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はじめに これまで、NIST CSFを用いたセキュリティリスク可視化や、FISC安全対策基準を基にしたセキュリティアセスメントに携わる中で、アセスメントの品質を維持しながら、いかに効率的に実施するかという課題に直面してきました。例えば、既に別のフレームワークに基づく評価結果が存在する場合、その結果を有効活用できれば重複する確認を削減できるのではないかと考えていました。本稿では、この課題に対して既存のアセスメント結果を転用できる可能性について検証します。 本稿での取り組み 異なるセキュリティフレームワーク間でのマッピング方法を説明しているNIST IR8477の考え方を発展させて、
SAP BDCナレッジ集:SAP Business Data Cloud導入で最初に設計したいこと/Jouleを支えるIAMとランドスケープ(後編) 前編について 前編では、SAP Business Data Cloud(BDC)導入時に、認証局をどこに置くか、SAPサービスを横断してどのアイデンティティを利用するかという観点から、AI連携時代の認証局設計について整理しました。 特に、JouleなどのAIサービスとの連携を見据えると、認証を単なるログインの仕組みとしてではなく、SAP BTPやSAP Analytics Cloudなどを含めた全体アーキテクチャの基準点として考える
前置き AIで簡易なペネトレーションテストをする場合、基盤がAWS(Amazon Web Services)ならAWS Security Agent(現在はAWS Continuumの一部)が楽ですが、他クラウドを利用しているケースや、すでにAWS Bedrock以外のLLM基盤を整備しており、それを利用したいケースを想定して、本記事を書いてみました。 はじめに 2026年9月現在、LLMの性能向上によってWebセキュリティを取り巻く状況は大きく変化しており、特にフロンティアモデルと呼ばれる高性能なLLMを用いたWebシステムへの攻撃が脅威となっています。 従来は攻撃には、脆弱性
本記事の結論 Phase 2のPFSをAzure : PFS2048 / Oracle Alloy : GROUP14(ともにDH Group 14)で 明示的に一致させることで、2020年当時に報告されていた「約1時間後の通信断」は発生せず、 Phase 2 Rekeyの正常完了と、Rekey前後で通信可能な状態が維持されることまで確認できました。 1. はじめに AzureとOracle Cloud Infrastructure(OCI)をSite-to-Site VPNで接続する機会があり、構成を検討する中で、2020年に公開された「AzureとOCIでサイト間(S2S)V
1. はじめに 生成AIのサンプルアプリには、AWS の資格情報がなくても動くようにフォールバック経路を持たせたものがあります。デモとしては親切な作りですが、検証に利用する場合には注意したい点もあります。環境変数を立てて「実際のモデルを呼んでいるつもり」で測った結果が、実はテンプレート生成だった、という取り違えが起こり得るからです。 AWS(Amazon Web Services)の公開サンプル aws-samples/sample-contextforge にも、このような切り替えの仕組みがあります。ローカルの SQLite と OWL オントロジーだけで完結する2つのモードと、A
― Harness EngineeringとSwitchyardで考えるTokenomics はじめに 1つ前の記事では、NVIDIA研修の事前課題についてご紹介しました。この記事では、NVIDIA の AI Advisors Workshop に参加してきましたので、その続きについてお伝えします。(講師は、マクニカ、NVIDIA の方でした) 研修では、Agentic AI、NVIDIAのAIエコシステム、AI Factory、製造業・金融業でのユースケース、Go-To-Market、PoCの進め方など、技術からビジネスまで幅広いテーマが扱われました。 その中でも、個人的に特に
0.はじめに この記事は、LinuCレベル4システムアーキテクト(LinuC SA)の資格受験記です この記事の目的は、学習方法、試験内容・難易度、受験によるメリットなどを紹介することで、LinuC試験に関心を持っていただくことです LinuC SAに興味がある方、特にITアーキテクトを目指している中級~上級エンジニアの参考になれば幸いです 本記事は筆者個人の体験・見解に基づくものであり、所属組織を代表するものではありません。 また、本記事では秘密保持契約(NDA)を遵守し、実際の試験問題・解答等の内容には触れません。 本記事は2026年9月時点の情報をもとにしています。試験制
