデルを構築する必要性を減らし、より迅速な実装を可能にします。お客様は、個々の AI コンポーネントの最適化について心配することなく、エンドユーザーへの価値提供に集中できます。 すばらしい事例として、3M、ScribeEMR、Babylon などの医療ソフトウェアベンダーがすでに AWS HealthScribe を使用して臨床アプリケーションを強化していることが挙げられます。 3M Health Information Systems(3M HIS)は業界リーダーであり、その多様な M*Modal 音声理解、対話型およびアンビエント AI ソリューションは、現在全米で 30 万人以上の臨床医によって使用されています。 3M HIS のプレジデントである Garri Garrison 氏は、次のように述べています。「AWS に組み込まれた機械学習によって、3M HIS は臨床医のワークフローや手間のかかるプロセスを変革し、医療機関における臨床文書の作成や請求業務を効率化できます。3M HIS は AWS と提携し、臨床における文書化ワークフローに直接、対話型生成 AI を導入しています。AWS HealthScribe が当社の臨床アプリケーションの中核コンポーネントとなることで、3M のアンビエント臨床文書作成やバーチャルアシスタントソリューションをより迅速かつ高度化して、大規模に提供できるようになるでしょう」 Babylon は、人々の健康を大規模に管理するデジタルファーストの統合プライマリケアサービスです。 Babylon のチーフ・サイエンス・オフィサーである Saurabh Johri 氏は、次のように述べています。「人間の持つ医療の専門知識と AI を融合することで、質の高いヘルスケアをより手頃な価格で利用しやすくし、医療従事者にかかる負担を軽減できます。その一例が臨床概要などの分野でのイノベーションであり、ヘルスケアにおけるアウトカムの改善につながる可能性を持っています。Babylon は AI イノベーションのリーダーとして、引き続き AWS と連携し、AWS HealthScribe の生成系 AI 機能と当社の自然言語処理ソリューションとの統合を探求できることを期待しています」 ScribeEMR はバーチャルメディアスクライブ(補足:遠隔医療筆記)のリーディングプロバイダーとして、何百もの診療所や病院、医療システムに医療コーディングや医療オフィス用サービスをバーチャルで提供しています。 ScribeEMR の共同創業者兼ゼネラルマネージャーである Daya Shankar 氏は、次のように述べています。「ScribeEMR が目指すのは、ヘルスケア業界における実務の効率を高め、収益を最大化して医療従事者の燃え尽き症候群を減らすために貢献することです。AWS HealthScribe の能力を活用することで、当社は生成系 AI を利用して医療文書の作成プロセスを変革することができます。AWS HealthScribe との連携により、当社の高度なプロセスは患者の来院をより効果的に把握して解釈できるようになり、EMR のワークフローやコーディング、償還手続きを最適化することができます」 図 2: AWS HealthScribe は、AI が生成した要約が診察記録にリンクされるよう、的確に設計されている セキュリティとプライバシーに重点を置き、的確に構築されています AWS HealthScribe は、患者データのセキュリティとプライバシーを優先する HIPAA 適格サービスです。AWS は、AWS HealthScribe サービスを通じて生成された入力または出力を AWS HealthScribe のトレーニングに使用することはありません。ユーザーはデータを完全に管理でき、作成文書や予備的な臨床記録の保存場所を指定することができます。 AWS HealthScribe は、医療従事者が簡単に文書作成することができることを目的として、補助的な役割で使用するよう設計されています。AI が生成した要約はそれぞれ診察記録にリンクされているため、ユーザーは原本と相互参照することで正確性を簡単に検証でき、AI が生成した記録の根拠となるコンテキストを理解できます。AI が生成する知見のトレーサビリティと透明性を提供することは、説明可能性という責任ある AI の原則と合致し、臨床現場における AI の信頼獲得と安全な利用促進に役立ちます。 まとめ AWS は医療ソフトウェアベンダーと協力し、お客様が臨床医と患者の診察体験を改善できるよう支援しています。臨床アプリケーションでは、AWS HealthScribe が豊富な診察文書を自動生成しセグメント化、患者と臨床医の話し手の役割を特定、医学用語の抽出、そして予備的な臨床記録の生成を行います。AWS HealthScribe はこれらの機能を組み合わせることで、個別に AI サービスを統合および最適化する必要性を減らし、実装を迅速化します。