株式会社メルカリ の技術ブログ

Elasticsearchのベクトル検索におけるフィルター使用時のパフォーマンス改善

Search Infra Teamのmrkm4ntrです。 画像検索にElasticsearchのベクトル検索(kNN検索)を活用しています。しかし、従来のキーワード検索と比較して、同等のリソースで処理できるQPS(Queries Per Second)が大幅に低いという課題がありました。そこで、Elasticsearch 8を基に、kNN検索のパフォーマンスをどこまで改善できるのかを調査しました。 kNN検索の構成と課題 今回の検証で使用したkNN

メルペイ Payment Coreチームで学んだ2ヶ月間の振り返り

こんにちは。メルペイ Payment Core Teamで2ヶ月間インターンシップをした@taichiです。 この記事は、 Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の22日目の記事です。 はじめに 私は4月の中旬から6月の中旬の間、 バックエンドエンジニアとしてメルペイのインターンシップに参加しました。今回はインターン期間中に取り組んだタスクを振り返り、 そこで得た学びをまとめたいと思い

KubeCon + CloudNativeCon 2025 Japan 参加レポート(おまけ:Envoy拡張のWasmフィルタのデモ実装)

こんにちは。メルカリモバイルのソフトウェアエンジニアの @keiitaj です。 この記事は、 Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の21日目の記事です。 概要 本記事は、2025年6月16-17日に日本で初開催されたKubeCon + CloudNativeCon 2025 Japan の参加レポートです。 この記事の内容: 日本初開催のKubeConイベントレポート 注目セッション Envoy拡張用Wasmフィルタのローカル環境上のデモ実装

PJ-Aurora:メルカリにおけるUI生成・評価の取り組み

こんにちは。メルペイで機械学習とAIのチームのEMをしている@hiroです。 この記事は、 Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の21日目の記事です。 メルカリ、メルペイでは生成AIの活用を非常に積極的に推進しています。今回の「Merpay&Mercoin Tech Openness Month 2025」においても、自然発生的に多くのメンバーが生成AIをテーマに選択しており、これは会社全体でのAI活用の機運の高

AI時代の組織変革:エンジニアリングマネージャーが見たメルカリグループの半年間の軌跡

こんにちは。メルペイ Payment & Customer Platform Manager of Managers の @abcdefuji です。 この記事は、 Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の19日目の記事です。 要旨 2024年末から2025年6月の半年間で、メルカリではAIツールの導入において劇的な変化を遂げました。数十名から始まったパイロットプロジェクトが、わずか4ヶ月で1,100アカウントを超える全社規模の導入に成功しました

メルカリの Design System をリニューアルしました

Design System チームの engineering manager をしている vwxyutarooo です。 私達はメルカリのアプリ・ウェブ開発に利用している Design System をフルリニューアルしました。 この記事で Design System に抱えていた問題とそれをどのように解決しようとしているのか、そのコンセプトを紹介していきます。 既存の Design System に抱えていた課題 既存の Design System は社内で 3.0 と呼ばれており

Web版メルカリにメルコインの機能を組み込む検証をした話

こんにちは。メルコイン フロントエンドエンジニアの@y-arimaです。 この記事は、 Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の18日目の記事です。 本記事では、Web版メルカリからメルコインAPIへの疎通確認を行ったPoC(Proof of Concept)について、技術的な課題と解決策、そして得られた知見を紹介します。 背景と目的 現在、メルコインの機能を利用できるWebサービスは存在しませ

メルカリグループの全社的なDevEx改善の仕組みづくり

Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の第17回目のブログ投稿です。 ntk1000 です。MerpayでKYCチームとPartner Platformチームのエンジニアリングマネージャーを務めています。本日は特定のチームについて話すのではなく、開発者体験(Developer Experience)を向上させるための会社全体のエンジニアリングOKRイニシアチブについて共有したいと思います。 1. なぜDevExなのか? Developer Exp

初めてのWWDC25に現地参加!Apple Parkで体験した特別な数日感

こんにちは。メルペイ iOSエンジニアの @shunta です。 この記事は、 Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の16日目の記事です。 今回は、WWDC25に現地参加してきたので現地の雰囲気やイベントなどについてご紹介します。 私は、今回が初めての参加なのでとてもワクワクしました! WWDCとは WWDCは、Appleが毎年開催している開発者向けのカンファレンスです。最新のiOSやmacOSなど

「自分ができる領域が増えた」-Cursorを使って未経験のKotlinコードレビューに挑戦

こんにちは。メルカリモバイル iOSエンジニアでTech Leadをしています @takeshi です。 この記事は、 Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の16日目の記事です。 今回は私が業務中に利用したAIエージェントの経験を紹介します。 Cursorを使って未経験のKotlinコードをレビューして、iOS/Androidの実装差分をなくした話です。 メルカリモバイルチームについて まず私のチームであるメ

gRPC Federationを使った3rd party API開発事例:マネーフォワード連携から学ぶ実装ノウハウ

こんにちは。メルペイ Credit & Payment Service / Engineering Headの @fivestar です。 この記事は、 Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の20日目の記事です。 今回はメルペイで主にBFF向けに採用しているgRPC Federationという仕組みを使って、3rd party向けのAPIを実装する取り組みの事例紹介になります。 BFF(Backends For Frontends)開発に導入されているgRPC Federation gRPC Federation は、Protocol Buffers

Mercari Pipeline (旧Mercari Dataflow Template) v1(β版)を公開しました

はじめに こんにちは。メルペイ Solutionsチーム所属のデータエンジニア @orfeon です。 この記事は、 Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の15日目の記事です。 2020年にデータパイプラインをJSONで定義して実行することができるツールとしてmercari/DataflowTemplateを開発して OSSとして公開 しました。 最近このツールに大幅な機能追加を行い、 mercari/pipeline と名前を変更してv1.0.0(β

メルペイにおける6年間のインシデント対応・管理で直面した課題と改善

こんにちは。メルペイSREの @foostan です。 この記事は、 Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の14日目の記事です。 皆さんはインシデント対応は好きですか。多くの方はこの答えにNoと答えるかもしれません。ただこの業界にいるとYesと答える方もいてなかなか楽しい気分になることがあります。ちなみに私はインシデントの非日常感に少し高揚するタイプではありますが、

メルカリモバイル開発チームでAI Hackathonをした話

こんにちは。メルカリモバイル Backend チームでエンジニアリングマネージャーをしている @k_kinukawa です。 この記事は、 Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の12日目の記事です。 2025年4月21日にメルカリモバイル開発チームでオフサイトミーティングを実施し、その中でAI Hackathonを開催しました。チーム内でのAI活用を促進することを目的とし、約20名のソフトウェアエンジ

SRE2.0: LLMサービスの信頼性を測る新しい評価指標の紹介

こんにちは。Fintech SREの佐藤隆広(@T)です。 この記事は、 Merpay & Mercoin Tech Openness Month 2025 の11日目の記事です。 Google社が提唱し、 Site Reliability Engineering Book によって広く知られるようになったSREの信頼性マネジメントは、開発と運用の関係性を再定義し、SLI/SLOとエラーバジェットに始まり、Availability・Latency・エラーレート・トラフィック・リソース飽和度・耐久性とい