はじめに 想像してみてください、大人数が関わるプロジェクトで何人ものエンジニアがそれぞれ数体のAIエージェントを動かしている。 数十の変更が同時に生まれて、夜になると一つのブランチに集まってくる。 朝、何ができ上がっているでしょう。 きれいに動く一つのシステムか。 それとも、つぎはぎだらけで噛み合わないシステムか。 これを分けるのは、設計だと思います。 私はWebアプリケーションのシステム開発を中心にやってきたアーキテクトです。 (Javaを中心にエンタープライズシステム系やコンシューマ系のWeb開発を長年) ときどきで立場が変わりますが、それなりに規模の大きいSI界隈で、複数人・複
1. はじめに 長いシステムプロンプトや業務ドキュメントを毎回のリクエストへ載せる構成では、input トークンの単価がそのまま運用コストになります。Prompt Cache は同じプレフィックスの再送分を割引単価に振り替える仕組みですが、実際に割引が乗るかどうかは「キャッシュエントリが同じキーとして扱われるか」で決まります。キーが分かれれば、割引ではなく書き込み単価の上乗せだけが残ります。 AWS(Amazon Web Services)は 2026/09/08(米国時間)に OpenAI の GPT-6 Astra を Amazon Bedrock で提供開始しました。 http
1. はじめに 生成 AI の利用が広がると、「使った後に請求で気づく」だけではなく、予算到達を検知した後の追加利用をできるだけ早く止める仕組みが必要になります。筆者はこれまで、止める場所を Gateway に置く方法を2通り検証してきました。1つは LLM Gateway(LiteLLM)を自前で構成してユーザー単位の上限を持たせる方法です。 https://zenn.dev/nttdata_tech/articles/0aef5de18fae3c もう1つは Amazon Bedrock AgentCore Gateway の Interceptor で Budget を判定する
はじめに NTT DATAの刈谷です。私たちは、仮想化基盤を管理・運用するソフトウェア Prossione Virtualization(以下、PV)を開発しています。本記事は「Prossione Virtualizationを理解する・使ってみる」シリーズ Vol.1 です。 サーバー仮想化は、いまや社会インフラを支える当たり前の技術になりました。クラウド上のサーバーも、社内のシステムも、その多くは仮想マシン(VM)の上で動いています。ふだんは意識せずに使えてしまう技術ですが、その構造を知っているかどうかで、見えてくるものは変わります。 VMを作って使うだけであれば、仮想化の内部ま
1. はじめに 2026/09/01、Anthropic は新世代フロンティアモデル Claude Fable 5.1 をAmazon Bedrock および Claude Platform on AWS で提供開始しました。同日、AWS(Amazon Web Services)と Anthropic の協業で Enterprise Frontier Safeguards(EFS) をアナウンスしています。 企業が直面する本質的なジレンマがあります。それは「フロンティアモデルの高度な推論能力」と「セキュリティ要件としてのゼロデータ保持(ZDR)」の両立です。従来、この両者は相反するも
1. はじめに エージェントの記憶をエンドユーザー単位で分離するとき、AgentCore Gateway に Memory connector の target を置く構成では、Memory から見える呼び出し元が gateway 実行ロールに集約されます。そのため IAM ポリシーの条件キーで「誰のリクエストか」を絞り込むことができません。前回の記事で、JWT の検証と実行ロールだけの状態では user-a のトークンで user-b の会話本文まで取得でき、実行ロールに namespace 単位の Deny を置くと正当な所有者のリクエストまで 403 になることを実測しました。