AWS HealthScribe は、AI が生成する臨床記録の全ての文書に元の患者記録への参照を含めることで、医療ソフトウェアベンダーが AI を責任を持って使用できるよう支援します。AWS HealthScribe には、機密性の高い患者データを保護するためのセキュリティとプライバシーの機能が組み込まれています。 AWS HealthScribe は米国東部 (バージニア) でプレビュー版をご利用いただけます。このサービスにアクセスするには、 AWS HealthScribe のサインアップページ と 製品ページ にアクセスしてください。 [1] 医師は患者応対時間のほぼ 2 倍の時間を電子カルテ / デスクワークに費やしている Jason Mark Jason Mark は、アマゾンウェブサービスの米国非営利医療部門ソリューションアーキテクトチーム責任者です。 彼は SA チームを率いてお客様の課題を解決し、AWS を活用して患者に提供するケアを改善しています。 病院の薬局システム、コーディングと償還ソフトウェア、自然言語理解プラットフォームでの仕事など、医療技術の分野で 21 年の経験を持ち、Misys Healthcare と 3M Health Information Systems で勤務していました。 彼の仕事以外の生活は、娘や犬、飛行機による飛行を中心に回っています。 Sarthak Handa Sarthak Handa は、ワシントン州シアトルのアマゾンウェブサービス (AWS) AI/MLチームにて、シニアプロダクトマネージャーを務めており、医療業界の進歩を促進する AI サービスの開発に主眼を置いています。 AWS で働く前は、スタートアップの創業者として数年間働き、医療および災害救援セクター向けのテクノロジーソリューションを構築していました。 Tehsin Syed Tehsin Syed は、アマゾンウェブサービスのヘルス AI 担当ゼネラルマネージャーであり、Amazon Comprehend Medical、Amazon HealthLake、Amazon Omics、Amazon Genomics CLI などのヘルス AI 戦略、エンジニアリング、製品開発の取り組みを主導しています。 Tehsin は、エンジニアリング、科学、製品、テクノロジーを担当するアマゾンウェブサービスのチームと協力して、画期的な医療およびライフサイエンス AI ソリューションと製品を開発しています。 AWS で働く前は、Cerner Corporation でエンジニアリング担当副社長を務め、医療とテクノロジーの交差点で 23 年間働いていました。 翻訳は Solutions Architect 松浦が担当しました。原文は こちら です。
この記事は、“ Introducing AWS HealthImaging — purpose-built for medical imaging at scale ” を翻訳したものです。 医用画像データをペタバイト規模で保存、分析、共有するクラウドネイティブアプリケーションの開発を支援する専用サービス、 AWS HealthImaging の一般提供を発表できることを嬉しく思います。HealthImagingは DICOM P10 形式(訳註:DICOMが規定したバイナリフォーマット)でデータを取り込みます。低レイテンシーの検索と専用ストレージのための API を提供します。 医療機関のお客様からは、医療チームに最高の医用画像アプリケーションを提供したいという声と、インフラストラクチャ管理の複雑さを軽減したいという声が寄せられています。私たちの研究に焦点を当てたお客様は、画像データを大規模に分析し、組織全体での連携と発見を加速させたいと考えています。これらの利用者グループはどちらも、組織のすべての医用画像アプリケーションを同じデータストアから動作させたいという希望を示しています。クラウドはこうした利用者のニーズに応えるのに役立ちます。HealthImaging を使用すると、医用画像アプリケーションや研究ソリューションを提供する AWS パートナーのような開発者は、インフラストラクチャについて心配することなく、こうした利用者の課題に取り組むことに集中できます。 医療提供と研究における医用画像の拡大 100年以上にわたり、医療提供者はX線、MRI、超音波などの医用画像を使用して、患者の内部を非侵襲的に調べてきました。 ノーベル賞受賞者のマリー・キュリーは、医用画像の初期のパイオニアの一人でした。彼女は、第一次世界大戦中に戦場の外科医がより良いケアを提供できるように、「プチキュリー」と呼ばれるX線装置を搭載した車両を開発しました。 現在、医用画像は、がん、外傷、脳卒中など、さまざまな健康状態の診断と観察に使用されています。世界中で毎年36億件を超える医用画像処理が行われ、合計でエクサバイトの医用画像データが生成されています。 