株式会社エブリー の技術ブログ

iOSアプリでの画像処理におけるCPUとGPUのパフォーマンス比較

はじめに デリッシュキッチンのiOSアプリを開発している成田です。 アプリで画像処理を行う場合、そのパフォーマンスは非常に重要です。 画像処理を行うケースとして、例えばユーザーが送信した画像を使って何かしたいといった時に、「予めローカルで画像の平均輝度を算出し、解析できないほど暗すぎる画像は弾く」といったユースケースがあります。 そして、平

EC2インスタンスとFargateの料金比較とAWS Pricing MCP Serverの検証

はじめに こんにちは、リテールハブ開発部の杉森です。 私たちのチームでは、既存のバッチサーバーに対して、EC2インスタンスからECS on Fargateへの移行を検討しています。 しかし、「コスト面で大きなデメリットがあるのではないか?」という疑問が挙がっていました。 本記事では、実際のバッチサーバーの運用パターンを想定し、EC2インスタンスとECS on Fargateの料金に

CloudFront Functions で詰まった話、const も exports も使えない罠と解決策

はじめに こんにちは、 @きょー です!普段はデリッシュキッチン開発部のバックエンド中心で業務をしています。 AWS の CloudFront は CDN としての基本的な機能があるだけでなく「エッジで処理を実行できる」機能もあることをご存知でしょうか? CloudFront には主に 2 つのエッジ実行機能があります。 CloudFront Functions - 軽量・高速な処理用 Lambda@Edge - 複雑な処理用 この記事

スケジュールクエリの整理を行いました

はじめに こんにちは。 開発本部 開発1部 デリッシュリサーチチームでデータエンジニアをしている吉田です。 今回は、Redashのスケジュールクエリを整理し、データウェアハウス(DWH)のコストを最適化した話をご紹介します。 背景 デリッシュキッチンでは、データ分析や可視化のためにBIツールとしてRedashを活用しています。 データ基盤としては、DWHのTreasureDataにDatabr

GoのCI/CDを少しでも早くしたい

目次 はじめに 背景 現状の把握 AWS CodeBuild GitHub Actions デッドコード 改善したところ 不要なコード削除 キャッシュの有効活用 Codebuild GitHub Actions まとめ はじめに こんにちは、開発本部開発 1 部トモニテグループのエンジニアの rymiyamoto です。 プロダクトを安心安全に提供するに当たり、CI/CD を用いてテストやデプロイを自動化することで、手作業を取り除いているのは昨

CursorにAPI仕様書を作成させてみた

はじめに こんにちは、エブリーでサーバーサイドをメインに担当している清水です。 私の所属する小売アプリチームでは他社から事業譲渡という形で引き継がれた小売店様向けのシステムの保守運用を行っております。 引き継いだシステムについて PHP, Laravelで開発されており、MVCにService層とRepository層を加えた形で設計されています APIエンドポイントが100個以上 外部API

デリッシュAIの評価基盤を改善した話

デリッシュAIの評価基盤を改善した話 はじめに こんにちは、デリッシュキッチンでインターンをしている村上です。本記事では、料理アシスタント「デリッシュAI」の評価基盤を改善し、より多角的な性能評価を可能にした取り組みについて紹介します。 背景 デリッシュAIは、ユーザーのクエリに応じてチャット形式でレシピを提案する料理アシスタントです。AIモデル

生産性向上のためのドキュメント戦略

はじめに デリッシュキッチンでiOSアプリ開発を担当している池田です。 皆さんは開発現場でこんな経験はありませんか。「あの機能の仕様が知りたいのに、どのドキュメントを見ればいいのかわからない」「ドキュメントはあるけれど、欲しい情報が見つからない」。 多くの組織でドキュメントを残す取り組みは行われていますが、ドキュメントは「残す」だけでは価

Savings Plans Purchase Analyzerを使ってみる

はじめに エブリーでデリッシュキッチンの開発をしている本丸です。 エブリーでは元々Savings Plansを使用しており、AWSのコスト最適化を行っています。しかし、Savings Plansをどれだけ購入するかの意思決定は、使用量の予測やコスト削減効果の見積もりが難しく、なかなか判断に迷うことがありました。 昨年発表されたSavings Plans Purchase Analyzerを使ってみたので、今回はそ
AWS

第6回挑戦WEEK開催レポート

はじめに こんにちは、リテールハブ開発部の杉森です。 皆さんは「日常業務の中で新しい技術に挑戦する時間が取れない」と感じたことはありませんか?エブリーでは、そんなエンジニアの想いに応えるため、「挑戦WEEK」を開催しています。 挑戦WEEKとは? 挑戦WEEKは、通常の事業部のロードマップから離れ、エンジニアが自ら提案したテーマに基づいて技術的な挑戦に

社内向けRedash MCPサーバーを自作しました

はじめに こんにちは!デリッシュキッチンで主にバックエンドの開発を担当している秋山です。 エブリー開発部で先日行われた挑戦weekの中で、私たちのチームが開発したRedash MCPについて紹介していきます。 背景 現在弊社ではAIコードエディタのCursorをエンジニアとPdMに配布しています。 日々のデータ分析にはRedashを用いることが多く、PdMはCursorを使用してRedashのクエ

Flutter アプリに AWS Cognito 認証を導入した話

エブリーで小売業界に向き合いの開発を行っている @kosukeohmura です。 今回は、Flutter アプリケーションに AWS Cognito を使った認証機能を導入したプロセスについて紹介します。 バックエンドで Cognito をラップするか、アプリから直接 Cognito に接続するか Cognito を IdP として採用し認証機構を新たに開発するにあたり、バックエンドを Cognito をラップする実装方針と、アプリ

Devinでアラート初動対応爆速計画

はじめに 前提 技術スタック 監視の構成 現状の課題 Devin選定理由 1. マルチRepository対応の容易さ 2. 自律型AIとしての運用効率 構成 手順 Playbook 1. Devinの起動とSentryアラート情報の取得 2. Devin Playbookの実行 2-1. 関連情報の取得 2-2. 分析 2-3. 追加情報の取得 2-4. 図表の作成 3. Slackへ出力 結果 運用してみた結果 運用してみて見えてきた課題 まとめ はじめに 開発本部でデリッシ

AWS Lambda の IaC ツール移行:Serverless Framework から lambroll + Terraform へ

はじめに こんにちは、トモニテで開発を担当している吉田です。 AWS を活用したサービス運営において、IaC(Infrastructure as Code)ツールの選択は長期的な運用効率に影響することがあります。 本記事では、実際に私たちが経験した Serverless Framework v3 から lambroll と Terraform への移行事例をもとに、 移行の背景から具体的な手順、そして移行を通じて得られた知見についてま

MLflow Tracing時に並行処理するとTracingが分かれる問題への対処法

はじめに こんにちは。デリッシュキッチンでデータサイエンティストをしている古濵です。 今回はニッチな内容ですが、タイトル通りの問題が発生したため、その対処法について備忘録的にまとめます。 動作環境は以下になります。 Databricks Runtime: 15.4LTS for ML Python: 3.11.11 ライブラリはDatabricks Runtimeのバージョンから以下にアップグレードしています openai==1.65.2 mlflow==2.20