1. はじめに エージェントの記憶をテナントやユーザーで分けるとき、分離をどの層で強制するかが設計の分かれ目になります。呼び出し元が IAM プリンシパルなら IAM ポリシーの条件キーで絞り込めますが、エンドユーザーがそれぞれのアイデンティティでエージェントを使う構成では、リクエストを出す IAM プリンシパルが全ユーザーで共通になるため、「誰のリクエストか」を認可へ持ち込む別の手段が必要になります。 AWS(Amazon Web Services)は 2026/08/28 に、Amazon Bedrock AgentCore Memory の fine-grained acces
1. はじめに エージェントに Web 検索させるとき、検索先ドメインを制限したい要件は多いです。社内ポリシーで参照先を公式ドキュメントに限定したい、古い情報を拾わせたくない、といったものです。 AWS(Amazon Web Services)は 2026/08/19 に、Amazon Bedrock AgentCore の Web Search Tool へドメインフィルタと公開日フィルタを追加したことを公式ブログで公開しました。特徴はフィルタが2層あることで、管理者が Gateway target に設定するもの(以下 admin フィルタ)と、エージェントがリクエストごとに指定
はじめに 私はこれまで、ChatGPTを文書の下書きや情報整理、分からないことを調べる際に利用してきました。 非常に便利で、今では分からないことがあると、検索するより先にChatGPTを開いています。もはや相談相手というより、反射に近いかもしれません。一方で、同じような指示を出しても期待した結果にならないことや、生成された内容のどこを重点的に確認すべきか分からないこともありました。 議事録作成のように繰り返し行う業務でも、どの情報を渡し、どの点を人が確認すべきかまでは明確に分かっていないまま使っていました。 そこで、OpenAI Academyの「AI Foundations」「Ap
1. はじめに エージェントに長期記憶を持たせるとき、記憶をどの単位で分けるかは設計の入口になります。1つのエージェントを複数の組織やテナントで共有するなら、「A社の会話から抽出した事実がB社の応答に混ざらない」ことを仕組みとして保証したいところです。 Amazon Bedrock AgentCore Memory は、長期記憶のレコードを namespace という階層パスで整理します。namespace は memory strategy ごとにテンプレートとして定義し、{actorId} のような変数を埋め込めます。ただし従来使えた変数は {actorId} / {sessio
1. はじめに Amazon SageMaker Feature Store のオンラインストアへ特徴量を書き込む手段は、長らく PutRecord だけでした。PutRecord は 1回の呼び出しで 1レコード × 1フィーチャーグループ(以下 FG)しか扱えないため、顧客 200人 × FG 2つを更新するだけで 400回の API 呼び出しが必要になります。さらにオンラインストア自体を直接一覧する API がありませんでした。Standard tier ではオフラインストアを Athena で照会する回避策がありますが、リアルタイムの状態ではありません。オフラインストアを持た
Issue を登録すると、ローカル LLM が内容を読み取って実装を行い、Merge Request までやってくれる。そんな AI 自走環境を GitLab と Ollama で完全ローカル環境としてつくってみました。 最近は、GitHub Copilot Cloud Agentのように、Issue を渡すだけで AI が実装から Pull Request の作成まで進めてくれる開発体験が登場しています。似たようなことをローカルで再現できないか、というのが思いついたきっかけです。 https://docs.github.com/en/copilot/concepts/agents/cl
はじめに 近年、生成AIやLLM(大規模言語モデル)の急速な普及を経て、テクノロジーの潮流は単なる「テキスト対話」から、自律的に判断して行動する「Agentic AI(エージェント型AI)」や、リアルな物理環境と連動する「Physical AI(物理AI)」へと決定的な進化を遂げています。 NVIDIAと聞くと「高性能なGPUを供給するハードウェアベンダー」というイメージを持ちがちです。 しかし、NVIDIAの研修(正確には研修を受けるための事前課題)を受けてみると、その真価はGPU単体だけではなく、GPUを取り巻くメモリやネットワークを含むハードウェア、GPUを最も有効に利用できる