医療システムは、医用画像処理に対する需要の高まりに応えるのに苦労しています。2008年以降、米国の放射線科医に割り当てられる画像検査の平均数は、1日あたり58件から1日あたり100件に増加しました。同じ時期に、一般的な画像検査のサイズは2倍になり、150 MB近くになりました。その結果、放射線科医は生産性を向上させるための新しいテクノロジーを必要としており、読影に負担のかかるワークフローを合理化し、エラーを最小限に抑えるために AI の使用が増えています。 医療機関のITグループは、新しい医用画像検査や保管された医用画像検査を管理するインフラストラクチャに、責任を持ちます。これらの組織は、急速に増え続ける画像保管を、通常はオンプレミスで管理しています。インフラストラクチャがかなりの装置面積、ITスタッフ、運用予算を消費していると見ています。また、同じ医用画像へのアクセスを必要とし、それぞれに異なるレイテンシーと解像度のニーズを持つエンタープライズアプリケーションの数が増え続けています。その結果、さまざまなアプリケーション用に各画像の複数のコピーが保存され、さらに長期保存用に追加のコピーが保存されます。その結果、データが重複し、どのバージョンの画像が信頼できるかが不確実になるため、ストレージコストが高くなることになります。 介護チームや研究グループとの連携により、データのコピーがさらに増える可能性があります。医療チームは通常、完全に識別された患者のデータを必要としますが、AIモデルを構築するチームは匿名化されたデータを使用することを好む場合があります。従来のオンプレミスアーキテクチャでは、利用者はユースケースごとにデータのコピーを追加する必要がある場合があり、その結果、ストレージコストが高くなり、運用が複雑になります。医用画像の拡大により、新しい言語やコンピュータービジョンのAIモデルの開発に使用できる膨大なデータセットが作成されました。しかし、従来のデータサイロは、研究者のデータへのアクセスを制限することでイノベーションを妨げています。 AWS HealthImagingの紹介 HealthImagingは、インフラストラクチャの準備や設定を簡素化する専用の医用画像データストアを提供し、利用者が患者のケアや研究を行う時間を増やせるようにします。HealthImaging を使用すると、組織内のすべてのアプリケーションが、重複することなくデータの単一の信頼できるコピーにアクセスでき、ユーザーはどこからでもデータに安全にアクセスできます。HealthImaging コンソールで数回クリックするだけで、ペタバイト規模の医療画像データをホストできるデータストアをプロビジョニングでき、すべての画像を低レイテンシーで取り出せる状態に保つことができます。さらに、HealthImagingは、エンタープライズイメージングソリューションの運用に必要なインフラストラクチャの量を削減し、コストの削減と運用の複雑さの軽減に役立ちます。 お客様は HealthImaging 上に構築されたアプリケーションを使用することで、ハードウェアの更新サイクルやキャパシティプランニングを気にすることなく、イメージアーカイブのストレージコストを低く抑えることができます。画像撮影装置によって新しいデータが生成されると、そのデータをHealthImagingにインポートして、PACS(picture archiving and communication systems)(訳註:医用画像管理システム)などの医療システムですぐに取得できます。 AWS DataSync 、 AWS Direct Connect 、および AWS パートナーが提供する専用ゲートウェイにより、データをエッジからクラウドに簡単に移動できます。 図 1.モダリティ (CT、X線など) によって生成されたデータのインポートから、医療システム (PACS など) や研究ワークフローによる低レイテンシーの取得までのAWS HealthImaging の仕組み AWS パートナーは利用者に代わってイノベーションを行っています AWS パートナーはすでに HealthImaging を活用して、放射線科医、医療チーム、研究者が使用する医用画像ソリューションを再考しています。 ウェイク・フォレスト・バプティスト・ヘルスは、アポロ・エンタープライズ・イメージングとHealthImagingのソリューションにより、放射線科の学生が臨床コンテンツにアクセスしやすくしています。 「私たちは、全社で、また世界中の協力者と研究や教育のために、医用画像を拡大、共有、表示できる機能を必要としています。 Apollo EI と共同で AWS HealthImaging とその最先端のエンタープライズイメージングリポジトリテクノロジーを活用することで、それが可能になりました。」— ウェイク・フォレスト・バプティスト・ヘルスのシステムマネージャー、ジョシュ・タン 医用画像処理の世界的リーダーであるフィリップスは、HealthImagingを次世代の医用画像スイートの基盤要素として使用する予定です。 「私たちのビジョンは、臨床医とスタッフが増え続ける作業負荷を管理し、ワークフローを最適化して患者の診断と治療までの時間を短縮できるようにすることです。AWS HealthImaging のような AWS の専用サービスは、フィリップスのイノベーションを加速させ、お客様とその患者にサービスを提供するのに役立ちます。当社のクラウド対応の HealthSuite Imaging PACS は、AWS HealthImaging を使用して世界中の臨床医の体験とアクセシビリティを向上させることを目指しています。」— フィリップスの最高イノベーション責任者および最高戦略責任者兼エンタープライズインフォマティクスの最高ビジネスリーダー、シェズ・パートヴィ データをオンプレミスのサイロからクラウドに移行することで、イノベーションの新たな機会が生まれます。ヘルスイメージングは機械学習用に Amazon SageMaker と統合されているため、GPU アクセラレーテッドコンピューティングにアクセスできます。NVIDIA は、HealthImaging とシームレスに連携するハードウェアアクセラレーションツールとオープンソースフレームワークに投資して、医用画像処理におけるアルゴリズム開発と AI の採用を進めています。 「NVIDIA が共同設立して推進した MONAI は、特定の分野に特化した医用画像 AI フレームワークです。これにより、研究の飛躍的進歩や AI アプリケーションを臨床効果へと迅速に変換できます。MONAI と AWS HealthImaging の統合により、医用画像をほぼリアルタイムで表示、処理、セグメント化できるため、医師のワークフローが最適化され、患者体験が向上し、病院の効率が向上します。」 NVIDIA ヘルスケア AI 製品担当グローバルリーダー、プレナ・ドグラ また、パートナーはHealthImagingのメリットをより簡単に実現できるようにしています。Dicomaticsは、HealthImagingを使用してレガシー環境から最新のクラウドベースの環境へのエンタープライズクラスのデータ移行を支援するソリューションなど、さまざまなソリューションを提供する医療情報企業です。 「Dicomaticsは、シームレスでスケーラブルな医用画像データ移行のリーダーです。オンプレミスからクラウドまで、ペタバイト規模の複雑な移行の処理に優れています。AWS HealthImaging の力により、お客様は貴重なデータの保存、臨床作業負荷、画期的な研究に特化した専用クラウドサービスを手に入れることができるようになりました。」— Dicomatics、戦略的パートナーシップ、 アビラム・ビトン氏 医用画像用の費用対効果の高いストレージ HealthImagingは、あらゆるサイズの新しいデータや画像アーカイブを保存するための総所有コストを削減できる、費用対効果の高いストレージを提供します。HealthImagingには、新しいデータや頻繁にアクセスされるデータ用のフリークエントアクセスストレージ階層と、アクセス頻度の低いデータ用のコスト効率の高いアーカイブ・インスタント・アクセス階層があります。30 日以上保存されたデータは、自動的にアーカイブ層に移動されます。動作は Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) の Intelligent-Tiering ストレージクラス と似ており、コスト削減はお客様に還元されます。 HealthImaging のどちらのストレージ階層も、ミリ秒単位のデータ取得をサポートしています。HealthImagingに保存されているすべての画像フレームは、1秒未満のレイテンシーでアクセスしてレンダリングできるため、お客様が高価なブロックストレージボリュームにデータをステージングする必要がなくなります。 スケーラブルなデータ取り込みと処理 DICOM P10 ファイルを HealthImaging にインポートするには、非同期インポートジョブを起動します。複数のインポートジョブを同時に実行することでスケールアップできます。個々のDICOM P10ファイルは画像フレームとしてインポートされ、患者、研究、およびシリーズレベルで一貫したメタデータを含む画像セットに自動的に整理されます。コピーおよび更新 API を使用すると、特定のワークフローで必要とされるイメージセットを簡単に管理できます。 各DICOM P10ファイルのピクセルデータは、効率的な可逆圧縮と解像度スケーラビリティを提供する最先端の画像圧縮コーデックであるハイスループットJPEG 2000(HTJ2K)としてエンコードされます。大量のアーカイブをお持ちのお客様は、HTJ2K を使用することでストレージ容量が削減され、コスト削減に役立つ場合があります。HealthImaging は、インポートされた各画像フレームにチェックサムを提供することで、すべてのピクセルデータが正常にトランスコードされたことを検証します。これらのチェックサムは画像セットのメタデータに追加されるため、画像フレームを取得する際に可逆画像処理を個別に検証できます。 DICOM P10ファイル内のメタデータ(患者識別情報や検査の詳細など)は、患者、検査、およびシリーズレベルで自動的に標準化されます。その結果、不一致がなくなり、データ品質が向上します。すべてのメタデータが保存され、DICOM データ要素のレジストリに基づいて正規化が実行されます。さらに、正規化された要素には、16進数のDICOMタグではなく、 PatientId などの開発者が使いやすいキーを使用してアクセスできます。 HealthImaging へのデータのインポートには料金はかかりません。ピクセルデータの符号化とメタデータの正規化は自動的に実行されます。つまり、お客様は自己管理型インフラストラクチャから HealthImaging に移行してDICOMを取り込む際のコストを削減できるということです。 リアルタイムアプリケーション向けに最適化された API 既存の画像転送プロトコル (DIMSE や DICOMWeb など) では、クラウドからのストリーミング時に遅延により、パフォーマンスが低下する可能性があります。しかし、放射線科医は、インタラクティブなワークフローや診断アプリケーションのために、待ち時間の低減を求めています。そのため、HealthImaging は、ピクセルデータやメタデータの取得を低遅延で行えるように最適化された API を提供しています。 HealthImagingは、効率的なメタデータのエンコード、可逆圧縮、およびプログレッシブ解像度の画像データアクセスのサポートにより、データ検索と画像読み込みにおいて業界トップのパフォーマンスを提供することを目的として構築されています。アプリケーションとAIアルゴリズムは、画像データをロードしなくても、APIを介して研究メタデータに効率的にアクセスできます。同様に、最先端の画像圧縮により、アプリケーションは画像品質を損なうことなく、APIを介して画像データを直接読み込むことができます。 HTJ2K コーデックは JPEG2000 よりも桁違いに速く、他のすべての DICOM 転送構文よりも少なくとも 2 倍高速です。HealthImaging を使用すると、アプリケーションは単一命令複数データ処理 (SIMD) で HTJ2K を活用して、優れた画像デコードパフォーマンスを実現できます。さらに、最新のブラウザーでは Web Assembly SIMD (WASM-SIMD) を利用して、インストール不要な Web ビューアで業界トップのパフォーマンスを実現できます。したがって、HealthImaginingを使用すると、アプリケーションは最も要求の厳しいインタラクティブなユースケースを満たすレイテンシーでデータを取得および転送できます。 まとめ 私たちのお客様とパートナーは、患者に代わってたゆまぬ革新を続けています。HealthImagingは、より多くの治療を必要とする患者に質の高いケアを提供できるよう支援しています。HealthImaging を使用すると、医用画像データをペタバイト規模で容易に管理でき、業界トップクラスのパフォーマンスでインフラストラクチャを心配する必要がなくなります。 HealthImaging を使い始めるには、 ドキュメント か、 Web ページ で詳細をご覧ください。 Tehsin Syed Tehsin Syed は、アマゾンウェブサービスのヘルス AI 担当ゼネラルマネージャーであり、Amazon Comprehend Medical、Amazon HealthLake、Amazon Omics、Amazon Genomics CLI などのヘルス AI 戦略、エンジニアリング、製品開発の取り組みを主導しています。Tehsin は、エンジニアリング、科学、製品、テクノロジーを担当するアマゾンウェブサービスのチームと協力して、画期的なヘルスケアおよびライフサイエンス AI ソリューションと製品を開発しています。AWS で働く前は、Tehsin は Cerner Corporation でエンジニアリング担当副社長を務め、ヘルスケアとテクノロジーの交差点で 23 年間働いていました。 Andy Schuetz Andy Schuetz 博士は、アマゾンウェブサービスのヘルス AI 担当プリンシパルプロダクトマネージャーであり、ヘルスケアおよびライフサイエンスのお客様向けのクラウドサービスの構築に注力しています。AWS に入社する前は、Andy はスタートアップの共同創設者であり、Sutter Health のシニアデータサイエンティストと、アルキメデス社の製品責任者を務めていました。 翻訳は Solutions Architect 窪田が担当しました。原文は こちら です。